Webデザインの主流ソフト・ツールとは?種類や目的別に紹介

Webデザインの主流ソフト・ツールとは?種類や目的別に紹介
ABOUT ME
ライター 大竹菜々子
高校3年生で脚本家としてデビュー。2018年5月、脚本を担当した映画『猫カフェ』及び『チャットレディのキセキ』が公開される。 慶應義塾大学法学部進学後は、「トラベル Watch」「グルメ Watch」(株式会社インプレス)にてライター・編集者としての活動を開始した。 現在に至るまで、「レスポンス」(株式会社イード)や「ビギナーズ」 (株式会社マーケットエンタープライズ)などで取材記事やSEO記事作成を手掛けている。 なお 2022 年からは、オウンドメディア立ち上げに関わるなど、メディアプロデューサーとしても活動している。JAPAN MENSA会員。
エディター 古澤 椋子
鹿児島大学大学院水産学研究科修了。水産系社団法人にて、水産に関わる調査研究、行政との折衝などを経験したのち、水産系ベンチャーにて、広報を担当。2023年からフリーライターとして活動を始め、主にエンタメ系の記事を執筆。SHElikesでキャリア、マインド共に変化した経験から、SHEsharesのライターを務める。

Webデザインに興味を持ちはじめた方のなかには、「どんなソフトを使えばいいの?」「無料で使えるソフトはある?」という疑問を抱いている方もいるでしょう。Webデザインソフトにはさまざまなものがあり、迷ってしまうこともあると思います。

この記事では、Webデザインでよく使われているAdobeソフトから、ブラウザで使用できる無料ソフト・ツールまで紹介します。Webデザインソフトの選び方まで解説しているので、ぜひこの記事を参考にWebデザインをはじめてみてください。

Webデザインソフトとは?

Webデザインソフトとはどういったものなのでしょうか。Webサイト制作は、大まかに「企画」、「デザイン」、「コーディング」、「公開」という流れで進められます。「デザイン」、「コーディング」の部分において、ソフトを使ってWebサイトをデザインすることが多いです。

デザインでは、まずワイヤーフレームというWebページのレイアウトを簡単に表したものを作ります。レイアウトができたら、Webサイトの具体的な完成見本となるデザインカンプを作成します。その後、実際にコーディングをおこない、公開します。

一括りにWebデザインといっても、イラストやバナーそのものを制作したり、それらを実際に配置したり、コーディングをしたりと、複数の作業が必要になります。このためWebデザインでは、異なる機能が搭載された複数のソフトを状況に応じて使い分ける必要があります。

Webデザインソフトの種類・機能

Webデザインソフトは主に写真やイラスト、バナーなどの素材を作成・加工するソフトと、Webサイトやアプリの要素を配置するコーディングを行うソフトに分けられます。ソフトによって異なる機能が搭載されているため、目的・用途に応じて選ぶようにしましょう。

UIデザインツール

UIデザインツールでは、Webサイトやアプリのレイアウトを作成することができます。カラーリングやフォントなどに加え、ユーザーの動線や使いやすさを考慮し、それぞれの要素の配置、サイズ、色味なども含めてデザインしやすいソフトです。

具体的には、プロトタイプ(公開前のWebサイトを確認できるもの)やボタンなどの要素を複数作りやすい、複数人で作業しやすいなどが挙げられます。レイアウトの試行錯誤がしやすいという特徴が挙げられます。

画像編集ソフト

画像編集ソフトは、バナーや画像を編集するデザインソフトです。画像編集ソフトでは、色調補正やテキスト挿入、切り抜きなどをおこなうことが可能です。ソフトによって写真の加工が得意だったり、細かい画像の編集が得意だったり、特徴があるため用途に合わせて選びましょう。

画像編集ソフトには、ダウンロードして使用するものと、ブラウザで使用できるものがあります。個人で使用してデータでやりとりするのか、複数人が一斉にアクセスして使用するのかなど、どのように使いたいのかも踏まえて選ぶことがおすすめです。

イラスト作成ソフト

イラスト作成ソフトは、ロゴやイラストを作成できるデザインソフトです。細かい画像や図形の編集ができることが特徴です。ソフトによってツールや機能の配置が異なるため、いくつか比較してみて使いやすいものを選ぶことがおすすめです。

イラスト作成ソフトで作ったイラストやロゴは、画像ファイルとして組み込むことで実際のWebサイトに表示させることができます。

Webデザインソフトの選び方

Webデザインソフトには、さまざまな種類や機能があることがわかりました。ですが、あまりにも多くのソフトがあるため、「どのソフトで何ができるの?」「どれを選べばいいのかわからない……」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

ここからは、Webデザインソフトを選ぶ際のチェックポイントを紹介します。

必要な機能で選ぶ

Webデザインソフトの機能はさまざまで、用途に応じて適切なソフトが異なります。まずは実際のレイアウトを試してみたいのか、画像を加工したいのか、ロゴやイラストを作りたいのか、自分が取り組みたい作業を考えることが必要です。

作業内容を決めたら、それに適した機能が搭載されているソフトを探しましょう。写真を加工したい場合はPhotoshop、イラストやロゴを制作したいならIllustrator、ワイヤーフレームを作りたいときはFigmaというように、作りたいものに応じて適切なソフトを選びましょう。人気の高いソフトであれば、書籍やWebサイトからでも学ぶこともできるでしょう。 

初心者向けか上級者向けかで選ぶ

これからWebデザインに挑戦しようと考えている方は、機能がわかりやすく操作しやすい初心者向けのソフトを使うのがおすすめです。上級者向けのソフトは高度な機能が搭載されていることもあり、使いこなせないこともあるかもしれません。

初心者向けのソフトは機能が絞られているので、着実にWebデザインを学ぶことができます。その後、「もっとこういうことができたらいいのに……!」と感じるようになったら、上級者向けのソフトにステップアップするとよいでしょう。

有料ソフトか無料ソフトかで選ぶ

「予算を抑えてWebデザインを学んでみたい!」と考えている方は、まずは無料のWebデザインソフトから試してみるのがおすすめです。無料のソフトでも、初心者の方が学習する際に十分な機能が提供されているものが多くあります。

一方で有料ソフトの場合、サポート体制が充実していたり、実際のプロジェクトの現場で採用されていたりと、より使いやすいでしょう。まずは無料のソフトを使ってWebデザインの基礎やソフトの基本的な使用方法を身につけ、慣れてきたら有料ソフトも使いこなせるように練習することで、実際にWebデザインの仕事にチャレンジしやすくなるでしょう。

Webデザインに必要な主流Adobeソフト

Adobe(アドビ)はアメリカのソフトウェア企業で、画像編集や動画編集、Webデザイン、印刷物デザインなど、初心者からプロクリエイターまで幅広く使えるソフトウェアを開発しています。代表的なソフトウェアには「Photoshop(フォトショップ)」「Illustrator(イラストレーター)」「InDesign(インデザイン)」「Premier  Pro(プレミアプロ)」「After Effects(アフターエフェクツ)」などがあり、名前を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

Adobe製品は、多くの現場で採用されています。プロジェクトやファイルをクラウドに保存することで異なるデバイスからアクセスできたり、人気のソフトウェアがセットになっていて定額で利用できたりと、用途に合わせて使いやすい仕組みになっているのがポイントです。

そこで、Webデザインにおすすめの主要Adobeソフトを紹介していきます。

Adobe Illustrator

Illustrator*1は、ロゴやアイコン、グラフィック、イラストなど、あらゆるものを編集できるデザインソフトです。

デザインソフトには、ベクター画像を制作するものと、ビットマップ画像を制作するものがあります。Illustratorはベクター形式のグラフィックを作成できるソフトウェアです。ビットマップデータが画像を点(ピクセル)の集合で表現するのに対し、ベクター形式では動かすたびに点や線を複雑に計算して形にします。ビットマップ画像が拡大・縮小によって画質が落ちてしまうのに対し、ベクター画像では高品質を保つことができます。

Illustratorのようなベクター形式のソフトは、図形や文字の色を変えたり変形させたりすることが得意なので、ロゴ制作や簡単なイラスト作成に適しています。

Illustratorは有料のソフトですが、7日間無料で試せる無料体験版が提供されています。最新版に搭載されているすべての機能が含まれているので、簡単に試すことができるのもメリットです。

Adobe Photoshop

Photoshop*2は、写真の編集や加工からAI画像生成までできる有料のソフトウェアで、写真のレタッチや不要なものの削除、デザイン、イラストの作成ができるデザインソフトです。

Illustratorがベクター形式のグラフィックを作成するソフトウェアなのに対し、Photoshopで扱うのはビットマップデータです。ピクセルが多く集まっていればいるほど、拡大に耐えられる画像となります。Photoshopのようなビットマップデータを作成するソフトウェアの強みは、複雑な色味や細かい色の違いを再現できる点にあります。ピクセルの1つひとつに色に関する情報が与えられているため、細かく表現することが可能です。

Photoshopでも、7日間無料で使える体験版が提供されていますよ。ロゴやアイコンの制作はIllustratorでおこない、写真のレタッチはPhotoshopでおこなうというように、2つのソフトを使い分けているWebデザイナーは少なくありません。両方を使いこなせるようになることで、デザインの幅がぐっと広がります。

Webデザインにおすすめのソフト・ツール

Adobe製品以外にも、Webデザインに適したソフト・ツールはたくさんあります。初心者が気軽に使えるものから、プロの仕事でも活躍するものまでさまざまなので、自分の用途や目的に合ったソフトを探してみてください。

GIMP

GIMP*3は、オープンソースで開発されている無料の画像編集ソフトです。画像のレタッチや切り抜き、リサイズなどが可能でPhotoshopのような有料の画像編集ソフトに引けを取らない機能を備えています。

またGIMPでは、Photoshopで作成したデータの形式であるPSDを編集・保存することが可能です。一緒にプロジェクトに取り組んでいる人がPhotoshopを使っている場合でも、問題なくデータをやり取りすることができます。

ただし、GIMPは紙の印刷物に使われる色の表現方法のCMYKに対応しておらず、Photoshopと全く同じように対応しきれない面もあります。無料で豊富な機能が使える非常に便利なソフトですが、画像をどの程度編集したいのか、編集した画像をどのように使いたいのかを考慮して使用しましょう。

Canva

Canva*4は、無料で使えるオンラインのグラフィックデザインツールです。SNSに投稿する画像やロゴ、プレゼンテーション、ポスター、動画などさまざまなものを制作できます。

ソフトをインストールする必要がなく、インターネット環境さえあればいつでもデザインを編集することが可能です。スマートフォンアプリも提供されており、思い立ったときに作業やデータの確認ができるのが魅力です。

Canvaは無料で使うことができますが、頻繁にデザインを作る機会がある方は有料サービスである「Canva Pro」に切り替えるのもよいでしょう。Canva Proでは、2~5名で使えるチームプランを利用できたり、有料プラン限定の素材を無制限で使えるほか、保存容量が1TBへとアップしたり、作成したデザインのサイズ変更を自在におこなえたりと、使いやすい機能が備わっています。

Canvaは作業画面がシンプルでわかりやすいので、初心者の方にもおすすめできるデザインソフトといえます。

Inkscape

Inkscape*5は、オープンソースで開発されているベクター画像の作成・編集が可能なソフトウェアです。図形を配置したり、曲線を描画したりしてベクター形式の画像を作ることができるため、Illustratorに近いといえるでしょう。

拡大・縮小しても画質が損なわれず、ロゴやイラストの制作に適しています。作成した図形のパス操作も自在におこなえるので、「ロゴなどのベクター画像が作れるソフトを使ってみたい!」と考えている初心者の方も気軽に使うことができるでしょう。

ただし、InkscapeはCMYKには対応していません。Webデザインだけでなく、紙の印刷物もデザインしたいと考えている方は、別のソフトが必要になる点に注意しましょう。

Krita

Krita*6は、無料で使えるペイントソフトで、イラストやスケッチ、漫画、アニメーションといったデジタルアートの制作に用いられています。

ブラシの手ぶれ補正やキャンバスの回転など、プロのイラストレーターやデザイナーも求めるような細かい機能が搭載されている点が特徴です。多様なブラシを使い分けて絵を描くことができるほか、簡単にアニメーションを制作できる機能まで備わっています。

Webサイトのデザインにイラストやアニメーションを取り入れたいと考えている方におすすめできるソフトです。

Figma

Figma*7は、Webサイトやアプリのワイヤーフレームやプロトタイプのデザインを自在におこなえるツールです。ブラウザ上で作業ができるため、複数人が携わるプロジェクトでの活用に適しています。

無料で利用できる「スターター」プランでは、作れるプロジェクトの数などが限られてはいますが、デザインツールを一通り利用することが可能です。最初は無料プランで使い方やWebデザインの流れをマスターし、本格的に仕事に取り組むようになったら有料プランへと切り替えるのもよいでしょう。

Webデザインでコードを組むなら知っておきたいテキストエディタ

Webコンテンツを制作する現場では、コーディングが必要になる場合が多いです。Webサイトの制作でよく使用される言語は、HTML・CSS・JavaScript・PHPなどです。

見た目のデザインだけでなく、コーディングまで担当する場合、コードを書くときに必要なテキストエディタを使えるようになる必要があります。

ここからは、Webデザインでコードを書くのにおすすめのテキストエディタを紹介します。

Visual Studio Code

Visual Studio Code*8は、マイクロソフトが開発しているテキストエディタです。ほぼすべての言語で動作し、任意のOSで使用することができます。

Visual Studio Codeは基本的に無料で使うことができますが、自分好みの拡張機能を有料で購入することも可能です。自分にとってさらに使いやすくなるよう、カスタマイズするとよいでしょう。

また、クラウド上でのチームメンバーと共同で作業をすることも可能です。チャット機能を利用してメンバーとコミュニケーションをとったり、他のサービスと連携してコードを共有したりできるので、複数人でプロジェクトに取り組む際に活用しやすいでしょう。

Adobe Dreamweaver

Adobe  Dreamweaver*9はWebサイトを制作するためのソフトウェアで、あらゆるブラウザやデバイスに対応するレスポンシブなWebサイトを制作できます。

ニュースレターやサイト概要、eコマース、ブログ、ポートフォリオページなどのテンプレートが用意されており、すばやくWebサイトを構築することが可能です。Creative Cloudの一部として提供されているため、ライブラリやAdobe Stockの素材を簡単に使うこともできます。

制作現場のプロからの人気も集めているソフトなので、実際に業務でコーディングを行う場合、使えるようになっておくと便利なソフトです。

未経験からWebデザインソフトのスキルを身につける方法

さまざまなWebデザインソフトを紹介してきましたが、未経験から幅広いソフトの使い方を身につけようと思うと、「自分にできるのかな……」と不安になる方もいると思います。

そこで、スムーズにWebデザインソフトのスキルを身につけるための方法を解説します。Webデザインに興味のある方は、ぜひ勇気を出してチャレンジしてみてください。

本を読みながらソフトに触れて学習する

「すきま時間を使って自分のペースでコツコツ学びたい!」と考えている方は、まず本を読みながら実際にソフトに触れてみましょう。

書籍や無料のオンラインサービスを活用するだけでも、デザインソフトの使い方やHTML・CSSのコーディング、さらにはUI(ユーザーインターフェース)デザインに関する知識まで習得できます。独学でWebデザインを学ぶ方法であれば、自分のペースで知識を吸収することができるでしょう。

時間とモチベーションを自分で管理する必要があるため、自己管理能力も同時に養うことができます。

スクールを利用する

「1人で勉強を続けられるか不安……」という方は、スクールを利用するのもおすすめです。スクールには、幅広いクリエイティブなスキルを身につけるためのカリキュラムが整っています。PhotoshopやIllustratorなどのグラフィックツールの使用法から、HTMLや、CSSなどのコーディングスキルまで、Webデザインに必要な技術を網羅的に学ぶことができます。

わからない点を講師に教えてもらったり、行き詰まったときに仲間と支え合ったりと、挫折しにくい環境といえます。

女性向けキャリアスクールのSHElikes(シーライクス)では、Webデザインだけでなく、Webマーケティング、コピーライティングなど、幅広いITスキルを学ぶことができます。

同じ目標をもつ仲間と切磋琢磨しながら高め合ったりすることが可能です。

Webデザインソフトは用途に応じて選択しよう

さまざまなWebデザインソフトがありますが、それぞれ用途や機能は大きく異なります。Webデザインのどの工程で使いたいソフトを探しているのかを考え、選択肢を絞っていきましょう。

SHElikesでは、有名なAdobeソフトに加え、Figmaの使い方も学ぶことができます。Webデザインに興味のある方は、ぜひSHElikesの無料体験レッスンにも参加してみてください。

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参考
*1 Adobe Illustrator
*2 Adobe Photoshop
*3 GIMP
*4 Canva
*5 Inkscape
*6 Krita
*7 Figma
*8 Visual Studio Code
*9 Adobe Dreamweaver

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。