キャリアの多様化により転職が当たり前になった昨今では、20代で転職を希望する方は多いでしょう。しかし、「スキルがないため転職活動に踏み出せない」と悩むこともあるのではないでしょうか。
結論から述べると、スキルなしの20代が転職を成功させることは可能です。そこで、本記事では転職したいけどスキルがない20代が転職を成功させるコツやおすすめの転職先を紹介。また、転職活動の際の注意点、悩みや疑問の解消法も解説します。
スキルがない状態から転職を成功させたい20代の方は、ぜひチェックしてみてください。
転職したいけどスキルがない20代によくある悩み・疑問と解消法
転職を希望する20代のなかには、「やりたいことが見つからない」「自分の強みが分からない」「スキルなしで転職できる?」などの悩みや疑問に直面する方もいるでしょう。
転職にあたり不安や悩みを抱くのは誰しも当たり前のことであり、適切に向き合うことで対処できます。また、悩みや不安、疑問を解消できると、転職活動に自信を持てるようにもなるでしょう。
ここでは、転職したいけれどスキルがない20代によくある悩みや疑問とその解消法を紹介します。
20代で転職したいけどスキルがないしやりたいことも見つからない
「転職したいけれどスキルがない」と悩む方は、20代ならスキルなしでも転職できるケースが多いことをまず押さえておきましょう。20代はポテンシャルを期待されて採用に至る場合があるため、スキルがなくても転職できる可能性は高いのです。
厚生労働省の調査によると、企業が若年正社員の採用選考にあたり重視する点は「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が72.7%でトップなのに対し、「業務に役立つ専門知識や技能」は34.8%とされています*1。よって、スキルなしを理由に転職を諦めることはせず、仕事への意欲や将来性などをアピールすることが大切といえるでしょう。
やりたいことが見つからない場合は、興味のあることや楽しいと感じること、得意なことなどを書き出してみるのがおすすめです。また、モチベーションが下がることや苦手なことをリストアップするのもよいでしょう。興味の方向性を探ることで、やりたいと思える仕事や目標を見出せる可能性があります。
スキルがなく自分の強みがわからない!でも20代で転職したい
自分の強みが分からない方には、自己分析がおすすめです。自己分析を通じて自分の強みを見つけられれば転職活動を進めやすくなるうえ、キャリアビジョンも明確になります。
自己分析の詳細は後述しますが、まずは今までに経験した仕事や成功体験、やりがいを感じたことなどを棚卸ししてみてください。
加えて、自分の性格や仕事に対する価値観なども洗い出しましょう。そうすることで、自分の強みや特徴を踏まえたアピールポイントを把握でき、転職実現に向けた具体的な道筋が見えてくるはずです。
20代後半でスキルなしでも転職できる?
「20代後半でスキルもないけれど、転職は可能?」と思う方もいるでしょう。結論から述べると、スキルなしで20代後半の方でも転職はできます。
前述の通り、20代は中長期的に自社で教育することを前提としたポテンシャル採用の対象範囲であるため、スキルがなくても将来性をアピールできれば転職成功の可能性は高まるでしょう。
ただし、20代後半での転職は、20代前半での転職と比べて即戦力になるかどうかをチェックされやすくなる点は押さえておいてください。

【スキルがない20代向け】転職を成功させるコツを伝授
スキルがない20代が転職を成功させるためには、以下の点を意識するとよいでしょう。
それぞれをチェックし、転職活動に活かしてみてください。
徹底した自己分析
スキルがない20代が転職を成功させるには、徹底した自己分析が欠かせません。前述の通りスキルなしで転職を目指す場合はポテンシャルを評価してもらわなければならないため、自分の強みをアピールする必要があります。自己分析をして自分の強みや適性、価値観などを徹底的に洗い出し、転職先でどのように活躍できるかを明確に伝えられるようにしましょう。
また、自分のことを理解できると、転職活動をスムーズに進めやすくなります。自分に適した職業が分かるうえ、志望動機や自己PRで説得力のある話がしやすくなるためです。転職活動を有利に進めるためにも、自己分析はしっかり行いましょう。
面接に向けた準備と対策
面接に向けた入念な準備と対策も、転職を成功させるコツの1つです。どれだけ意欲が高く自己分析を徹底的に行っても、それを面接で伝えられなければ転職活動の成功率は低下してしまいます。
志望動機や自己PRはもちろん、現在の会社を辞める理由なども入念に整理し、面接官が納得するような話ができるよう練習を重ねましょう。
転職理由や志望動機はポジティブに
転職活動の際は、転職理由や志望動機をポジティブな内容にすることが大切です。実際、現職を辞める理由のなかには「残業が多い」「同僚となじめない」「仕事内容にあまり興味がない」などネガティブなものもあるでしょう。しかし、それを転職活動で正直に伝えてしまうと、マイナスの印象につながりかねません。
例えば、残業の多さを転職理由として伝える場合、「残業が多くスキルアップのための時間が取れなかった」のように伝えると、「主体的にスキルアップして会社に貢献してくれそう」と前向きな印象を面接官に与えられるでしょう。
転職サービスやエージェントの活用
スキルなしの20代が転職を成功させるには、転職サービスやエージェントの活用も大切です。求人紹介や面接対策、スケジュール調整などのサポートを受けられるため、効率的に転職活動を進められます。
特に、スキルがない場合はポテンシャルを伝える必要があるため、転職のプロからアドバイスしてもらうことで効果的なアピール方法が分かるでしょう。
以下の記事では、おすすめの転職サイトやエージェントを紹介しています。どの転職サービス・エージェントを活用すればよいか迷う方は、ぜひチェックしてみてください。

スキルがない20代が転職活動する際の注意点
スキルがない20代が転職活動する際は、以下の3点に注意してください。
それぞれの注意点を押さえて、後悔のない転職を実現させましょう。
転職先が決まる前に現職を辞めてしまう
1つ目の注意点は、転職先が決まる前に現職を辞めてしまうことです。
現職を辞めてから転職活動をすると、なかなか転職先が決まらない場合に経済的な負担が大きくなったりキャリアに空白ができたりし、転職活動をスムーズに進めにくくなるでしょう。そうすると焦りが生じ、妥協して転職先を決めてしまった結果、早期離職につながってしまう可能性があります。
経済的、精神的に余裕を持って転職活動を進めるために、現職を辞めるタイミングは転職先が決まった後がよいでしょう。もし仕事と転職活動の両立が難しい場合は、エージェントの活用を検討してみてください。面接の日程調整などをサポートしてもらえるため、仕事と転職活動を並行して進めやすくなります。
転職したい気持ちが先走ってやみくもに求人に応募してしまう
転職活動の際は、手当たり次第に求人に応募するのは避けましょう。20代はポテンシャルが重要視されるためさまざまな職業に転職できる可能性はありますが、やみくもに応募すると「志望度が高くない」「目標が定まっていない」「自分の適性を分かっていない」などと捉えられ、転職活動の成功率は低下します。
転職したい気持ちが先走ってしまうこともありますが、自己分析や企業研究を入念に行い、自分が本当に転職したいと思える企業を絞って応募するようにしてください。「急がば回れ」の気持ちで転職活動を進めると、理想の転職を叶えられるでしょう。
労働条件をよく確認せずに入社後のミスマッチが起きる
入社を決める前に、転職先の労働条件をしっかり確認するようにしてください。労働条件を把握せずに転職すると「自分が想定していた条件と違う」「こんなはずではなかった」という事態も起こり得るため、再び転職する必要が出てくるかもしれません。
転職後のミスマッチを防ぐため、業務内容や給与、休日、福利厚生、雇用形態などは入念に確認しておきましょう。
ただし、労働条件について採用担当者や面接官に細かく聞くとマイナスの印象を与えてしまう場合もあるので、募集要件をチェックしたり転職エージェントに確認したりなど情報収集し、内定通知のタイミングでも労働条件通知書をしっかり確認するのがおすすめです。
スキルがない20代におすすめの転職先
スキルがない20代におすすめの転職先は、以下の2つです。
転職先に悩む方は、ぜひチェックしてみてください。
未経験者OKの求人が多い職種
1つ目は、未経験OKの求人が多い職種です。例えば、ITやWeb系の職種は、未経験者にも門戸が開かれている傾向があります。IT・Web業界への転職は、専門的なスキルや経験がないと難しいように思えるでしょう。
しかし、人手不足に直面しているIT・Web系企業は少なくないため、未経験でも採用される可能性があります。
経済産業省によると、IT人材は将来的に40万人〜80万人の規模で不足する可能性があるとされています*2。このような需要ギャップの背景もあり、入社後にIT人材育成のための研修を実施するなど未経験者を積極的に採用する企業もあるため、スキルなしの20代がIT・Web業界へ転職することは可能といえるでしょう。

入社時にスキルなしでも活躍が目指せる仕事
現在、特定の専門スキルがない場合でも、転職後に実務を通じて知識を身につけスキルを磨くことで活躍を目指せる仕事もあります。
例えば、営業職や飲食店などでの接客業ではコミュニケーション能力が重要視されるうえ、商品やサービスに関する知識は働きながら身につけられるため、未経験から転職する場合でも活躍を目指しやすいでしょう。
また、事務職はパソコンの基礎知識があれば、入社後に実務経験を積みスキルを磨くことで活躍できるといえます。

特定のスキルがない20代がスキルアップするメリット
20代は特定のスキルがなくても転職できる可能性はありますが、スキルアップすることにより以下のメリットがあります。
- 自分の市場価値が向上する
- 転職先の候補が増える
- 昇給やキャリアアップにつながる
上記のほかにも、スキルを習得することで、モチベーションや業務生産性の向上が期待できます。
どのスキルを習得するか迷う場合は、キャリアプランを考えてみてください。理想のキャリアを描くことで、それを実現させるために必要なスキルが明確になります。
また、必要に応じた資格の取得もおすすめです。資格試験の合格に向けて勉強することで、新たな知識やスキルを身につけられます。主体性を持って資格やスキルを習得した実績は、転職の採用選考においても有利にはたらく可能性があります。

20代未経験から転職に成功した事例
最後に、20代未経験からSHElikes(シーライクス)を受講して転職に成功した以下2名の事例を紹介します。
2名の転身ストーリーを知ることで、未経験から転職を実現させる具体的なイメージをつかめるかもしれません。
転職したいけどスキルがないと悩む20代の方は、未経験から新たなスキルを身につけキャリアチェンジを果たしたロールモデルとして参考にしてみてください。
営業職からフルリモートマーケターに転職した natsukiさん
求人広告の営業職として働いていた natsukiさんは、結婚を機に営業推進に異動しました。家庭と仕事の両立を考えての決断でしたが、以前と比べてやりがいや年収が減り、モヤモヤした気持ちが溢れそうに。そんなときSHElikesに出会い、キャリアプランナーとの対話を経て転職に対する具体的な目標が見えたと語ります。やりたいことを見つけるべく、さまざまなスキルを学びつつ自分に適した仕事を探したそうです。
転職成功に向けたSHElikesの活用方法を学ぶため、転職コミュニティ*にも参加。また、SHElikesで身につけたマーケティングスキルを活かしてコミュニティ運営にチャレンジしたことでマーケターとしての実績ができ、転職活動でのアピールポイントになったそうです。
その結果、入会後4か月でフルリモートのマーケターへ転職を果たし、家族との時間を大切にできる働き方を実現しました。
*コミュニティ:SHElikes内で共通のテーマを元に集まるグループのこと。一緒に学ぶ仲間との情報交換が可能。

未経験からスタートアップ企業のデザイナーに転職した さきさん
大手人材会社で事務職として働いていた さきさんは、基本的なパソコンスキル以外に自信が持てるスキルがないことに不安を抱いていました。さまざまなスキルに興味はあったため、全45以上の職種スキルを学べるSHElikesへの入会を決意したそうです。
入会後は、PhotoshopやIllustrator、Figma、ライティングなど複数のコースを受講しました。その頃、当時勤めていた会社で部署異動の話があり、デザインを勉強していることやこれからの展望をアピール。熱意を伝えたことにより、異動先部署では習得したスキルを活かし、バナー・チラシ・LP制作の業務を担当するようになりました。
その後、出張先でスタートアップ企業の代表と出会ったことをきっかけに、業務委託としてデザインの仕事を請けるように。1年半ほど働いたあと、正式にインハウスデザイナーとして入社し、当初は想像もできなかったスタートアップ企業へのデザイナー転職を叶えたそうです。

転職したいけどスキルがない20代は、スキルアップを目指してみよう
20代はポテンシャルが重要視されるため、スキルがなくても転職できる可能性はあります。自己分析をして自分の強みを把握したり面接の対策を練ったりして、転職に向けた一歩を踏み出しましょう。
以下の記事では、20代で転職を成功させるコツを詳しく紹介しています。転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

※出典
*1:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」より
*2:経済産業省「参考資料(IT人材育成の状況等について)」より

