ITパスポートの合格点は?採点方式の考え方や総合評価点を上げるコツを解説

ITパスポートの合格点は?採点方式の考え方や総合評価点を上げるコツを解説
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ライター SanamiSasaki
フリーライター|新卒で金融業に従事し、出産後未経験で地元のメディアを運営する会社に転職。現在は推し活と育児を両立しながら、さまざまなWebメディアで執筆しています。

ITパスポート試験は、ITにまつわる基礎知識があることを証明できる資格です。経産省が認定した国家試験ですが、IT系の試験の中では最も易しいレベルの位置づけとなっており、合格率は50%前後とそう難易度は高くありません。ITにまつわる勉強の初心者でも、試験突破を目指すことができるでしょう。

未経験からIT企業に転職したい場合に、持っておくと新しい業務に前向きな姿勢を示すことにつながります。今回は、ITパスポート試験の合格点を解説します。ITパスポート試験の受験を検討している方や、受験を予定している方は、ぜひ参考にしてみてください。

ITパスポート試験の合格点

ITパスポート試験に合格するには、総合評価点と分野別評価点の両方が、基準を満たしていることが条件です。

  • 総合評価点の合格ライン…600点以上/1000点
  • 分野別評価点の合格ライン…300点以上/1000点

これについて、詳しくみていきましょう。

総合評価点の合格ラインは600点以上

ITパスポート試験は1000点満点で、そのうち6割以上の得点があれば合格です。600点以上であれば合格基準を満たしているということになり、600点ちょうどでも合格ラインに含まれます。

出題数は100問ですが、そのうち8問は今後出題する問題の参考にするためのダミー問題で、採点には含まれないようです。どの問題がダミーなのかはわからず、試験後も公表されません。そのため、92問中6割以上正解する必要があります。

分野別評価点の合格ラインはそれぞれ300点以上

ITパスポート試験には「ストラテジ」「マネジメント」「テクノロジ」と3つの分野があります。それぞれの分野を1000点満点で評価した場合、それぞれ3割以上得点しないと合格にはなりません

そのため、苦手分野を捨てて得意分野にかける!という勉強の仕方では、合格が難しくなる可能性があります。それぞれの分野をバランスよく理解する必要があるでしょう。

ITパスポート試験の総合価点分布からみる合格点

令和5年11月に行われたITパスポート試験の総合評価点分布*1を見てみると、最も多いのは600~649点、次いで650~699点となっています。受験者数は全部で18,325人で、うち社会人は14,174人、学生が4,151人と、社会人の割合が多いようです。

そのうち合格者は社会人が7,880人、学生が1,692人となっており、合格率は社会人は55.6%、学生は40.8%でした。ビジネスについての知識も求められるため、学生より社会人の方が取り組みやすい傾向にあるのかもしれません。

そもそもITパスポート試験とは?

ITパスポート試験の基本について理解しておきましょう。

難易度は易しめ

ITパスポート試験とは、情報処理促進に関する法律により誕生した国家資格のひとつ。ITパスポート試験の目的は、情報技術の基本的な知識のある人材を育成することです。現在職種を問わずITの知識が必要な場面も多くなりました。IT力を証明できるITパスポート試験は、現状に即した資格でしょう。ITパスポート試験はITを活用するすべての人が対象で、受験資格は特に設けられていません。

ITパスポート試験の合格率は50%前後といわれており、ITにまつわる国家試験の中では最も難易度は低いでしょう。IT技術やIT管理にまつわる知識に加え、経営についての知識も必要になるため、学生よりも実務経験のある社会人の方が学びやすいかもしれません。保有していることでビジネスにまつわる知識も証明でき、転職にも強みがあります。IT系の試験は民間資格が多いですが、国家資格を持っておきたい方にもおすすめです。

評価点は「IRT方式」によって算出される

ITパスポート試験の合否はIRT方式で算出されます。IRT方式とは、「Item Response Theory」の頭文字をとった言葉で、日本語に訳すと項目応答理論です。通常の試験のように1問〇点という採点基準がなく、試験が実施されたあとに受験者の解答結果に基づいて配点が算出されます。

ITパスポート試験の出題形式は、コンピュータで受けるCBT方式です。ランダムに出題されるため、受験生によって解答する問題が異なるため、難易度による不公平をなくすためIRT方式が採用されています。簡単な問題が多いなら採点を緩くし、難しい問題が多いなら採点を厳しくする仕組みのため、明確な配点基準がありません。

合格点に達するために必要な正答数は?

ITパスポート試験の詳細な採点方法は公表されていないので、明確な正答数はわかりません。目安とされている正答数は以下の通りです。

【総合評価点】…100問中64問以上

【分野別評価点】
ストラテジ系…35問中13問以上
マネジメント系…20問中8問以上
テクノロジ系…45問中16問以上

ただし、ITパスポート試験の出題内容は毎回変わるため、バランス良く勉強する必要があるでしょう。

ITパスポート試験の総合評価点を上げるコツ

ITパスポート試験の総合評価点を上げるためには、以下のポイントがあります。

  • 効率的な勉強を心がける
  • 自分に合ったテキストやアプリで学習する
  • WebやITの話題に興味を持つ

それぞれについて見ていきましょう。

効率的な勉強を心がける

ITパスポート試験の勉強を始めるにあたって、事前に学習計画を立てましょう。ITパスポート試験で重要なのは、3つの分野をバランス良く習得することですが、苦手分野に集中してしまうと時間が足りなくなる可能性も。計画に沿って勉強していくことが、効率的に知識を習得できるポイントです。

すきま時間を有効活用することも、効率的に学ぶために欠かせません。1日のスケジュールの中で勉強に充てられそうなすきま時間を見つけてみましょう。動画を見る、問題を解くなどすきま時間で勉強を進めることが大切です。

また、「ストラテジ系」から「マネジメント系」に進む際にテストするなどして、進捗状況をチェックするのもいいでしょう。勉強の進み具合を定期的にチェックすることで、学習計画がきちんと進められているか確認できます。

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自分に合ったテキストやアプリで学習する

ITパスポート試験は、テキストで概念や解法などを理解して、問題集を解くという工程を繰り返す勉強方法が効果的です。そのため、選ぶテキストやアプリは自分に合ったものを選ぶことが重要になります。テキストが理解しにくいと、はじめの段階でつまづいてしまう可能性もあります。まずは、わかりやすいテキストを選ぶことからはじめましょう。

たとえばITの知識がほとんどない初心者なら、解説の量が多くイラストなどでわかりやすいテキストを選ぶのがいいでしょう。テキストで理解したら必ず問題を解き、インプットとアウトプットを繰り返すことで知識が定着していきます。

最近はITパスポート試験の勉強に使える動画やアプリなどのコンテンツがたくさんあります。動画やアプリならすきま時間にいつでも勉強ができるので、しっかり活用するといいでしょう。

WebやITの話題に興味・関心を持つ

WebやITについて興味・関心を持つと、理解も深まりやすくなります。勉強以外の場面でも、ITについての話題に興味を持っておくと知識の引き出しも広くなるでしょう。Web・IT業界では、新しい言葉が生まれます。ニュースでWeb関連のニュースがあれば、用語の意味を確認するなどしてみるといいかもしれません。

定期的に情報収集の時間を作り、最新情報をチェックするのがおすすめです。気になる話題があれば深掘りして調べたり、技術を応用したあとのイメージを膨らませてみたりするのもよいでしょう。

ITパスポート試験についてよくある質問と回答

ITパスポート試験にまつわるよくある質問とその回答を確認していきましょう。

総合評価点が足りない場合でも合格することはある?

総合評価点が足りていることは、合格の必須条件です。総合評価点が足りていないと、残念ながら不合格になってしまうでしょう。

合格点が変動することはある?

ITパスポート試験の合格点は変動しません。総合評価点600点以上であることが、合格の条件です。また、試験全体の点数とは別に、3つの分野でそれぞれ300点以上とれていることも条件となっています。

ITパスポート試験の合格発表はいつ?

ITパスポート試験の合格発表は、受験月の翌月中旬ごろです。ITパスポート試験の公式サイトにて、合格者の受験番号が発表されます。ただし、ITパスポート試験はコンピュータで採点されるCBT方式を採用しているため、受験後にすぐ自分の得点を把握できます。ここで合格基準の点数がとれていれば、ほぼ合格と見て間違いないでしょう。

SHElikesでIT知識を身につけよう!

今回はITパスポート試験の合格点について詳しく解説しました。ITパスポート試験に合格するには、3つの分野でそれぞれ3割得点する必要があるため、すべてバランスよく学ぶ必要があります。自分に適した勉強方法を見つけて、効率的に学ぶことが大切です。IT系国家試験の中の入門資格となっているため、しっかり準備できれば独学でも合格を狙える試験でしょう。

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※出典*1:「ITパスポート試験」令和5年11月統計情報より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。