3DCGの技術は映画やアニメなどのエンターテイメントコンテンツだけではなく、さまざまな業界で使用されているスキルの一つです。CGソフトの性能も成長しており、未経験の方でも独学で作品を作る方も近年ではしばしば見られます。
そこで今回は、3DCGの意味や注目されている理由、3DCGでできることなどについて解説します。記事の後半では具体的な作り方やおすすめのソフトも紹介しているので、「自分でもCG作品を作ってみたい…!」と考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
話題の3DCGとは
3DCG(3 Dimensional Computer Graphics)とは簡単にいうと、コンピューターで作成した立体的なオブジェクトのことを指します。具体的にはゲームやアニメなどで登場するキャラクターや、映画やメタバースなどで使用する非現実世界(仮想空間)などが挙げられます。
一般的な動画制作と違い現実と変わらない質感やカメラワーク・ライティングなども使用でき、実際の世界にはない表現をできることが特徴の一つです。3DCGスキルを身につけると映像制作の幅がグッと広がるので、興味のある方はぜひチャレンジしてみましょう。
3DCGと2DCGの違い
2DCGとは平面のCGになります。例えばYouTubeなどで人気のあるイラストアニメーションなどは、2DCGに該当します。一方で3DCGは縦と横の平面に対し、奥行きの編集・制作をすることが可能です。
そのため、Dで作成した人物などをよりリアルにできるだけではなく、ゲームやメタバースなどで使用される仮想空間も制作できるのです。つまり2DCGと3DCGは、奥行きの編集ができるか否かで判断するとよいでしょう。
なぜ3DCGが注目されているのか
3DCGが注目される背景にはさまざまな理由があります。例えばメタバースの普及により、仮想空間内で使用するアバターを作ったり、販売したりするクリエイターが近年では増えつつあります。3Dプリンターを利用した制作物は従来のコストを大幅に削減できるうえ、作業時間を短縮することが可能です。
つまり3DCGはゲームや映画などのエンターテイメントコンテンツだけではなく、業界によっては日常的に使用するテクノロジーになっているのです。そのため、3DCGのスキルがあるクリエイターの需要も高くなると考えられます。
3DCGでできること
3DCGの意味は理解したものの、「具体的にどんな活用事例があるんだろう…?」と気になる方もいるかもしれません。ここからは、3DCGでできることを見ていきましょう。使用用途は多岐に渡りますが、下記の項目では3DCGは多く利用されています。
順番に見ていきましょう。
ゲーム
近年のゲームでは、高品質な3DCG技術が採用されています。例えばゲームの世界を自由に探索できる作品は、全て3DCGで制作されています。現実世界と変わらない街並みを演出したり、人の肌や動物の毛並みなどをリアルに表現できることも、3DCGの魅力の一つです。
バトルシーンでの爆発やフラッシュなどのエフェクトも3Dで制作されており、ゲーム開発のレベルは日々高くなっているといえるでしょう。
映画・アニメ・ドラマ
映画やアニメなどのエンターテイメントコンテンツにも、3DCGが使用されています。例えば現代には存在しない古代の恐竜や未来の街並み、実際に実在する風景などは3DCGで作成できます。現実と変わらないリアルさで映像を制作するkとおが可能です。
また人物を撮影したドラマなどにもCGを合成する「VFX」が使用されています。したがって近年のエンターテイメントコンテンツは、ほぼ全ての作品に3DCGの技術が採用されているとも考えられるでしょう。
AR・VR
AR(拡張現実)やVR(仮想現実)は、3DCGを活用したコンテンツの一つです。例えば家具やインテリアを販売するECサイトでは、スマホのカメラを部屋に向けるだけで実際の家具の大きさや配置などを確認できるARが使用されています。
VRゴーグルを使った臨場感あふれるゲームや、仮想空間内でも教育なども普及しつつあることも特徴の一つです。「Adobe Ar」などは無料でAR制作を楽しめるので、気になる方はぜひお試しください。
パース
3Dにおけるパースとは、コンピューターで作成した立体的な建築物やインテリアを指すことが一般的です。具体的には新しい家を建設する際の完成イメージや、空間のイメージ作成などに使用されます。アニメーションやエフェクトではなくよりリアルな作品を作るスキルが大切であり、オブジェクトを組み上げる「モデリング」が好きな方におすすめの仕事ともいえるでしょう。
災害予想
3DCGはビジネスやエンターテイメントだけではなく、さまざまな災害予想にも使用されています。例えば「地震の被害予測」などを行う場合はコンピューターで演算した結果をもとにCGを作成することで、被害規模や被害範囲を予測することが可能です。インテリアの耐久精度などの確認にも利用できるため、3DCGは人々の安全を確保するためにも活用できます。
3Dプリント
3Dプリントとは簡単にいうと、3Dで制作したデータを特定のプリンターを使って実際に制作する技術のことです。例えば3Dプリンターの技術を活用すれば実際に住むことができる家を作ることができます。施工時間も短時間であり、従来の建設よりもコストと期間を短縮できるでしょう。
建築だけではく個人でフィギアやアクセサリーを作るクリエイターも増えつつあり、3Dプリントは将来性のある技術の一つといえるでしょう。
デジタルファッション
デジタルファッションとは、ゲームやVR、メタバースなどで使用するファッションアイテムのことです。アバターに着せる服やバッグなどさまざまな種類があり、NFTプラットフォームで販売されていることが一般的です。
またゲームやメタバースだけではなく、実際に制作する洋服の完成イメージを目的に使用されることもあります。デジタルファッションはこれからのトレンドになる可能性があるため、情報は常にチェックしておきましょう。
3DCGの制作プロセス
ここからは、3DCG制作のプロセスを紹介します。制作する作品をCGを作る目的によっても異なりますが、一般的には下記の手順で制作されます。
順番 | 名称 | 内容 |
---|---|---|
1 | ラフの作成 | 作りたい作品のイメージを考える。必要であれば参考画像の収集やスケッチなどを行う |
2 | モデリング | 物体の組み上げ、形の形成する |
3 | マテリアル | 色や質感の設定する |
4 | テクスチャ | オブジェクトの表面の柄や模様の設定 |
5 | アニメーション | ボーン(骨)の配置(リギング)、動きの関連付け(スキニング)を行う |
6 | カメラワーク・ライティング | カメラの角度や照明の位置・明るさを調整する |
7 | レンダリング | 書き出し・保存 |
3DCG制作を行うには、作りたい作品をイメージしてからモデリングを行うことが大切です。そのため参考画像やモデルをよく観察して、色や質感なども調整しましょう。
下記の記事では、モデリングの意味やレンダリングまでの流れを詳しく解説しています。3DCGの作り方に興味のある方は、こちらも参考にしてください。
3DCG制作におすすめのソフト
ここでは3DCG制作におすすめのソフトを紹介します。
無料で利用できるソフトも紹介するので、自分にあったツールを試してみてください。順番に解説します。
Blender
OS | Windows:8.1i以降 mac:10.13以降 |
---|---|
料金 | 無料 |
メリット | 完全無料で使用できる Web上での情報が多い |
デメリット | 操作方法がやや複雑 一部のファイルに対応していない |
「コストをかけずに3DCG制作に挑戦してみたい…!」と考える方は、Blenderを利用してみるとよいでしょう。なぜならBlenderは、完全無料で利用できるにもかかわらず本格的なCG作品を制作できるからです。YouTubeなどにはBlenderの使い方を解説した動画が多く、独学でも使用方法を理解できるでしょう。ただしBlenderはAR・VRの開発には対応していないので、注意してください。
参考:Blender.jp
MAYA
OS | Windows:10以降 mac:11 x以降 |
---|---|
料金 | 1ヶ月プラン:858,000円 1年プラン:286,000円 1ヶ月プラン:36,300円 (30日間の無料体験あり) |
メリット | 3DCG制作全般の機能を搭載 Web上での情報が多い |
デメリット | ソフトが高額 |
MAYAは、CG制作業界でシェア率が高いソフトの一つです。3DCG制作全般の機能を搭載しているため、アニメや映画の制作はもちろん、ARやVR作成にも対応しています。制作会社によっては「MAYAの基本的な使い方を理解している人」を採用条件にしているため、CG業界への就職・転職を検討している方におすすめのソフトといえるでしょう。ただしMAYAはランニングコストが発生するツールなので、自分の経済状況と相談してから契約をしてください。
参考:Autodesk
Unreal Engine
OS | Windows:10以降 mac:Monterey |
---|---|
料金 | スタンダードライセンス:無料 エンタープライズプログラム:$1,500 カスタムライセンス:要問い合わせ |
メリット | ゲーム開発に対応 本格的なCG作品を制作できる |
デメリット | 操作方法が複雑 商用利用や開発を行う場合は有料ライセンスの契約が必要 |
Unreal Engineは、「ファイナルファンタジーⅦ リメイク」や「Fortnite」などの制作に使用されているゲーム開発ソフトです。映画やアニメなどの映像制作にも利用されているツールであり、より高品質・高グラフィックの映像作品を作れることが特徴です。商用利用を目的にしない場合は全ての機能を無料で利用できるので、3DCGの練習にも活用できるでしょう。
操作方法が複雑なデメリットはありますが使い方を覚えると制作できる作品の幅が広がるので、ゲーム開発や3DCGアニメーションに興味のある方は、ぜひUnreal Engineをお試しください。
3DCG制作のスキルを学習する方法
3DCGの作り方やソフトは理解していても、正しいスキルを身につけないと作品を制作するのは難しいと考えられます。したがって、ここでは3DCGの制作スキルを学習する方法を見ていきましょう。
上記の3つについて解説します。
専門書を参考にする
3DCGソフトの使い方を解説している書籍は多数存在します。基本的な操作方法から実践的な技術、3Dに関する知識やノウハウなどが記載されているので、3DCGをより深く学びたい方におすすめの勉強方法といえるでしょう。
ただしCGソフトはアップデートにより操作方法が変わる可能性があります。したがって本でスキルを身につける方は、最新版の書籍を購入してください。
動画で勉強する
YouTubeなどの動画配信サイトには、3DCGソフトの使い方や実践的なノウハウを解説しているチャンネルがあります。それらを活用することで、独学でもコストを抑えてCG作品スキルを理解できるかもしれません。
アップデート情報についていち早く解説しているクリエイターも見られるので、情報のキャッチアップにも活用できます。また、より高いスキルを身につけたい方は、オンライン動画サービスなどで有料の動画教材を購入してみるとよいでしょう。
スクールで学習する
短期間での技術習得を目指す方には、スクールの受講をおすすめします。というのも本や動画でも一定のスキルは勉強できますが、ソフトの細かい設定方法やバグの対処法などは理解できないかもしれません。しかしスクールであれば現役のクリエイターから直接指導を受けられるため、あらゆるトラブルの対処方法も理解できるでしょう。
講師からのフィードバックも得られるので、質の高い作品を作れるクリエイターになれることも期待できます。スクールによっては就職支援なども行っているので、現場で活躍できるクリエイターを目指す方にもおすすめです。
3DCGに関するよくある質問
最後に、3DCGに関するよくある質問を紹介します。
3DCGデザイナーとは?
3DCGデザイナーとは簡単にいうと、3DCG作品のグラフィックスをデザインする仕事を指します。業界によっては「3Dクリエイター」とも呼ばれており、特定の作業に特化した人を指すことが一般的です。例えばモデリングを専門にしている方は「モデラー」と呼ばれています。
また映像演出をメインに行う方は「エフェクトアーティスト」などと呼ばれています。つまり3DCGデザイナーとは、3DCG制作を行っているクリエイター全般を指す言葉とも考えられるでしょう。
3DCGのスキルは独学でも身に付く?
結論からお伝えすると、3DCG制作のスキルを独学で身につけることは可能と考えられます。しかし映画やテレビアニメなどの制作に携わりたい方は、スクールで指導を受ける方が良いかもしれません。理由は、企業の制作プロセスを学習できるからです。
とはいえYouTubeなどを活用すれば個人の作品も世に発表できるので、自分にあったやり方で学習を進めましょう。
3DCGは将来性のあるスキルの一つ!
3DCGはエンターテイメントコンテンツだけではなく、さまざま業界で活用できるスキルの一つです。3DCGの制作スキルには人々の生活を豊かにできる可能性もあるので、興味のある方は、ぜひCG作成にチャレンジしてみてください。
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