デザイナーやクリエイターにとって、自身のスキルや実績を効果的にアピールするポートフォリオは不可欠な存在。特にPDF形式のポートフォリオは、さまざまな場面で活用できる汎用性の高い提出形式です。
本記事では、PDFポートフォリオの作り方から、おすすめの作成ツール、テンプレート活用法まで詳しく解説します。さらに、女性向けキャリアスクールSHElikes受講生のPDFポートフォリオの作品例もあわせて紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてください。
ポートフォリオをPDFで制作するメリットとは?
ポートフォリオをPDFで作成することには、多くのメリットがあります。まず、データ提出が容易になる点。多くの企業がオンラインでの応募を受け付けており、PDF形式であればメール添付やアップロードで手軽に提出できます。
次に、閲覧環境に左右されにくいのも大きなメリット。PDFはOSやデバイスに関わらず表示崩れが起きにくいため、相手がどのような環境で閲覧しても、あなたの意図通りのデザインやレイアウトが保たれます。さらに、ダウンロードしてオフラインで閲覧できるため採用担当者がじっくりと作品を吟味できる、対面の面接の場に持ち込み提示しながら実績を説明できる点も大きな強みです。
「ポートフォリオの作り方を学びたい」「掲載する作品を制作するためのスキルを磨きたい」と考えているなら、女性向けキャリアスクールSHElikesがおすすめ。SHElikesで何が学べるのかやどのようなサポートを受けられるかについては、以下の記事で詳しく解説していますので、興味を持った方はぜひチェックしてみてください。

ポートフォリオPDFに必要な要素と構成
PDFポートフォリオを作成する際には、あなたの個性とスキルを最大限にアピールできる構成と要素が不可欠です。
必要な要素について詳しく解説します。
自己紹介
自己紹介は、あなたのパーソナルな側面を伝える重要なセクションです。単なる学歴や職歴だけでなく、あなたがどのような人物で、なぜこの分野に興味を持ったのか、どのような経験を積んできたのかを具体的に記述しましょう。
あなたの個性や情熱が伝わるように、簡潔かつ魅力的な文章を心がけるのがポイント。顔写真やSNSアカウントへのリンクを掲載するのも効果的です。
作品紹介
ポートフォリオの核となるのが作品紹介です。それぞれの作品について、ただ成果物を見せるだけでなく、制作背景やコンセプト、工夫した点、そして達成したことなどを具体的に説明しましょう。
担当した役割や使用したツール、制作期間なども明記すると、採用担当者があなたの能力を正確に理解できます。最も自信のある作品を冒頭に配置し、視覚的に訴えかける魅力的なレイアウトを意識するとよいでしょう。
スキル
あなたが習得しているスキルを明確に提示するセクションです。デザインツール(Adobe Photoshop、 Illustrator Figmaなど)の習熟度、プログラミング言語、その他関連する知識や経験を具体的にリストアップしましょう。
単に羅列するだけでなく、それぞれのスキルをどのように作品制作に活かしたのか、具体的な事例を交えて説明すると説得力が増します。さらに、新しい技術への学習意欲もアピールできると好印象につながります。
将来のビジョン
将来のビジョンを語ることは、あなたのキャリアに対する真剣な姿勢を示すうえで非常に重要です。どのような分野で成長していきたいのか、どのような役割を担いたいのか、具体的な目標を述べましょう。
応募先の企業向けにポートフォリオをカスタマイズする場合は、その企業で働くことで、あなたのビジョンがどのように実現できるのか、また、その企業にどのように貢献できるのかを具体的に示すのがおすすめ。
そうすることで、採用担当者はあなたが企業文化にフィットし、長期的に貢献できる人材であるかを判断しやすくなります。
ポートフォリオPDFの作り方6ステップ
PDF形式のポートフォリオを作成する際は、以下の6ステップにしたがって進めることで、プロフェッショナルな仕上がりのポートフォリオを制作できます。
適切なツールとテンプレートを活用しながら、計画的に取り組みましょう。
1.掲載する作品を選定する
ポートフォリオに掲載する作品の選定は、あなたのスキルや個性を最も効果的にアピールするために非常に重要です。志望する企業や職種に合わせて、関連性の高い作品や、あなたの強みが明確に伝わる作品を厳選しましょう。
量よりも質を重視し、それぞれの作品について詳細な説明が加えられるように、数を絞ることも大切です。完成度の高いもの、最新のもの、そして異なる種類のスキルを示すことができるものを選ぶと、バランスの良い構成になります。
2.構成を考える
全体の構成は、読み手の視線の流れを意識して設計します。一般的には、自己紹介、作品紹介、スキル、将来のビジョンの順番が効果的とされています。ページ数は10〜20ページ程度に収め、各セクションのボリュームバランスを調整しましょう。
目次ページを設けることで、読み手が必要な情報に素早くアクセスできるようになります。
3.ポートフォリオ全体のデザインを決める
ポートフォリオ全体のデザインイメージを決定します。カラーパレット、フォント、レイアウトルールを事前に決定し、全ページで一貫性を保ちましょう。シンプルで読みやすいデザインを基調としつつ、あなたの個性や専門分野の特色を反映させることで、記憶に残るポートフォリオになります。
テンプレートを活用する場合も、オリジナル要素を加えてカスタマイズすることが大切です。
4.使用ツールを選ぶ
ポートフォリオ作成に使用するツール選びは、作業効率と表現の幅を大きく左右するため、比較検討して慎重に選びましょう。Adobe Photoshop、Illustrator、InDesignといったプロフェッショナルなデザインツールは、自由度の高いデザインが可能です。
一方、CanvaやFigmaのようなWebベースのツールは、テンプレートが豊富で直感的に操作できるため、初心者でも扱いやすいでしょう。あなたのスキルレベルや作成したいポートフォリオのイメージに合わせて最適なツールを選んでください。
5.各ページを作り込む
全体の構成とデザインが決まったら、いよいよ各ページの具体的なコンテンツを作り込んでいきます。自己紹介文や作品説明文を具体的に記述し、視覚的な要素(画像、グラフなど)を効果的に配置しましょう。
文章は簡潔に、しかし必要な情報はすべて盛り込むように心がけてください。誤字脱字がないか、繰り返し確認することも重要です。一つひとつのページにこだわり、あなたの情熱を表現しましょう。
6.ポートフォリオ全体を整える
すべてのページが完成したら、最後にポートフォリオ全体を最終チェックします。誤字脱字、レイアウトの崩れ、リンク切れなどがないか、隅々まで確認しましょう。PDFとして出力し、実際に閲覧してみて、スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスでの表示も確認すると安心です。
ファイルサイズが大きすぎないか、共有しやすいかどうかも考慮し、必要に応じて最適化を行ってください。この最終段階で細部までこだわり抜くことで、あなたのプロ意識が伝わるポートフォリオが完成します。


おすすめのポートフォリオPDF作成ツール4選
ポートフォリオPDFの作成には、以下のようなさまざまな作成ツールが活用できます。
各ツールの特徴を紹介しますので、あなたの目的やスキルレベルに合ったものを選びましょう。
Adobe Photoshop・Illustrator・InDesign
Adobe社の主要なデザインツールであるPhotoshop、Illustrator、InDesignは、プロフェッショナルなポートフォリオ作成に適しています。Photoshopは画像編集に強く、作品のビジュアルクオリティを高めるのに役立ちます。
Illustratorはベクターグラフィック作成に優れており、ロゴやアイコンなど、シャープなデザインを制作する際に力を発揮。InDesignはページレイアウトに特化しており、複数ページのポートフォリオを効率的にデザイン・構成するのに適しています。
また、これらのツールを組み合わせれば、自由度が高く、洗練されたデザインのポートフォリオを制作できます。
Canva
Canvaは、デザインの専門知識がない方でも直感的に操作できるオンラインデザインツールです。豊富なテンプレートや素材が用意されており、それらを組み合わせるだけでプロのようなポートフォリオを簡単に作成できます。
ドラッグ&ドロップで画像を配置したり、テキストを追加したりできるため、手軽に高品質なPDFポートフォリオを制作したい方におすすめです。無料プランでも十分に活用できますが、有料プランにアップグレードすると、より多くの機能や素材を利用できます。
Figma
Figmaは、UI/UXデザインを中心とした現代的なデザインツールです。ブラウザベースで動作するため、特別なソフトウェアのインストールが不要で、どのデバイスからでもアクセスできます。
リアルタイムでの共同編集機能が非常に優秀で、複数人でのフィードバックや修正作業をスムーズに行えます。近年多くのWebデザイナーやUI/UXデザイナーが実務に用いているため、自身のスキルを示すうえでも適したツールといえるでしょう。
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MATCHBOX
MATCHBOXは、情報を入力していくだけで洗練されたデザインのポートフォリオが完了するサービス。サービスサイト上でテンプレートに沿って簡単に制作できるので、デザインツールを使ったポートフォリオの作り方がわからない方でもクオリティの高いポートフォリオが作成可能です。
PDF出力・公開機能があり、ノンデザイナーやシンプル志向の方におすすめです。国内企業への応募を想定した構成やデザインが多く、就職活動や転職活動に特化したポートフォリオを作成できます。
ポートフォリオのテンプレートが見つかるおすすめサイト
効率的にポートフォリオを制作するには、高品質なテンプレートの活用が効果的です。以下のようなサイトで無料から有料までさまざまなテンプレートが提供されており、活用すれば制作時間を大幅に短縮できます。
各サイトについて詳しく紹介します。
Figmaテンプレートギャラリー
Figmaの公式テンプレートギャラリーでは、世界中のデザイナーが制作した高品質なポートフォリオテンプレートが無料で提供されています。UI/UXデザイン、グラフィックデザイン、プロダクトデザインなど、さまざまな分野に特化したテンプレートが豊富に揃っています。
Figmaアカウントがあれば誰でも利用でき、テンプレートをベースに自分好みにカスタマイズ可能。最新のデザイントレンドを反映したモダンなテンプレートが多いのも魅力です。
Adobe Stock
Adobe Stockは、高品質な写真、イラスト、動画などの素材を提供するだけでなく、Photoshop、Illustrator、InDesignなどで使用できるプロフェッショナルなテンプレートも豊富に取り揃えています。
デザイン性の高いポートフォリオテンプレートが多く、さまざまな業種やテイストに対応したものが揃っています。有料サービスではありますが、その分クオリティの高いテンプレートが多いのが特徴です。
Canva
Canvaでは、ポートフォリオ専用のテンプレートカテゴリが用意されており、さまざまな職種やスタイルに対応したデザインが見つかります。無料テンプレートも豊富で、初心者でも簡単に編集できる仕様。
テンプレートには、適切な画像プレースホルダーやテキストエリアが設定されているため、内容を差し替えるだけで完成度の高いポートフォリオが作成可能です。日本語対応のテンプレートも増えており、国内での利用にも適しています。
SHElikes受講生が制作したPDFポートフォリオ作品例
ここで、SHElikes受講生の資料デザイナーこんさんのポートフォリオを紹介します。Canvaを利用して作成されており、PDF形式で出力が可能。「1ページ1メッセージ」「目次とレイアウト」など閲覧者の視点の工夫がされており、デザインスキルやプレゼン力が随所で光る構成です。
作品紹介のページにおける、複数枚のスライドデザインを見せる構成は参考になります。資料デザイナーという職種のため、ポートフォリオ自体がこんさんのスキル・センスの高さを表しています。

こんさんのポートフォリオはこちら

PDFポートフォリオは「見やすさ」と「魅せ方」が決め手
この記事では、ポートフォリオをPDFで作成するメリットから、必要な要素、具体的な作成ステップ、そしておすすめのツールやテンプレートサイトまで、幅広く解説しました。PDFポートフォリオは、あなたのスキルや経験、そして個性を伝えるための強力なツールです。
本記事で紹介した情報を参考に、あなたの魅力を最大限に引き出すポートフォリオを作成し、理想のキャリアへとつなげてください。女性向けキャリアスクールSHElikesでは、ポートフォリオ作成に特化した講座やイベント、プロの講師のアドバイスで、受講生のポートフォリオ作りをサポートしています。
受講生限定のコミュニティで、同じ目標を持つ仲間と出会うこともでき、アドバイスしあったり励ましあったりしながら学習を継続できるのも嬉しいポイント。無料体験レッスンを開催しているので、興味を持った方はまずは気軽に参加してみてはいかがでしょうか。



