クリエイティブな仕事に憧れ、UIデザイナーになりたいと考えている方も多いかもしれません。しかし「未経験からUIデザイナーになるには、何からはじめればいいのかわからない」と悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では、未経験からUIデザイナーになるための具体的なステップや必要なスキル、おすすめの学習方法について詳しく解説します。
UIデザイナーとはどのような仕事？
UIデザイナーとは、WebサイトやアプリケーションのUI（ユーザーインターフェース）を設計する仕事です。UIデザイナーについて以下を詳しく紹介します。
UIデザイナーについて理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
UIデザインとは
UI（ユーザーインターフェース）とは、Webサイトやアプリケーションなどのデジタル製品において、ユーザーが直接操作する画面や要素のことです。UIデザインとは、このUIをデザインすることを指します。
UIデザインの目的は、ユーザーにとって直感的で使いやすく、視覚的にも魅力的なインターフェースを作り出すことです。
UIデザイナーの主な業務内容
UIデザイナーの主な業務は、ユーザーにとってわかりやすく使いやすいインターフェースを設計・制作することです。具体的には、ボタン・アイコン・メニューなどの視覚的要素をデザインします。
デザインを制作する過程で行う、ワイヤーフレームやプロトタイプの作成、ユーザーテストの実施、開発者との連携などもUIデザイナーの重要な業務です。常にユーザーのニーズを念頭に置きながら、魅力的で機能的なデザインを追求するのがUIデザイナーの役割です。
Webデザイナー・UXデザイナーとの違い
UIデザイナーと類似する職種として「Webデザイナー」「UXデザイナー」があります。これらは密接に関連した職種ですが、異なる役割を担っています。Webデザイナー・UXデザイナーの役割は以下のとおりです。
- Webデザイナー：Webサイトの視覚的なデザインを担当する職種
- UXデザイナー：製品やサービスのユーザー体験をデザインする職種
勤める会社によってWebデザイナーがUIデザイナーを兼ねていたり、UI/UXデザイナーというUIとUXどちらも担う職種を設けていたりといったケースもあります。ユーザー中心という考え方が広まった中、Webデザイン・UXデザイン・UIデザインは切り離せないものと考えられるようになっています。
未経験からUIデザイナーになるための5ステップ
未経験でも以下の5つのステップを踏むことで、着実にスキルを身に付け、UIデザイナーを目指すことが可能です。
各ステップについて詳しく解説します。
1.デザインの基礎を習得する
UIデザイナーになるための第一歩は、デザインの基礎を習得することです。デザインの基礎知識は、美しく機能的なインターフェースを作るうえで不可欠です。
書籍やオンライン教材で学んだり、スクールに通ったりして、デザインの基礎を習得しましょう。実践的な演習に取り組み、理論を実際のデザインに応用する力を養うのも大切です。
2.ユーザビリティやUXの考え方を学ぶ
UIデザインは見た目の美しさだけでなく、使いやすさも重要です。そのため、優れたUIをデザインするには、ユーザビリティやUXの考え方を理解することが大切です。
インタラクションデザインの原則やユーザーリサーチの方法、ペルソナの作成やカスタマージャーニーマップの描き方などを学びましょう。これらの学習を通じて、ユーザー中心のデザイン思考を身に付けることができます。
3.デザインツールの使用スキルを習得する
UIデザイナーとして活躍するためには、業界標準として使用されているデザインツールを使いこなすスキルが必要です。主要なUIデザインツールとしては、Adobe XD・Sketch・Figmaなどがあります。
各ツールの特徴や長所を理解し、効率的に使いこなせるように練習を重ねましょう。デザインツールは、新しいツールや機能が日々登場するため、継続的に学習を行うのが大切です。
4.ポートフォリオを作成する
UIデザイナーとしてのスキルと経験を示すために、ポートフォリオを作成しましょう。未経験の場合、仕事として手掛けたデザインがないため、スキルをアピールするにはポートフォリオを提示するのが有効です。
ポートフォリオには最終的なUIデザインだけでなく、ワイヤーフレームやプロトタイプなど制作の過程も含めると、デザインへの取り組み方をアピールできます。
5.未経験可の求人に応募し就職・転職する
ポートフォリオが整ったら、UIデザイナーの求人に応募するステップです。転職エージェントや求人サイトを活用して、未経験可の求人を探し応募してみましょう。
未経験の場合、今後UIデザイナーとして活躍できる素養や熱意があるかを重視される傾向があります。今まで身に付けてきたスキルをポートフォリオを用いて示し、その企業でUIデザイナーとして働きたいという熱意をアピールしましょう。
UIデザイナーに必要な知識・スキル
UIデザイナーには以下のような知識・スキルが必要です。
それぞれどのような知識・スキルなのか詳しく解説します。
基本的なデザインの知識・スキル
UIデザイナーは、基本的なデザイン原則の理解が必要です。色彩理論やタイポグラフィ、レイアウトなどの基礎知識があることで、魅力的でわかりやすいUIをデザインすることができます。
最新のデザイントレンドを取り入れることも大切ですが、そのためにはまずは基本原則を理解していることが大切です。
デザインツールの使用スキル
UIデザイナーには、さまざまなデザインツールを使いこなすスキルが必要です。代表的なツールには、画像編集ツールのPhotoshopやIllustrator、UIデザインツールのAdobe XD・Sketch・Figmaがあります。
特にUIデザインツールを使用して、UIやワイヤーフレーム、モックアップ、プロトタイプを作成できるスキルはUIデザイナーには重要なスキルです。
ユーザーエクスペリエンス（UX）の知識
UIデザイナーは、ユーザーエクスペリエンス（UX）の知識も持っていたほうが、ユーザーにとって使いやすいUIデザインを制作できます。具体的には以下のような知識があるとよいでしょう。
- ユーザーのニーズや目標を中心に据えたデザインプロセス
- 定性・定量のユーザーデータの分析方法
- ユーザビリティの原則
- ユーザーインタビューやアンケート調査の手法
UI/UXデザイナーという、UIだけでなくUXデザインまでを担う職種としている企業も多く、UIデザインとUXデザインは切り離せない存在といえます。
ワイヤーフレーム・プロトタイプ作成スキル
UIデザイナーには、アイデアを視覚化しユーザービリティを検証するためのワイヤーフレームやプロトタイプを作成するスキルも必要です。
ワイヤーフレームは、Webサイトやアプリの構造とレイアウトを示す設計図です。プロトタイプは、実際のページ遷移といったインタラクションを検証するための、動く模型を指します。ワイヤーフレームやプロトタイプは、UIツールを使って作成するため、ツールの使い方の練習とあわせて学習するのがおすすめです。
リサーチ・分析スキル
優れたUIデザインを生み出すには、ユーザーニーズを把握するためのリサーチ・分析スキルも必要です。ユーザーインタビューやアンケート調査、競合分析といった手法を用いて情報を収集・分析する能力が求められます。
UIデザイナーの仕事では、視覚的に優れているだけでなく、データを根拠にデザインを生み出すスキルも必要なのです。
コーディングスキル
UIデザイナーにとって、基本的なコーディングスキルは大きな強みになります。HTML・CSS・JavaScriptなどの技術的な知識があることで、開発者とのコミュニケーションがスムーズになります。
また、簡単なプロトタイプを自作できたり、デザインの微調整を自ら行ったりできるため、仕事の幅が広がるでしょう。
コミュニケーションスキル
UIデザイナーは、基本的にチームの一員として働くため、チームメンバーと円滑に業務を進めるためのコミュニケーションスキルが必要です。また、クライアントと接する場合もあるため、自身のアイデアを伝える力も求められます。
クライアントやステークホルダーにデザインコンセプトを説明したり、開発者と技術的なやりとりを行い協働したりと、UIデザイナーの仕事では、他者とコミュニケーションを取る場面が多くあります。
UIデザイナーになるためのおすすめ学習方法
UIデザイナーになるためのおすすめの学習方法は以下のとおりです。
それぞれの方法をうまく取り入れ、UIデザイナーに必要なスキルを習得しましょう。
専門学校やビジネススクールで学ぶ
体系的に知識とスキルを習得したいという方におすすめなのが、専門学校やビジネススクールで学ぶ方法です。専門学校やビジネススクールでは、基本的な知識・スキルだけでなく業界の最新トレンドや実践的なテクニックを学べたり、経験豊富な講師から直接指導を受けられたりといったメリットがあります。
同じ志を持つ仲間と交流できる場合もあり、独学よりもモチベーションを保ちやすいでしょう。入会金や授業料にまとまった費用が必要な点や、授業を受けるための時間を捻出しなければならない点は認識しておく必要があります。
オンライン教材や書籍で学ぶ
なるべく費用をかけず学びたい、自分のペースで学びたいといった方におすすめなのが、オンライン教材や書籍で学ぶ方法です。現在は、UIデザイン関連の書籍が多く出版されており、デザインの理論を学ぶことができます。
また、Udemyのようなオンライン学習プラットフォームでは、UIデザインに関するさまざまなコース動画が提供されており、自身のペースで学習を進められます。ただしオンライン教材や書籍では、制作したデザインについてフィードバックを得るのが難しい点や、高い自己管理力が求められる点は認識しておきましょう。
優れたUIデザインをトレースする
手を動かしながらUIデザインスキルを習得するのにおすすめなのが、優れたUIデザインをトレースすることです。人気のWebサイトやアプリのUIをトレースすることで、プロのデザイナーの技術を学ぶことができます。
トレースを行う中で、レイアウトや色使い、タイポグラフィなどの要素がどのように効果的に組み合わされているかを理解できるでしょう。デザインツールの操作スキルも自然と向上します。
さらに、トレースしたデザインを自分なりにアレンジしてみると、創造力も養うことができるでしょう。
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