

エンジニアには男性が多い印象があり、未経験から女性が転職するのは難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。ですが現状はエンジニアの人材不足が深刻で、未経験であっても努力次第で転職することは可能です。また、近年IT業界では女性エンジニアへの注目度が高まっています。
この記事では未経験から女性エンジニアを目指す方に向けて、エンジニアの年収やメリット・デメリット、未経験からのスキル習得方法やおすすめのプログラミングスクールなどをわかりやすくご紹介します。
未経験から女性エンジニアなることができる理由
専門的な知識やスキルが必要なエンジニアリング分野ですが、未経験から女性がエンジニアになることは可能です。その理由をお伝えします。
初心者にも嬉しい学習環境が整っているから
近年、多くのスクールやオンライン学習サービスが初心者向けの学習環境を提供しています。そのため、プログラミングやソフトウェア開発、データ分析、Webデザインなど、エンジニアリング分野に関連する幅広いスキルを習得するハードルが低くなりました。
また、学習のサポートや女性に特化したキャリアアドバイスなどが充実していることも、未経験からエンジニアへの転職を可能とする要因となっています。
エンジニア不足が顕著になっているから
技術の進化やデジタル化が進む現代社会において、エンジニアの需要は高まっていますが、女性エンジニアの数はまだ男性に比べて少ないのが現状です。しかしながら、女性エンジニアが増えることにより、多様な視点を事業に取り入れることができたり、多様な働き方が許容されるようになったりといったことが期待されているそうです。
そのため、エンジニアリング分野は未経験からでも女性が転職しやすい業種とされています。
女性エンジニア割合や年収はどのくらい?
これまでの職種や業界での経験を活かしつつ、女性エンジニアへの転職を検討する方にとって、職場の男女比や年収は気になるポイントですよね。
ここでは、女性エンジニアの割合や年収についてお伝えします。
エンジニアの男女比
エンジニアの男女比は、一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)に加入する企業を対象として実施された「2022版情報サービス産業基本統計調査」によると、男性が76.8%、女性が23.3%と圧倒的に女性が少ないことがわかります*1。
また、Indeedが実施した「IT技術関連職のジェンダーギャップ」実態調査では、女性エンジニアの半数以上が「エンジニアは理系の仕事」「男性の方が活躍しやすい職業である」と学生時代に思っていたと回答しています*2。このような固定観念などから、女性がアクセスしにくい環境が醸成されたと考えられます。
女性エンジニアの年収
求人サイトを運営するdodaが登録者の年収データを職種別に集計したところ、女性エンジニアの平均年収は389万円という結果となりました*3。その中でもポジションによって年収に差があり、一般的なSE/プログラマの平均年収が380万円、経験やスキルを積み、ITコンサルタントやプロジェクトマネジャーに昇格すると549万円まで上昇しているようです。
職種全体で見た場合、専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)、企画/管理系に次いで技術系(IT /通信)が3位であり、女性エンジニアは比較的平均年収が高い職業であるといえるでしょう。
女性がエンジニアになることで得られるメリット3つ
エンジニアとしてのキャリアは、専門的なスキルが磨かれるだけでなく、さまざまな可能性やチャンスが広がるため、女性にとっても魅力的な選択肢となっています。女性がエンジニアになることで得られるメリットは多岐にわたりますが、その中でも特に注目したい3つのメリットをご紹介します。
報酬が高い傾向にある
女性がエンジニアとして働くことで得られるメリットの1つに、報酬が高い傾向にあることが挙げられます。これは、テクノロジーの進化に伴い、エンジニア需要が高まっているためです。
エンジニアは専門知識とスキルが要求される分、市場価値が高く報酬もアップします。さらに、企業の規模やポジションによっては成果が直接的に報酬に結びつくため、やりがいを感じながら収入を得ることが可能です。
在宅でも仕事ができる
エンジニアとして働く魅力の1つは、在宅でも仕事ができることです。これは、エンジニアの仕事が主にコンピュータを使った作業であり、場所に縛られずに作業が可能だからです。自分のペースで効率的に仕事が進められるうえ、通勤が不要なため、生産性が高まります。
さらに、リモートワークなら地理的な制約を受けず、世界中のプロジェクトに参加できるため、多様な経験を積むことができます。女性にとって、自宅や好きな場所で柔軟な働き方ができることは大きな魅力でしょう。
専門的なスキルが身につくため、再就職がしやすい
エンジニアとしてのキャリアは、専門的なスキルが身につくため再就職時に有利です。急速に進化するテクノロジーの最前線で学びながら、市場で求められるスキルを維持できる点が大きなメリットです。
また、さまざまなプロジェクトへの参加や自己成長を経て得られる自信が、再就職活動においても強みとなるでしょう。
女性エンジニアが少ない理由は?感じている悩みやデメリット
なぜ女性エンジニアが少ないのか、その理由にはさまざまな要因が重なっています。ここでは、エンジニアとして働くうえで感じる悩みやデメリットをご紹介します。
ロールモデルが見つかりづらい
女性エンジニアが少ない要因の1つは、ロールモデルが見つかりづらいことです。エンジニア業界は男性が従事する割合が多く、女性エンジニアが少ないため、女性が自身のキャリアを築くうえでモデルを見つけにくいという問題があります。
また、エンジニア業界は男性中心の職場文化や働き方が根付いているというイメージを持ち、不安を感じる女性も多いようです。ワークライフバランスを考えた時に就業イメージを掴みにくいことが、女性がエンジニアを目指すことを躊躇させる要因であると考えられます。
ステレオタイプによる偏見
エンジニア業界で女性が少ない理由の1つは、ステレオタイプやジェンダーバイアスによる偏見が影響していると考えられます。エンジニア業界には圧倒的に男性が多いのが現状です。そのため「男性優位な環境で適正な評価が行われるのか」といったことに不安を抱く女性が多いようです。
『女の転職type』が女性エンジニアにアンケートを実施した結果、IT業界に女性エンジニアを増やすために必要だと思うこととして「ITエンジニアは男性の仕事という固定観念をなくす」「女性は論理的思考、数学が苦手、というジェンダーバイアスをなくす」といった回答が上位にあがっています*4。
女性特有の悩みに理解を得られにくい場合がある
女性がエンジニアに対して感じる悩みやデメリットに、女性特有の悩みに理解を得られにくいことが挙げられます。エンジニア業界では急な対応や残業が発生する確率が高く、労働時間が長くなる傾向にあります。女性がライフステージの変化等を踏まえて職業選択をするにあたり、エンジニア職はハードルが高いと感じる女性も多いでしょう。
また、先述の女の転職typeによるアンケート結果には、実際に職場に女性が少ないことから、「生理などの体調不良が言い出しづらい」「職場に女性の相談相手がいなくて苦労した」といった声もありました。
エンジニアに向いている女性の特徴
複雑なプログラミングやシステム開発などに向き合い、解決策を導き出さなくてはならないエンジニアという仕事には、どのような能力が求められるのでしょうか。未経験からエンジニアへの転職を目指す方が知っておきたい特徴を詳しく見ていきましょう。
粘り強さや忍耐力がある
エンジニアに向いている女性の特徴として、粘り強さや忍耐力があることが挙げられます。エンジニアの仕事では複雑で難解な課題に取り組むことが多く、解決に時間と努力を要するためです。
多くのプログラミングやシステム開発の仕事では、問題に直面した際に長時間にわたって原因を追求する忍耐力が求められます。バグの修正やアルゴリズムの最適化など反復作業となることもあり、粘り強さも重要な要素です。
好奇心が旺盛
エンジニアの仕事は、技術の進化や新しい課題に常に触れることが求められるため、好奇心が旺盛な人に向いているでしょう。IT技術は日進月歩で進化しており、新しいプログラミング言語やフレームワーク、ツールが次々と登場します。変化が激しいため、常に最新のトレンドや技術に対する興味関心が求められるのです。
また、エンジニアには問題解決能力も求められます。複雑なシステムやプロジェクトで発生するさまざまな課題を解決するためには、好奇心と探究心が不可欠です。新しい技術に対する興味が、問題に対する多角的なアプローチや解決へのアイデアを創出します。
論理的思考力がある
エンジニアの仕事において、プログラムやシステムの設計・開発に論理的思考力は欠かせません。コンピュータは論理的な命令に基づいて動作するため、論理的な思考が欠けると適切なプログラムの設計やバグの解消が困難になります。
また、論理的思考力は複雑なシステムやアルゴリズムを理解し、信頼できるコードを書くこと以外にも、他のプロジェクトメンバーやクライアントとのコミュニケーションにも役立ちます。論理的思考力を磨くことで、自分の意見やアイデアをわかりやすく的確に表現できるようになるでしょう。
女性が未経験からエンジニアに転職する方法
エンジニア需要が高いとはいえ、未経験で全く知識がない状態で転職するのは難しいでしょう。転職活動を行う前に、独学またはスクールに通って知識や実践的なスキルを身につける必要があります。ここでは、独学とスクールのメリット・デメリットについてお伝えします。
独学
女性が未経験からエンジニアに転職する方法に「独学」があります。オンライン学習サービスや教本を活用し、自己学習と実践を積み重ねます。また、オンラインコミュニティで他の学習者やエンジニアと交流し、実際にプロジェクトに参加することで実践経験を積むのもよいでしょう。
独学はモチベーションを維持するための努力が求められますが、自分のペースで学べる点がメリットです。
独学の場合のデメリット
独学の場合にはフィードバックや助言を受ける機会が限られるため、誤って習得した知識の修正が難しいといったデメリットがあります。また、適切で効率的な学習方法を見つけるのが難しく、モチベーションを維持する工夫が必要です。さらに、時間の使い方や進捗管理なども自分自身で行う必要があります。
スクールに通う
未経験からエンジニアへの転職を目指すにあたって、スクールに通うことには多数のメリットがあります。スクールでは専門知識や技術を体系的に学ぶことができ、講師のフィードバックを受け、正しく理解を深めることができるでしょう。また、実務経験に近いプログラムを書いたり、他の受講生とチームを組んでプロジェクトに取り組んだりと、実践力が身につきます。
講師や他の受講生との繋がりがあることからモチベーションも維持しやすく、未経験者でも効率的にエンジニアへのスキルを身につけることができるでしょう。
スクールに通う場合のデメリット
スクールに通う場合のデメリットに、経済的負担が考えられます。授業料や教材費がかさむため、未経験から転職を目指すにあたって高いハードルとなりがちです。また、スクールの受講や課題のために時間を捻出する必要があり、仕事や家庭、趣味との両立が難しくなる可能性があります。
現在はオンラインスクールという選択肢もありますが、現地で受講する場合には通学にかかる時間や交通費は別途必要になります。これらのデメリットを踏まえて、自身のライフスタイルに適したスクールを選ぶことが大切です。
エンジニアを目指す女性におすすめの独学方法
自分のペースで学べる独学は、エンジニアを目指すうえで効果的な学習方法です。しかし適切な学習方法がわからなかったり、モチベーション維持が難しかったりといったハードルもありますよね。
ここでは、エンジニアを目指す女性におすすめの、挫折せずに効率よく学べる独学方法をご紹介します。
オンラインのプログラミング学習サイトを利用する
オンラインのプログラミング学習サイトは、自分のペースで学習でき、多彩なカリキュラムや言語を選べます。未経験からエンジニアを目指す方に、おすすめの独学方法です。入力したプログラムのフィードバックを即時に受けられるサイトもあり、ストレスなく不明点を解消して正しい知識を得ることができます。
コミュニティ機能があるサイトであれば、他の参加者と交流しながら飽きずに学習できるのも魅力です。
書籍を活用する
書籍は基礎から応用までの知識を体系的に学ぶことができるため、独学に適しています。テーマに特化して深く掘り下げた内容のものが多く、希望の転職先が決まっていて、必要なプログラミング言語やスキルがわかっている場合は書籍で専門知識を効率よく学ぶとよいでしょう。
また、スクールに通うのに比べて書籍のコストは低く抑えられます。根気は必要ですが、費用対効果は高いといえるでしょう。
実際に手を動かしながら実践する
エンジニアに必要なスキルは、理論を学ぶだけでは身につきません。実際に手を動かして、学んだ知識をアウトプットすることが大切です。
簡単なプログラムを書くことに慣れたら、本業や日常生活において効率化したい課題を見つけて、実際にアプリを作ってみるのもいいですね。実践経験を積むことで自信がつくうえに、転職活動時にポートフォリオとして応募先の企業に提出することができて、一石二鳥です。
エンジニアを目指す女性におすすめのプログラミングスクール
本業やプライベートの合間にプログラミングのスキルを磨くのであれば、少しでも効率的に学習したいですよね。ここでは、未経験者でもわかりやすいカリキュラムと、メンターのサポートが魅力のプログラミングスクールを3つ厳選してご紹介します。
DMM WEBCAMP
「DMM WEBCAMP(ウェブキャンプ)」は、未経験者向けのプログラミングスクールで、特にITエンジニアを目指す女性におすすめです。オンラインで受講できる講座が豊富で、大手スクールならではの手厚いサポート体制が整っています。
オンラインスクールではめずらしく、チーム開発を経験できる点も魅力です。実務で通用するレベルのスキルを習得することが重視されており、未経験からエンジニアに転職を目指す方に適しています。
経験豊富なメンターのきめ細やかなサポートを受けることができ、転職成功率も脅威の98%だそうです。卒業後もコミュニティへの参加が可能で、その後のキャリアに通ずる人脈作りにも活かせます。
TechAcademy(テックアカデミー)
「TechAcademy(テックアカデミー)」は未経験者向けプログラミングスクールで、経験豊富なメンターによるサポートが充実していることで有名です。プログラムのバグ修正など初心者がつまずきがちなポイントも、チャットサポートで随時フォローしてもらえます。
また、カリキュラムはオンラインで受講可能で、自分のペースで学習できる環境が整っています。地方在住者でも質の高い教育を受けられる点も魅力です。ポートフォリオ制作のサポートも受けることができ、転職活動時に有利になります。
「エンジニア転職保証コース」といった転職に特化したコースもあり、未経験からエンジニアを目指す方におすすめです。
SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)
「SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)」は、個別カリキュラムと現役エンジニア講師による完全マンツーマンレッスンが特徴のプログラミングスクールです。担任制で基礎スキルを効率よく習得することができます。また、個別カリキュラムのため本業やプライベートが忙しい方でも自分のペースで学習できるといったメリットがあります。
キャリアアドバイザーが常駐し、就職・転職やフリーランススタートの相談も行えます。趣味からエンジニア転職まで幅広く対応しており、アプリやポートフォリオ制作に取り組めるため、転職にも有利です。
ライフスタイルに合わせて無理なく学習し、未経験からエンジニア転職を目指したい方におすすめのスクールです。
プログラミングの基礎知識やWebデザインを学ぶならSHElikesもおすすめ
未経験からWeb・IT系への転職や副業に挑戦するために新たな学習を始めるなら、女性向けキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」もおすすめです。ここでは、SHElikesの概要と特徴、申し込み方法をご紹介します。
女性向けキャリアスクールSHElikesとは
SHElikesは、未経験からでもWebデザインなど全40以上の職種スキルを学べる女性向けキャリアスクールです。最短2ヶ月で基礎から必要なスキルの習得を目指せるため、忙しい現代女性でも自分のペースで学習できます。
そんなSHElikesには、プログラミングの入門コースが用意されています。未経験からプログラミングを学んでみたい女性におすすめです。また、WebデザインコースでHTMLやCSSなどの基礎を学べるので、Web関連のスキルも一緒に学べます。
SHElikesの特徴
SHElikesでは全40以上の職種スキルを定額で学び放題です。プログラミング入門だけでなくWeb制作やマーケティングなど幅広いスキルを学ぶことで、転職活動時のアピールポイントを増やすことができます。受講はオンラインで完結することができ、月に1回グループコーチングを受けることも可能です。また、もくもく会※やオンラインイベントなど、学習が捗る環境が用意されています。
※もくもく会とは、学習の中で生まれた疑問点や不明点を、ティーチング・アシスタントに質問できるオンライン勉強会のことです。コースにより提供状況が異なります。
SHElikesの申し込み方法
SHElikesのレッスン申し込みは、公式サイトにある「WEBで無料体験」ボタンをクリックして、必要事項を入力するだけで簡単に参加できます。
無料体験レッスンでは、一人一人の理想のキャリアを伺い、SHElikesを使ってどのように実現していくかを一緒に考えるカウンセリングがあります。自分のキャリアの棚卸しも兼ねて、入会申し込み前に体験レッスンに参加してみてください。
未経験から女性エンジニアへの転職は可能!
技術の進化とデジタル化が進む現代社会では、エンジニアの需要が高まり続けています。そのため、未経験であっても専門知識やスキルを身につければ、女性エンジニアに転職することは可能です。オンライン学習サービスやスクールも充実しているため、未経験者でも挫折せずに学習できるでしょう。
また、働き方改革やジェンダーフリーが浸透しつつある昨今、エンジニア業界も女性が安心して活躍しやすい環境となることが期待できます。エンジニア職は比較的報酬が高い傾向があり、努力次第で自由な働き方も可能となるため、興味をお持ちの方はぜひ挑戦してみてください。
女性向けキャリアスクールSHElikes無料体験レッスンはこちら
参考:
*1:一般社団法人情報サービス産業協会「2022版情報サービス産業基本統計調査」就業状況(従業員構成、労働時間、有給休暇)図表2−48 従業員構成図より
*2:indeed「『IT技術関連職のジェンダーギャップ』実態調査を実施」より
*3:doda「年収の高い職業は?平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】」技術系(IT/通信)の平均年収より
*4:女の転職type「女性エンジニアの光と課題」より