インバスケットとは?評価項目や研修の特徴について解説

インバスケットとは?評価項目や研修の特徴について解説

インバスケットとは、参加者が設定された役職になりきり、与えられた複数の案件に対処するワークです。管理職や中堅層が参加するビジネス研修などで行われることが多く、インバスケットを実施することで、迅速に案件の優先順位を判断できるようになります。業務を適切に処理するといった「インバスケット思考」を養うことができる研修です。

本記事では、インバスケットについて詳しく解説します。これからインバスケット研修を控えていたり、インバスケットに苦手意識があったりする方は、ぜひ参考にしてみてください。

インバスケットとは?

インバスケットとは、設定された状況に従って参加者が架空の人物になりきり、制限時間内に与えられた案件を処理するワークです。たとえば今後のキャリアで就任する可能性のある役職や、配属されたことのない部署などの案件を模擬体験できます。

設定されることが多い内容は、日時や役職といった項目、役職に就任した時期や1日のスケジュールといった設定です。処理を求められる案件には、部下からの急ぎの相談や顧客のクレーム対応、商談の準備などがあります。

インバスケットを実施することで、役職や部署の垣根を越えた多角的な視点から物事を考えやすくなります。また、業務のシミュレーションであるインバスケットで経験した失敗から、今後その役職に就くまでに求められるスキルや能力を実感することができます。

インバスケット研修の特徴

インバスケット研修には以下のような特徴があります。

インバスケット研修を受けたことがない方や、これから研修に参加する予定の方は、あらかじめ特徴を確認しておきましょう。

架空の人物になりきる

インバスケット研修では、設定された架空の人物になりきって案件を処理していきます。架空の人物になりきることで、普段の業務にはない気づきを得られる可能性が高くなるからです。

たとえば、マーケティング部署の従業員がCS部署の人物になりきり、顧客のクレーム対応を経験した結果、広報活動で訴求するポイントや新しい顧客ニーズを発見する可能性があります。

普段の業務における視点や概念を捨て、設定された役職や部署の人物になりきって取り組む姿勢が大切です。

業務処理に時間制限がある

インバスケット研修では、与えられる案件を完了させるまでの時間が限られています。しかし、多くの研修ではすべての案件を処理しきれない時間に設定されています。

なぜならインバスケット研修では、案件ごとの優先順位のつけ方や、限られた時間内で案件に取り組む姿勢が重視されるからです。

そのため、制限時間内にすべての案件を処理できなくても、評価に大きく影響しないケースが多いといえます。制限時間が近づくなかで複数の案件を処理することにより、陥りやすい精神状態やミスの傾向などが見えてくるでしょう。

絶対的な正解がない

インバスケット研修には絶対的な正解がありません。インバスケット研修の目的は、案件を処理する手法やスピードを評価することよりも、業務プロセスから改善点や傾向を発見することだからです。

案件の対処法や優先順位は参加者によって異なります。そのため、正解を探りながら研修に参加するのではなく、設定事項の架空の人物になりきって案件に取り組む姿勢が大切といえます。

インバスケット研修のメリット

インバスケット研修を実施することで、以下のメリットがあります。

インバスケット研修のメリットを把握することで、研修への参加意欲を高めやすくなるでしょう。

能動的な研修になる

インバスケット研修には、参加者が能動的に取り組みやすいメリットがあります。参加者がなりきる架空の人物は、決裁権がある役職や判断力が求められる職種であることが多いからです。

たとえば部下から営業成績の相談を受ける上司や、会議までに販促施策の改善を求められるマーケティング部署、顧客と直接やり取りをする顧客対応部署などです。

参加者は与えられた案件に取り組むなかで、最適な手法や優先順位を考え、効率的に処理する必要があります。講演会や複数人で取り組むワークよりも、すべての参加者が能動的に取り組みやすいといえます。

フィードバックでスキルの可視化になる

講師や他の参加者からのフィードバックにより、自身が案件に取り組む姿勢や考え方の客観的な評価を受けられます。たとえばミスしやすい傾向や取り組み方における改善点などです。

高い評価を得たポイントも把握できるため、インバスケット研修を通してスキルを可視化できます。自身の強みや欠けている能力を洗い出すことで、今後のキャリアビジョンや学習すべき分野を明確にすることができます。

実践的な力を身につけることができる

インバスケット研修で設定されている案件には、実際の職場や業務で起こりやすい内容が多くあります。たとえば複数の部下から同時に急ぎの相談を受けたり、イレギュラーな顧客対応を提案したりするなどです。

実際に発生したケースを用いることにより、参加者に実践的な力が身につきやすい特徴があります。実際に起こりうる案件を処理するため、研修で得た学びやスキルを通常業務で活用しやすくなります。

インバスケットの評価項目

インバスケットでは、参加者を以下の10項目で評価します。

  • 問題発見力
  • 問題分析力
  • 創造力
  • 意思決定力
  • 洞察力
  • 計画組織力
  • 当事者意識
  • ヒューマンスキル
  • 生産性
  • 優先順位設定力

インバスケットは、人材アセスメントにおいて活用されることが多いワークです。ちなみに人材アセスメントとは、人材のスキルや適性などを客観的に分析して評価し、適材適所の人材配置を行うことです。ほかにも、人材育成において効果的な教育方法を見つけ出すことに活用されています。

インバスケットで与えられた案件に取り組む姿勢や言動を、各項目に沿って評価していきます。明確な評価基準があるため、参加者のキャリア形成や育成の方針を定めやすくなるでしょう。

インバスケットに向けた対策

インバスケットに参加するうえで、以下のような対策ができます。

ここでは、事前に対策をするべきポイントや、成功のコツを紹介します。

方針を持つ

インバスケットで架空の人物としての職務を全うするには、業務における方針を明確にすることが大切です。方針を持って案件に取り組むことで、意見や判断に一貫性が生まれます。

たとえばチームマネジメントにあたって、部下への教育方針やチームの運営方針を明確にするなどです。明確な方針は、複数の部下に指示やアドバイスを送るうえで軸になります。

方針を持つことで、それぞれの業務に対する選択や優先順位を考えやすくなるでしょう。

優先順位を設定する

制限時間が設けられているなかで案件を処理するには、それぞれの優先順位を設定する必要があります。案件ごとの緊急性や重要度などから優先順位を判断することで、トラブルの予防やスピーディーな問題解決につながります。

たとえば飲食店の店長になりきる場合、店内のクレーム対応とアルバイト従業員の勤務表の作成では、クレーム対応を優先するべきといえます。不満を抱える来店者への迅速な対応は、クレームの肥大化を抑えられ、顧客満足度の向上を目指すことができるからです。

インバスケットに繰り返し取り組むうちに、案件の優先順位を素早く判断できるようになるでしょう。

案件の関連性を押さえる

インバスケットでは、複数の案件に関連性がある前提で取り組むことが大切です。関連性のある案件は、原因を解消することでまとめて処理できます。

たとえば店舗の売上低迷が課題となっている案件と、従業員が退職の希望を申し出る案件は、一見すると関連性がない内容です。しかし、それぞれの関連性を疑うことで、店舗のチームマネジメントが上手くいっていないことが共通の原因である可能性に気づけます。

一つずつの案件に集中して対処するのではなく、最初に全体の案件を把握したうえで関連性の有無を確認しましょう。

インバスケット研修で効果的な育成や適切な人材配置を

インバスケットとは、他部署やマネジメント職につく架空の人物になりきり、与えられる案件を処理するワークです。処理をする際の優先順位や手法、考え方などから、人材アセスメントにおける評価がされます。

インバスケットを有効に行うことで、参加者に実践的な能力が身についたり、部署や役職の適性を見極めたりできます。インバスケット研修のように、客観的な評価を受けながらビジネスにおける実践的な能力を身につけるには、オンラインスクールを利用する手段もあります。

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ABOUT ME
ライター 木村さき
新卒で求人広告代理店に就職したのち、結婚を機に退職して夫の地元に転居。そこで金融関係の企業に転職し、顧客対応部門のサブリーダーとしてメンバーの育成に携わる。現在は0歳児を育てながら、子どもを寝かしつけた後にwebライターとして活動中。
エディター 古澤 椋子
鹿児島大学大学院水産学研究科修了。水産系社団法人にて、水産に関わる調査研究、行政との折衝などを経験したのち、水産系ベンチャーにて、広報を担当。2023年からフリーライターとして活動を始め、主にエンタメ系の記事を執筆。SHElikesでキャリア、マインド共に変化した経験から、SHEsharesのライターを務める。

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