プログラミングはシステムやWebアプリの開発など、さまざまなところで活用されています。そして、プログラミングを行う際にはフレームワークが使用されているケースが多いでしょう。しかし、フレームワークについてきちんと理解できていない人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、フレームワークについて詳しく解説します。
フレームワークとは?プログラミングにおける意味
フレームワークとは、システム開発するときに必要な機能がまとめられたツールのことです。プログラミングはシステムやWebアプリの開発ができる技術ですが、ゼロから作るのは時間も手間もかかります。そんなときにフレームワークを使えば、ゼロから機能を用意しなくてもよくなり、開発作業の効率化に役立ちます。
プログラミング言語との違い
プログラミング言語とは、コンピュータを動かすために使用する言語のことです。プログラム言語はさまざまな種類が存在し、具体的にはJavaやPHP、Pythonなどがあげられます。プログラミングにはプログラミング言語が欠かせませんが、フレームワークを活用すれば、手作業で一からつくるよりもスピーディに開発できるでしょう。しかし、プログラミング言語を理解していないとエラーが発生したときに解消できない可能性もあります。しっかり活用するためには、プログラミング言語の理解も必要です。
ライブラリとの違い
フレームワークと混在しがちな言葉に、ライブラリがあります。ライブラリとは、よく使う機能をパッケージ化した部品のことです。フレームワークはそれ自体が枠組みですが、ライブラリはあくまでも部品となる小さなシステムです。ライブラリは作成したプログラムの要所で使える便利なシステムとして活用します。
フレームワークの種類
プログラミング言語がひとつではないように、フレームワークもプログラミング言語の数や開発したいものに合わせて多様な種類があります。プログラミング言語の特性を踏まえ、より効率的に作業ができるようつくられていることが特徴です。新しいフレームワークもどんどん開発されており、流行り廃りがあることも理解しておきましょう。
プログラミングでフレームワークを使うメリット
プログラミングにおいてフレームワークを使うメリットには、以下のような点が挙げられます。
- 開発の手間が減らせる
- 品質にムラが生じにくくなる
- 保守性の向上が見込める
それぞれについて詳しく解説します。
開発の手間を減らせる
フレームワークを活用するメリットのひとつは、開発にかかる手間や時間を減らせる点にあります。フレームワークを使わないでゼロから開発を進めると大変な労力が必要です。
フレームワークには開発に必要な機能がテンプレートとして用意されており、必要箇所を調整するなどの簡潔な作業で完成します。プログラマーごとの開発スピードに差が出にくいでしょう。企業間競争が活発な現在、開発スピードに重きを置かれるケースも多いようです。フレームワークは、開発をスムーズに行うための有効な手段です。
品質にムラが生じにくくなる
品質にムラが出にくくなるのも、フレームワークを使う大きなメリットです。特に、複数のプログラマーが参加してチームで開発を行う場合、プログラマーがそれぞれのやり方で開発を進めてしまうと、スキルや知識によりプログラムの品質に差異が出ることもあるでしょう。
フレームワークなら基礎的な基盤やルールが共通になり、完成した品質をある程度安定させられます。フレームワークそのものの品質が高いとプログラムバグの混入なども可能な限りに抑えられ、質の高い開発につながるでしょう。
保守性の向上が見込める
一度作ったシステムを維持するためには、保守性が重要です。不具合が生じたときに仕様変更や追加機能、修正のしやすいシステムであれば、保守もしやすくなります。たとえば、チームで開発を行うときにそれぞれコードの書き方が異なると、修正も難しくなるでしょう。
フレームワークを使うことで、コードの書き方を統一することにもつながります。フレームワークのコード自体もシンプルに統一されていることが多く、比較的見やすく理解しやすいコードでまとめられます。コードが統一されているとほかの人が担当したコードも読み取りやすく、追加や変更もスピーディーになります。
プログラミングにおけるフレームワークのデメリット
便利なフレームワークですが、デメリットもあります。プログラミングにおけるフレームワークのデメリットには以下のような点があるでしょう。
- 学習コストがかかる
- コーディングの自由が制限される
詳しく解説していきます。
学習コストがかかる
フレームワークはすぐに誰でも使えるわけではなく、使い方を学ばなくてはなりません。フレームワークについての知識がなければ、十分に活用できないでしょう。また、フレームワークには言語ごとにさまざまな種類があるため、ひとつ覚えればいいというわけではありません。
開発するものや開発する企業により使用するフレームワークは変わるため、都度勉強が必要な可能性もあります。初めてフレームワークを使う場合、プログラミング言語とは別にフレームワークの知識も必要になり、学習に時間がかかることがあります。フレームワークを使いこなすために学習コストがかかる点はデメリットでしょう。
コーディングの自由が制限される
フレームワークを活用することで、必然的にプログラミングの自由度は下がります。枠組みであるフレームワークは、基本的な記述ルールに従ったり枠組みが決められていたりするためです。
新しい機能の追加や、自社に合わせた仕様に変更しようとすると、コードが複雑化するなど反対に手間がかかるかもしれません。これまで自由にコードを書いていた人にとっては、開発の制限を感じるかもしれません。コーディングの自由が制限される点は、フレームワークを使うデメリットです。
プログラミング言語別!フレームワークの例
フレームワークはプログラミング言語ごとに用意されており、言語に合わせて使い分けなくてはなりません。プログラミング言語別に代表的なフレームワークをピックアップして紹介します。
Java
Javaは開発エンジニアの人口も多く、さまざまなフレームワークがあります。Play Frameworkは、軽量さが特徴のフレームワーク。Javaのほかに同じプログラミング言語であるScalaにも使用可能です。コンパイルがしやすいため、作業速度向上も期待できるでしょう。分業もできる仕様のため、多くの人員が必要な大規模開発も効率的に進められます。
JavaScript
AngularはGoogleが開発したJavaScriptのフレームワークで、多くの人が利用しています。データと画面、その他がそれぞれ独立しており、機能単位で実装を分離できるため、チームでの開発もしやすい仕様です。Angular単体でWebアプリ開発ができるのがメリットですが、その分覚えるべきことも多くなります。
Python
Djangoは、Pythonのフレームワークのひとつです。自分でコードを書かなくてはならないため、フレームワークの中でも自由度が高いのが特徴です。Pythonに精通しているプログラマーであれば、力を発揮しやすいでしょう。フレームワークの制約はありつつも自由度が欲しい人に向いています。ユーザー認証や管理画面などを実装できる機能も揃っており、実用性が高いでしょう。
C#
C#はMicrosoft社が開発しているプログラミング言語です。Javaのメリットを取り入れて作られているため、Javaを使ったことがある人なら学習しやすいでしょう。C#のフレームワークであるASP.NETはサーバー上でWebアプリやサービスの開発ができ、専門知識がなくてもWebアプリを作成できます。
Ruby
Ruby on Railsは、日本で開発されたプログラミング言語であるRubyを使用するフレームワークです。Ruby on Railsのみでアプリ開発を完結できるなどの特徴があります。事前に組み込まれたツールを使えば、開発も仕様変更も比較的簡単に対応できます。アプリケーション開発のハードルやコストの低さを重視する人にいいでしょう。
PHP
CakePHPは日本で多く使用されているPHPのフレームワークです。必要なライブラリを入力すれば自動的に提示してくれるComposerに対応。データベースとブラウザ表示、全体の制御機能とそれぞれが独立しており、分業がしやすく仕様変更にも対応しやすいでしょう。世界中のCakePHPが参加して情報交換や不具合報告などを行うコミュニティがあるのも特徴です。
CSS
CSSはプログラミング言語とは性質が異なりますが、Webページを構成するHTMLなどと同じマークアップ言語であり、Webページの表示を装飾する役割を担います。HTMLとセットで考えられるのが基本であり、そんなCSSのフレームワークのひとつに、Bootstrapがあります。ルールに従うだけで体裁の整ったページが構築できるため、初心者でも簡単にWebページを作れるのが特徴。グリッドシステムを採用しており、マルチデバイスにも対応できます。
まずはプログラミングの知識を習得!
プログラミングを理解するにあたり、フレームワークについてもきちんと把握しておく必要があるでしょう。これからプログラミングを学びたい方や、さらにスキルを磨きたいプログラマーは、プログラミングスクールの活用をおすすめします。
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