プロジェクトマネジメントに関する資格5選を紹介!難易度や役立つスキルも解説

プロジェクトマネジメントに関する資格5選を紹介!難易度や役立つスキルも解説

プロジェクトの成功に向け、スケジュールの作成や人員管理などを担うプロジェクトマネージャー。プロジェクトマネージャーの仕事を行ううえで資格の取得は必須ではありませんが、関連資格を取得することで、スキルを客観的に証明でき、高単価案件の獲得にもつながる可能性があるといったメリットがあります。

そこで今回は、プロジェクトマネジメントに役立つ5つの資格を徹底解説!試験勉強におすすめの本や難易度についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

プロジェクトマネジメントに役立つ資格5選

それでは早速、プロジェクトマネジメントに役立つ資格5選を確認していきましょう。

  • プロジェクトマネージャー試験
  • P2M試験
  • PMP
  • ITストラテジスト試験
  • ITコーディネータ試験

上記5つの資格についての概要や難易度・合格率、勉強におすすめの本などを解説します。それぞれ比較しながらお伝えするので、自分に合った資格を見つけてみてくださいね。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験*1は、法人情報処理推進機構(IPA)が実施している国家資格試験です。プロジェクト計画の作成やライフサイクルの設定、チームの自律的なマネジメントに向けた改善・推進など、プロジェクトマネジメントに必要なスキルが試されます。

非常に高難易度の国家資格とされており、合格率は約15%ほどと言われています。多肢選択式だけでなく、記述式・論述式の問題もあるため、プロジェクトマネジメントに関する根本的な理解が求められるでしょう。

難易度が高い分、転職や就職、社内での人事評価に役立つ資格のひとつです。初心者から取得を目指す場合は、最低でも150時間以上の勉強が必要だと言われています。

おすすめの本:情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2023年版

プロジェクトマネージャ試験におすすめの学習本は、翔泳社から発売されている「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2023年版」です。毎年改訂が行われているので、受験年にあわせて最新版を購入しましょう。

プロジェクトの計画やスケジュール作成技法、要員管理、リスクマネジメントなどの基礎知識が解説されており、プロジェクトマネジメントに関する情報を網羅的に学習できます。具体的な学習プランの立て方や解答方法なども紹介されているので、効率的に合格を目指せますよ。

また、21年分の過去問題も掲載されており、出題形式や最新問題の傾向をつかむことが可能。本書で合格を勝ち取った人も多く、Web上では読者目線での本の使用方法が紹介されています。

P2M試験

P2M試験*2は、特定非営利活動法人PMAJが主催する民間資格です。さまざまな産業分野や政府・公共サービスの職員が受験する資格で、プロジェクトマネジメントに関する知識や実践スキルが問われます

P2M試験は大きく5つの区分に分かれており、それぞれ証明できる能力や難易度が異なるのが特徴です。

  • PMC(プロジェクトマネジメント・コーディネーター):合格率68.2%
  • PMS(プロジェクトマネジメント・スペシャリスト):合格率48.8%
  • PMSプログラム:合格率64.9%
  • PMR(プログラムマネジャー・レジスタード):合格率77.8%
  • PMA(プログラムマネジメント・アーキテクト)

※PMA資格試験は2023年10月現在、未発表となっています。
※合格率は過去の累計から引用しています。
※プログラム試験ではなく、資格試験の合格推移を記載しています。

基本的には、最も基礎的な資格となるPMCから順に受験する場合が多いようです。PMRは実践的スキルを試される資格で、一次試験と二次試験に分かれています。必然的に難易度も高くなるため、基本的な知識とスキルを身に付けたうえで試験に臨みましょう。

おすすめの本:「改訂3版 P2Mプログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック」

「改訂3版 P2Mプログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック」は、P2M試験の主催である、特定非営利活動法人PMAJから出版されている書籍です。P2M試験の主な出題範囲はP2M標準ガイドブックに記載されているため、本書で学習することで一通りの知識を網羅できます。

プログラム・プロジェクトマネジメントのプロセスを体系的にわかりやすく解説しているため、試験合格を目指す方だけでなく現役のプロジェクトマネージャーにもおすすめです。

PMP

アメリカ発祥の国際的な資格であるPMP*3。プロジェクトマネジメントの国際ガイドライン「PMBOK」に基づいており、グローバルで活躍したい場合にも役立つ国際資格です。

資格を取得することで、あらゆるビジネス環境でプロジェクトを推進できる能力があることを証明できます。業界・業種に関わらず活かせる資格として注目されていますが、その分難易度も非常に高いのが特徴です。

PMPの合格率は公表されていないものの、約60%前後だと予想されています。また、合格後も3年ごとの更新が必要なため、継続的な勉強が欠かせません。ある程度の経験や知識を持った方に向けた資格なので、まずは他の資格を取得してから挑戦するのがおすすめです。

おすすめの本:「PMP(R)試験 合格虎の巻 新試験対応」

「PMP(R)試験 合格虎の巻 新試験対応」は、PMP試験対策として人気の学習本です。プロジェクトマネジメント全体のフレームワークやスケジュールマネジメント、調達マネジメントなど分野別に重要なポイントを解説しています。

各章には模擬試験が用意されており、実際の試験を想定した学習が可能です。パソコンやスマートフォンで利用できる「PMP®試験 用語集」も付いているので、外出先でも気軽に学べるのがうれしいですね。

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ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験*4は、経営戦略に基づいたIT戦略を策定し、事業を改革・最適化する能力が問われる国家資格です。プロジェクトマネージャ試験と同じく、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催しています。

ITコンサルタントが取得することの多い資格ですが、プロジェクトマネージャーとして仕事の幅を広げたい方にもおすすめです。プロジェクトマネージャーはただスケジュールを管理するだけでなく、プロジェクト全体のコンサルタントとして任命されるケースも少なくありません。その際に経営戦略や事業戦略についての知識があれば、スムーズに業務を進められるでしょう。

ITストラテジスト試験は、IPAが主催している試験の中でも高難易度のレベルに位置づけられています。2023年の合格率は15.5%のため、合格するには根気強く学習を進めることが大切です。

おすすめの本:「情報処理教科書 ITストラテジスト 2022~2023年版」

「情報処理教科書 ITストラテジスト 2022~2023年版」は、ITストラテジスト試験でも難関とされる午後Iの記述式、午後IIの論述式試験に特化した対策本です。問題文の読み方やマーキング法、キーポイントの見つけ方など、試験解答のためのテクニックを学ぶことができます。

論述式試験に関しても、骨格の組み立て方や具体的な論述方法をレクチャーしており、過去問題も豊富に掲載されているので、出題形式や解き方をつかみやすいですよ。

午前I・午前IIの対策本である「情報処理教科書 高度試験午前I・II 2022年版」と同時に購入するのがおすすめです。

ITコーディネータ試験

ITコーディネータ試験*5は、IT経営のプロフェッショナルに向けた資格試験です。経済産業省の推進資格で、IT経営を活用したビジネス展開を図り、DXを推進する人材の育成を目的としています。

問題は、ITコーディネータ協会が発行する「IT経営推進プロセスガイドライン」に基づいて出題され、主にIT技術を駆使した経営戦略や業務改革、企画推進力などが試されます。

ITコーディネータ試験は年に2回実施されており、合格率は約50~70%程度。比較的難易度が低い資格なので、学習時間を確保できれば合格を目指しやすい資格と言えるでしょう。

おすすめの本:「IT経営推進プロセスガイドライン Ver3.1」

「IT経営推進プロセスガイドライン Ver3.1」*6は、IT経営の推進方法や基本原則が示された書籍です。本書の内容がITコーディネータ試験の主な出題範囲となるため、試験合格を目指す方は必ず購入しておきましょう。

経営戦略プロセスや業務改革プロセスなど、IT経営に関する基礎的な内容が解説されているので、企業経営者やITコンサルタントにもおすすめです。

プロジェクトマネジメントの資格をとるメリット

プロジェクトマネジメントの資格取得には費用や時間もかかるため、受験しようか迷っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、資格を取得することで自分のスキルを証明でき、年収アップやキャリアアップにつながる可能性があります。ここからは、プロジェクトマネジメントの資格を取るメリットを詳しく解説しますね。

プロジェクトマネジメントについて体系的に学ぶことができる

プロジェクトマネージャーは、スケジュール管理能力やコミュニケーション能力、論理的思考力など幅広い知識・スキルが求められる職種です。資格取得に向けて勉強することで、このような知識を体系的に学ぶことができるでしょう。

「何から学べばいいかわからない」「プロジェクトマネジメントの基礎知識を身に付けたい」という場合は、まず資格取得を目指すのも良いでしょう。

マネジメントスキルを客観的に証明することができる

プロジェクトマネージャーとして働くにあたり、資格の取得はマストではありません。しかし、資格を取得することでマネジメントスキルを客観的に証明することができます

また、プロジェクトマネジメントには成果物がないため、採用側が求職者の実績や知識を把握するのは難しいのが現状です。その点、資格を取得していれば、一定の知識を有していると判断できるため、採用されやすくなる可能性もあるでしょう。

今後プロジェクトマネージャーとして活躍したい初心者の方にとっても、資格取得をしておくと、今後の仕事にもつながりやすくなるかもしれません。

年収アップを狙うことができる

マネジメントスキルを客観的に証明できることで、就職や転職、高単価案件の獲得につながる可能性もあります。会社員として働いている場合でも、昇進や昇給にプラスに働くことがあるでしょう。

プロジェクトマネージャーとして年収アップやキャリアアップを目指したい方は、ぜひ資格取得を目指してみてくださいね。

プロジェクトマネージャーの業務内容

前述の通り、プロジェクトマネジメントの業務は非常に多岐にわたります。顧客のヒアリングからスケジュール策定、メンバーの管理まで、プロジェクトを完遂させる能力が必要です。

ここからは、プロジェクトマネージャーの主な業務内容を3つご紹介します。

プロジェクトの全体管理

プロジェクトマネージャーの主となる業務は、プロジェクトの全体管理です。クライアントと決定したスケジュール通りに進められるよう、プロジェクトを管理・調整します。各セクションの進捗を確認し、その都度クライアントに状況を報告することも大切な仕事ですよ。

また、急なトラブルが発生した場合の予定の変更も、プロジェクトマネージャーの役割です。再度クライアントとスケジュールを調整し、場合によっては予算や開発計画の変更を行います。

プロジェクトメンバーの管理

プロジェクトを推進するにあたり、メンバーを編成・管理することもプロジェクトマネージャーの責務です。定められた予算の中で最適なメンバーを選定し、プロジェクト概要や開発目的などを共有します。

また、プロジェクトメンバー同士のコミュニケーションを円滑にすることも重要な仕事のひとつ。意見を出し合えるような環境づくりを意識し、トラブルなくプロジェクトを進められるよう心がけましょう。

クライアントへの提案、交渉

プロジェクトマネジメントの最初の仕事となるのが、クライアントへの提案や交渉です。予算感や開発目的、スケジュール感など、クライアントの要望をヒアリングし、要件定義を行います。

予算や人員に問題が生じた場合は、クライアントと交渉し、妥協点を見つけることもプロジェクトマネージャーの仕事です。ヒアリング力はもちろん、交渉力や説明力も必要になるでしょう。

プロジェクトマネジメントに役立つスキル

プロジェクトマネージャーとして活躍するためには、スキルを磨き続けることが大切です。

さまざまなスキルが必要なプロジェクトマネージャーですが、特に重要なのは「スケジュール管理能力」「コミュニケーション能力」「論理的思考力」の3つ。それぞれ詳しく解説するので、スキルアップを考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。

スケジュール管理能力

プロジェクトを成功させるには、予算や人材、日程などのスケジュールを立て、計画通りに遂行する能力が必要です。クライアントからの仕様変更や万が一のトラブルがあった場合は、状況に合わせて適切にスケジュールを調整します。

スケジュールを適切に管理するには、プロジェクト全体を俯瞰的に把握するスキルも重要です。現在の状況を確認するだけでなく、起こりうるリスクを想定して体制を整えておくのもポイントですね。

コミュニケーション能力

プロジェクトメンバーの選定や管理が必要なプロジェクトマネージャーには、コミュニケーション能力も欠かせません。円滑な人間関係を築き、トラブルなくプロジェクトを進める必要があります。ただ全員の意見を取り入れるのではなく、ときにはリーダーシップをもって指示を出すことも大切ですね。

また、プロジェクトメンバーだけでなく、クライアントとも密なコミュニケーションが必要です。進捗状況を報告し、信頼関係を構築しておくと、円滑にプロジェクトを進められるでしょう。

論理的思考力

論理的思考力も、プロジェクトマネージャーに求められるスキルのひとつです。たとえば、クライアントと交渉して合意を得るためには、説得力のある提案が重要になります。

また、トラブルが発生した際にも、状況を冷静に判断し適切な解決策を練る必要があるでしょう。複雑な物事を整理し、筋道を立てて考えることで、プロジェクトを効率的に進められますよ。

プロジェクトマネジメント力を身につけてキャリアアップを目指そう!

プロジェクトマネジメントに役立つ資格5選や資格取得のメリットを解説しました。プロジェクトマネジメントの資格を取得することで、キャリアアップや年収アップを狙うことができます。

「勉強が思うように進まない」「実務で役立つスキルを身に付けたい」という方は、キャリアスクールに通うのもひとつの方法です。女性向けキャリアスクールSHElikesでは、プロジェクトマネジメントの基礎を学べるコースが用意されています。プロジェクトの計画から目標達成までのスキルを学ぶことができるので、気になる方はぜひ入会を検討してみてくださいね。

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※出典
*1:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「プロジェクトマネージャ試験」
*2:特定非営利活動法人PMAJ「 P2M資格試験について」「P2M資格試験合格者推移」
*3:一般社団法人PMI日本支部 「PMP資格について」
*4:独立行政法人情報処理推進機構(IPA) 「ITストラテジスト試験」
*5:特定非営利活動法人ITコーディネータ協会「ITC資格取得サイト」「ITコーディネータ試験合格者数推移」
*6:コンテン堂「IT経営推進プロセスガイドライン Ver.3.1」

ABOUT ME
ライター 岩崎奈々
関西大学 社会学部卒業。在学中は国際協力を行う学生団体に所属し、広報やメディア発信に従事。新卒で凸版印刷株式会社に入社し、無形商材の営業を担当。フリーランスとして独立し、現在は主にインタビューライティングやSEOライティングをメインに活動中。その他メディア立ち上げやコンテンツ運営も実施。
エディター 工藤 梨央

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。