Webディレクターとは、Webサイト制作の現場で指揮・進行管理を行う人のことです。Webサイト制作にWebディレクターの存在は欠かせません。
一方、「今後Webディレクターは必要なくなるのではないか」という声も散見されます。実際のところ、Webディレクターに将来性はあるのでしょうか？
今回は、Webディレクターの将来性や今後の需要予測について解説します。Webディレクターの将来性が不安視される理由やWebディレクターの年収、キャリアパスも解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
Webディレクターの将来性は？今後の需要予測
Webディレクターは、今後も需要が高い状態が続き、将来性がある職種だと予想されます。主な理由は以下の3つです。
ひとつずつ理由を解説していきます。
Webサイトに一定の需要がある
現代ではインターネットを利用することが当たり前になり、次々と新たなWebサービスが登場しています。総務省が発表している「令和5年版情報通信白書」によると、インターネット付随サービス業の国内生産額は年々増加傾向にあります*1。
そのため、今後もWebサイトには一定の需要があると考えられるでしょう。Webサイトの需要があるということは、Webサイトの制作を指揮するWebディレクターの存在も必要とされるということになります。
EC市場の拡大
EC市場が拡大していることも、Webディレクターに将来性があるといえる理由のひとつです。経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、令和4年の日本国内の消費者向け電子商取引の市場規模は22.7兆円*2で、前年までと比べて増加していることが分かります。
オンラインショッピングを利用することが身近になり、今後もEC市場は拡大を見せると考えられます。Webディレクターは、ECサイトでの売り上げ向上に向けて数値の分析やサイトの運用・改善を行います。ECサイトの制作・開発の需要は高い状態が続くと考えられるため、今後もWebディレクターが必要とされるでしょう。
AIに代替されにくい業務がある
Web制作の指揮・進行管理をするWebディレクターは、制作をスムーズに行うためにチームを取りまとめる存在です。プロジェクトの進行には、現段階でAIが代替しにくい分野とされているコミュニケーションが欠かせません。
制作メンバーやクライアントとコミュニケーションを取り、臨機応変な対応を求められるWebディレクターの業務は、すぐにAIに代替されることはないでしょう。そのため、Webディレクターの仕事がすぐになくなることは考えにくく、引き続き需要が高い状態が続くと予想されます。
Webディレクターはなくなる？不安視される理由
Webディレクターは今後も需要が高いと予想される一方で、Webディレクターの仕事はなくなるのではないかと不安視する声もあります。具体的には、以下の理由が挙げられます。
Webディレクターがなくなるといわれる理由について、ひとつずつ深掘りしていきましょう。
AI技術の急速な発展
近年ではAI技術が急速な発展を遂げており、近い将来さまざまな仕事がAIに代替される可能性があるといわれています。Webディレクターの仕事も、そのひとつなのではないかと不安視する声があるようです。
Webディレクターの仕事の中でも、タスク管理や進捗状況の確認といった業務は、AIや最新のテクノロジーを活用することで効率化につながるかもしれません。しかし、先ほどもお伝えした通りメンバーとのコミュニケーションなどの役割はAIに取って代わられる可能性は低いでしょう。
AIを活用すべき部分は活用し、そのぶん人間にしかできない業務のクオリティを上げることで、仕事はなくなるどころか、より質の高い仕事ができる人材として重宝されるのではないでしょうか。
簡単にWebサイト制作ができるサービスの普及
Webサイト制作ができるサービスは多様化しています。最近ではHTMLやCSSなどWebサイト実装の知識がない場合でも、比較的簡単にWebサイト制作を行えるWordPressやSTUDIOなどのノーコードツールやサービスが増えています。
それに伴い、専門家に頼まなくとも自分でWebサイトを作れるという考え方の人も増え、Webディレクターは不要になると予想する人もいるようです。
しかし、ノーコードツールを用いて実装できる機能は限られているため、要件に合ったWebサイトを制作するには、Webディレクターの専門的なスキルや知識が必要です。
Webサイトの利用・制作が身近になった現代だからこそ、目的に沿ったWebサイトやシステム設計が求められ、それを実現させるためにWebディレクターは重要な役割を果たします。
Web制作の実作業を行わない職種である
Web制作の実作業を行わない職種であることも、Webディレクターの将来性が不安視される理由のひとつです。Web制作の現場では、デザイナーやエンジニアが実制作を行い、Webディレクターは実制作を行うメンバーとやりとりをしたり、全体の指揮を取ったりすることに徹します。
デザインやシステムを直接的に作ることがないため、Webディレクターの必要性が理解されにくいケースがあるようです。また場合によっては、実制作を行いながらWebディレクターのようにチームの指揮・進行管理をする制作メンバーもいます。そのため、Web制作の知識が乏しければ各所との連携が取れず、「Webディレクターがいなくても現場が回るのではないか」と思われやすくなるのでしょう。
逆にいえば、制作メンバーやクライアントから信頼されるような専門的な知識や強みを持つWebディレクターであれば、淘汰されることはないでしょう。
今後も必要とされるWebディレクターになるためのポイント
とはいえ、近年では新たなテクノロジーが次々と登場しています。また、Web関連職種に興味を持つ人も増えていることから、Webディレクターとして活躍するためにはポイントをおさえておくことが大切です。
以上の4つのポイントをおさえ、今後も必要とされるWebディレクターを目指しましょう。順に解説していきます。
情報のキャッチアップ
IT・Web業界は変化のスピードが早いため、新たな知識を取り入れたり、スキルを磨いたりするなど常に最新の情報をキャッチアップできるように意識するとよいでしょう。また、ユーザーから求められるWebサイトを制作するためには、世の中の動向やトレンドにもアンテナを張っておくことが大切です。
セミナーなど新たな知識をインプットできる機会を活用したり、ニュースなどで世の中の動きをチェックしたりするなど、普段から情報をキャッチアップする姿勢を持ちましょう。
コミュニケーションスキルの向上
制作メンバーやクライアントなど関係各所とのやりとりが日常的に発生するWebディレクター。直接会話をするのはもちろんのこと、テキストコミュニケーションも多く発生します。そのため、コミュニケーションスキルの向上も意識すべきポイントといえます。
的確なやりとりができることに加え、相手にとって気持ちのよいコミュニケーションが取れるとよいでしょう。
マーケティングスキルを身につける
Webサイトを通じてユーザーがアクションを起こす仕組みを作るためには、マーケティングが欠かせません。効果があるWebサイトを目指して制作の指揮・管理をするために、マーケティングスキルを身につけるとよいでしょう。
書籍やセミナーを活用するほか、実践的なスキルを身につけるためにはマーケティングスキルを学べるスクールを利用するのもおすすめです。
提案・交渉力を磨く
高い提案・交渉力を持つWebディレクターは今後も重宝されるでしょう。クライアントの課題やゴールを正確に理解し、それらを踏まえて適切な提案や必要な交渉ができるとクライアントから信頼を得ることができるはずです。
提案や交渉はテクノロジーに代替される可能性が低い業務であるため、それらを磨くことで今後も必要とされるWebディレクターを目指せるでしょう。
Webディレクターの必須スキル
Webディレクターは、Webサイト制作を行ううえで幅広い業務を担当します。そのため、必要なスキルも多岐にわたります。たとえば、以下のスキルはWebディレクターの業務に欠かせません。
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
- 分析力
- Webマーケティングスキル
- Webデザインの知識・スキル
そのほかにも、Webディレクターとして活躍するために必要なスキルはあります。すべてを完璧にできる必要はありませんが、自分の得意な領域には特に力を入れてスキルを伸ばすことで、他の人と差別化ができ、求められるWebディレクターを目指せるでしょう。詳しくは以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。
Webディレクターの年収
「求人ボックス 給料ナビ」のデータによると、正社員のWebディレクターの平均年収は約470万円*3 で、日本の平均年収458万円*4 と比べてやや高いことが分かります。
一方で、全体の給与幅は316〜900万円と広い傾向にあります。このことから、経験やスキルの幅によって給与に差が出る職種といえます。スキルを身につけて経験を積むことで、Webディレクターは収入面においても将来性がある仕事と考えられるでしょう。
Webディレクターのキャリアパス
WebディレクターはWeb制作全般に幅広く関わるため、Web業界においてその後の選択肢もさまざまです。たとえば、以下の職種へキャリアチェンジ・キャリアアップする人もいます。
- Webプロデューサー
- Webプランナー
- Webコンサルタント
- Webマーケター
- Webアナリスト
- Webディレクターとしてキャリアを極める
WebディレクターからWeb制作のさらに上流工程に関わる職種へ転身する人もいれば、Webディレクターとしてさらにキャリアを積む人もいます。詳しくは以下の記事でも解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
未経験からWebディレクターになるには
将来性のある職種といわれるWebディレクターに興味を持つ人も多いのではないでしょうか。Webディレクターは必要なスキルを身につければ、未経験からでも目指せる職種です。特に、Web関連の知識とスキルはWebディレクターにとって必要不可欠です。
自分に合った方法で勉強しスキルを身につけることで、Webディレクターへの道は開けるでしょう。着実にスキルを身につけるための方法として、スクールを利用するのもおすすめです。
スキルを身につけて、今後も求められるWebディレクターを目指そう
将来性があり、今後も一定の需要が見込まれるWebディレクター。幅広いスキルやWeb制作現場で生かせる実践的なWebスキルを持っておくことで、より求められるWebディレクターに近づくことができるでしょう。
また、必要なスキルを身につけることで、未経験からでもWebディレクターは十分に目指せます。Webディレクターに必要なスキルを身につけるなら、女性向けキャリアスクールSHElikesがおすすめです。Webディレクターコースはもちろん、Web制作に必要なWebデザインやWebマーケティングを学べるコースなど全45以上の職種スキルが学び放題です。
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※出典
*1 総務省｜令和5年版情報通信白書「データ3 日本の情報通信産業の部門別実質国内生産額の推移」より
*2 経済産業省｜電子商取引に関する市場調査より
*3 求人ボックス 給料ナビ「Webディレクターの仕事の年収・時給・給料」より
*4 国税庁｜令和4年分民間給与実態統計調査より
