データサイエンティストへの転職を考えている方のなかには、「経験者としての強みをどうアピールしたらいいかわからない」「未経験だと何を書いたらいいかわからない」など、志望動機についての悩みを抱えている方もいるでしょう。
本記事では、データサイエンティストの志望動機の書き方について、経験者・未経験者別に例文を交えて解説します。NG例や魅力的に書くコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
データサイエンティストの志望動機を書く前に確認しておくこと
データサイエンティストの志望動機を書く前に、次の2つについて確認しておきましょう。
それぞれについて解説します。
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストは、企業が抱える課題を解決するために、データの収集や分析、解決策の提案などをするのが主な仕事です。
データサイエンティストの仕事は、企業が抱える課題を抽出し、解決に必要なデータを収集するところから始まります。そして、最新の統計手法や、AI技術を駆使した解析などで多くのデータを分析し、ビジネスやマーケティング施策に対して仮説を立案します。
データサイエンティストの仕事は、データを収集して分析するだけでは終わりません。特定の課題を解決するために必要なデータの選定なども含め、分析したデータの評価や考察を行い、解決策を提案することまでが業務の一部です。ユーザーの消費行動が目まぐるしく変化する現代でビジネスを行う上で、重要な役割となっています。
データサイエンティストに求められるスキル
データサイエンティストには、主に次の3つのスキルが求められます。
- データサイエンススキル
- ITスキル
- ビジネススキル
データサイエンススキルは、具体的には情報処理や数学、統計学などの専門知識のことを指します。ビッグデータを扱い分析をするためには、欠かせないスキルといえるでしょう。
ITスキルは、とくにプログラミング言語やデータベスについての理解、データの加工・解析に必要なアルゴリズムの知識などが必要です。
ビジネススキルは、特に関係者へのヒアリングや提案などの際に欠かせないコミュニケーション能力や、チームで業務を進める際に必要なマネジメント能力などが求められます。
データサイエンティストの志望動機の書き方!押さえるべきポイントを紹介
ここではデータサイエンティストの志望動機の書き方を解説します。志望動機を書く際は、次の4つのポイントを押さえておきましょう。
それぞれについて解説します。
志望動機の基本構成:文字数は200〜300文字
文字数の指定がない場合は、200〜300字を目安にするとよいでしょう。志望理由や自身の強みを十分にアピールし、なおかつ採用担当者が短時間で内容を把握できる文量は、200〜300字が適切といえます。
あまりにも文字数が少ないと、志望理由や自身の強みを十分にアピールができないだけでなく、やる気がない印象を与えてしまう恐れがあります。かといってダラダラとまとまりのない文章を書いてしまっては、何を伝えたいのかがわからなくなってしまい、文章力がないと判断されてしまいます。
要点を押さえた簡潔でわかりやすい文章を心がけ、200〜300文字に収まるようにしましょう。
応募先企業で働きたい理由を明確にする
ひとくちにデータサイエンティストといっても企業によって対応する業務が異なるため、なぜ応募先の企業で働きたいかを明確に伝えることが重要です。
「どの企業でもいいからデータサイエンティストとして働きたい」という人よりも、「データサイエンティストとしてその企業に貢献したい」という人のほうが、より熱意が伝わり、企業からも求められます。志望先の企業の理念や特徴、扱っている事業やサービスなどを十分に調べ、自分の希望や目的と企業のビジョンが一致しているということを具体的に盛り込むようにしましょう。
経験やスキルのアピールではデータ・数値も意識する
データサイエンティストの業務は専門的なスキルが求められるため、アピールできる経験やスキルは具体的に示すことが大切です。保有している資格はもちろん、現状のスキルレベルを具体的に伝えるようにしましょう。
これまでどのような業務に携わってきたのか、どの程度のレベルの業務ができるのかなどが分かるように記載し、具体的な事例やエピソードなども添えられるとよいでしょう。
入社後にどう活躍できるか将来像を伝える
入社後にデータサイエンティストとしてどう活躍できるかについて、明確なビジョンを示すことも大切です。志望先の企業の事業戦略や方向性を理解したうえで、自身の経験やスキルをどのように生かせるかを具体的にアピールしましょう。
自身のキャリアプランと志望先の企業が目指す方向性がマッチしていることが伝われば、採用担当者も入社後の活躍をイメージしやすくなるでしょう。
データサイエンティストの志望動機の書き方【経験者の例文】
ここではデータサイエンティストの志望動機の書き方について、経験者の場合の例文を2つ紹介します。
それぞれの例文とポイントを解説します。
経験者向け:実績やスキルをアピールした例文
私はこれまでデータサイエンティストとして、食品業界でデータベースの開発や分析業務に5年間従事しておりました。PythonやC言語を中心としたプログラミング言語スキルを活かし、顧客アンケートや競合データの分析をもとにした商品企画の立案を行ってきました。
開発した商品は主力事業となり、プロジェクトを立ち上げてから5年間で業績を約30%アップさせています。
新しいプロジェクトを立ち上げて商品開発におけるモデルを構築した経験を活かし、今後は人々の健康を支える分野で尽力したいと考え、ヘルスケア事業を行っている貴社を志望しました。プログラミング言語や数学の知識、データ分析のスキルを活かし、貴社の事業に貢献していきたいと考えております。
ポイント解説
具体的な業務内容や携わった期間、使用しているプログラミング言語などは、具体的に書くことが大切です。期間や実績などは、できるだけ数字で示すと説得力が増します。実績やスキルを具体的に示し、即戦力として活躍できることをアピールしましょう。
経験者向け:企業理念や取り組みへの共感をアピールした例文
このたび私が貴社を志望したのは、AI技術の活用に力を入れている姿勢と、社員の成長を促すための取り組みに注力している理念に魅力を感じたからです。
私はこれまで、事業会社のデータサイエンス部門に5年間所属していました。PythonやPHPなどのプログラミング言語を用いて、データベースの開発や分析環境の構築・運用に従事しておりました。会社の主力サービスの提供の見直しに携わり、3年間で運用コストを15%抑えることに成功しました。
貴社の最先端技術を活用できる環境や充実した研修制度のもと、これまで培ったスキルを活かし、さらなる自己研鑽を重ねながら貢献したいと考えております。
ポイント解説
経験者としての実績やスキルをアピールすることに加え、企業理念や取り組みについて共感した部分を伝えることで、志望動機がより明確に伝わります。企業理念のどの部分に共感したのか、どの取り組みに興味をもったかなどを具体的に示し、熱意をアピールしましょう。
データサイエンティストの志望動機の書き方【未経験者の例文】
ここではデータサイエンティストの志望動機の書き方について、未経験者の場合の例文を2つ紹介します。
それぞれの例文とポイントを解説します。
未経験者向け:データサイエンティストを志望する理由をアピールした例文
私は大学で統計学を専攻し、前職ではデータ分析に携わる機会が多かったことから、データサイエンティストの仕事に興味を抱くようになりました。前職ではマーケティング担当としてデータのもつ重要性や影響力の大きさを知り、データ分析をもとにした課題解決の必要性を実感しました。
そこで、手掛ける事業の幅が広い貴社でより多くの課題と向き合い、データサイエンティストとしての経験を積み、貴社の事業に貢献していきたいと考えています。
データサイエンティストとして活躍するために独学で習得したPythonやR言語などのプログラミング言語や、マーケティングで培った分析力を活かして、貴社の企業価値の向上に貢献したいです。
ポイント解説
未経験の場合は、独学で勉強したことや、志望するきっかけとなったエピソードなどを具体的に伝えることが大切です。習得したスキルや取得した資格、生かせる経験などがあれば、具体的に記載しましょう。
未経験者向け:他業界や他職種での経験をアピールした例文
私はこれまで製造業界の品質管理に従事しており、データ分析をもとにした生産性の向上にチーム全体で取り組みを行い、分析結果をふまえたさまざまな業務改善の結果、製品不具合を20%以上削減することに成功しています。
この経験から、データサイエンスの重要性を強く実感し、データサイエンティストとして企業のさまざまな課題解決に携わるようになりたいと考えるようになりました。
これまで培ってきたデータ分析結果の活用スキルを活かし、より大きなデータを扱う貴社で、データサイエンティストとして企業価値の向上に貢献していきたいと考えています。
ポイント解説
他業界や他職種でデータ分析や課題解決などに携わった経験は、データサイエンティストの仕事が未経験であっても十分なアピール材料となります。さらに応募先の企業で活躍したい理由も明確に示すことで、より熱意が伝わるでしょう。
データサイエンティストの志望動機でこれはNG
データサイエンティストの志望動機でNGな内容は、次の通りです。
それぞれについて解説します。
志望理由が自己都合ばかり
志望理由が自己中心的な内容ばかりだと、印象が悪くなる恐れがあります。たとえば給与や福利厚生などの待遇面は、転職先を選ぶ際に重要視するケースもあるでしょう。しかし、給与や福利厚生のみを志望理由として示すと、「もっと待遇のいい企業があればすぐに転職するのではないか」と思わせてしまうかもしれません。
自己都合のみの内容ではなく、仕事内容に関連する志望理由を具体的に伝えられるようにしましょう。
内容が曖昧で具体性がない
一般論を並べただけのような、具体性がなく曖昧な内容では熱意が十分に伝わりません。「これまでの経験とスキルを活かして貴社に貢献します」のような文章では、入社後にどのような活躍をしてくれるのかイメージが湧かないでしょう。
「どのような経験をしてきたのか」「どの程度のスキルを保有しているのか」「入社後はどのように貢献するのか」などを明確に示すことが大切です。
データサイエンティストの志望動機を魅力的に書くコツ
データサイエンティストの志望動機を魅力的に書くためには、次の3つを意識するとよいでしょう。
それぞれについて解説します。
徹底した企業研究
企業分析を十分に行うことで、自身の経験やスキルをどう活かせるのか、企業のためにどのように貢献できるのかなどをより具体的にアピールできるようになるでしょう。企業研究とは、応募先の企業の歴史や成り立ち、経営理念や事業内容、組織構造、評価制度など、さまざまな項目の情報を得ることです。
志望動機を書く前に徹底した企業研究を行い、より具体性のある内容が書けるように準備しておきましょう。
自己分析・棚卸し
自己分析やキャリアの棚卸しを十分に行うことで、自身の強みをより明確にアピールできるようになるでしょう。
自己分析とは、自分の性格や価値観、得意分野や苦手分野などを整理して客観的に評価し、自身のアピールポイントをまとめていく作業です。また、キャリアの棚卸しとは、これまでに経験した業務内容や実績、習得したスキルなどを時系列で整理し、自身の強みや志向を把握する作業です。
自己分析とキャリアの棚卸しをして明確になった自身の強みについて、志望先の企業でどう活かせるのかを具体的に書けるとよいでしょう。
キャリアビジョンの明確化
長期的なキャリアビジョンが明確な人は、十分な自己分析と企業分析ができていると評価されやすくなるでしょう。キャリアビジョンとは、働き方や生き方について、将来こうなりたいという具体的なイメージや目標のことです。
キャリアビジョンが明確になると、これまでの経験の生かし方や自分が取るべき行動もクリアになり、志望先の企業でどのように活躍したいのかも具体的に示せるようになります。
データサイエンティストの志望動機を魅力的に書き、転職を成功させよう
データサイエンティストの志望動機は、応募先の企業で働きたい理由や、自身の経験やスキルを具体的に示し、入社後どのように活躍できるかを明確に伝えることが大切です。
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