「編集者になるには学歴が重要」「編集職は狭き門だ」などのイメージが先行し、目指すのをためらっていませんか?
出版不況と言われる昨今ですが、WebメディアやSNSの台頭により、良質なコンテンツを生み出す「編集スキル」の需要はむしろ高まっています。
本記事では、現役編集者の視点から、仕事内容や必要なスキル・適性を徹底解説。さらに、リアルな年収事情や未経験からのなり方、学歴・資格の要否など、よくある疑問に回答します。現場で求められるスキルを知り、自身の強みと掛け合わせれば、異業種からの転身も夢ではありません。キャリアを切り拓くロードマップとして、ぜひ活用してください。
編集者とは?
編集者(エディター)とは、簡単にまとめると「コンテンツの企画から進行管理、世に出るまでの制作全体を管理する人」です。編集者は、単なる原稿チェックに留まらず、読者ニーズの分析に基づいたコンセプト設計から予算や納期の管理まで、プロジェクト全体のディレクションを担います。
具体的には、ライターやカメラマンといったクリエイターに依頼を出し、戦略的に記事を形にしていきます。つまり、クリエイティブな発想をビジネスとして成立させ、世に出るまでのクオリティに責任を持つプロフェッショナルな働きが求められる職業だといえるでしょう。
編集職の種類|雑誌・Web・SNS
現代の編集者が活躍するフィールドは、紙媒体からデジタル領域まで多岐にわたります。
かつての主流であった紙媒体(雑誌・書籍)の編集者は、限られた誌面で情報の密度と質を高め、一冊の「作品」を創り上げるのが主な役割です。他方でWebメディアは、公開後もリアルタイムで情報を更新できる柔軟性が特徴。そのため、SEOやSNSの反応に基づき「継続的な改善」を行う運用面での役割が重視されます。また近年では、動画やSNSなどテキスト以外の領域にも編集スキルの需要は拡大しています。
働き方も多様化しており、自社媒体を育てる「出版社」のほか、制作のプロとして案件を請け負う「編集プロダクション」、組織に属さない「フリーランス」など、個人の志向に合わせた選択が可能です。
編集者のやりがいと大変さは?
編集職は、自分の企画で世の中に影響を与える喜びと、制作全体を支える責任を併せ持つ仕事です。
最大のやりがいは、手がけたコンテンツが読者に届き、反響や数字として成果をダイレクトに感じられる点にあります。一方で、常に締め切りに追われるプレッシャーや、多くの関係者の間に立つ調整の苦労は、制作の司令塔ゆえの避けられない使命といえるでしょう。
新しいトレンドを追い続ける知的好奇心に加え、ミスを許さない地道な確認作業を完遂できる忍耐力。華やかな反響の裏にある、こうした泥臭い努力の積み重ねが、一作品のクオリティを支えているのです。
編集者の仕事内容と必要なスキル・適性
編集者の仕事は、原稿チェックに留まらず広域をカバーします。本章では、未経験から編集職を目指す人に向け、工程別の仕事内容と必要なスキル・適性を一気通貫で解説します。
- 企画フェーズ|企画構成力 × 好奇心の旺盛さ
- 制作フェーズ|ディレクション × コミュニケーション力
- 仕上げフェーズ|文章・校閲スキル × 細部へのこだわり
- 運用フェーズ|マーケティング視点 × 自己管理能力
これらを参考に、自身が編集者に「向いている人」かどうかを一考してみてください。
1. 企画フェーズ|企画構成力 × 好奇心の旺盛さ
まずは「何を作るか」を決定する、コンテンツの核となるフェーズです。読者のインサイトを的確に捉え、そのコンテンツが届けたい「価値」の輪郭を明確にします。
読者のニーズを掘り下げる「企画立案」
企画立案は、読者が抱える「言語化できない悩み」を形にする作業です。市場リサーチだけでなく、日常の些細なトレンドに「なぜ?」と疑問を持てる好奇心旺盛な人が向いているといえるでしょう。
自分一人で完結せず、企画案を編集会議でプレゼンし、チームの意見を取り入れながらブラッシュアップさせる柔軟さも重要です。世の中の動きを自分事として楽しめる感性が、ヒット企画の源泉となります。
記事の設計図となる「構成案(ラフ)」の作成
立案した企画を、読み手が納得できる論理的な流れに落とし込みます。単体の記事構成はもちろん、紙媒体であれば一冊全体の流れを決める「台割(だいわり)」、Webメディアであれば連載全体の順序やカテゴリー設計を行い、コンテンツ全体の質をコントロールします。
パズルを完成させるように「完成図」を細部まで描けるかが、成否を分ける根幹となります。
2. 制作フェーズ|ディレクション × コミュニケーション力
設計図をもとに、多様なプロフェッショナルを巻き込んで形にするフェーズです。チームの力を最大化させる調整能力が鍵となります。
外部クリエイターへの「アサインと発注」
企画の趣旨に最適なライターやカメラマン、デザイナーを選定し依頼します。プロジェクトの目的を正確に共有し、「この人と作りたい」と思わせる高いコミュニケーション力が不可欠です。スタジオやモデル、小道具の手配などの準備を担う場合も。
事務的な手続きに終始せず、クリエイターの力を最大限に引き出すディレクション能力が求められます。適切な人選と丁寧な意思疎通が、最終的なアウトプットの質を高める鍵となります。
取材の立ち会いと進行管理
自ら現場へ赴き、取材の立ち会いや進行管理を担います。場合によっては編集者がインタビューし、原稿を執筆することも。
予期せぬトラブルにも冷静に対処し、納期内で成果を最大化させる責任感が、現場の滞りない進行を支えます。多くの人を巻き込むため、全体を俯瞰して導く調整役としての資質が、プロジェクトの完遂を左右するでしょう。

3. 仕上げフェーズ|文章・校閲スキル × 細部へのこだわり
素材を磨き上げ、メディアとしての信頼性と品質を担保するフェーズです。一字一句、細部に至るまでの徹底したこだわりが、読者との信頼関係を築きます。
文章のブラッシュアップ(編集・リライト指示)
上がってきた原稿を、媒体のトーン&マナーに合わせて磨き上げます。読者の視点に立ち、「もっと伝わる表現はないか」と突き詰めるスキルが、コンテンツをありふれた記事から「特別な一本」へと昇華させます。
執筆者の個性を活かしつつ、読者にとっての読みやすさを最優先するバランス感覚に加え、言葉のわずかなニュアンスにこだわり抜ける職人気質な面が必要です。
信頼を守るための「校正・校閲」
校正・校閲は、情報の正確性と安全性を担保するための「守りの要」です。誤字脱字はもちろん、事実関係や引用物の著作権確認まで細かく目を配る誠実さが、ブランド失墜のリスクを未然に防ぎます。
大手出版社では専門部署や外部会社が担うことも多い工程ですが、現場によっては編集者がこの役割を兼任します。地道な作業を苦にせず、最後の最後まで確認を徹底できる忍耐強さが、プロの編集者に求められる資質です。

4. 運用フェーズ|マーケティング視点 × 自己管理能力
完成したコンテンツを世に送り出し、その反響を次の成長へとつなげるフェーズです。「作って終わり」にせず、成果を最大化させるための戦略的思考が求められます。
公開作業(Web:入稿 / 紙:校了)
WebメディアならCMSへの入稿、紙媒体なら校了作業など、ミスが許されない最終局面を管理します。予算内でのコスト管理や複数のタスクを並行しながらも、一点の曇りもなく確認を完了させる高い集中力が試されます。
この作業では、土壇場でのプレッシャーを楽しみながら、着実に仕事を完遂できる人が適しているでしょう。最終確認を怠らない執念が、コンテンツの品質維持につながります。
プロモーションと効果測定(届ける・分析する)
SNSでの拡散や数値分析を行い、読者の反応を客観的に評価します。単に公開して終わりにせず、反響の大きかったWeb記事を「書籍化」したり、SNS向けに動画化して再配信したりする「二次利用(マルチユース)」の視点も重要です。
制作したコンテンツをプラットフォームに合わせて形を変え、価値を最大化させる戦略的思考が、現代の編集者には求められます。また、読者から届く反響や意見を真摯に受け止め、次の企画へ反映していく継続的なコミュニケーションも、長く愛されるメディア作りには欠かせません。

編集者のリアルな年収事情
厚生労働省「job tag」によると、雑誌編集者の令和6年度賃金(年収)は680.5万円*1となっており、令和5年の日本の平均年収460万円*2と比較しても低い水準ではありません。ただし、編集者の年収は、以下のように開きがあります。
| 区分 | 推定年収※ | 主な特徴 |
| 大手出版社 | 600万〜1,000万円超 | 初任給から高水準。 キャリアを積むことで30代での大台突破も可能。 |
| 中堅・Webメディア | 350万〜700万円前後 | スキルの専門性や役職、媒体の収益性により変動する。 |
| 編集プロダクション | 300万〜500万円前後 | 制作代行が軸のため制作実務に特化。 未経験の登竜門的側面もあり、経験を積み大手や事業会社へ転じる人も。 |
同じ「編集者」という職種でも、事業内容や規模、年齢、経験によって年収差があると考えられます。特に未経験者の場合は300万円台からのスタートとなるケースも見られ、現場で実績を積むことで年収が跳ね上がるのもこの業界の特徴です。
また近年では、コンテンツ制作の知見を活かして企業の広報・マーケティング部門へ活躍の場を移したり、フリーランスとして高単価案件を獲得したりなど、専門性を武器にした多様なキャリアパスによって年収アップを目指す道も広がっています。
<出典>
*1:厚生労働省 job tag|雑誌編集者「賃金(年収)」より
*2:国税庁|令和5年分 民間給与実態統計調査「概要」より
※推定年収データについて
掲載している推定年収は、厚生労働省「job tag」の雑誌および図書編集者の統計、dodaや求人ボックスなどの求人統計、エン転職の転職大辞典、openworkの大手総合出版社に関する情報などを参考に、業界の動向も踏まえて独自に算出したものです。
編集者になるには?未経験からプロを目指す3つの方法
「編集者になるには未経験からだとハードルが高い」と感じるかもしれませんが、実際には現場で経験を積みながらプロへと成長していくケースがほとんどです。また、そのルートはひとつではありません。本章では、編集職に就くための3つの方法を紹介します。
これらを参考に、自身にとって実現可能な「編集者へのなり方」を検討してください。未経験や学生、中途採用からでも、適切なアプローチを選ぶことでプロへの道は拓けるでしょう。
編集アシスタントやインターンから業界に飛び込む
編集現場を体感するのが、プロへの最短ルートです。アルバイトやインターンとして、雑務や校正・校閲の補助をこなしながら仕事の流れを吸収します。実際の業務を間近で見ることで、教科書では学べない「現場の判断基準」や「スピード感」が自然と身につくはずです。
未経験や学生でも、ポテンシャルを重視して採用する編集プロダクションやWebメディアは一定数存在します。現場で地道に信頼を積み上げることで、そのまま正社員として迎えられるケースも少なくありません。「まずは現場に入り、実務を通して力をつけたい」という人にとって、手堅い選択肢といえるでしょう。
スクールで「制作の基礎」を体系的に学ぶ
「いきなり現場へ飛び込むのは勇気がいる」という人にとって、制作の基礎を体系的に学べるスクールは、着実に準備ができる方法としておすすめです。スクールによって、編集に特化した講座や、ライティング課題へのフィードバックを通じて「編集者の視点」を学べるものなど、さまざまな学習スタイルがあります。
添削を受ける過程で「伝わる文章スキル」が磨かれるのはもちろん、プロがどのような基準で原稿をチェックしているのかを書き手の立場から体感できるのがメリット。プロの思考プロセスに触れ、正しい基礎を身につけることは、編集者としてのキャリアをスタートさせるための大きな自信につながるでしょう。
Webライターとして実績を積み編集職へスライドする
まずはWebライターとして「書く」実践経験を積み、そこから編集職へ転身するルートもあります。企画や構成案の意図を汲み取れるライターは編集適性が高いと評価されるだけでなく、書き手の心情を理解したディレクションができるため、現場で重宝されます。
また、急なトラブル時にも自ら原稿を仕上げられる「書ける編集者」は、Webメディアにおいて市場価値が高い存在です。ライティングを通じて「読まれる企画」の肌感覚を養い、その実績を強みに編集職へのスライドを目指すこの方法は、編集未経験からの有効な選択肢といえるでしょう。
編集者になるために資格や学歴は必要?よくある疑問を解決
「出版業界は高学歴でないと入れない」「編集者になるには資格が必要?」と不安を抱く人は多いのかもしれません。しかし、業界全体を見渡せば門戸は広く開かれており、資格も必須ではありません。
本章では、学歴の壁や持っておくと有利なスキルなど、編集職を目指す人が真っ先に抱く疑問に回答します。
編集者になるのに大学や学部は関係ある?
結論から述べると、学部・学科が採用に直接影響することはありません。大手出版社では応募条件が「大卒以上」とされているのが一般的ですが、中堅プロダクションやWebメディアなど学歴不問の企業も数多く存在します。
現場で重視されるのは、出身大学よりも「世の中の動きにどれだけ敏感か」「ターゲットが求めるものを形にできるか」という情報感度と客観的な視点です。たとえ高学歴でなくても、特定の分野に詳しかったり、日頃から多角的な視点で物事を深掘りする習慣があったりすれば、編集者として活躍できるチャンスは十分にあります。
編集者の仕事に役立つ資格や知識はある?
編集者に必須の資格はありませんが、持っていると実務面で有利になるものは存在します。例えば、文章ルールの基礎を証明する「校正技能検定」や、Webライティング関連の資格などは、即戦力をアピールする材料になります。
また著作権や薬機法、景品表示法などの知識は、メディアの信頼を守るうえで重宝される武器となります。これらを理解していると、トラブルを未然に防げる信頼感から仕事の幅が広がるでしょう。資格取得を目標にするだけでなく、実務に直結する生きた知識を蓄えておくことが、プロへの近道です。
編集の仕事に就くならSHElikesでスキルを効率的に磨こう!
未経験から編集者を目指すなら、現場で役立つ実務スキルを体系的に学ぶのが効率的です。女性向けキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」では、企画立案からライティング、マーケティングまで、編集の仕事に直結するスキルを幅広く習得できます。
特に、ライティングコースでは、現役プロによる添削を受けられるのがメリット。フィードバックを通じて「編集者の視点」を体感でき、原稿の質を実務レベルまで引き上げられます。課題作品はポートフォリオに掲載できるほか、お仕事チャレンジ制度*の活用で受講中から実務実績を作ることも可能です。
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