働き方改革の実現には、企業だけでなく個人の意識や取り組みも重要です。「もっと短時間で効率良く働けるようになりたい」「将来に向けて勉強したいけど、仕事が忙しくてなかなか時間が取れない」といった悩みがある方は、働き方を見直してみてはいかがでしょうか。
本記事では、個人で取り入れられる働き方改革の具体例・アイデア8選を紹介します。個人の働き方改革の実現に向け、ぜひ参考にしてください。
そもそも働き方改革とは
働き方改革とは、「働く方の個々の事情に応じて、多様な働き方を選択できるようになる改革」のことです。厚生労働省は、働き方改革が目指すものとして、以下のように明記しています。
働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。
引用:厚生労働省|「働き方改革」の実現に向けて|「働き方改革」の目指すもの
具体的な取り組みとして、長時間労働の是正(時間外労働の上限規制の導入など)、正規雇用労働者・非正規雇用労働者の不合理な待遇差の解消、テレワークの普及促進などが挙げられます。*1
また、働き方改革の実現は日本国内雇用の約7割を担う中小企業において着実に実施することが求められています。政府や厚生労働省は中小企業・小規模事業者を支援する「働き方改革推進支援センター」を47都道府県に開設したり、働き方改革の実施にあたって必要な環境を整えるための費用を一部助成する「働き方改革推進支援助成金」を支給したりしています。
働き方改革が推進されている背景
少子高齢化によって労働力人口の減少が予測されている近年、経済を持続的に発展させるためには一人一人の生産性の向上が重要になります。しかし、現在の日本は労働環境において以下のような課題に直面しています。
- 少子高齢化に伴う労働者(生産年齢)人口の減少
- 長時間労働の当然視による、家庭と仕事の両立の困難
- 出産・育児などによる女性のキャリア形成の困難
- 中小企業・小規模事業者の人手不足
- 高齢者の約4割*2が「働けるうちはいつまでも働きたい」と考えている
上記の中にある「働きたくても、育児と両立する時間がとれない」「家庭と仕事を両立できない」などの課題を解決するためには、長時間労働が当然視される風潮や、雇用形態の不合理な待遇差などを見直すことが必要なのです。このような背景から、働き方改革が推進されています。
個人でできる働き方改革の具体例・アイデア8選!
働き方改革の実現には、企業だけでなく個人の取り組みも重要になります。以下は個人でできる働き方改革の具体例です。
これらのアイデアを参考に、個人としての働き方改革の実現につなげましょう。
1.業務の優先順位をつける
時間外労働を避けるためには、限られた時間の中で効率的に業務をこなすことが重要です。そのためには担当業務の優先度を整理して、優先順位の高いものから取り組むようにしましょう。
また、企業で働く個人が行う取り組みとして、毎朝退勤時間を宣言したり見えるところに提示したりする例があります。退勤時間を最初に共有しておくことで、時間内に効率的に働く意識が高まるでしょう。
2.ツールの活用
なるべく短時間で効率的に業務をこなすためには、ツールの活用がおすすめです。タスク管理ツールを使用すれば、今自分が抱えている業務の進行状況や納期を可視化できます。業務の優先順位を把握したり、効率的なタスクスケジュールを組んだりするのに役立つでしょう。
3.リモートワーク・テレワーク
リモートワーク(テレワーク)とは、自宅やコワーキングスペースなどオフィス以外で仕事をする働き方のことです。出社が不要なので、長距離通勤のストレスや体の負担を軽減できるうえ、生産性アップやプライベート時間の確保が期待できます。
ただし、プライベートと仕事をしっかり切り分ける自己管理スキルや作業効率を高める環境作りが必要です。また、リモートワークの実施にはセキュリティポリシーの策定や勤怠管理など企業側の取り組みが欠かせません。
4.フレックスタイム制度の活用
フレックスタイム制度とは、一定の期間についてあらかじめ定められた総労働時間の範囲内で労働者が始業・終業時刻を決めて働ける制度です。満員電車での通勤を避けたり、子どもの送り迎えなど都合に合わせて退社時間を調整したりできます。フレックスタイム制度を活用すれば、育児や介護のライフステージを迎えても働き続けやすいでしょう。
5.業務時間外は通知をオフにする
仕事とプライベートのバランスを上手く保つためには、業務時間外のメールやチャットの通知を切っておくとよいでしょう。また、日々の業務中において作業に集中したいときは、通知をオフにする「サイレントアワー」の設定もおすすめです。
通知のオフ機能を活用することで、業務時間外の仕事のストレスから解放されたり目の前の業務に専念できたりするため、結果として個人の作業効率の向上につながるでしょう。通知を切っていることを事前に社内で共有しておくのがポイントです。
6.支援制度の利用
妊娠・出産、育児、介護などの家庭生活と仕事を両立する際は、「両立支援制度」を利用しましょう。両立支援制度には、育休・産休、育児短時間勤務、介護休暇、フレックスタイム制の特例など、事情に合わせて働けるさまざまな取り組みがあります。支援制度の利用は、個々の事情に応じた働き方を可能にします。
まずは両立支援制度について、所属する企業で明文化されているかどうか確認してみましょう。企業によっては制度利用への相談窓口を設けていることもあるので、利用してみてください。
7.休暇をきちんと取る
仕事と生活のバランスを取るためには、有給休暇を計画的に取得しましょう。休暇を活用して定期的に心身をリフレッシュさせることは、業務のパフォーマンス向上にもつながります。
有給休暇は、心身の疲労回復やゆとりのある生活を保障するために労働者が請求する時季に与えなければならないと労働基準で定められています。職場や業務を気にせず休むには、あらかじめ日程を共有しておくとよいでしょう。
8.自己成長の時間を確保する
働き方が多様化している現代、あらゆる課題に適応できる個人のスキルが重要になってきています。ライフステージに合った働き方を続けるためにも、理想のビジネスキャリアに必要なスキルを習得したり、自身の知識をブラッシュアップしたりする時間を確保しましょう。
個人の働き方改革で毎日出勤するスタイルから週1日でもテレワークに変更した場合、いつもの通勤にかかる時間を利用してオンライン講座を受けたり、資格取得の勉強にあてられたりします。
個人でできる働き方改革を実施するメリット
働き方改革を実施することによって、健康面や仕事の生産性においてさまざまなメリットを得られます。
これらのメリットを意識することで、働き方改革を行うモチベーションが高まるでしょう。
健康が維持できる
働き方改革の取り組みに、長時間労働の是正があります。長時間労働や時間外労働による身体への負担や心理的なストレス軽減が期待できることから、心身の健康を維持しやすくなります。
長く働きたいと考えている方は、早めに心身に負担がかかりにくい働き方を個人でも取り入れましょう。
生産性が上がる
個人で働き方改革を実施すると、業務効率化による生産性向上が期待できます。業務の優先順位を決めて緊急性や重要度の高い業務から始めたり、パフォーマンスを維持するために適度に休憩を取ったりすることで、集中力と効率アップが可能になるでしょう。
生産性が上がり自己成長できると企業からも評価されると考えられるため、キャリアアップにもつながりやすくなります。
新たな知識やスキル習得に向けて動き出せる
リモートワークやフレックスの働き方を取り入れることで勤務場所や勤務時間の自由度が広がるため、キャリアビジョンの実現に向けて時間を有効に使えるようになるでしょう。隙間時間でスキルアップのために勉強をしたり、興味のある分野の副業をしやすくなったりします。
個人の働き方改革に向け準備すべきこと
個人の働き方改革を実現させるためには、働き方の目標を立てたり、ワークライフバランスを意識したりするなどの準備が重要です。
個人の働き方改革を進める前に、準備しておきたいことを紹介します。
目標を立てる
まずは、「今の働き方からどのような点を改善したいのか」「将来の目標を達成するために、今できることはなにか」などの課題を抽出し、働き方改革に取り組む目標を立てましょう。「通勤時間にストレスを感じる」という課題があれば、リモートワークで働くこと、通いやすい立地の企業への転職を目標とします。
ワークライフバランスを意識する
働き方改革で重要なのは、自身の状況に合った働き方を選択することです。キャリアアップ、育児、介護など、今後の人生の各段階において、多様な生き方を選択・実現するためには、仕事と生活のどちらも充実していることが重要になると考えられます。家庭や今後のライフプランと今の労働状況を照らし合わせて、ワークライフバランスを無理なく保てるような働き方を意識しましょう。
また、必要に応じて地域や会社の支援サービスを利用するのもおすすめです。
働き方改革の実現は個人の意識や取り組みも重要
本記事で紹介した個人における働き方改革のアイデアは、仕事の生産性向上や、ワークライフバランスの維持に有効的です。働き方を見直したいと考えている方は、ぜひ取り入れていきましょう。
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※参考
*1:厚生労働省|「働き方改革」の実現に向けて|「働き方改革」の実現に向けた厚生労働省の取組みより
※出典
*2:内閣府|高齢者の就労|平成24年版高齢社会白書(概要版)|第1章 第4節1.高齢者の就労より