データサイエンティストの将来性は?需要がなくなるといわれる理由や必要なスキルを紹介

データサイエンティストの将来性は?需要がなくなるといわれる理由や必要なスキルを紹介

IT人材の需要が高まっている昨今では、データサイエンティストになりたいと思う方もいるでしょう。しかし、以下のような不安を抱くこともあるのではないでしょうか。

「データサイエンティストの需要はなくなる?」
「データサイエンティストは将来性のない職業?」

そこで、本記事ではデータサイエンティストの将来性や「需要はなくなる」といわれる理由を解説。また、データサイエンティストの仕事内容や求められるスキルも紹介します。

これからデータサイエンティストを目指そうと考えている方は、最後までチェックしてみてください。

データサイエンティストの将来性は高い

データサイエンティストの将来性に不安を感じることもあるでしょう。結論からいうと、データサイエンティストの将来性は高いと考えられます

それでは、データサイエンティストが将来性のある職業だといえる理由を見ていきましょう。

データサイエンティストの将来性が高い理由

データサイエンティストの将来性が高い理由は、以下の2つが挙げられます。

  • ビッグデータの活用が進む可能性が高いから
  • 人員の絶対数が不足しているから

それぞれを詳しく説明します。

ビックデータの活用が進む可能性が高いから

1つ目の理由は、ビッグデータの活用が進む可能性が高いからです。ビッグデータを活用してデジタル化に取り組む企業は増えており、たとえば「株式会社サンリオ」はプロモーションターゲットの導出や商圏ごとの顧客像の可視化、「日本気象協会」は天候による人流の変化の把握にビッグデータを活用しています*1

ビッグデータを事業に活かすためには専門的な知識やスキルが求められるため、データを正確に取り扱えるデータサイエンティストの需要は今後も高いといえるでしょう。

人員の絶対数が不足しているから

IT人材やデータを適切に取り扱える人材が不足していることも、データサイエンティストの将来性が高いといえる理由の1つです。経済産業省によると、IT関連産業の市場規模は今後も拡大傾向にある一方で、IT人材の不足数は増加が続くと予測されています*2

データの収集や分析をする職種は以前からありましたが、インターネットやSNS、AIなどの登場によりデータ量が急増したため、データを正確に扱える人材のニーズは高まったといえます。データの収集や分析、活用に関する深い知識やスキルを身につければ、市場価値を高められるでしょう。

データサイエンティストの需要はなくなるといわれる理由

データサイエンティストは将来性が見込まれる職種ですが、「データサイエンティストはいらない」という声もあります。その理由は、以下の3つが考えられます。

各理由を詳しく説明します。

オートメーションとAIの影響

まず、オートメーション(自動化)やAIの台頭が理由の1つとして挙げられます。テクノロジーの発展によりデータの収集や解析、モデル構築などをAIが自動で行えるようになると、データサイエンティストがいなくてもデータを取り扱えるようになると考えられるかもしれません。

しかし、オートメーションやAIが発展しても、データサイエンティストの需要はあるといえます。なぜなら、ビッグデータの分析結果をもとにした新たなビジネスの創出や経営のサポートなどをAIが担うことは、現時点では考えにくいからです。データの収集と分析など一部の業務はAIに取って代わられる可能性もありますが、データサイエンティストの需要は今後も見込まれるでしょう。

ツールやプラットフォームが普及しているため

ツールやプラットフォームの普及も、「データサイエンティストの需要はなくなる」といわれる理由の1つです。たとえば、Amazon SageMakerやMicrosoft Power BIなどを使えばデータ収集、前処理、分析などを自動化できるので、「データサイエンティストの仕事はなくなる」と思う人もいると考えられます。

しかし、前述の通りデータをビジネスに活用するプロセスまでAIに取って代わられるとは考えにくいため、ツールやプラットフォームの普及がデータサイエンティストの需要減に直結するとはいえないでしょう。

高度なスキルが求められるため

高度なスキルが求められることから、データサイエンティストの需要がなくなるとの考え方もあります。データサイエンティストはデータの収集や分析に加えてビジネス課題を解決する施策の立案や経営層へのプレゼンテーションなど幅広い業務を担当することもあるため、さまざまなスキルが求められます。

データサイエンティストとして活躍するハードルは高く、「つらい仕事」という印象をもたれることもあるでしょう。すると、データサイエンティストを目指す人が減る可能性もあります。

求職者側でデータサイエンティストの需要が減少し、結果としてデータサイエンティストという職業がなくなるケースもあるかもしれません。

データサイエンティストの仕事内容

データサイエンティストの主な仕事内容は、以下の4つです。

  • データ分析の企画立案
  • データ収集
  • データ解析とモデリング
  • レポート作成と施策提案

まず、データサイエンティストはデータ分析をするための企画立案を担います。データ分析の目的やデータの収集方法などを定めて分析プロジェクト計画を立てるのが役割の1つです。

計画を立てたら、データを収集して解析します。ビッグデータからの抽出やアンケートなどを通じて収集したデータを解析し、法則性や共通点などを見出して課題の解決を目指します。また、データのモデリングもデータサイエンティストの仕事です。モデリングとは、簡単にいうと「さまざまなデータの関係性を視覚化すること」だといえます。

加えて、レポート作成や施策提案もデータサイエンティストの仕事です。データの収集方法や解析結果などをレポートにまとめ、それをもとに経営層やクライアントに対して課題を解決するための施策を提案します。

データの収集や処理に時間がかかったり幅広い業務を担当したりするため、「データサイエンティストの仕事はつらい」と感じられることもあるでしょう。しかし、データの活用が重要視されている昨今では、データサイエンティストはやりがいのある仕事だといえます。

なお、以下の記事ではデータサイエンティストの仕事内容を詳しく説明しているので、チェックしてみてください。

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データサイエンティストとして活躍するために必要なスキル

データサイエンティストとして活躍するにあたって必要なスキルは、以下の3つが挙げられます。

データサイエンススキル

まず、データサイエンティストにとってデータサイエンススキルの習得は欠かせません。データサイエンススキルとは、情報処理や人工知能、統計学など情報科学系に関する知識を活用する能力のことです。コンピュータや統計学などの知識を深めることで、データサイエンティストとして活躍できるといえます。

データエンジニアリングスキル

データエンジニアリングスキルも必要です。データエンジニアリングスキルとは、たとえばプログラミングや環境構築など、データサイエンスを形にして運用できるようにする能力のことを指します。データサイエンスの知識を形としてアウトプットするのが、データエンジニアリングスキルだといえるでしょう。

ビジネススキル

ビジネススキルも、データサイエンティストとして活躍するために身につけておく必要があります。ここでいうビジネススキルとは課題の背景を理解して解決に導く能力のことで、例としては論理的思考力やヒアリング力などが挙げられます。将来的にデータの収集や分析などはAIが担う可能性もあるため、求められるデータサイエンティストになるためにはデータを活用して課題を解決する能力や物事を論理的に考える能力が必要でしょう。

データサイエンティストに必要なスキルについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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需要のあるデータサイエンティストになるために意識すべきこと

最後に、需要のあるデータサイエンティストになるために意識すべきことを紹介します。結論からいうと、以下の3つが大切です。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

AIの活用スキルを身につける

1つ目は、AIを活用するスキルを身につけることです。今後はデータ収集や解析、ビジネス課題の解決などにAIを活用する機会が増えると考えられるため、データサイエンティストにはAIを使いこなすスキルが求められるといえます。

AIを活用できるようになるためには、プログラミングスキルやITに関する知識などを深める必要があるでしょう。また、最先端テクノロジーは急速に発展しているため、AIの動向やIT分野におけるトレンドの変化などを常に把握して知識をアップデートする姿勢も大切です。

コミュニケーションスキルを磨く

コミュニケーションスキルを磨くことも、需要のあるデータサイエンティストになるために必要です。「データサイエンティストの仕事は黙々とデータの収集と解析をすること」のように捉えられることもありますが、以下のように社内外のさまざまな人と関わる機会があります。

  • クライアントが抱える課題を把握するためにヒアリングをする
  • チームを組んでビジネス課題の解決を目指す
  • データの分析結果をもとに、経営層やクライアントに対して施策の提案をする

データサイエンティストとして活躍し続けるためには、専門的な知識に加えて傾聴力や協調性、プレゼンテーションスキルなども身につける必要があります。

ビジネスモデルを理解する能力を身につける

求められるデータサイエンティストになるためには、ビジネスモデルを理解する能力を身につけることも大切です。データサイエンティストの主な役割は収集・解析したデータをもとにビジネス上の課題を解決に導くことなので、ビジネスモデルや事業の全体像などを正しく把握できる必要があります。

ビジネスモデルを理解する能力があれば、クライアントや経営層と円滑なコミュニケーションをとれるでしょう。そのようなデータサイエンティストは需要が高いと考えられるため、長く活躍できるといえます。

データサイエンティストの将来性は高い!スキルを身につけて、活躍できるデータサイエンティストを目指そう

「データサイエンティストの仕事はなくなる」という声もありますが、データサイエンティストは将来性のある仕事だといえます。ビッグデータを活用する企業は増えており、IT人材の不足数が増加すると予測されていることから、データサイエンティストの需要は今後も高いでしょう。

ただし、データの収集や分析など、データサイエンティストが担う業務の一部は将来的にAIに取って代わられる可能性もあります。長く活躍できるデータサイエンティストになるためには、データサイエンスやプログラミングなどのスキルを深める、ビジネススキルを磨く、AIやIT業界に関する知識をアップデートするなどの姿勢が大切です。

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※出典
*1:総務省「ビッグデータ・ポータル」より
*2:経済産業省「IT人材育成の状況等について」p6より

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ライター shin
航空系の会社に勤務した後、フリーランスとしての活動を開始。現在は主にWebメディアに携わりつつ海外を転々としている。
エディター 工藤 梨央

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。