転職すると年収が下がる?給与が下がる要因や後悔しないポイントも紹介

転職すると年収が下がる?給与が下がる要因や後悔しないポイントも紹介

「職場を変えたいけど転職したら年収が下がるって本当?」
「転職すべきかわからない……」

転職を検討しているものの、上記のような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。たしかに仕事を変えることで年収が下がる可能性はあります。しかし目先の収入や年収だけを基準に仕事を選んでしまうと、幸福度や満足度に影響することもあるかもしれません。仕事は人生の時間の大部分を占めるため、しっかりと考え準備したうえで転職活動を行うことが大切です。

そこで今回は、転職すると年収が下がる理由や、年収が減ってでも転職するべき基準などについて解説します。記事の後半では転職による年収の減少を防ぐポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

転職すると年収は下がるのか

結論からいうと、転職で年収が下がるかは人によって異なります。詳しい要因は後述しますが、厚生労働省が発表している資料によると、令和4年に転職して賃金が減った方の割合は、全体の33.9%*1となっています。一方で転職して賃金が増えた方の割合は34.9%*1です。つまり転職による賃金・年収の変動状況はさまざまなケースが存在するといえます。

雇用形態や働き方の転換などによっても年収の増減に差は生じるため、「年収が下がるから転職は怖い」と過度に心配するのではなく、転職で何に重きを置くのかを明確にしたうえで転職活動を行うことが重要だといえるでしょう。

転職で年収が下がる要因

「転職=年収が下がる」ではないものの、転職によって年収が減少している方がいることは事実です。ここでは転職で年収が下がる要因を見ていきましょう。

それぞれ順番に解説します。

未経験の業界・職種に転職する

未経験の業界・職種への転職は、年収が下がる大きな要因といえるでしょう。なぜなら転職先から即戦力としては考えられず、企業に貢献できる業務が少なくなる可能性があるからです。

前職で培ったスキルや能力を生かせる職場であれば同等かそれ以上の給与で転職できる可能性はありますが、即戦力としての採用でなければ年収は減少すると考えられます

しかし転職先の仕事内容が自分のやりたいことだったり、キャリアアップにつながったりする可能性があるなら、長期的に見るとプラスの選択になるかもしれません。ただし転職にはリスクも存在するため、会社の成長度合いや将来性などを分析してから転職することが大切です。

残業時間・手当などが異なる

前職と同じ給与ベースで転職できても、残業時間が少なくなったり、手当がなくなったりすることで年収が下がる可能性があります。例えば働き方改革に積極的に取り組んでいる企業に転職した場合、残業や休日出勤などを最小限に減らしているかもしれません。家族手当や住宅手当が支給されない会社であれば、生活費の大半を基本給から捻出する必要があります。

つまり転職による収入の減少には、基本給以外の要因も含まれます。

一方で給与が減少しても手当などが充実している企業に転職すれば、総体的に支出を抑えることにつながります。したがって転職する際は、基本給以外の条件もしっかりと確認して、適切な判断を行いましょう。

評価制度が変わる

評価制度の違いによって年収が下がる転職者は一定数見られます。企業によって評価基準が異なるので、転職前にリサーチを行っておきましょう。例えば会社によっては、免許や資格よりも実績やスキルを重視している場合があります。一方で優れた実績よりも、会社への適格性を評価基準にしている企業もあるといえます。

つまり転職先から高い評価を得られないと、転職で年収が下がると考えられます。したがって転職準備をする段階で、自分の能力を適切に評価してくれる会社や組織を選ぶことが大切といえるでしょう。

地方に転職する

エリアによって基本給が変動することも、転職で年収が下がる理由の一つです。2022年に厚生労働省が行った調査によると、賃金がもっとも高いエリアと低いエリアの年収では約128万円*2の差があることが分かります。

例えば都心部で実績を積み地方の企業でキャリアアップを目指した場合、期待している給与に届かない可能性があるでしょう。そのため地方への転職は年収ダウンにつながる要因になるかもしれません。

しかし地方は家賃や公共サービスの料金が都心部よりも安い場合が多く、生活にかかる固定費などは抑えられるでしょう。また福利厚生が充実している会社に転職できれば、支出を抑えて投資や貯金などができ、基本給が減少しても生活に余裕ができるかもしれません。

年収が下がっても転職するべき基準

たとえ転職によって年収がダウンしたとしても、長期的に見て幸せな働き方につながるケースはあります。しかし安易な気持ちだけで転職に踏み切るのは、予期せぬトラブルやストレスの原因になるかもしれません。そのため転職を考えている方は、以下の基準に目を向けてみましょう。

年収が下がっても転職すべきかどうか判断する際の参考にしてください。

長期的なキャリアビジョンがある

自身のキャリアプランが明確な方は、年収が下がっても転職するべきかもしれません。具体的にはキャリアビジョンの達成に必要なスキルを転職先で身につけられたり、現場の経験を積んだりすることが挙げられます。

近年ではスキルアップや能力開発は独学でもできますが、細かい仕事のフローやトラブルシューティング、人との付き合い方などは実践の場で磨くのが効率的です。

実践で得た経験・スキルは将来的に役立つ可能性が高いので、収入の減少が許容範囲であればチャレンジする価値があるでしょう。

やりたい仕事にチャレンジしたい

やりたい仕事に挑戦するために、一時的に年収が下がるのを覚悟するという考え方もあります。憧れの仕事に転職して、「給料は下がったけど転職してよかった!」と満足度を高めている方は少なくありません。やりたいことを仕事にすることは、やりがいが実感できモチベーションアップにつながります。

また挑戦した経験は未来に役立つはずなので、時には思い切ったチャレンジは懸命な判断といえるでしょう。転職によって年収が下がってでも手に入れたいことは何なのかを基準に考えることが大切です。

以下の記事では、スキルアップをして憧れの仕事に転職した方のインタビューを紹介しています。やりたい仕事に挑戦したいと考える方は、ぜひ覗いてみてください。

インタビュー記事はこちら
休日出勤が多く、仕事にやりがいを感じられなかった私が、憧れの製品開発職へ

自分の能力を生かせる職場で働きたい

自分の能力やスキルを生かせる職場に転職することは、長期的に見ると年収アップの可能性があります。なぜなら日々の業務で結果を出せる可能性が高くなるからです。

例えば人とのコミュニケーションが得意な方は、営業職やカスタマーサクセスといった職種がスキルを生かせる転職先の候補として挙げられるでしょう。黙々と作業することに長けている方は、リモートワークを積極的に取り入れている企業を選択してみてみてください。

もし自身の得意分野がわからない場合は、知人や友人に自分の強みを聞いてみたり、プロのキャリアカウンセリングを受講してみたりするのもおすすめです。自分では気づかない意外な発見につながる可能性があるので、ぜひ取り組んでみてください。

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転職で年収が下がることを防ぐポイント

年収が下がっても転職するべき基準については前述しましたが、「できることなら、極力年収は下げたくない」と考える方もいるでしょう。収入を減少させずに転職にチャレンジしたい方は、以下のポイントを参考にしてみてください。

それぞれ順番に解説します。

自分のキャリア・経験が生かせる職場を選ぶ

これまでに培った能力やスキル、キャリアや経験が生かせる企業に転職できれば、年収がアップする可能性があります。例えばWeb開発に一定のスキルがある方であれば、IT領域を強化したい会社から優遇されるでしょう。

また未経験の業界に転職する際も、自分の実績が企業に貢献できると判断された場合は好条件での転職が期待できますただし自身を魅力的にアピールするには面接時に適切なプレゼンテーションを行うことが大切なので、しっかりと準備しておきましょう。

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企業が求める人物像を分析する

企業の多くは自社の課題解決につながる人材を求めています。したがって、転職したい会社が何に困っているのかを分析することは、好条件での転職につながるでしょう。

具体的な内部調査は難しいですが、会社のホームページやSNSなどをリサーチすることで、組織の事業内容や方向性が理解できます。決算書などを調査して問題点を分析することも有効でしょう。それらの課題に対して自身の経験やスキルがどのように役立つのかを説明できれば、高待遇での転職が期待できるかもしれません。

企業が求める人物像を理解しないまま転職活動を進めると適切なアピールができない可能性があるので、まずは会社の情報を集めてみてください。

給与交渉を行う

企業に貢献できるスキルや経験がある方であれば、給与交渉を行うことも一つの手段です。やや勇気が必要な行動かもしれませんが、適切な給与交渉であれば悪い印象を与えることはないと考えられます。

ただし応募企業が提示する金額よりも大幅に高い報酬を求めたり、会社に貢献できる能力がなかったりする場合は、採否や評価に影響する可能性があります。そのため、面接などで交渉を行う際は、適切な金額を提示することが大切です。

また給与交渉を自分で行うことが苦手な方は、転職エージェントを活用して転職活動を進めるとよいでしょう。プロのキャリアアドバイザーによる指南がもらえたり、給与交渉を任せたりすることも可能です。転職先と交渉して年収が上がった事例は多数存在するので、ぜひ取り組んでみてください。

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年収が下がる転職で後悔しないための準備

最後に、年収が下がる転職で後悔しないための準備を見ておきましょう。

転職では準備が大切なので、ぜひ取り組んでみてください。

許容範囲を決めておく

転職で年収が下がる場合は、許容範囲を決めておきましょう。人によって基準は異なりますが、一般的には現在の収入の1割以内の減少までが生活水準に影響しない範囲であると考えられます。

日頃から生活費を抑えている方や、福利厚生でカバーできるのであれば、1割以上の減少でも問題はないかもしれません。そのため、給与だけではなくその他の雇用条件も確認しておきましょう。

ただし企業の評価制度によっては、20代や30代などの年齢によって得られる給与が変動する可能性があります。そのため自身のライフスタイルや生活習慣などにあった許容範囲を考えることが大切です。

年収以外の目標を決める

キャリアアップやスキルアップなど、転職先での目標を決めておくことも後悔しないための準備の一つです。例えば転職した企業でしか得られない経験を積むことで、これからのキャリアを充実させられる可能性があります。

また新たなビジネスパートナーやメンターなどを見つける目的で転職することも、年収以外の目標に挙げられるでしょう。仕事をする以上、会社に貢献することは大切ですが、転職は個人の人生を豊かにするための選択であることも忘れないでください。

給付金申請の準備をする

転職・再就職で賃金が下がった場合、「就業促進定着手当」という給付金が受けられます。具体的には下記の通りです。

「就業促進定着手当」とは、再就職手当の支給を受けた方で、再就職先に6か月以上雇用され、再就職先での6か月の賃金が、離職前の賃金よりも低い場合に、基本手当の支給残日数の40%を上限として、低下した賃金の6か月分を支給するものです。

引用:厚生労働省「再就職後の賃金が、離職前の賃金より低い場合には「就業促進定着手当」が受けられます」より

このような給付金を活用することで、比較的安定した状態で新しい環境にチャレンジすることが可能です。ただし給付金の申請には申請書の作成や給与明細の写しなどいくつかの書類が必要なので、事前に準備しておきましょう。

転職後に役立つスキルを身につける

転職先での目標がある方や、新しい仕事にチャレンジしたい方は、必要なスキルを事前に勉強しておきましょう。なぜなら企業が求める技能や専門知識を身につけておくことで、入社後に即戦力として活躍できる可能性があるからです。スキルの学習方法は多岐に渡りますが、実践レベルで使えるノウハウを学ぶならスクールの受講を検討してみるのがおすすめです。

以下の記事では、スクールでスキルを学び未経験からWebデザイナーに転職した方のインタビューを紹介しています。興味のある方は、こちらも参考にしてください。

インタビュー記事はこちら
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年収が下がる転職を選ぶなら適切な準備をしよう

転職をしたら必ず年収が下がるとは限りません。しかし新しいことにチャレンジしたり、キャリアアップしたりするためには、時には年収が下がる転職を選ぶ必要があるでしょう。もし収入が減ってでも転職にチャレンジしたい方は、自身の許容範囲の確認やスキル学習などを行い、転職してよかったといえる準備をしておきましょう。

女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)では、Webデザインや動画編集、マーケティングなど全45以上の職種スキルを学習できます。サービスを通して他の受講生とも交流できる環境なので、転職や独立など同じ目標をもつ仲間とも出会えるでしょう。興味のある方は、ぜひ無料体験レッスンにお越しください。

※出典
*1:厚生労働省 令和4年 雇用動向調査結果の概要「(3)転職入職者の賃金変動状況」より
*2:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概要「(10)都道府県別にみた賃金」より

ABOUT ME
ライター KeitoKurisu
埼玉県の美容学校を卒業後、銀座の美容室での経験を経て、雑誌・広告業界のヘアメイクとして活動。その後、SEOメディア事業や映像制作会社を立ち上げ、脚本とディレクター業務を行う。現在は、アート作品の個展を行いながら、フリーライターとして活動中。
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。