コンサルタントの種類は何がある?向いている人の特徴も解説!

コンサルタントの種類は何がある?向いている人の特徴も解説!

コンサルティング業界への就職や転職を考えている方はいるでしょう。しかし、以下のように思い、行動に移せない方もいるのではないでしょうか。

「コンサルタントには色々な種類があり、違いがよく分からない」
「どの種類のコンサルタントが自分に合っている?」

そこで、本記事ではコンサルタントを種類別に紹介。また、コンサルタントに向いている人の特徴やコンサルティング業界で働くにあたって必要な能力も解説します。

コンサルティング業界に興味のある方やコンサルタントを目指したい方は、ぜひチェックしてみてください。

コンサルタントとは?

まず、コンサルタントについて簡単に解説します。コンサルタントの主な仕事は、クライアント企業が抱える課題を明らかにし、その課題を解決するためのアドバイスをすることです。経営戦略の見直しや策定、企画の立案、業務プロセスの改善など、経営の根幹に関わります。

なお、コンサルタントには「総合コンサルタント」と「専門コンサルタント」の2種類があります。「総合コンサルタント」は特定の業界についての幅広い知識やノウハウを持っており、上流工程から下流工程まで総合的なコンサルティングを行うのが特徴です。

一方の「専門コンサルタント」はある分野や業界について豊富な知見を持っており、クライアントが抱える専門性の高い課題の解決を担います。

コンサルティング業界への就職を考えている方は、まずは総合と専門のどちらのコンサルタントを目指すのかを決める必要があります。

コンサルタントの種類

ここでは、コンサルタントの種類を紹介します。結論からいうと、以下の5種類があります。

  • 戦略系コンサルタント
  • 総合系コンサルタント
  • ITコンサルタント
  • 人事コンサルタント
  • シンクタンク系コンサルタント

それぞれの特徴や企業の例を紹介するので、どのコンサルタントが自分に合っているかチェックしてみてください。

戦略系コンサルタント

戦略系コンサルタントは、企業が抱える経営上の課題を解決するためのアドバイスを行うのが主な業務です。新規事業展開や市場拡大などを目的とした戦略立案を行います。たとえば、M&A戦略やグローバル戦略の策定支援や新商品の開発、組織の再編などを請け負います。

コンサルティングファームごとに違いはあるものの、クライアントは大企業やグローバル企業、官公庁などの場合が多いため、報酬は高くなる傾向にあるといえるでしょう。その分、仕事量が多かったり高いスキルを要求されたりする点は押さえておく必要があります。

それでは、戦略系コンサルタントの企業例を見てみましょう。

マッキンゼー・アンド・カンパニー

マッキンゼー・アンド・カンパニーは、アメリカに本社を置く大手コンサルティングファームです。北米や欧州、アジアなど世界65か国以上に展開しており、グローバルな専門知識とローカルの深い知見をもとにクライアントの成長を支援しています。

日本のトップ企業30社の8割をサポートし、過去5年間で約1,000のプロジェクトを実施するなど、幅広い分野でクライアントをサポートしている実績があります。

ボストン・コンサルティング・グループ

ボストン・コンサルティング・グループは、50以上の国にグローバル展開している戦略系コンサルティングファームです。日本では、東京、名古屋、大阪、京都、福岡にオフィスを構えています。

あらゆる業界に関する深い専門知識と幅広い視点を活かし、クライアントをサポートしています。また、AIやサステナビリティ、ダイバーシティなど、さまざまなテーマにおける支援を行っています。

ベイン・アンド・カンパニー

ベイン・アンド・カンパニーは、ボストンに本拠地を置く戦略コンサルティングファームです。世界40か国65都市に展開し、さまざまな業界や経営テーマに関する知識を活用してクライアントを支援しています。
「英国で最も働きやすい企業100社」で1位、「米国で最も働きやすい企業100社」で3位にランクインするなど、労働環境に対する評価は高いといえるでしょう。また、人種問題や環境問題など、世界が直面している課題に取り組む非営利団体の支援も行っています。

A.T. カーニー

A.T. カーニーは、シカゴを拠点とする戦略コンサルティングファームです。世界41の国と地域に71の拠点があり、各国の大手企業や政府系機関などに対してサービスを提供しています。

幅広い業界でコンサルティングを行っており、自動車やエネルギー、ヘルスケア、金融、通信などの分野でクライアントをサポートしています。

ローランド・ベルガー

ローランド・ベルガーは、ドイツのミュンヘンを本拠とするヨーロッパ最大の戦略コンサルティングファームです。欧州のほかに北米や中国、東南アジアなど世界51の都市にオフィスを展開しており、3,000名を超えるスタッフが活躍しています。

多様性を重んじる企業風土が特徴で、さまざまなバックグラウンドを持つコンサルタントが在籍しています。東南アジアに「ジャパンデスク」を設置しており、日系企業のグローバル化をサポートしているのも特徴です。

総合系コンサルタント

総合系コンサルタントとは、特定の領域ではなく幅広い業界に対応できるコンサルタントのことです。各分野を専門とするコンサルタントが協力し合い、クライアントを総合的にサポートします。

戦略立案などの上流工程から実行支援といった下流工程までをワンストップでサポートするのが特徴です。幅広い業界のあらゆる課題に対応することが求められるため、規模が大きくグローバル展開していることが多いといえます。

それでは、総合系コンサルタントの企業例を紹介します。

アクセンチュア

アクセンチュアは、アイルランドのダブリンに本拠を置く総合コンサルティングファームです。世界49か国にオフィスを展開しており、73万人以上のコンサルタントが9,000を超えるクライアントを支援しています。

日系企業に対するコンサルティング実績も豊富で、株式会社資生堂のデジタル活用支援や、東京ガス株式会社のカスタマーサポート向上支援などを行っています。

デロイトトーマツコンサルティング

デロイトトーマツコンサルティングは国際的なビジネスプロフェッショナルのネットワークである「Deloitte(デロイト)」のメンバーで、日本のコンサルティングサービスを担います。5,000名を超えるコンサルタントが戦略立案から実行までを一貫してサポートするコンサルティングファームです。

専門性が高く経験豊富なプロフェッショナルがチームを組み、経営課題や社会課題の解決を目指します。

PwCコンサルティング合同会社

PwCコンサルティング合同会社は、戦略策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供しています。グローバル展開しているPwC(プライスウォーターハウスクーパース)のネットワークを活用し、クライアントが抱える経営課題の解決に取り組みます。

自動車や物流、銀行、官公庁など業種別にチームを組織しているのが特徴で、各業種ごとの特色やトレンドを熟知したコンサルタントがクライアントの成長をサポートします。

アビームコンサルティング

アビームコンサルティングは、日本発の総合系コンサルティングファームです。戦略立案や構想策定から業務改革、システムの開発と導入まで、すべての工程を手がけます。

事業戦略や企業改革、デジタルイノベーション、人材管理など、幅広い分野のサービスを提供しているのが特徴です。グローバル展開しており、世界に28の拠点を構えています。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、ITを活用してクライアント企業が抱える課題の解決を目指します。主な業務内容として、IT戦略策定やシステム管理、新たなシステムの導入によるクライアントのサポートなどがあげられます。

ITを活用した提案をするため、ITコンサルタントにはITに関する深い知識が必要不可欠です。それに加え、情報収集力や論理的思考力なども求められます。

それでは、ITコンサルティングファームの企業例を紹介します。

ガートナージャパン

ガートナージャパンは、コネチカット州に本社を置くガートナー社の日本法人です。ガートナー社は90の国や地域のクライアントにサービスを提供しており、IT分野を中心としたリサーチやアドバイスを行っています。

日系企業のクライアントも豊富で、たとえばヤマハ発動機株式会社のDX(デジタル・トランスフォーメーション)や、株式会社アシックスのデジタルドリブンなどの支援実績があります。

フューチャーアーキテクト

フューチャーアーキテクトは、ITを活用してクライアントの経営戦略や業務改革をサポートするITコンサルティングファームです。幅広い業界や分野に特化したエキスパートや技術者がパートナーとなり、クライアントをサポートします。

豊富なノウハウと技術力の高さを活かし、基本構想から要件定義、システムの設計と開発、導入までを一気通貫で担うのが魅力です。株式会社エービーシー・マートや佐川急便株式会社など、さまざま企業のサポート実績があります。

ウルシステムズ

ウルシステムズは、「攻めのIT」に特化したコンサルティングファームです。新規サービスの創出や業務プロセスの刷新などのサポートを行っています。

製造業や金融業、サービス業など、さまざまな業界でクライアントの目標達成に向けた支援をしています。たとえば、大手保険会社のDX推進や大手不動産会社の新サービス立ち上げなどの実績があります。

NTTデータグループ

NTTデータグループは、進化するテクノロジーを活かしてクライアントの経営と事業をサポートします。2,400名を超える専門性を持ったメンバーが連携し、事業変革を成功させるためのコンサルティングサービスを提供しています。

構想の策定から実装、効果創出までを一気通貫でサポートするのが特徴です。ビジネス戦略、テクノロジーやデータの活用など、あらゆる領域に対するコンサルティングメニューがあります。

人事コンサルタント

人事系コンサルタントは、人や組織の課題解決を専門としています。業務内容は、人事制度や福利厚生などの設計、研修制度の構築、海外進出やM&Aの際の人事制度改革、人材採用のサポートなどです。

ほかのコンサルティングファームとの違いは、クライアントの内部にはたらきかけることです。新商品の開発や市場の拡大といった外部向けの支援は基本的に行わず、内部から制度を整えます。

それでは、人事コンサルタントの企業例を見ていきましょう。

マーサージャパン

マーサージャパンは、ニューヨークに拠点を置くマーサー社の日本法人です。人事に関するマネジメントやコンサルティングを展開しており、年金や退職金制度、福利厚生、人材戦略、組織開発など幅広いサービスを提供しています。

日本では40年以上の豊富な実績があり、グローバルネットワークを活かして幅広い業種のクライアントの支援を続けています。

エーオンソリューションズジャパン

エーオンソリューションズジャパンは、人事やリタイアメントなどに関するコンサルティングサービスを展開しています。エーオングループには5万人を超えるコンサルタントが在籍しており、世界120以上の国と地域のクライアントにサービスを提供しています。

また、保険分野に関するサービスも手がけているのが特徴で、事業中断や地震、損害賠償などのリスクマネジメントもサポートしています。

ウィリス・タワーズ・ワトソン

ウィリス・タワーズ・ワトソンは、「人材」「リスク」「資産」の分野でサービスを提供しています。多彩な視点を持ってクライアントと協力し、成功に向けたコンサルティングを行います。

具体的な業務内容は、退職給付の制度設計やグローバル人材ソリューションなどです。また、保険代理店やリスクマネジメント・コンサルティングの分野でもサービスを手がけています。

コーン・フェリー

コーン・フェリーは、グローバルな組織を支援するコンサルティングファームです。最適な組織構造の設計や適切な人材の採用、ビジネストランスフォーメーションなどの支援を行っています。

50以上の領域に関する専門知識を持っており、さまざまな業界の企業をサポートしています。例としては、金融業や航空宇宙産業、インフラ、製造業などがあげられます。

シンクタンク系コンサルタント

シンクタンク系コンサルタントは、経済調査や公的機関からの依頼を受けたリサーチなどが主な業務内容です。ただ、業務改善や組織人事、新規事業戦略などを担うこともあります。

シンクタンク系コンサルティングファームの多くは、金融機関や証券会社などを母体に持っています。そのため、グループ企業が持つノウハウを活かしたり、グループ企業を通じて案件を獲得できたりする可能性があります。

それでは、シンクタンク系コンサルタントの企業例を紹介します。

野村総合研究所

野村総合研究所は、さまざまな分野における戦略策定や政府・官公庁の政策立案などの支援をしています。コンサルティングサービスの業種は幅広く、自動車やエネルギー、物流、金融などがあります。

また、ITに関する豊富なノウハウをもとにシステムコンサルティングを提供しているのも特徴です。システム開発やITガバナンス、IT人材の育成などのサポートを行っています。

日本総合研究所

日本総合研究所は、三井住友フィナンシャルグループに属するシンクタンク系コンサルティング会社です。豊富な経験や最新の経営手法、グローバルなネットワークを活用することで、実効性のある解決策を提供します。

経営戦略やM&A、新規事業開発、サステナビリティ経営など、さまざまな分野でサービスを提供しているのが特徴です。また、マクロ経済分析や市場予測、政策提言なども行っています。

三菱UFJ リサーチ&コンサルティング

三菱UFJ リサーチ&コンサルティングは、三菱UFJフィナンシャル・グループに属しているシンクタンク系コンサルティング会社です。「政策・産業視点のシンクタンク」と「経営・機能視点のコンサルティング」の2つをもとにしたアプローチで、さまざまな課題の解決をサポートします。

たとえば、官公庁からの各種調査研究の受託や、戦略、組織人事、ITなどに関するコンサルティング事業を行っています。

NTTデータ経営研究所

NTTデータ経営研究所は、行政関連の調査研究やコンサルティング事業などを行っています。コンサルティング事業では、企業経営やIT戦略、金融サービス変革など幅広い分野でサポートを提供しています。

各省庁や有識者などとパートナーシップを結び、さまざまな視点から政策提言や課題の解決などに取り組んでいるのが特徴です。

コンサルタントに向いている人の特徴

ここでは、コンサルタントに向いている人の特徴を紹介します。結論としては、以下の3点に当てはまるとコンサルティング業界の適性があるといえます。

  • 向上心がある
  • 精神力が強い
  • 論理的思考ができる

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

向上心が強い

向上心がある人は、コンサルタントに向いているといえます。その理由は、クライアント企業の課題解決や業績向上などを実現させるためには、主体的に知識を身につけたり経験を積んだりすることが求められるからです。

「現状に満足することなく、常に勉強して知識やノウハウを蓄える」「高い目標を持ち、その目標を達成できるよう努力を続ける」といった姿勢で仕事ができる人は、コンサルティング業界に適しているでしょう。

精神力が強い

メンタルの強さも、コンサルタントに向いている人の特徴の1つにあげられます。コンサルティングの案件によっては仕事量が膨大になったり難問にぶつかったりすることもありますが、プレッシャーに負けずに成果を出すことが求められます。

また、何事もポジティブに捉える能力も大切です。新規事業の展開や経営課題の解決などには決まった答えがあるわけではないため、目的を達成するまでにさまざまな困難に直面する可能性があります。試行錯誤を楽しめるようなポジティブなマインドを持てる人は、コンサルタントに向いているといえるでしょう。

論理的思考ができる

論理的な思考ができることも、コンサルティング業界に向いている人の特徴の1つです。コンサルタントは、クライアントが抱える課題を解決するにあたって現状の分析や仮説の検証などを論理的に行うことが求められます。また、クライアントに対してプレゼンや報告などをする際は、明確な根拠をもとに誰もが納得できる内容にすることが必要です。

物事を常に論理的に考えられることは、コンサルタントに必要不可欠だといえるでしょう。

コンサルタントになるために必要な能力

コンサルタントになるために必要な能力は、主に以下の2つがあげられます。

  • 論理的思考力
  • コミュニケーション能力

それぞれの能力を詳しく説明します。

論理的思考能力

まず、コンサルティング業界で仕事をするためには論理的思考力が必要です。コンサルタントは、課題の解決策をクライアントに提示する際に客観的かつ合理的な説明をして相手に納得してもらう必要があります。また、クライアントの課題を解決するためには、現状を適切に分析して解決策を導き出すことが必要不可欠です。

そのため、コンサルタントになるためには、物事を論理的に考える能力を身につける必要があります。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力も、コンサルタントになるために必要です。コンサルティングの仕事ではクライアントが抱える課題を把握するためにヒアリングを行うため、クライアントとの良好な関係の構築が欠かせません。加えて、解決策の提案をする際は「どのような経緯でこの提案に至ったのか」「企業としてこれからどういうアクションを起こすのか」などを分かりやすく伝える能力も求められます。

また、コンサルタントはチームでプロジェクトに取り組むことも多いため、メンバーと協力し合うことも大切です。目標の達成に向けて、自分の考えを共有したりほかのメンバーの意見に耳を傾けたりする能力も必要になります。

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コンサルタントの仕事をするためには、豊富な知識やノウハウに加えて論理的思考力やコミュニケーション力なども必要です。スキルを身につけ、コンサルティング業界への就職や転職を目指しましょう。

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ABOUT ME
ライター shin
航空系の会社に勤務した後、フリーランスとしての活動を開始。現在は主にWebメディアに携わりつつ海外を転々としている。
エディター 工藤 梨央

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。