文章執筆やプログラミングなど多様な分野で活用されているAIですが、近年ではWebデザインに使えるAIツールも登場しています。AIを使用すれば、人の感情に響くデザインを効率的に制作できるのが魅力です。
しかし「本当にWebデザインにAIを使えるの?」「具体的にどんなAIツールがあるの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Webデザインに使えるおすすめのAIツールをはじめ、生成AIを使用するメリット・デメリットを紹介します。Webデザインの勉強方法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
Webデザインに使えるAIツール5選
デザイン生成AIとは、画像編集・ロゴ制作・サイト制作といったデザイン分野で活用されるAIのことです。Webデザインのほか、グラフィックデザインやプロダクトデザインなどで用いられており、今後も幅広いシーンでの利用が予想されています。
本章では、Webデザインに使えるAIツール5選を紹介します。
それぞれ機能や特徴が異なるので、比較検討したうえで自分にぴったりなツールを導入してみてください。
Figma
Figmaは、米国・サンフランシスコに本社を置くFigma. Inc.が開発したデザインツールです。WebデザインやUIデザインに便利な機能が搭載されており、ブラウザ上で操作できます。
FigmaでAIを利用するには、MagicianやAndoといったプラグインの追加が必要です。AI機能を使えば新しいデザインモックアップを数秒で作成できるほか、プロトタイプやテキストの作成も自動化できます。現在WebデザインにFigmaを使用しているなら、プラグインを追加することでさらに効率的に業務を進められるでしょう。
またFigmaは、複数人でリアルタイムでの共同編集が可能なのも特徴です。チームメンバーと共有しながら作業を進められるため、制作過程における認識の相違を防ぐことができます。直感的に操作しやすいインターフェースなので、初心者の方にもおすすめのツールです。
Adobe Firefly
Adobe fireflyは、デザインソフト会社のAdobeが提供する画像生成AIサービスです。PhotoshopやIllustratorとの連携がスムーズで、既存のワークフローに簡単に組み込めます。AIが提案する修正案やエフェクトをワンクリックで適用できるため、作業の効率化を図れるでしょう。
ほかにも、テキストから画像を自動生成したりブラシを使用してオブジェクトを削除したりと、Webデザイン制作にうれしい機能が揃っています。
またAdobe Firelyは、著作権の許諾を受けたコンテンツから学習して画像や写真を生成するのが特徴です。Adobe Stock画像やオープンライセンスのコンテンツを使用しているので、商用目的でも安心して利用できます。
月25件までなら無料で利用できるので、AIツールを使ってみたい方はぜひ試してみてください。
AIR Design
AIR Designは、AIを駆使したWeb広告支援サービスです。毎月200万件のマーケットデータを独自のAIで解析することにより、データ起点のクリエイティブ制作を行っています。
テキスト生成AIによってペルソナの特性・ニーズにあった訴求を作成できるほか、画像生成AIを活用して唯一無二の広告制作が可能です。AIの活用で制作スピードを速めており、短期間でCVRを改善できるのが大きな魅力です。
LPやバナーといったクリエイティブ制作はもちろん、広告戦略の設計や運用改善などマーケティング業務全般を依頼できるのも特徴と言えるでしょう。
Petalica Paint
Petalica Paintは、AIを活用したイラストレーションツールです。イラストのカラーリングに特化しており、白黒画像をアップロードすればAIが適切な色を選び、自動で着色してくれます。
配色に迷うことなく美しいカラーリングができるため、着色が苦手な方や他の業務に時間を充てたい方におすすめです。指定した領域を自分で塗ることも可能なので、より希望に応じたイラストを作成できるでしょう。
3つの着色スタイルから選べたりラフや写真を線画化できたりと、シンプルながらも充実した機能が揃っています。無料ツールなので、誰でも気軽に活用できるのもうれしいポイントです。
パッケージデザインAI
パッケージデザインAIは、株式会社プラグが開発したパッケージデザイン評価サービスです。画像(パッケージデザイン)をアップロードすれば独自の評価AIが好感度スコアを算出し、ヒートマップやイメージワード予測などデザインの改善に必要な情報を提供してくれます。
1000万人以上の学習データを基に客観的に分析するため、消費者にとって魅力的なデザインを実現しやすくなるのがメリットです。10秒から数分程度で結果が出るので、デザイン分析に時間をかける必要もありません。
またパッケージデザインAIでは、デザインの評価だけでなくデザインの生成も可能です。デザインイメージをテキストで入力するだけで、AIが16のデザイン案を提案してくれます(1回あたり)。生成されたデザインを基にブラッシュアップしていけば、ターゲット層に好まれるデザインを効率的に制作できるでしょう。
デザイン生成AIの実用性
デザイン生成AIは、Webデザインにおけるアイデアの壁打ちやコーディングに便利に活用できます。それぞれの活用方法を詳しく解説するので、デザイン生成AIの利用に迷っている方はぜひチェックしてみてください。
デザインアイデアの壁打ち
デザイン生成AIは膨大な学習データを取り込んでいるため、デザインアイデアの壁打ちに有効です。たとえば初期のアイデアを出す際、AIと対話を続けていると、思いもよらないインスピレーションを得られる可能性もあります。
漠然としたイメージに対して複数のデザイン案を提案してくれるため、アイデアの幅が広がり、独創的なデザインを生み出す手助けとなるでしょう。
また画像生成AIを利用すれば、自分だけのフリー素材を制作することも可能です。商用利用可能なAIであればWebデザインにそのまま活用でき、競合との差別化を図れます。
コーディング
生成AIは、制作したWebデザインからHTMLやCSSなどのコードを自動生成することが可能です。コーディングスキルがなくてもWebサイトを制作できるため、Webデザイナーとしての業務の幅を広げるのに役立ちます。
コードのエラー検出や修正も行えるため、作業内容の最終チェックなどにも活用でき、バグの少ない高品質なWebサイトを構築できるのもポイントです。
ただしデザイン生成AIでは、複雑なコーディングはできないケースも少なくありません。より凝ったコーディングをするなら、デザイン作成ツールとの連携が容易なコード生成AIを活用するのがおすすめです。
デザイン生成AIのメリット
ここからは、デザイン生成AIを活用する3つのメリットを見ていきましょう。
Webデザイン制作にかかる時間を短縮できるほか、データ処理やコーディングといった業務をAIに任せることでクリエイティブな作業に集中できるのが大きなメリットです。
AIをうまく活用することで、ユーザーに支持されるデザイン制作にも役立てられます。それぞれのメリットについて詳しく解説します。
デザイン業務を効率化できる
デザイン生成AIを活用する最大のメリットは「デザイン業務を効率化できること」です。Webデザインの制作には、アイデア出しからラフ、ワイヤーフレームの作成、デザインカンプの作成、校正まで多くの工程が必要になります。
これらの工程の一部でもデザイン生成AIを利用すれば、デザイナーの作業時間を削減することが可能です。指定した要件に基づいて複数のデザイン案を瞬時に生成するため、時間短縮だけでなく人的コストの削減にもつながるでしょう。
アイデア考案に時間を使える
デザイン生成AIを活用すれば、デザイナーがアイデア考案に集中できる時間を増やすことができます。
データ処理や着色、コーディングといったルーティンワークを自動化することで、クリエイティブな作業に時間を割けるのがメリットです。創造性を最大限に発揮できるようになるため、個性を活かしたWebデザイン制作が可能になります。
人の感情に響くデザインを論理的に分析できる
デザイン生成AIは、大量のデータを処理することで、ユーザーの行動や感情に基づいたデザインの最適化を行います。ユーザーに評価されているデザインを学習させるだけで、狙ったターゲットに響くデザイン案を提案してくれるのがメリットです。
成功したデザインの要素を抽出して提示するので、デザイナーが新たなデザインを考案する際にも重宝します。また、AIを使えば論理的かつ効率的にデザインデータを分析できるため、ABテストなどの手間を省けるのも魅力です。
デザイン生成AIのデメリット
デザイン生成AIの活用はメリットだけではありません。デメリットになってしまう部分もあります。
Webデザイン制作に生成AIを活用する際は、これらのデメリットを把握しておくことが大切です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
適切に利用するには学習が欠かせない
デザイン生成AIを効果的に使用するためには、その機能や操作方法を正しく理解しておく必要があります。特に初めてAIツールを使う場合は、使い方に戸惑うことも多いでしょう。
たとえばFigmaやAdobe Fireflyのようなツールは、豊富な機能を持つ一方で全ての機能を使いこなすには時間がかかります。誤った使い方をすると、期待する効果を得られない場合もあるので注意が必要です。
またデザイン生成AIは進化の早い領域なので、新しい機能やアップデートが頻繁に行われます。デザイン生成AIを最大限に活用するためにも、継続的な学習とアップデート情報のチェックを怠らないようにしましょう。
参考にするデータが必要になる
デザイン生成AIを利用するには、AIに学習データを与える必要があります。そもそもAIは膨大なデータを機械学習して出力データを生成するため、ゼロの状態から新たなデザインを生成することはできません。
とはいえ近年のデザイン生成AIには既存データが取り込まれており、テキスト入力だけで画像や動画を生成できるケースが多いです。具体的な指示を入力すれば、蓄積されたデータを基にデザインを生成してもらえます。
なおデザイン生成AIを活用する際は、AIに継続的な学習をさせることが大切です。生成AIに新たな学習データを与えなければ、生成できるデザインや画像に偏りが生じる可能性もあります。
クラウド型のAIツールは継続的なデータのインプットがされていますが、イメージ通りのデザインを生成できない場合もあると覚えておきましょう。
感情や心理を反映したデザインが作れない
AIはデータに基づいてデザインを生成しますが、人間の感情や心理を完全に理解し、反映することはできません。あくまでも学習データに基づいて生成するので「ユーザーが特定のデザインに対してどのように感じるか」「どのような心理的影響を受けるか」を予測することは困難です。
無機質なデザインになりやすいため、人間の心情に訴えるようなデザインを作りたいときには向いていないでしょう。またデザインの細部においても、デザイナーが持つ微妙なニュアンスや創造性を再現することは難しい傾向にあります。
感情や心理を反映したデザインを制作したいなら、デザイナーの創造力とAIの技術を組み合わせることが大切です。
Webデザインの勉強方法
生成AIを使えば簡単にWebデザインを作成できますが、ある程度デザインに関する知識がなければAIをうまく使いこなすことはできません。
Webデザインの勉強方法としては、主に「独学」と「キャリアスクール」の2通りがあります。独学であれば、書籍やインターネットを参考にしながら、自分のペースで学習を進められるのがメリットです。初心者向けの参考書・サイトも多く、図解で解説されていればスムーズに理解できるでしょう。
しかし独学の場合、Webデザインの応用力や実践的なスキルを身に着けるのは難しいと言えます。受け身な学習となってしまい、インプットとアウトプットをセットでできないのはデメリットです。
その点キャリアスクールなら、Webデザインの基本から応用まで幅広いスキルを学ぶことが可能です。プロの講師のサポートを受けられるので、効率的に実践的なWebデザインスキルを身に付けられます。コストはかかりますが、本格的にWebデザインを学びたい方にはキャリアスクールに通うのがおすすめです。
デザイン生成AIで感情に響くWebデザインを制作しよう
Webデザイン制作を効率的に進めたいなら、デザイン生成AIの活用を検討するのがおすすめです。データ分析やアイデア出し、コーディングなどさまざまなプロセスに活用できるほか、独創的なアイデア考案に役立ちます。
生成AIの効果を最大限に引き出すためには、Webデザインに関する知識が必要不可欠です。自分自身のデザインスキルが向上すれば、生成AIとの相乗効果でさらに優れたデザインを生み出せるようになるでしょう。
Webデザインの実践スキルを身に着けたい方は、キャリアスクールに通うのもひとつの方法です。女性向けキャリアスクールのSHElikes(シーライクス)では、Photoshopの使用方法やコーディングの知識を学べる「Webデザインコース」が開講されています。
未経験からでもWebデザイナーを目指せるので、キャリアチェンジやキャリアアップをしたい方はぜひ無料体験レッスンに参加してみてください。