

起業したいけれど、「起業するには資金がどれくらい必要なのか」「どうやって開業資金を調達すればいいのか」と悩んでいませんか?資金計画を誤ると、利益が出ていても資金不足で事業が立ち行かなくなることもあります。
この記事では、起業に必要な費用の目安から具体的な調達方法、そして成功のための準備まで、実務的な視点も交えてわかりやすく解説します。起業を成功させるためのロードマップを一緒に見ていきましょう。
起業に必要な資金の目安はどのくらい?
株式会社、合同会社、個人事業主の3つの形態別に、起業時に必要となる費用の目安について解説していきます。
「起業するにはどの形態がよい?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
株式会社の場合
株式会社を設立するには、登記費用として最低でも約15万円程度が必要です。主な内訳は、登録免許税(資本金の0.7%または15万円のいずれか高い方)、定款認証手数料(資本金100万円以下は1万円、それ以上は3万円)、定款印紙代(紙定款の場合は4万円/電子定款なら不要)、その他に謄本取得費用などがあります。
資本金は法律上1円からでも設立可能です。ただし、資本金が極端に少ないと銀行口座の開設や融資審査で不利になる場合があります。実務上は数十万円〜数百万円程度を準備しておくと、事業の信頼性を高めやすいでしょう。
合同会社の場合
合同会社は、株式会社と比べて設立費用を大幅に抑えられるのが大きなメリットです。登記費用は、登録免許税(資本金の0.7%または6万円のいずれか高い方)、定款印紙代(紙定款の場合は4万円/電子定款なら不要)、その他の諸費用を含め、6万〜10万円程度で設立できます。
定款の認証が不要なため、手数料もかかりません。資本金は株式会社と同様に1円から設立できますが、円滑な事業運営のために数十万円〜数百万円を準備するのが一般的です。
個人事業主として起業する場合
個人事業主として起業する場合、法人設立のような登記費用は不要で、税務署に「開業届」を提出するだけで無料で開業できます。そのため、事務所を借りずにスモールスタートするなら開業費用をほとんどかけずに始められます。ただし、店舗を借りる、設備を導入するなど、事業内容によっては数十万円単位の初期投資が必要となる場合もあります。
いずれにせよ、法人設立費用をかけずにスモールスタートできるのが大きな魅力です。以下の記事では低リスクで起業する方法や、起業に必要なスキルが学べる女性向けキャリアスクールSHElikesの魅力について詳しく解説していますので、あわせてチェックしてみてください。

起業後に必要な費用の内訳
起業するには、開業資金だけでなく起業後に必要な費用を把握し準備しておくことも大切です。起業後に継続的に発生する費用について、具体的な内訳を見ていきましょう。
これらを事前に把握し、事業計画に盛り込むことが資金繰り成功の鍵を握ります。
人件費
従業員を雇用する場合、給与だけでなく社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)の会社負担分も考慮する必要があります。正社員1名あたり月額給与の約15%程度が社会保険料として追加で発生します。
また、賞与や退職金の積立、研修費なども人件費に含まれるため、給与額の1.3~1.5倍程度の予算を見込んでおくことが重要です。
家賃・オフィス費
事業用のオフィスや店舗を借りる場合、月額賃料に加えて敷金・礼金、仲介手数料などの初期費用が発生します。一般的に初期費用は月額賃料の6~10か月分程度が目安となります。
また、光熱費、清掃費、設備の維持管理費なども月々の固定費として計上が必要です。近年はコワーキングスペースやバーチャルオフィスの活用でコストを抑制する起業家も増えています。
通信費
インターネット回線、電話回線、携帯電話などの通信費は現代のビジネスには不可欠な経費です。法人契約の場合、個人契約より割高になる傾向があり、月額2~5万円程度を見込んでおく必要があります。
また、クラウドサービスの利用料、セキュリティソフトの費用なども通信関連費用として考慮すべき項目です。在宅勤務が多い業種では、従業員の通信費補助も検討事項となります。
広告宣伝費
新規顧客の獲得や認知度向上のための広告宣伝費は、事業の成長に直結する重要な投資です。Web広告、SNS広告、チラシ、看板などの費用に加え、ホームページ制作・運営費用も必要となります。
売上の5~15%程度を広告宣伝費として予算配分するのが一般的で、特に起業初期は認知度向上のため、やや多めの予算を確保することが成功の鍵となります。
仕入れ・外注費
商品販売業では商品の仕入れ代金、サービス業では外注先への支払いが主要な変動費となります。売上に連動して発生するため、売上高の30〜60%程度が目安となりますが、業種によって大きく異なります。
支払いサイトと入金サイトの差を考慮したキャッシュフロー管理が重要で、特に起業初期は資金繰りに注意が必要です。信頼できる仕入れ先・外注先との良好な関係構築も事業成功の重要な要素です。
各種専門家への報酬
税理士、社労士、弁護士、コンサルタントなどの専門家への報酬も定期的に発生する費用です。税理士への月額顧問料は2〜5万円程度、年1回の決算申告で10〜30万円程度が相場。
社労士への労務関連相談や手続き代行費用、法的トラブル時の弁護士費用なども考慮しておく必要があります。専門家への適切な投資により、本業に集中でき、結果的に事業効率の向上につながります。
運転資金・雑費
日常的な事業運営に必要な諸経費として、文房具、消耗品、交通費、会議費、書籍代などの雑費が発生します。これらは個々の金額は小さくても積み重なると相当な金額になるため、月額3~10万円程度を見込んでおくことが必要です。
また、予期しない出費に備えた運転資金として、月商の2~3か月分程度の現金を常に保持しておくことが資金繰りの安定化につながります。
税金・社会保険
法人税、消費税などの税金に加え、社会保険料の会社負担分も重要な固定費です。法人税は利益に対して課税されるため変動しますが、消費税は売上規模に応じて発生します。特に、設立直後で売上が少なくてもインボイス登録をすればその時点から納税義務が生じるため注意が必要です。
また、社会保険料は従業員を雇用した場合だけでなく、役員報酬を自分に支払うことで加入義務が発生します。従業員数や給与総額に比例して負担が増えるため、人員計画や役員報酬の設定と連動した予算管理が欠かせません。
これらの税金や社会保険料は、起業後の資金繰りに大きな影響を与えるため、あらかじめ資金計画に組み込んでおくことが重要です。

起業資金を調達する5つの方法
起業するには十分な自己資金がない場合でも、さまざまな資金調達方法を活用することで開業・起業は可能です。
ここでは、起業家が利用できる主要な資金調達手段を詳しく紹介します。自己資金なしでも利用できるものもあるのでぜひチェックしてみてください。
1.日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫は、国が100%出資する政策金融機関で、中小企業や小規模事業者の資金調達を支援しています。なかでも代表的なのが「新規開業・スタートアップ支援資金」です。創業まもない人でも利用しやすく、原則として無担保・無保証で融資を受けられるのが大きなメリットです。
設備資金なら最長20年、運転資金なら最長10年といった長期返済にも対応しており、据置期間(元金返済を猶予する期間)も最長5年設けられています。なお、制度上は自己資金の要件が撤廃されていますが、実務上は自己資金ゼロだと減額や却下の可能性があるため、少額でも準備しておいた方が審査は有利です。
金利も低く設定されているため、起業家にとって非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
2.補助金・助成金
各地方自治体では、地域経済の活性化を目的として、独自の補助金や助成金制度を設けています。これらは返済不要なのが最大の利点です。ただし、特定の条件(事業内容、所在地、雇用人数など)を満たす必要があり、申請には細かな要件があります。
また、申請期間が限定されているため、情報収集が欠かせません。
3.銀行からの融資
信用保証協会の保証付き融資は、起業後間もない事業者でも比較的利用しやすい資金調達方法です。信用保証協会が融資の保証人となることで、銀行はリスクを抑えられます。プロパー融資と呼ばれる銀行独自の融資は、事業実績や信用力が重視されるため、創業直後よりも事業が軌道に乗ってから利用することが多いようです。
4.クラウドファンディング
インターネットを通じて不特定多数の人々から少額ずつ資金を集める方法です。大きく分けて「購入型」「寄付型」「投資型」などがあります。購入型は、支援者へ商品やサービスをリターンとして提供するのが一般的です。
新しいアイデアやコンセプトへの共感を呼び起こせるため、資金調達だけでなく、マーケティングや事業のファンづくりにも役立つのが特徴です。
5.エンジェル投資家・ベンチャーキャピタル
エンジェル投資家は、創業間もないベンチャー企業に自己資金を投資する個人投資家です。資金提供だけでなく、事業のノウハウや人脈を提供してくれることもあります。一方、ベンチャーキャピタル(VC)は、将来性のある未公開企業に投資する専門の会社です。
事業計画の実現可能性や成長性を厳しく審査されますが、多額の資金を得られる可能性があります。
資金調達を成功させるための準備と戦略
資金調達を成功させるには、しっかりとした準備が不可欠です。
金融機関や投資家を納得させ開業・起業の費用を準備するためにチェックしましょう。
事業計画書の作成
起業するには、あなたのビジネスの未来を具体的に示す羅針盤である事業計画書の作成が必要です。どのような事業を、誰に、どのように提供するのか、そしてどれくらいの収益が見込めるのかを明確に記載します。
説得力のある事業計画書は、融資や投資を成功させるための最も重要なツールです。計画がしっかりしているほど、金融機関や投資家からの信頼を得やすくなります。
自己資金の準備とキャッシュフローの管理
資金調達において、自己資金の準備は非常に重要です。金融機関は、自己資金をどれだけ準備しているかを、事業への本気度や返済能力の判断材料とします。また、事業開始後も安定した事業運営にはキャッシュフローの管理が欠かせません。
収支のバランスを常に把握し、赤字に陥らないよう計画的に資金を運用していきましょう。
専門家への相談
資金調達は、多くの専門知識が必要になります。事業計画書の作成、融資申請のサポート、法務・税務に関するアドバイスなど、専門家の力を借りることで成功率は大きく向上するでしょう。税理士や中小企業診断士など、起業支援の実績が豊富な専門家に相談してみることをおすすめします。
起業のためのスキル習得ならSHElikes
起業を成功に導くためには、適切な資金調達と並んで、事業運営に必要なスキルの習得が欠かせません。女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)では起業に役立つ多様なスキルを効率的に学習できる環境を提供しています。
起業に役立つ45以上の職種スキルが学び放題
SHElikesでは、Webデザイン、マーケティング、ライティング、動画編集、プログラミングなど、現代のビジネスに必要な45以上の職種スキルが定額で学び放題。起業時に外注すると高額になりがちな業務を自分でこなせるようになることで、初期投資を大幅に抑えられます。
また、オンライン中心の学習システムで、自分のペースで効率的にスキルアップが可能です。同じ目標を持つ仲間との交流機会も豊富で、起業に向けた情報交換やネットワーク構築にも役立ちます。実務に直結するカリキュラムが充実しているため、学んだスキルをすぐにビジネスに活かすことができるでしょう。
以下の記事では、SHElikesの魅力についてさらに詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

SHElikesで起業した事例を紹介
実際にSHElikesでスキルを学び、起業を実現した方々の事例を紹介します。
やりたい事がなかった地方勤務・子育て中の私が、ペットと飼い主のためのサービスで起業した道のり ケーナさん
地方で子育てをしながら会社勤めをしていたケーナさんは、お客さまの顔が見えない仕事にモヤモヤを抱えていたそう。Webデザインをやってみたいと感じ、まずはスキルを身につけようとSHElikesに入会しました。
学習を進める中で、ブランディングコースを受講していた際、ペットの飼育放棄問題のニュースを見て課題のテーマに選びます。講師からの応援を受け「いつかこのサービスを実現したい」と決意。
地元で開催された起業コンペで見事認定を受け、現在は起業家とNPO職員として活動しています。

美容看護師の私が本業を続けながら、スキンケアブランドを立ち上げて起業を叶えるまで MOEさん
美容看護師として働きながら「本当にやりたいこと」を探していたMOEさん。家族との時間を十分に持てないことからキャリアチェンジを考え、SHElikesに入会しました。入会後、SHElikesが開催する起業家イベントでロールモデルの姿を見たことで、自身の本当にやりたかったことに出会えたといいます。
その後、起業コース・ブランディングコースを受講し、起業準備を開始。チームで挑戦したクラウドファンディングで目標金額600%以上を達成し、見事自身のブランドを立ち上げました。


資金計画を立てて起業を成功させよう
起業には資金が必要ですが、適切な知識と計画があれば、不安を乗り越えて成功へと導くことができます。この記事で解説した、起業に必要な費用の目安や資金調達の方法、そして成功のための戦略を参考に、まずは具体的な計画を立ててみましょう。
また、資金調達と同様に重要なのが、事業運営に必要なスキルの習得です。女性向けキャリアスクールSHElikesでは、45以上の職種スキルが定額で学び放題。起業の基礎知識が学べるコースや、共に切磋琢磨する仲間と出会えるコミュニティなど、サポートも充実しています。
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