プレゼンテーションの話し方 – 出だしで聴衆の心を掴む秘訣を解説!

プレゼンテーションの話し方 – 出だしで聴衆の心を掴む秘訣を解説!

聴衆に伝わるプレゼンテーションを行うためには、プレゼンテーションの出だし部分の工夫が大切であることをご存知ですか?出だしというのは、プレゼンテーションのはじまりから30秒〜2分の部分を指します。出だしポイントを押さえることで聴衆の心を掴むことができます。

本記事では、

「プレゼンテーションの出だしがしっくり来ない」
「もっと聴衆の心をひきつける話し方をしたい」

とお悩みの方に向け、聴衆の心を掴むプレゼンテーションの出だしの話し方のコツについてご紹介します。

より聴衆に伝わるプレゼンテーションの出だしにするために、ぜひ最後までご覧ください。

プレゼンテーションの出だしで聴衆の心を掴む秘訣と例文

心理学上の法則にハロー効果というものがあります。ハロー効果とは「ある対象を評価するとき、一部の特徴的な印象に引きずられ全体の評価をしてしまう効果」を指します。ハロー効果をプレゼンにあてはめると、出だし30秒〜最大2分ほどの時間でいかに聴衆に良い印象を与えるかが大切であることがお分かりいただけるでしょう。

それでは、プレゼンテーションの出だしで聴衆に良い印象を与え、心を掴む方法について例文を交えながら解説していきます。

驚きや興味をひく情報を用意する

聴衆の心を掴むためにはプレゼンの出だしで聴衆に驚きを与えたり、興味をひく情報を盛り込むことがコツの一つです。具体的には、プレゼンテーションを行う際に「疑問・結論・理由」の3つを組み立てた論理的なシナリオを用意します。たとえば、

「生まれ持った才能やお金がなければ夢は叶えられないのでしょうか。かつて書籍からドラマ化されたビリギャルという物語の主人公は、遊んでばかりでいて勉強しない女子高生で、学力は小学校4年生レベルでした。しかし、彼女は第一志望であるトップレベルの大学に合格します。その背景には、彼女が情熱をもち努力を積み重ねた物語があるのです。」

などの例が挙げられます。このようにプレゼンテーションの出だしのシナリオで聴衆が驚いたり興味をひくような情報を盛り込むと、話の流れが理解しやすくなり、聴衆の心を掴むことができます。

ちなみに、「なんだろう?」という興味、「へぇ」という驚き、「なるほど」という納得など、心の動きをイメージすると、聴衆に伝わるシナリオを用意しやすいでしょう。

問いかけを使う

プレゼンテーションの出だしで聴衆に対して「問いかけ」を使うのも、すぐに活用できる効果的なテクニックです。たとえば、

「みなさんは、自分の理想の未来や夢を叶えるためには何が必要だと思いますか?生まれ持った才能、それともなんの制約のないお金や時間でしょうか。そうではありません。理想の未来や夢を叶えるために重要なことは、理想や夢を叶えたいという「情熱」です。みなさんは情熱をお持ちですか?」

などと問いかけの時間を持ちます。すると、聴衆はプレゼンテーターから問いかけられることによって、テーマに対し「自分ならどう考えるか?」などの当事者意識を促すことができます。

プレゼンの目的は聴衆の意思決定と行動変容であるため、聴衆が「自分ごと」として聞けるプレゼンの出だしにすることがおすすめです。

エピソードやストーリーを使う

プレゼンテーションの出だしで聴衆の心を掴むためには、ストーリーテリングという手法を身につけることもおすすめです。ストーリーテリングとは、「物語を話す」ことを指し、テーマに関連するエピソードを用いることで、相手の関心をひきつけることを意味する言葉です。主に、情報やメッセージを相手に印象づけたり、主張に説得力を持たせたりする目的があります。たとえば、

「私は、医療ドラマを見るのが大好きな高校生でした。看護師の仕事に憧れていたものの、まったくと言っていいほど勉強をしてこなかったため、自分にはできないと決めつけていました。しかし、家族が病院にお世話になることがあり、そこで親切にしてくれた医療スタッフを見て、私もこんな看護師になるんだ!と心に情熱の火が灯されました。そして、多くの困難を乗り越えながら、今では看護師として働いています。」

など、ストーリーテリングを意識し、プレゼンテーター自身のエピソードやストーリーを交えることで、聴衆からの共感を得たり関心をひきつけたりすることができます。

引用や名言を用いる

プレゼンテーションの出だしで著名人の言葉の引用や名言を用いることで、出だしから心を掴むような印象を与えることができます。しかし、長文の名言やプレゼンテーションのテーマにそぐわない内容を選ばないよう注意が必要です。たとえば、

「ビートルズとして活動していたジョン・レノンが遺した言葉に「根本的な才能とは、自分に何かができると信じることだ」という言葉があります。私がこの言葉を聞いて励まされて情熱を持てたように、みなさんの心にもみなさんにしかない情熱の火を灯すことができるのです。」

などが挙げられます。このように、テーマに合致する引用や名言を活用し、説得力を持たせると、聴衆の心を掴むことができるでしょう。

パフォーマンスを取り入れる

プレゼンテーションの出だしでパフォーマンスを盛り込むことには、大きく分けて5つの利点があります。

  • 注意をひく
    パフォーマンスには、視覚や聴覚など直感的な部分から印象づけることができます。
  • 興味をひく
    演技やボディランゲージの要素を活用することで、聴衆はプレゼンテーターやテーマに興味を持たせ、より伝わるプレゼンテーションにすることができます。
  • メッセージの主張・強調
    メッセージを主張・強調すると、プレゼンテーションのテーマやメッセージが際立ち、より伝わりやすくなります。
  • 共感を誘う
    パフォーマンスを取り入れることで、聴衆は共感の感情を抱きやすくなります。
  • 記憶に残る
    直感的に理解を促すため内容が伝わりやすく、記憶にも残りやすいプレゼンテーションとなります。
  • プレゼンテーションの出だしのNG例

    プレゼンテーションの出だしは全体の印象を握る重要なパートです。プレゼンテーションを成功に導くためには、出だしで行ってはならないポイントを注意しておくことが大切です。プレゼンテーションの出だしのNG例を4つに分けてご紹介します。

    長い挨拶から始める

    プレゼンテーションの出だし部分で行う挨拶は、聴衆に伝わりやすいよう簡潔な挨拶にとどめましょう。挨拶だからしっかり話したい!という方もいるかもしれませんが、不必要に長い挨拶は聴衆を飽きさせ、プレゼンテーションへの興味を薄れさせてしまいます。

    聴衆の興味が薄れてしまうと、聴衆の行動変容を促すというプレゼンテーションの目的が果たされなってしまいます。長々とした挨拶にならないよう簡潔にまとめることが大切です。

    冗長な背景説明をする

    挨拶と同様に、プレゼンテーションを行う背景の説明についても簡潔に済ませるようにしましょう。長たらしい説明は聴衆の理解の邪魔をしてしまうため、飽きたり注意を逸らせたりする原因となります。

    プレゼンテーションの出だし部分での背景説明については、すべてを理解してもらおうとせず、聴衆にとってわかりやすい簡潔な説明にとどめるようにしましょう。

    深い専門知識に基づいた技術的な説明をする

    プレゼンテーションの出だし部分は、プレゼンテーション全体やプレゼンテーターを印象付ける非常に重要なパートです。プレゼンテーションの成功の鍵を握る出だし部分で、いきなり専門知識や技術の説明をすると、聴衆は内容を理解することが難しいでしょう。

    プレゼンテーションテーマにおいて伝えたい専門知識や技術であれば、冒頭で扱うのではなく、出だし部分で聴衆の興味や関心を掴んでから話せるよう構成を作りましょう。

    退屈な統計データや数字から始める

    プレゼンテーションの出だしからいきなり統計データや数字の情報を与えてしまうと、聴衆は理解が追いつかず退屈してしまいます。

    統計データや数字はプレゼンテーションの信頼性を高めたり、信頼性を与えたりするために重要な情報です。しかし、出だしの部分はのちに重要な情報を主張・強調していくため、聴衆にとって良い印象を与えることが大切なパートです。聴衆の立場をイメージし、わかりやすく伝わる内容を扱うようにしましょう。

    プレゼンテーションが上手い人がやっている出だしの練習方法

    複数の聴衆を目前にして行うプレゼンテーションは誰しもが緊張するものです。しかし、プレゼンテーションを成功させるためには、緊張を乗り越え最大のパフォーマンスを発揮する必要があります。

    ここからは、より良いプレゼンテーションを目指すために出だしの練習方法についてご紹介します。

    プレゼンが上手い人の真似をする

    プレゼンテーションの上達を早める方法の一つに、プレゼンが上手い人の真似をするという方法があります。これは、真似することで、上手い人が実践している伝わりやすいプレゼンテーションの方法を、自分自身に落とし込む練習することにつながるからです。

    たとえば、登壇の仕方、声のトーン、喋り方、姿勢、目線などの要素を見て参考にしてみましょう。上手い人の真似をすることで、スピーチスキルを向上させることができます。

    場数を踏む

    プレゼンテーションを成功に導くためには、スキルを身につけることだと思う方もいるかもしれません。しかし、同じくらい大切なのはプレゼンテーションの場数を踏むことです。

    プレゼンテーションの多くは大人数を目の前に行うため、場数を踏んでいないと緊張して最大のパフォーマンスを発揮できないこともあるでしょう。緊張に慣れるだけでなく、実際にプレゼンテーションの場の経験を積み重ねることで、得られる気づきを活かしていくことが重要です。

    フィードバックをもらう

    練習の段階で他者にプレゼンテーションを聞いてもらい、フィードバックをもらうこともおすすめです。自分自身では気づけない要素であっても、他者に見てもらうことで、聴衆目線の客観的意見をもらうことができます。

    他者からもらった聴衆目線でのフィードバックをプレゼンテーション内容に反映させることで、さらに内容やスピーチスキルを向上させることができます。

    身なりを整える

    プレゼンテーションを行う者として、身なりを整えることは基本的なポイントです。人は3〜5秒で第一印象を決定するといわれています。プレゼンテーションの際には、聴衆に受け入れられやすい身なりでいることを意識する必要があります。

    聴衆に良い印象を与えたいのであれば、清潔感のある身なり、また態度についても配慮することが重要です。聴衆の心を掴むプレゼンテーションへの第一歩は、受け入れられやすい身なりに整えることでしょう。

    情報感度を高める

    プレゼンテーション自体の練習だけでなく、日頃からプレゼンテーションテーマにまつわる情報感度を高めておくことも大切です。プレゼンテーションには、聴衆からの質疑応答や意見を求めたりするタイミングがあります。

    テーマにまつわる質疑応答内容を想定していないと、端的に答えることが難しくなるでしょう。すると、聴衆はプレゼンテーション内容やプレゼンテーターに対し、不信感を抱いてしまう可能性があります。

    プレゼンテーションの全体の話し方のコツ

    プレゼンテーションの出だし部分で、聴衆の心を掴むコツについてお話してきました。プレゼンの印象を決めるのは出だしが肝心といわれていますが、もちろん全体を通してプレゼンテーションの質を維持・向上させることも重要です。

    ここからは、プレゼンテーション全体の話し方のコツについてご紹介します。

    簡潔さを心がける

    プレゼンテーションの出だし部分だけでなく、全体を通して簡潔に内容を伝えることを心がけましょう。聴衆は、プレゼンテーターのスピーチを聴きながら、スライドで情報を得ています。そのため、内容を簡潔に伝える工夫をしないと、聴衆はどの情報が大切なのか判断しづらくなり、ストレスを与えてしまう可能性があります。

    プレゼンテーションにおいては、簡潔に主張を伝えやすいPREP法を用いて構成を組み立てると、聴衆の理解を促しやすい話し方ができるようになります。わかりやすい構成の組み立て方については関連記事を合わせてご覧ください。

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    視覚的な要素を活用する

    プレゼンテーターやプレゼン全体の印象を決定するためのコツとして、視覚的な要素を活用することもおすすめです。視覚的な要素とは、プレゼンテーションスライドにおける写真やデザイン、アニメーションなどの視覚効果のある要素を取り入れることです。

    視覚的な要素は直観的な理解を促すことにもつながるため、聴衆が退屈しづらく興味や関心をひくことができるでしょう。

    身振りや手振りも大切にする

    視覚的要素にあわせて、身振り手振りなどのジェスチャーを交えることも有効です。コミュニケーションで伝わる要素において、言葉を示す言語的コミュニケーションが7%、声やジェスチャーなどを示す日言語的コミュニケーションが93%を占めるといわれています。

    スピーチ内容に合わせてジェスチャーを交えると、より内容への理解が促され、聴衆の心を掴むことができるでしょう。

    聴衆の反応に意識を向ける

    プレゼンテーションは主にプレゼンテーターから聴衆に向けてメッセージを伝えますが、コミュニケーションは双方のものであることを念頭におくことが大切です。プレゼンテーション中にスピーチ内容やスライドに夢中になってしまい、聴衆の様子に気づけないと、聴衆の心を掴むことは難しいでしょう。

    聴衆の反応や様子に合わせて、話し方や声のトーン、目線などの仕草を工夫したりすることも、プレゼンテーションを成功させるための秘訣です。

    プレゼンテーションの話し方のコツを押さえ、出だしから聴衆の心を掴もう!

    聴衆の心を掴むプレゼンテーションを行うには、出だしの部分を工夫することが大切だとお分かりいただけたと思います。プレゼンテーションの目的を達成させるためには、聴衆に良い印象を与えることが大切です。

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    ABOUT ME
    ライター AIKI
    看護学校卒業後、看護師として大学病院から在宅領域までを経験。医療に従事する中で言葉の重みや尊さ・可能性を感じ、言葉で人に寄り添いたいと思いライターを志す。その最中にSHEに出会い、SHEの掲げる理念に強く共感する。現在は複業フリーランスとして、SHElikesキャリアプランナー、SHEsharesライター、看護師の活動を行っている。
    エディター 古澤 椋子
    鹿児島大学大学院水産学研究科修了。水産系社団法人にて、水産に関わる調査研究、行政との折衝などを経験したのち、水産系ベンチャーにて、広報を担当。2023年からフリーライターとして活動を始め、主にエンタメ系の記事を執筆。SHElikesでキャリア、マインド共に変化した経験から、SHEsharesのライターを務める。

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