UIデザイナーが効率的に作業を行うには、UIデザインツールの活用がおすすめです。とはいえ、UIデザインツールには多くの種類があり、推奨する利用環境も異なるため、どれを使ったらよいか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
今回は、おすすめのUIデザインツールを有料・無料に分けて紹介し、それぞれの機能や特徴、選び方まで解説します。
UIデザインツールとは?
UIデザインツールとは、WebサイトやWebアプリケーション開発におけるUIデザインの制作に役立つツールです。
従来は画像編集ソフトで作業を行うのが一般的で、もちろん現在でもUIデザインツールを使用せずにデザインすることは可能です。しかし、UIデザインツールにはUIデザインに特化した機能やデザインを共有する機能など、多くの便利な機能が備わっているため、使用することで効率的に作業を進めることができます。
UIデザインツールには種類があり、それぞれ特徴や利用環境が異なります。この記事では、有料と無料に分けておすすめのUIデザインツールを紹介するので、自分の状況に合ったツールを探してみてください。
また、「UIデザイン」について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【有料】おすすめUIデザインツール6選
まずは、有料のおすすめUIデザインツールとして、以下の6選を紹介します。
- Sketch
- Adobe XD
- Drama
- Balsamiq
- Photoshop
- Illustrator
それぞれ機能や特徴、料金、利用環境などを踏まえて、自分に合ったデザインツールを見つけましょう。
Sketch
「Sketch」は、Bohemian Coding社が提供しているUIデザインツールです。UIデザインに特化した豊富な機能が搭載されており、2010年9月のリリース開始から現在まで長く愛用され続けています。個人が利用する標準サブスクリプションでは、30日の無料トライアルもあるので、まずはお試しとして利用するのもよいでしょう。
OSはmacOSのみ対応で、Windowsを利用している方は利用できないため、注意が必要です。
機能・特徴 | ・スマートなレイアウト ・多くの機能(形状、文章、色、スタイル、画像)で簡単にデザインが可能 ・プロトタイプの作成 ・リアルタイムでの共同作業 |
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料金 | 標準サブスクリプション:10ドル/月(30日の無料トライアル有り) Macのみのライセンス:120ドル/年 ビジネスサブスクリプション:20ドル/月 |
利用環境 | macOS Monterey (12.0.0) 以降 |
Adobe XD
「Adobe XD」は、Adobe社が提供しているUIデザインツールです。操作性の良さや多くのアプリケーションとの連携が可能なことから、効率的に作業を行えるという特徴があります。「Creative Cloud」コンプリートプランを契約することで利用可能なため、他のAdobe製品をよく利用する方にはおすすめのツールです。
ただし、2023年12月現在はメンテナンスモードであり、今後の利用状況においては不透明な部分があります。利用する際には、あらかじめデータの管理や保存、移行の可能性についても注意が必要です。
機能・特徴 | ・デザインの作成 ・プロトタイプの作成 ・プロトタイプやデザインスペックの共有 ・3D変形機能 ・IllustratorやPhotoshopなど他のアプリケーションとの連携 ・複数のショートカットキー搭載 |
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料金 | 6,480円/月(Creative Cloudコンプリートプラン) |
利用環境 | macOS v10.15 以降 Windows 10(64 ビット)バージョン 1909(19H2)以降 |
Drama
「Drama」は、PixelCut社が提供しているUIデザインツールです。プロトタイプやアニメーションの作成に優れており、3D表現や動画の活用など、豊富な機能でUIデザインの幅を広げられます。
Mac向けに開発されたツールのため、Windowsでは使用できませんが、「Drama Mirror」のアプリをインストールすることでiPhoneでも操作が可能です。アニメーションの作成に興味がある人は、まず14日間の無料トライアルから始めてみるのもおすすめです。
機能・特徴 | ・アニメーションの作成 ・3Dレイヤー ・動画を使用したデザイン ・Drama Mirrorアプリをインストールすれば、iPhoneやiPadでプロトタイプの操作可能 ・ビデオでのチュートリアル有り |
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料金 | 標準:9ドル/月 トライアル(14日間):無料 教育目的:無料 |
利用環境 | MacOS iOS |
Balsamiq
「Balsamiq」は、Balsamiq Studios社が提供しているUIデザインツールです。ワイヤーフレームを直感的に作成し、共有することで、UI設計の効率化を実現させています。ドラグ&ドロップというシンプルな操作性により、すぐに使い方をマスターできるのもBalsamiqの特徴です。
イメージを簡単に具現化し、効率的にプロジェクトを進めたい人は、30日間の無料トライアルから使用してみてはいかがでしょうか。
機能・特徴 | ・ワイヤーフレームの作成 ・UIのアイデアを簡単にスケッチできる ・シンプルな操作性で初心者でも使いやすい ・リアルタイム共同作業 ・Slackとの連携 ・クラウド上(Dropbox)での保存可能 |
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料金 | スペースの数ごとに課金 2プロジェクト:9ドル/月または90ドル/年 20プロジェクト:49ドル/月または490ドル/年 200プロジェクト:199ドル/月または1,990ドル/年 30日間の無料トライアル有り |
利用環境 | Windows 10以降 macOS 12 モントレー以降 |
Photoshop
「Photoshop」は、Abobe社が提供しているデザインツールです。わかりやすい操作で画像や動画の編集・合成・加工ができるため、撮影コストを押さえながら見栄えのよいWebデザインが制作できます。商品や自社の様子など、写真を多く使うようなコンテンツでは有効活用できるでしょう。
Photoshopは画像編集に特化したツールのため、他のUIツールと併用して使うのもおすすめです。たとえば、「Creative Cloud」コンプリートプランを契約すれば、同じAdobe製品のAdobe XDも使えるようになります。
機能・特徴 | ・画像編集 ・合成 ・生成AI ・動画編集 ・Web上での共同作業 ・デスクトップ、iPad、オフラインで作業可能 |
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料金 | ・年間プラン 月々払い:2,728円/月(税込) 一括払い:28,776円/年(税込) 7日間無料体験有り (他製品との組み合わせプランも有り) |
利用環境 | Windows 10 64 ビット(バージョン 22H2)以降 macOS Big Sur(バージョン 11.0)以降 |
Illustrator
「Illustrator」は、Abobe社が提供しているデザインツールです。イラストやアイコンなどの作成に特化しており、拡大縮小してもボケないようなグラフィックを制作できます。
Photoshopと同じく他のAdobe製品と組み合わせて使用することで、購入先が1つになるだけでなく、デザインに一体感を持たせることができます。
機能・特徴 | ・ロゴ、アイコン、グラフィック、イラストの作成 ・パターン繰り返しやオブジェクト一括選択などの効率化機能搭載 ・生成AI ・手書きからの調整可能 ・自動的にクラウドに同期 |
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料金 | ・年間プラン 2,728円/月 28,776円/年 ・月々プラン 3,828円/月 7日間の無料体験有り (他製品との組み合わせプランも有り) |
利用環境 | Windows 11 v22H2、Windows 11 v21H2、Windows 10 v22H2 Windows Server 2022、2019 macOS 14(Sonoma) macOS バージョン 13(Ventura) macOS バージョン 12(Monterey) macOS バージョン 11(Big Sur) iPadOS 14 以降 |
【無料】おすすめUIデザインツール4選
次に、無料のUIデザインツールとして、以下の4選を紹介します。
- Figma
- Framer
- STUDIO
- Miro
それぞれの詳細について、見ていきましょう。
Figma
「Figma」は、Figma Inc.が提供しているUIデザインツールです。ブラウザ上で操作可能なため、ソフトウェアをインストールする必要がありません。開発者向けのスペースがあり、コーディングまでFigmaひとつで完結するのも、大きな魅力です。
オンラインホワイトボードの「Figjam」と併用することで、デザイナー以外にもプロジェクトに関わる人全員で進捗を確認でき、業務の効率化を実現します。
機能・特徴 | ・デザインの作成 ・プロトタイプの作成 ・制作物のコーディング ・リアルタイムでの共同作業 ・多くの他製品と連携可能 ・オンラインホワイトボード「Figjam」との連携可能 |
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料金 | スターター:無料 Figmaプロフェッショナル:1,800円/月(学生および教育関係者は無料) Figmaビジネス:6,750円/月 エンタープライズ:11,250円/月 |
利用環境 | 全てのOSで利用可能 |
以下の記事でFigmaの使い方について詳しく紹介しています。あわせて参考にしてみてください。
Framer
「Framer」は、Framer B.V.が提供しているUIデザインツールです。コーディングなしでアニメーションの作成・公開ができ、初心者でもクオリティの高いサイト制作が可能です。また、クライアントやチームメンバーなど、誰でも簡単にサイトの編集ができるのも大きな特徴でしょう。
豊富な機能が搭載されているため、まずは無料で試してみてから徐々にプランを上げていくのもおすすめです。
機能・特徴 | ・デザインの作成 ・自由形式のキャンバス ・Figmaからのコピペ機能 ・レイヤーのアニメーション化 ・AIツール ・SEOやデータ分析 ・クライアントやチームメンバーでも簡単に編集可能 |
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料金 | 無料 ミニ:692円/月 基本:1,210円/月 プロ:4,153円/月 |
利用環境 | Windows macOS Chrome OS iOS 14.0 以降 |
STUDIO
「STUDIO」は、STUDIO株式会社が提供しているUIデザインツールです。ノーコードでWebサイトのデザインやアニメーションの作成が可能なため、デザインやコーディングのスキルがない人でも簡単にオリジナリティ溢れたWebサイトを制作することができます。
細部までこだわりながらデザインできるため、プロダクトに合わせたUIデザインを実現できるでしょう。多くの大手企業で利用されている人気ツールの1つです。
機能・特徴 | ・ノーコードでWebサイト制作が可能 ・位置調整やレイアウトの直感的な操作 ・よく使うデザイン要素のシンボル化機能 ・レスポンシブデザイン対応 ・リアルタイム共同編集 ・アニメーションの作成 ・豊富なフォントの種類 ・外部サービスとの連携可能 |
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料金 | ・年払い Free:0円/月 Starter:980円/月 CMS:2,480円/月 Business:4,980円/月 ・月払い Free:0円/月 Starter:1,480円/ CMS:3,280円/月 Business:5,680円/月 |
利用環境 | 全てのOSで利用可能 |
Miro
「Miro」は、RealtimeBoard Inc.が提供しているオンラインホワイトボードツールです。効率的なアイデアの共有やワイヤーフレームを使ったアプリの設計など、UIデザインにも有効活用できます。プロジェクトメンバー全員が視覚的に進捗を確認できたり、ビデオ通話をしながらUI設計を進められたりするため、リモートでの作業を行っている人におすすめのツールです。
クラウド上で操作でき、アプリのインストール不要でデータを共有しやすいのも魅力の1つです。
機能・特徴 | ・オンラインホワイトボード ・ビデオチャット機能 ・豊富なテンプレート ・画像やファイルの取り込み ・外部ツールとの連携可能 ・付箋キャプチャ機能 ・ボード上で作成したコンテンツの自動保存 |
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料金 | Free:無料 Starter:8ドル/月(年間払い) Business:16ドル/月(年間払い) |
利用環境 | Windows 10 以上 macOS 10.15(Catalina)以上 |
UIデザインツールの選び方
ここまでおすすめのUIデザインツールの機能や特徴を紹介しましたが、実際に使用するにあたって何を意識して選べばよいのか悩みますよね。
ここでは、UIデザインツールの選び方として、以下の3つを紹介します。
- 初心者は知名度や利用率の高いものを選ぶ
- 共同作業ができるかどうか
- 予算に合っているか
それぞれのポイントについて、解説していきます。
初心者は知名度や利用率の高いものを選ぶ
デザインに慣れていない初心者の場合、知名度や利用率の高いものを選ぶのがおすすめです。UIデザインツールには海外の製品も多く、初めからシェア率の低いものを使おうとしてしまうと、わかりにくい点が多発する可能性があります。
また、多くの人が使っているような有名なツールであれば、行き詰まった際に周りの人やSNSなどですぐに聞くことができます。所属企業やクライアントの使っているUIデザインツールを利用することで、プロジェクトの進行もスムーズになるでしょう。
共同作業ができるかどうか
複数人で作業するような案件の場合、共同作業ができるかどうかも重要なポイントです。Figmaのように、リアルタイムかつ同じデザインを共同編集できるツールを利用することで、認識の齟齬やミスを減らしながら、効率的に作業できます。
作業を1人で行う場合は、スピード感や作業の一貫性があるものを選ぶとよいでしょう。たとえば、Adobe XDをPhotoshopやIllustratorと併用すると、それぞれのツールで簡単に連携ができるため、時間の削減にもつながります。
予算に合っているか
この記事で紹介したように、UIデザインツールには有料・無料のものがあります。ツールにどのくらいの予算を割けるのかを年単位や月単位で決め、予算に合ったツールを選びましょう。
また、搭載機能やスペース数などによっても金額は異なり、無料ツールでも課金が必要になる場合があるため、現状で必要な機能を洗い出すことが大切です。トライアル期間があるものは、まず無料で試してみて、良かったら課金をするという流れがおすすめです。
自分に合ったUIデザインツールを選び、仕事に活用しよう
この記事では、おすすめのUIデザインツール10選を紹介しました。UIデザインに特化し、効率的に作業を行えるUIデザインツールは、多くの企業やクリエイターに利用されています。多くの種類があり、機能や特徴、料金、利用環境が異なるため、この記事を参考にして自身に合ったツールを選んでみてください。
また、UIデザインツールの実践的な使い方を学びたい方は、スクールの活用もおすすめです。女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)にはUIデザインコースがあり、UIの基本やデザインツールの使い方などをオンラインで学べます。
無料体験レッスンも実施しているので、興味のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
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