ネイティブアプリとは?意味やWebアプリとの違い、メリット・デメリットを解説

ネイティブアプリとは?意味やWebアプリとの違い、メリット・デメリットを解説

スマートフォンやタブレットの普及により、私たちの日常のなかで欠かせないものとなった「ネイティブアプリ」。これからアプリの開発を考えている人のなかには、ネイティブアプリとWebアプリのどちらを開発すべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

今回は、そんなネイティブアプリについて、意味やWebアプリとの違い、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

アプリの種類

まず、アプリの種類には「ネイティブアプリ」と「Webアプリ」、さらにネイティブアプリとWebアプリを組み合わせた「ハイブリットアプリ」の3つがあります。ここでは「ネイティブアプリ」と「Webアプリ」について、それぞれ意味や特徴を解説します。

ネイティブアプリとは

ネイティブアプリとは、「App Store」や「Google Play ストア」などのアプリケーションストアから各端末にインストールするアプリのことです。代表的なネイティブアプリには、SNSアプリや乗り換え案内アプリ、店舗アプリやゲームアプリなどがあります。

一度インストールすると、ホーム画面にアイコンが表示され、アイコンを押すだけで簡単に起動することができるのが特徴です。また、それぞれのOS向けに開発されるため、機能性や操作性が高いのも利点といえるでしょう。

Webアプリとは

Webアプリとは、「Safari」や「Google Chrome」などのWebブラウザ上で使用されるアプリのことです。代表的なWebアプリには、GmailやYouTube、Amazonなどが挙げられます。

Webアプリはインターネット環境下でなければ利用できませんが、アプリをインストールしなくても利用できるため、手間を省けるという利点があります。ユーザーはブラウザからWebサイトにアクセスするだけですぐに使用できるのが大きな特徴です。

ネイティブアプリとWebアプリの違い

ネイティブアプリとWebアプリの違いは、主に以下の通りです。

  • 動作する場所
  • 利用可能な環境
  • 動作速度

ネイティブアプリは端末上で動作しますが、WebアプリはWebブラウザ上で動作するため、インターネット環境がなければ使えません。それに伴い、Webアプリは動作速度が環境に左右されるという違いもあります。

また、開発側の視点でみると、手数料や開発の自由度なども異なります。Webアプリはネイティブアプリに比べて、アプリケーションストアを経由しない分手数料がかからず、審査もないため自由に配信やアップデートができます。

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ネイティブアプリのメリット

アプリの開発をする際には、ネイティブアプリとWebアプリそれぞれのメリット・デメリットを理解したうえでどちらを開発するか決めることが大切です。まずはネイティブアプリのメリットとして、以下の3つを紹介します。

それぞれ順に見ていきましょう。

オフラインの環境下でも使用できる

ネイティブアプリは、一部のアプリや機能などを除いて、基本的にオフラインの環境下で使用することが可能です。アプリをインストールしていれば、地下やトンネルといった電波の届きにくい場所にいても使用できたり、通信制限を気にすることなく利用できたりします。

そのため、インターネットの有無や電波の良し悪しなどに左右されず、いつでも必要な情報が手に入ったり有意義な時間を過ごせたりするでしょう。

動作が速い

ネイティブアプリは、Webアプリに比べて動作が速いといったメリットがあります。端末にインストールをして使用するため、通信環境に左右されることなく、どのような状況であってもスムーズな動作が実現できるのです。

コンテンツの読み込みや画面遷移のスピードは、ユーザーがストレスなく継続的に利用するためにも欠かせない要素です。ネイティブアプリならではの一つ一つの素早い動作が、顧客満足度の向上につながるでしょう。

端末の機能が使える

端末にある機能が使えるのも、ネイティブアプリならではのメリットです。たとえば、iPhoneやiPadであればiOS専用、AndroidであればAndroid OS専用のアプリが開発されるため、カメラやプッシュ通知、GPSといったOSの機能を活用できるのです。

店舗アプリの場合、プッシュ通知や位置情報を利用してクーポンや地域限定イベントのお知らせをするなど、リピーターの獲得にも役立つでしょう。

ネイティブアプリのデメリット

ネイティブアプリには、前述したメリットがある一方で以下のデメリットもあります。

それぞれ詳しく解説します。

ユーザーを獲得しづらい

ネイティブアプリは、GoogleやYahoo!などからの集客が見込めないため、ユーザーを獲得しづらいといったデメリットがあります。ネイティブアプリの集客方法は、アプリケーションストアでの検索や広告宣伝がメインになるので、宣伝がうまくいかないとなかなか認知してもらえません。

また、アプリを初めて使用するまで、アプリケーションストアで検索してからインストールするというステップがあるのも、新規ユーザー獲得のハードルを高くしている要因の一つだといえます。

開発コストや時間がかかる

対象OSによって開発環境が異なるため、iOSとAndroid OSどちらにも対応できるように開発するとなると、その分開発コストや時間がかかってしまいます。使用するプログラミング言語も異なるので、開発するための知識もより多く身につけなければいけません。

また、OSのアップデートに対応する必要があり、アップデートやバグの修正などの費用も都度かかることから、Webアプリよりもコストが高くなる傾向にあるといえるでしょう。

Webアプリのメリット

次に、Webアプリのメリットとして以下の3つを紹介します。

それぞれ見ていきましょう。

利用ハードルが低い

Webアプリは、インターネット環境が整っていれば、WebブラウザからWebサイトにアクセスするだけで誰でも簡単に利用できます。ネイティブアプリのようにインストールの手間がなく、デバイスやOS、容量にとらわれないため、ユーザーの利用ハードルを低くできるのがメリットです。

OSごとに設計する必要がなく、更新する際もすべての端末に配布しなくても良い点は、開発側としてもメリットになるでしょう。

ストア手数料がかからない

Webアプリはストア手数料がかからないため、コストを抑えられるのもメリットの一つです。

ネイティブアプリの場合は、必ずアプリケーションストアに登録する必要があり、アプリケーションストアを利用するための手数料がかかります。アプリ内で課金制度を導入していたり、サブスクリプション型にしたりする場合は、さらに手数料が発生し維持コストもかかってしまいます。

Webアプリで搭載できる機能で問題がなければ、Webアプリ開発のほうが低コストで進めることができるでしょう。

アプリケーションストアの審査が不要

Webアプリのリリースには、アプリケーションストアの審査が必要ありません。ネイティブアプリの場合はストアごとの審査基準に達していなければリリースができなくなってしまい、また一から考え直すという可能性もあるのです。

Webアプリであればアプリケーションストアの審査が不要な分、より自由な設計・開発が可能になり、リリースまでのスピードも短縮することができるでしょう。

Webアプリのデメリット

最後に、Webアプリのデメリットは以下の通りです。

それぞれのデメリットについて、解説します。

ネット環境に左右される

WebアプリはWebブラウザ上で動作するため、使い勝手はネット環境に左右されてしまうというデメリットがあります。通信環境が悪い場合には、読み込みや画面遷移のスピードが遅くなったり、起動自体ができなかったりする可能性もあります。

家のなかで使うようなアプリであればそこまで気にする必要はありませんが、地下鉄のような電波の届きにくい場所で利用することを想定するのであれば、ネイティブアプリを検討したほうがよいでしょう。

セキュリティ面のリスクが高い

Webアプリは、ネイティブアプリに比べてセキュリティ面でのリスクが高いのもデメリットの一つといえます。インターネットを介して利用するので、ウイルス感染や不正アクセスなどのセキュリティリスクが避けられません。

また、アプリケーションストアを介さない分、開発者がセキュリティ対策を十分に行う必要があります。あらゆる方面でどのようなリスクがあるのかを事前に考え、リスク管理を行うのも開発者の役目です。

ネイティブアプリほど機能を実装できない

WebアプリはOSの機能を活用できないため、ネイティブアプリほど機能を実装することは難しいでしょう。HTML5で開発すればネイティブアプリと同等の機能を実装することが可能ですが、端末のOSやブラウザによっては利用できない機能もあるのが現状です。

また、端末のホーム画面にアイコンを表示したりプッシュ通知を送ったりすることもできないため、継続的な利用を促すこともネイティブアプリに比べると難しくなります。

目的に合ったアプリを選んで、開発に向けた知識を習得しよう!

アプリには、「ネイティブアプリ」と「Webアプリ」、両者を組み合わせた「ハイブリットアプリ」があります。ネイティブアプリは、Webアプリに比べて利用ハードルの高さや開発コストがかかるというデメリットがありますが、通信環境に左右されずOSの機能を活用できるのは、日常使いのアプリとして大きなメリットになるでしょう。

そんなネイティブアプリを開発するためには、OSごとに必要なプログラミング言語を習得する必要があります。女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)では、プログラミングの入門やWebデザイン、マーケティングなど、アプリ開発に役立つスキルを包括的に学ぶことができます。

無料体験レッスンも実施しているので、興味のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

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ライター 美亜
専門学校卒業後、シンガーとして音楽活動を行う。その後、リラクゼーションサロンのセラピスト、IT・web系の人材紹介会社にてライター業、派遣にて経理事務を経験。現在はフリーライターとして、主にキャリア系・IT系の記事を執筆。
エディター 工藤 梨央

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。