広告運用とは、広告の管理や改善策の立案などをおこない、販売の促進や問い合わせの件数の増加を目指すものです。
この記事では、広告運用の概要と広告運用者として就職する際の志望動機の書き方について解説します。広告運用の仕事をするにあたって求められるスキルや業務に役立つ資格、業界の動向などについても紹介するので、広告業界への就職や転職を考えている方は参考にしてください。
Web広告運用の志望動機を書く前に確認しておくこと
Web広告運用の志望動機を書く際は、以下の点について事前に確認しておくようにしましょう。
Web広告運用の仕事内容
Web広告運用の業務は、広告の入札や入稿のみならず、広告枠の選定や戦略の立案など多岐に渡ります。クライアントへの直接の提案や打ち合わせ業務も含まれるため、広告運用に関する幅広く総合的な知識が求められるでしょう。
また場合によっては、営業がフロント業務を担当するケースもあります。最近では広告の種類も増加しており、その技術革新には目覚ましいものがあります。日々の情報のアップデートやキャッチアップは、効率的に広告運用の仕事をする上でも必須であるといえるでしょう。
運用型広告の種類
運用型広告には、次のようなものがあります。
リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジン上に表示される運用型広告です。検索エンジンの上部や下部に表示され、自社が事前に設定したキーワードと連動して広告表示されるのが特徴です。
一般的にGoogleリスティング広告は、Googleの検索エンジン上に広告出稿できるプラットフォームです。スマホユーザーが多く、自社ターゲットがモバイルユーザーの場合特におすすめといえます。Yahoo!リスティング広告は、Yahoo!検索エンジン上に広告出稿できるプラットフォームで、比較的高齢世代のパソコンユーザーが中心となるケースが多いです。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、広告枠があるWebサイト上に広告出稿する運用型広告です。ユーザーが閲覧しているコンテンツに合わせて、広告を表示することができるのが特徴です。
興味がありそうなターゲット層にアプローチすることが可能で、商品への興味関心は高いものの購買意欲はそれほど醸成されていないユーザーへのアプローチをおこないやすい傾向があります。
SNS広告
SNS広告とは、「Facebook」や「Instagram」「X（旧Twitter）」など、SNS上に出稿できる運用型広告の総称です。ユーザー情報を駆使したターゲティングや豊富な課金制度がを特徴です。
年代やライフスタイルによって多く使用するSNSが異なるため、自社のターゲット層が多く利用するSNSを選定することによって的確なマーケティングアプローチが可能となります。また出稿内容や配信数、配信期間、ターゲットがリアルタイムで変更でき、広告の成果に応じて広告費（クリック課金等）が算出されます。
動画広告
動画広告は、YouTubeやWebサイト上に動画形式で出稿する運用型広告です。YouTubeコンテンツの再生前・再生中や、Webサイト上に出稿できます。動画の場合、画像データや文字テキストに比べて短時間で多くの情報を提供することができるので、情報量が多いサービスの説明にも適しています。また他の運用型広告に較べて、広告出稿の単価が低く抑えられる傾向にあるのも特徴です。
DSP広告
DSP広告は、複数のアドネットワーク広告をまとめて管理したい方に向けたWeb広告運用のあり方です。1社のアドネットワークだけではターゲットをカバーしきれない場合が少なくありませんが、DSPを活用すると複数のアドネットワーク広告をひとつのプラットフォームで管理することができるようになります。またDSP広告では広告配信するターゲットの絞り込みをおこない、リアルタイムで広告枠の入札をおこないます。利益の最大化を目指すことができるでしょう。
ネイティブ広告
ネイティブ広告とは、その媒体に掲載されている記事コンテンツと同じ見た目で表示される運用型広告です。広告色が薄いため、ユーザーに対して自然なアプローチをおこなうことができます。
Web広告運用で求められるスキル
広告運用では、Web上でさまざまな戦略を立て、その戦略に基づいた実践を繰り返すことが大切です。
そのために必要なスキルとしては、主に次の4つが挙げられます。
- Webの特性を十分に理解して戦略を練るマーケティング力
- データを集計して紐解く分析力
- それらの試行錯誤を繰り返していく継続力
- 業界に対する知識
これら３つのスキルを併せ持つことが、効率的に業務を遂行する上で鍵となるでしょう。
Web広告運用の志望動機の書き方！押さえるべきポイントを紹介
Web広告運用は、Webマーケティング業界の職種のなかでも求人数が多く、需要が大きい分野です。とはいえ、未経験からの転職など状況によってアピールできるポイントが異なるため、Web広告運用の志望動機について考えてみましょう。
志望動機の基本構成：文字数は200〜300文字
志望動機の基本構成は、次のようになります。
- 今までやってきたことやその実績
- 今まで経験した仕事内容を簡潔にまとめ、仕事をしたうえでの実績を加味すると説得力が増すでしょう。なお志望動機で最適な文字数は、200文字から300文字程度です。
- Web広告運用に興味を持ったきっかけ
- 特に未経験からの転職を目指す場合、どうしてこの広告運用に興味を持ったのかが重要なポイントとなるでしょう。
- その会社への志望理由
- Web広告運用を出来る多くの会社のなかでも、なぜその会社に応募したかの志望理由を述べます。その会社でしかなし得ない理由を伝えましょう。
- 自分のキャリアビジョン
- 志望動機に加えて、自分の描いている入社後のキャリアアップやキャリアビジョンをが具体的に語れるのが理想です。ここでは求職者が目指すキャリアと会社が提供する環境のマッチングがなによりも重要となります。
- 入社後の展望
- 入社したらどのような活躍をしていきたいかを述べることで、具体的なイメージを描きます。これらの要素を簡潔で且つ具体的なイメージとして1つにまとめていきましょう。
これらを限られた文字数でまとめる必要があるため、まずは自己分析をしっかりとおこない、自身のキャリアについて徹底的に向き合うことをおすすめします。自分の長所や短所などの自己像から理想とするキャリアビジョン、今までの仕事内容とその取り組みや学び、仕事での成功体験や意識して取り込んだ事、失敗体験とそこから学んだことなどを整理してみましょう。
応募先企業で働きたい理由を明確にする
なぜ数あるWeb広告運用の会社のなかで、その会社に応募したいと思ったのでしょうか。熱意をしっかり伝えるためにも、その企業で働きたい理由を自分のなかで明確にしましょう。
採用や教育は、企業側にとってもお金や時間がかかる活動です。早期退職のリスクを避け、しっかり働いてくれる人を採用したいというのが採用側の本音でしょう。自分のなかで理由を固め、面接でも話せるように準備をしておくことが大切です。
企業が求める人材像・スキルを把握する
内定を獲得するためには、求職者が目指すキャリアと会社のニーズや環境がマッチしていることがなによりも重要です。そのうえで、Web広告運用の仕事に必要な自己の適性をアピールする必要があります。数字を用いた分析力やWeb広告に関する知識、消費者の気持ちに寄り添う想像力、新しいアイディアを生み出す発想力や粘り強く分析を行う継続力など、自己分析の結果で企業が求める人材像・スキルに当てはまっている部分をチェックしていきます。
入社後にどう活躍できるか将来像を伝える
入社後の大まかな活躍のビジョンが具体的にイメージできていることが伝わると、採用側に期待感と安心感をあたえることができるでしょう。例えば、「入社した後は積極的に関係部署や社員の方やクライアントの方々とコミュニケーションをとりながら、自身の○○のさらなるスキルアップに取り組みたい。それによって○○事業の成長と成功に貢献したい」といった意志と具体的なビジョンがあれば望ましいといえるでしょう。
Web広告運用の志望動機の書き方【経験者の例文】
経験者の方はスキルや実績をアピールすることが可能です。自分の実力と応募先企業のマッチングをアピールできるとよいでしょう。
経験者向け：スキル・実績をアピールした例文
私はこれまでWeb広告運用のデジタルマーケティング分野において、SNS広告やリスティング広告の運用を担当してきました。特に、年商1億円を超える工芸品を扱う企業の案件では、動画広告を活用し、毎月50件以上の購入数増加を実現しました。結果として、お客様に過去最高の売上を提供することができました。これらの経験を通じて培った分析力と実行力を活かし、貴社に即戦力として貢献したいと考えています。
ポイント解説
- 具体性を強調：運用した広告の種類や成果を明確に記載することで、説得力が増すでしょう。
- 企業に対する貢献意欲を示す：具体的な経験をベースに、入社後の活躍をイメージできる文章にすることが大切です。
経験者向け：企業に魅力を感じていることを伝える例文
私は約12年間、Webマーケターとして勤務してきました。SNS広告やディスプレイ広告の企画・運営を行い、効果測定と改善に注力してきました。貴社がWeb広告業界のリーディングカンパニーとして新たな挑戦を続けている点に深く共感し、その成長に携わりたいと考えています。これまでの経験を活かし、貴社の更なる成功に貢献できると確信しています。
ポイント解説
- 企業研究を反映：応募先企業の特徴やビジョンに共感する姿勢を示します。
- 経験の活用提案：これまでの実績を、応募先のニーズにどう活かすかを具体的に述べます。
Web広告運用の志望動機の書き方【未経験者の例文】
未経験の方の場合は、これまでに培ってきたスキルをWeb広告運用でどう活かすのかや、具体的な成果をしっかりと示すことが大切です。
未経験者向け：過去の経験をアピールする例文
私は現在、美容メーカーのルート営業として、お客様との信頼関係を築きながら受注対応や新規開拓を行っています。購入履歴を分析して次の提案を行うなど、先を見据えた営業活動を心がけております。Web広告運用は未経験ですが、これまで培ったコミュニケーションスキルや先回りする姿勢を活かし、貴社の業務に貢献できると考えております。
ポイント解説
- 実績とスキルの関連付け：未経験分野に活かせるスキルを明確に示し、自信とその根拠を伝えます。
- 前職の成功体験を活用：自分の強みを新しい業務にどう応用するかを具体的に述べましょう。
未経験者向け：具体的な成果を強調する例文
私は医療機器メーカーの法人営業を8年間担当し、400人以上のクライアントとの円滑なコミュニケーションを通じ、年間1億円以上の売上に貢献しました。Web広告業界に興味を持ったのは、デジタルを活用したマーケティングが今後さらに重要になると感じたためです。これまでの営業経験と成果を基に、貴社で新たなスキルを磨きながら成長したいと考えています。
ポイント解説
- 業界志望の理由を明示：単なる興味ではなく、志望した背景や動機を具体的に述べることが重要です。
- 意欲をアピール：新しい挑戦に対する積極性を示し、成長の可能性を伝えます。
Web広告運用でNGとされる志望動機
志望動機の作成では、注意すべき点がいくつかあります。一見アピールになると思われる文言であっても、マイナス評価を受けてしまう場合もあります。
具体的には、ネガティブな文言を避けることを意識しましょう。「売り上げが厳しい」や「労働環境の問題がある」、「商品力がなくて売れない」、「給料が低い」などのネガティブな文言は、他責思考や否定と捉えられてしまう可能性があります。仮に否定的な思いが浮かんだとしても、前向きな考えや表現に変えるよう工夫をしてみましょう。
また、入社後に貴社で学びたいと書くこともNGです。一見熱意があるかのように思えますが、受け身な印象を与えてしまう可能性があるので注意してください。
志望動機では、仕事内容や事業内容、企業理念や社風への共感といった企業への関心を中心にアピールするのが基本となります。相手に伝わりやすく、たくさん届く志望動機のなかから目に留めてもらえるよう、200～300字程度で簡潔に、企業理念への共感などのアピールポイントを明確に伝えるようにしましょう。
Web広告運用の志望動機を魅力的に書くコツ
ここからは、Web広告運用の志望動機を魅力的に書くコツを紹介します。志望動機を魅力的に書くためには、前提となる知識が必要です。それらを踏まえて記述することで、格段に魅力的な文章にすることができるでしょう。
徹底した企業研究
やはり応募先の企業研究は、1・2を争うほど重要といってよいでしょう。企業理念からどのような事業を展開しているのか、どのような社風でどのような人材を求めているかを把握することで、企業に伝えるべきことが見えてきます。
さらに、その企業の強みや今後の事業展開まで確認することで、企業理解をさらに深めることができるでしょう。なぜ数ある企業のなかからその会社を選ぶのか、その会社でなければならない理由を考えてみてください。
また時には、実際にその会社で働いている人の生の現場の声を思い切って聞いてみるのも、企業への理解度を高める方法としておすすめです。
自己分析・棚卸し
徹底した企業研究が必要なように、自分自身の性格や強みとキャリアを徹底的に客観視することも必要です。自分とはどのような人間で、これまでどのようなキャリアを築いてきたのか、そのうえでどのようなキャリアビジョンを描いているのかを把握しましょう。
すべての土台となる自己分析とキャリアの棚卸しが曖昧だと、転職理由や志望動機もピントがぼやけたものになりがちです。まずは自分の長所と短所の分析から始め、好きなことや嫌いなこと、得意なことや不得意なこと、理想のキャリアビジョンなど、先の人生まで見据えた自己分析をじっくりとおこないます。
また今までの仕事の履歴やそこから何を学んだか、仕事での成功体験、意識して取り組んだこと、仕事での失敗体験とそこから学んだことなど具体的なエピソードも整理してみることで、応募先企業を志望する自身の動機にもあらためて気づくことができるかもしれません。
キャリアビジョンの明確化
企業研究や自己分析を経て、さらに魅力的な志望動機を目指すためにも、キャリアビジョンを明確化して語れることが大切です。就職・転職では、求職者が目指すキャリアと会社の目指す未来や環境へのマッチングが重要となります。入社後の自分が目指す理想のキャリア像を具体的に描き、応募先企業との親和性の高さを志望動機として表現することが、1つの理想といえるのではないでしょうか。
自己分析や企業研究を怠らず、基本構成を意識して志望動機を作成すれば、どんな職種からの転職でも魅力的な志望動機を書くことができるでしょう。大切なのは、単に自分が得意なことをアピールするのではなく、企業が求めている要素にマッチしていることをアピールすることです。今後の自分自身のキャリアプランを描くためにも、ぜひ積極的に振り返ってみてください。
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広告運用の志望動機は自分と企業のマッチングを意識しよう！
広告運用の志望動機を書く際におさえるべきポイントやNGとされる内容、具体的な例文などを紹介してきました。
広告運用者として就職・転職を目指す志望動機においても、自分のもつスキルや特徴、将来像と企業の求めるものの重なりを伝える必要があります。そのためにも、自身のスキルや強みを棚卸しし、長い目で見たキャリアプランを練ることが大切です。
ぜひこの記事を参考に自分ならではのプランを立て、志望動機に落とし込んでみてください。
