スマートフォンの普及が拡大し、SNSの利用者が増加している近年、SNSマーケティングへの注目が高まっています。
しかし、SNSマーケティングを始めたいと思っていても「何から始めればいいのかわからない」「自分にもできるのだろうか」と不安がある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、SNSマーケティングの始め方や具体的なやり方、個人で仕事をするコツなどを紹介します。SNSマーケティングについて詳しく知りたい方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
SNSマーケティングとは?

SNSマーケティングとは、その名の通り「SNSを活用したマーケティング手法」のこと。SNSを通じて情報を発信したり、ユーザーとコミュニケーションを取ったりすることで、商品やサービスの販売促進やブランディングの強化を目指すのが目的です。
プラットフォームごとの特性をうまく生かせば、広告費を抑えながらも多くのユーザーにアプローチできます。
また、SNSは利用者数が年々増加しており、今後もさらなる成長が見込まれる領域です。まずは自分のビジネスに合ったSNSを選び、どのような目的で活用するかを明確にしましょう。

SNSマーケティングが活発化している背景
SNSマーケティングが活発化している背景は、主に以下の2つです。
- スマートフォン普及率が高まっている
- SNS利用率の上昇傾向にある
総務省の「令和5年通信利用動向調査」によると、令和5年における個人のスマートフォン保有率は78.9%*1となっており、増加傾向にあることが明らかになりました。
引用:総務省|「令和5年通信利用動向調査の結果」1 情報通信機器の普及状況より
また、個人のSNS利用状況を見てみると、約8割の人がSNSを活用しているとわかります*2。
引用:総務省|「令和5年通信利用動向調査の結果」3 SNSの利用動向(個人) より
このように、スマートフォンおよびSNSの利用が日常化していることから、SNSマーケティングの重要性は高まっているといえるでしょう。
【個人向け】SNSマーケティングを行うメリット・デメリット
ここでは、個人がSNSマーケティングを行うメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
- 初期費用があまりかからない
- ターゲティングしやすい
- 収益化につながる
- セルフブランディングができる
- 働き方の選択肢が増える
SNSは基本的に無料で利用できるものが多く、初期費用を抑えてアカウントを立ち上げられます。
SNSマーケティングの知識を活用して効果的なアカウント運用ができれば、低コストで収益化につなげられるのが大きなメリットです。そのためには、各SNSの特徴を押さえてターゲットに刺さる施策を実施するのが得策でしょう。
実際にアカウント運用を通して収益化ができたら、SNSマーケターとして個人で報酬を得るスキルが身についたといえます。実績の1つになり、企業のSNS運用代行の案件獲得に繋がるなど、働き方の選択肢が増えるのもメリットの1つです。

デメリット
- 炎上リスクがある
- 成果が出るまでに時間がかかる
- 継続的な運用が必要
SNSマーケティングを行うメリットがある一方で、注意しておくべき点もいくつかあります。SNSで投稿した内容は不特定多数のもとに届くため、炎上リスクがつきものです。SNS運用時はトラブルが起きないよう細心の注意を払いましょう。
また、収益化などの成果が出るまでに時間がかかることが多く、継続的なリソースが必要とされています。目的を果たすには長期的視点が大切なため、運用開始時はすぐに結果が出なくても、粘り強く続けることを心がけてみてください。
またSNS運用は個人だけでなく、企業も積極的に行っています。企業向けのSNSマーケティングを行うメリット・デメリットは以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

SNSマーケティングの始め方7ステップ
ここからは、SNSマーケティングの始め方を7つのステップで解説します。SNSマーケティングは、ただアカウントを開設して投稿すればいいというわけではありません。適切な手順で進めていくことが重要です。
- ゴールやターゲットを設定する
- ターゲットにアプローチしやすいSNSを選択する
- SNSの特性やアルゴリズムを理解する
- 具体的な施策や戦略を決める
- 施策ごとにKPIを設定する
- アカウント運用体制を整える
- 施策の効果検証と改善を繰り返す
また、SNSマーケティングのスキルは個人アカウントではもちろん、企業アカウントの運用でも生かせます。最近ではSNS運用代行の案件も増えているため、スキルを身につけておけば発揮できる場が多いのが特徴です。SNS運用代行については以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてください。

1.ゴールやターゲットを設定する
まずはSNSマーケティングを行う目的を明確にし、ゴールやターゲットを設定しましょう。たとえば「半年後に10代〜20代の売上を◯%向上させる」など、具体的なターゲットや目標数値を設定すると、効果的な施策を検討しやすくなるのでおすすめです。
ターゲットや商品の特性によって、運用するSNSの選定や効果的な手法、戦略の立て方が変わります。現状や今後の展望を踏まえて、なるべく具体的なゴールを設定してみてください。
2.ターゲットにアプローチしやすいSNSを選択する
SNS運用のゴールやターゲットが明確になったら、次に効果的にアプローチできるSNSを選択しましょう。InstagramやX(旧Twitter)など、媒体によって主な利用者層や性別の割合、投稿の表示形式や機能など特徴が異なります。各SNSの特徴を理解し、目的に合ったものを選択してください。
また、特徴の異なるSNSを併用して運用することで、より効果が見込める場合があります。ただし、投稿するコンテンツの質が維持できるよう、管理が行き届く数に抑えて運用することが大切です。
3.SNSの特性やアルゴリズムを理解する
運用するSNSが決まったら、次にSNSの仕組みや機能、アルゴリズムを理解しましょう。SNSにおけるアルゴリズムとは、どのユーザーにどのコンテンツを表示するのかなど投稿を評価して分類するためのルールのことを指します。
アルゴリズムを理解して運用しないと、投稿がターゲットに届かず、施策が失敗に終わることも。アルゴリズムはSNSによって異なるため、対象となるSNSのアルゴリズムを理解して運用をすることが重要です。詳細は「SNSマーケティングで使用される5つのプラットフォーム」にて解説しています。あわせてチェックしておきましょう。
4.具体的な施策や戦略を決める
運用するSNSの特性が理解できたら、ゴールを見据えて具体的な施策や戦略を決めていきます。目的に合わせて、投稿するコンテンツの方向性やどの手法を活用するかなどを検討しましょう。
たとえばSNS広告を活用する、ハッシュタグキャンペーンを実施する、インフルエンサーに商品やサービスのPRを依頼するなど、SNSマーケティングにはさまざまな手法があります。SNS戦略については以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてください。

5.施策ごとにKPIを設定する
具体的な施策や戦略が決まったら、次に施策ごとにKPIを設定します。KPI(Key Performance Indicator)とは「重要業績評価指標」のこと。簡単にいうと、ゴールから逆算した中間目標のことです。
たとえば、フォロワー数やコンテンツの閲覧数、CTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)などの数値をKPIの指数として設定することで、具体的な成長率を把握できます。ハッシュタグキャンペーンを実施する場合は、オリジナルハッシュタグの件数をKPIに設定するなど、施策との関連性が高いものを選びましょう。
6.アカウント運用体制を整える
SNSマーケティングは、結果が出るまでに時間がかかる傾向にあります。軌道に乗る前からアカウントの運用体制を整えておくと、長期的に運用しやすくなるのでおすすめです。
具体的には、以下の3つのポイントを押さえて運用体制を整えましょう。
- アカウントの方向性を明確にする
- 運用のためのマニュアルを制作する
- 炎上発生時の対応フローを作成する
SNS運用の業務は多岐にわたります。個人での運用なら一貫して管理できますが、企業アカウント運用時には、担当ごとに必要な人員を確保して運用することが多いです。その際は、メンバー間で方向性を統一するために、定期的に情報共有を行いましょう。
7.施策の効果検証と改善を繰り返す
運用体制が整ったら、施策や戦略を実行します。実行した施策ごとにユーザーの反応を分析し、施策の効果検証と改善を繰り返しましょう。
狙ったターゲットがフォロワーになっているか、どの投稿のエンゲージメント率(投稿に反応したユーザーの割合)が高いのかなどを分析し、改善策を検討していきます。アカウント運用の目的が達成されるまで、粘り強く改善を繰り返してみてください。
SNSマーケティングで使用される5つのプラットフォーム
SNSマーケティングを始める際には、目的に合ったプラットフォームを選択することが大切です。ここではSNSマーケティングで使用される5つのプラットフォームを紹介します。各媒体における成功事例も解説しているので、各SNSの特徴を理解する際の参考にしてください。
媒体名 | 特徴 | 活用方法(例) |
---|---|---|
画像やショート動画などビジュアルに 特化したSNS |
統一された世界観を視覚的に 訴求する投稿でブランディングを行う |
|
X(旧Twitter) | 140字に制限された文字での投稿が 特徴的なSNS |
フォローとリポストによる キャンペーン施策で認知拡大を目指す |
LINE | 幅広い世代で利用されている、 コミュニケーションに特化したSNS |
公式アカウントを活用して 定期的な情報配信により、 ユーザーへの認知拡大を目指す |
TikTok | 若い世代を中心に利用されている、 ショート動画の作成・投稿に特化したSNS |
拡散力の高さを活かしてユーザー参加型の キャンペーン施策を実施する |
実名性が高くリアルなつながりが 特徴的なSNS |
数ある配信先からターゲットへの アプローチが可能なものを選択し、 広告を出稿する |
Instagramは、視覚的なコンテンツを軸に情報を発信できるSNSで、フィード投稿・ストーリー・リールといった形式を使い分けながら運用します。
特にファッションや美容、グルメなど、写真や動画で魅力を伝えやすいジャンルと相性が良く、ブランディングにも有効です。投稿から商品ページへ誘導できるショッピング機能があり、購買行動にも直結しやすいのも強みといえます。
実際に、あるファッションブランドは、色彩や構図に統一感を持たせた投稿を継続することで「オシャレで信頼できる」と感じさせる印象を与え、認知度とフォロワー数を大きく伸ばしました。商品の紹介だけでなく、ライフスタイルやブランドの価値観を発信することで、ユーザーの共感を深めた成功事例です。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、テキストでの投稿がメインのSNSです。リポスト(再投稿)機能により拡散力が高いという特徴があります。情報の広がりが早く、リアルタイム性が求められる分野で特に効果を発揮しやすいSNSです。
企業アカウントでは「フォロー&リポストで抽選キャンペーン」のような施策も定番で、多くの人の目に触れる施策が打ちやすい点が魅力といえます。たとえば、ある飲食チェーンでは、ユーザーへのコメント返信をユーモアを交えて丁寧に対応し、親しみやすい印象を与えた事例も。
結果として顧客満足度の向上に繋がり、ユーザーとのコミュニケーションがSNSで話題となりました。発信内容が一気に広まる反面、炎上リスクもあるため、運用時には慎重な対応を心がけましょう。
LINE
LINEは国内で約9,700万人の月間アクティブユーザー*3を抱える、日本で最も日常的に使われているSNSの一つです。年代を問わず利用者が多いため、幅広い層にアプローチできるのが強みといえます。
公式アカウントを活用すれば、ユーザーと「友だち」として繋がり、1対1でのやり取りも可能です。たとえば、とある精肉店では、LINE上で質問を募り、寄せられた声を商品開発に反映させた事例も。ユーザーとの距離が縮まり、EC販売にも繋がる結果を生みました。
そのほか、クーポンの配布や定期的な情報発信により、ユーザーの興味を引く施策が打ちやすいのも魅力です。
TikTok
TikTokは、短尺動画を作成・投稿できるSNSです。フォローしていないユーザーの投稿がタイムラインに表示されやすい独自のアルゴリズムが特徴的といえます。他のSNSに比べて、認知度の低いアカウントでも一気に注目を集めるチャンスがある点が魅力でしょう。
たとえば、あるコスメブランドは「#私のメイクストーリー」というユーザー参加型キャンペーンを展開し、多くの動画投稿を通じてブランドの自然な露出と拡散に成功しました。
ただし、話題性と売上が必ずしも直結するわけではない点は注意が必要です。アカウントの運用目的に合わせて、InstagramやX(旧Twitter)など別媒体に誘導するなどの施策も検討してみてください。
Facebookは、友人や知り合いなどリアルな繋がりを中心に交流を行う実名登録制のSNSです。その特徴から、精度の高いターゲティングができる点が魅力といえます。
投稿にCTAボタンを設置できるため、「予約する」「問い合わせる」といったユーザーの行動を直接促せるのが特徴です。加えて、InstagramやMessengerにも配信できる「Facebook広告」や、Facebook上にオンラインショップを開設できる「Facebookショップ」という機能も活用できます。
任天堂はこの特性を生かし、新作ゲームの情報発信とあわせて、マリオ35周年記念のクイズ企画を実施しました。多くのファンの参加を集め、話題性とエンゲージメントを同時に高めることに成功しています。イベントや双方向の企画を取り入れることで、運用に成功した事例です。
SNSマーケティングの主な手法5つ
ここでは、SNSマーケティングを始める際に知っておくべき主な手法を5つ紹介します。商品やサービスの特性や、目的に応じて使い分けられるよう、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
SNSマーケティングの手法 | 特徴 |
---|---|
SNSアカウント運用 | 継続的な投稿やユーザーとの コミュニケーションを通して、 認知拡大や商品購入などの 目的達成につなげられる。 |
SNS広告運用 | 各SNSの利用者層を考慮して、 狙ったターゲットに届けたい 内容を発信できる。 |
SNSキャンペーン | SNSの拡散力を活かして、 認知拡大や既存ユーザーの ロイヤリティ向上が期待できる。 |
インフルエンサーマーケティング | インフルエンサーの影響力を 活用して、フォロワーやファンに 届けたい情報を届ける。 |
ソーシャルリスニング | ユーザーの本音を知ることで、 ユーザーファーストな戦略・施策 の考案ができる。 |
SNSアカウント運用
SNSアカウント運用では、商品やサービス、自社ブランドなどについての情報発信や、ユーザーとのコミュニケーションを行うのが一般的です。
テキストや画像、動画などのコンテンツを投稿するのはもちろん、コメントへの返信やいいねなどを通じてユーザーと直接コミュニケーションを取ることも意識してみてください。信頼関係の構築やアカウントへのファン化により、商品の購入などの目的達成につなげましょう。
SNS広告運用
SNSには、プラットフォームごとに独自の広告配信サービスがあります。地域や年齢、性別などターゲティングの設定ができるため、広告を届けたいユーザーに的確にリーチできる点が魅力です。
また、雑誌広告や検索結果に表示されるリスティング広告などと比べると、費用が抑えられるメリットもあります。ターゲティングにより効率的にリーチできることから、費用対効果が見込める手法の一つです。
SNSキャンペーン
SNSキャンペーンとは、ユーザー参加型のイベント施策のことです。具体的には、以下のような事例があります。
- オリジナルハッシュタグをつけて投稿すると抽選に参加できる
- フォローとリポストをすると抽選に参加できる
- フォトコンテストや大喜利コンテストなどで投稿を促す
多くのユーザーがキャンペーンに参加することで、認知拡大や販売促進が期待できます。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらったり、コラボ商品を開発したりする施策のことです。インフルエンサーは数万人から数百万人のフォロワーやファンがいることが多く、高い影響力により認知度アップが期待できます。
また、インフルエンサーという第三者が訴求することで広告感を拭い、信憑性の高い口コミをユーザーに届けられるメリットも。ただし、インフルエンサーの選定には細心の注意が必要です。インフルエンサー自身に炎上の危険はないかなどを見極めて依頼しましょう。
ソーシャルリスニング
ソーシャルリスニングとは、SNSを通してユーザーの声を収集・分析し、マーケティングに活用する手法のこと。SNSにはユーザーのリアルな声が集まるという特性があり、率直な声を知れるのがソーシャルリスニングのメリットです。
たとえば、商品名やサービス名、アカウント名などをハッシュタグで検索し、ヒットしたユーザーの検索を分析してみるなどの方法があります。ユーザーの本音から投稿内容の改善や今後の戦略の立案を行うことで、ユーザーファーストなアカウント運用が目指せるでしょう。
SNSマーケティングを成功させるコツ
SNSマーケティングを成功に導くには、以下の5つのポイントを押さえた運用が欠かせません。
- ターゲットに響くクリエイティブにする
- 投稿やキャンペーンは定期的に行う
- ユーザビリティに配慮したキャンペーン企画を立てる
- 各プラットフォームのアルゴリズムを理解する
- 「SNSが盛り上がる≠事業成果に繋がる」であることを理解する
それぞれ順番に解説します。
ターゲットに響くクリエイティブにする
SNSで成果を出すには、誰に届けたいかを明確にしたうえで、ターゲットに刺さるクリエイティブを作ることが重要です。たとえば、画像や動画に統一感を持たせたり、共感を呼ぶストーリーや目を引くキャッチコピーを盛り込んだりすることで、ユーザーの心を動かせるかもしれません。
商品をただ紹介するのではなく、「この人の世界観が好き」と思わせる工夫をすることが大切です。投稿前に「これは誰に届けたい内容か?」を自問しながら投稿を制作する習慣をつけましょう。
投稿やキャンペーンは定期的に行う
SNSは拡散力が高い分、継続的に発信することで記憶に残りやすくなります。たとえば、週に数回の投稿や月1回のキャンペーン実施を習慣化すれば、ユーザーの関心を維持しやすくなり、ブランドへの信頼感も自然と高まるでしょう。
実際に更新頻度が高いアカウントは、フォロワーのエンゲージメントが高くなる傾向があります。まずは無理のない頻度で投稿計画を立て、ユーザーとの接点を絶やさない運用を心がけましょう。
ユーザビリティに配慮したキャンペーン企画を立てる
キャンペーンの効果を高めるには、ユーザーが迷わず参加できる工夫が大切です。たとえば、「フォロー&いいねで応募完了」といったシンプルな手順は参加のハードルが低く、参加者が増えやすい傾向があります。
また、期間が短すぎると参加しそびれる人が増えるため、余裕をもたせた設計もポイントの一つです。参加条件やルールは投稿やプロフィール欄で丁寧に案内し、ユーザー視点でわかりやすい導線づくりを意識しましょう。誰でも気軽に参加できる仕組みが、キャンペーンの成功を左右します。
各プラットフォームのアルゴリズムを理解する
SNSはプラットフォームごとにアルゴリズムが異なるため、適切な運用にはそれぞれの仕組みの把握が欠かせません。たとえばInstagramでは、保存やいいねなどの初期エンゲージメントに加えて視聴維持率が高いと「質の高い投稿」と判断され、発見タブなどで拡散されやすくなるでしょう。
一方LINEでは、ユーザーとの1対1の繋りが重視されるため、開封率やクリック率が成果の指標になります。定期配信の内容がユーザーの興味に合っていればブロック率が下がり、配信の効果が期待できるでしょう。それぞれの特徴を理解し、投稿内容を最適化することが成果を出す鍵となります。
「SNSが盛り上がる≠事業成果に繋がる」であることを理解する
SNSでいいねやコメントなどのリアクションが多く集まっても、売上や問い合わせに結びつかなければマーケティングの目的は達成できない点は注意が必要です。たとえば、TikTokで「社員が踊る動画」が話題になっても、視聴者に企業やサービスへの関心が芽生えなければ、単なる一発ネタで終わってしまいます。
SNSマーケティングを通して何を達成したいのか、具体的な数字を明確にしたうえで施策を打つことが必要です。投稿の目的とKPI(重要業績評価指標)をセットで考え、事業成果に直結する導線設計を意識しましょう。
個人でSNSマーケティングの仕事を始める2つの方法
ここでは、個人でSNSマーケティングの仕事を始める方法を2つ紹介します。

個人のアカウントを運用して収益化する
1つ目は、個人のアカウントを運用して収益化する方法です。個人のアカウントを立ち上げ、継続的に投稿し、アカウントを育てていきましょう。
運用が軌道に乗れば、アフィリエイトで広告収入を得たり、自身の商品やサービスを販売したり、自身がインフルエンサーとしてPR活動を行ったりするなど、安定的な収益化へと繋がることも。
結果が出るまでに時間を要することが多いですが、趣味や得意を生かしたアカウントなら好きなことが仕事になるメリットがあります。
スキルを身につけ、企業のSNS運用代行の副業をする
2つ目は、スキルを身につけて企業のSNS運用代行の副業をする方法です。未経験からでも、SNSマーケティングのスキルは身につけられます。スキルを生かして企業案件を獲得し、副収入を得たい方におすすめの方法です。
ただし、SNS運用はデザイン、投稿文作成、分析など業務が多岐にわたるため、網羅的にスキルを身につけておく必要があるでしょう。SNSマーケティングの副業を始めるために必要なスキルは、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。

個人でSNSマーケティングの仕事をするときのコツ
ここでは、個人でSNSマーケティングの仕事をするときのコツを5つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
分析機能の使い方を把握する
各SNSの分析機能の使い方を把握しておくと、ユーザーの反応がわかり、施策の改善に役立てられます。
分析機能はSNSによって異なりますが、投稿のインプレッション数やプロフィールへのアクセス数、フォロワー数の増減、エンゲージメント率など、施策改善に生かせる数値が確認できるものがほとんどです。
運用するSNSにどのような分析機能があるのかをひと通り確認し、日々の運用に役立ててみてください。
継続してSNSの最新動向をチェックする
SNSマーケティングの仕事を始めたら、新機能の追加や仕様変更、アルゴリズムの変更など、それぞれのSNSの最新動向をチェックする習慣をつけましょう。
アルゴリズムの変更についてはすべてが公開されているわけではありませんが、一部公式発表されることもあります。SNSのトレンドは常に追いかけ、分析や施策改善に生かすとよいでしょう。
企業が求めていることを理解する
SNSの運用代行やインフルエンサーとしてPR活動を行う際は、企業が求めていることを理解して取り組む姿勢が重要です。SNSマーケティングのゴールをどのように設定しているのか、依頼の目的は何かといった点は、最初にきちんと理解しておきましょう。
企業が求めていることへの理解が曖昧なまま仕事を始めてしまっては、求める成果を出すことはできません。疑問点は質問を通して解消し、理解を深めた状態で仕事をスタートさせましょう。
実務に役立つ資格を取得する
SNSマーケティングを仕事にするなら、実務で役立つ資格を取得するのもおすすめです。最近ではSNSマーケティングの注目度が上がり、資格試験の種類も増えてきています。たとえば、SNSマーケティングに関するおすすめの資格は以下の通りです。
資格 | 学べること |
---|---|
SNSマーケティング検定 | ・マーケティングの基礎知識 ・各種SNSの特性 ・投稿作成 ・広告キャンペーン ・ユーザーコミュニケーション ・プロジェクトマネジメント |
SNSエキスパート検定 | 【初級】 ・SNSの基礎知識 ・企業・団体のSNS活用の基礎 ・SNS活用のステップ ・SNS活用の実践 【上級】 ・SNSの基礎知識の把握 ・SNSを活用する目的・目標とSNSの選定方法 ・SNS活用の具体的な方法 ・効果測定 ・運営体制の構築 ・リスクマネジメント |
初級SNSマネージャー | ・SNS運用の基本 ・戦略や企画の立案方法 ・各種SNSの特性 ・広告運用 ・キャンペーンとインフルエンサー活用 ・レポートの活用方法 |
資格取得を通して身につけた知識は、アカウントの運用を通して実務と結びつけると定着が早くなります。実践で生かせるよう、アウトプットを積極的に行うことを意識してみてください。

スキルのかけ算を意識する
SNSマーケティングの知識にそのほかの周辺スキルをかけ合わせることで、SNSマーケターとしての仕事の幅が広がる可能性があります。たとえばWebデザインスキルをかけ算すると、企業や商品、サービスのブランディングをより効果的に行えることも。ライティングスキルをかけ合わせれば、投稿文作成に生かせます。
複合的にスキルを身につけたい方には、スクールの活用がおすすめです。たとえば、オンラインキャリアスクールSHElikes(シーライクス)では、SNSマーケティングやWebデザイン、ライティングなど全45以上の職種スキルを学べます。SNSを活用した仕事に興味のある方は、ぜひ無料体験レッスンにお越しください。

未経験からSNSマーケターとして活躍している人の事例を紹介!
ここでは、実際に未経験からSNSマーケターとして活躍している方々の事例を3つ紹介します。
「接客業からSNSマーケターに転身」りさちょんぬさん
テーマパークで接客業をしていたりさちょんぬさんは、SHElikesを活用し、マーケティングやWebデザインを中心に、SNS運用で生かせるスキルを習得しました。学習開始から約1年半で未経験からSNSマーケターへの転職に成功したそうです。

「営業職から副業SNSマーケター&ライターに」シホさん
営業職に就いていたシホさんは、今後のキャリアに生かせるスキルを身につけるべく、SHElikesに入会します。Webマーケティングコースの受講をきっかけに、分析が好きな自分にはマーケターが向いていると気づき、学びを深めることに。その結果、未経験から副業でSNSマーケティングの案件を獲得するまでになりました。

「事務職からたった半年でデザインもできるSNSマーケターに」ゆかりさん
前職ではハードな働き方から休職を経験したゆかりさん。現状を変えるためにスキルを身につけるべく、SHElikesに入会します。複数のコース動画を視聴するなかで、マーケティングとWebデザインに興味があることに気づいたそうです。学習を進めた結果、SNSマーケターへのキャリアチェンジに成功しました。

SNSマーケティングに関するよくある質問
最後に、SNSマーケティングに関するよくある質問をまとめました。疑問点の解消にお役立てください。
SNSマーケティングで成果を得やすい企業・得にくい企業の特徴は?
SNSマーケティングで成果を上げやすいのは、SNS利用率が高い年代をターゲットにしている企業や、オンラインで商品・サービスを展開している企業です。たとえば、Instagramショッピングを活用したEC事業や、口コミが重要な美容・グルメ業界では相性が良い傾向にあります。
一方、SNSをあまり使わない層を対象とした業種や、極端に市場規模が小さいニッチ商材の場合は成果が出にくいケースも。自社のビジネス特性とSNSの特性を照らし合わせたうえで、SNSマーケティングに注力するべきかを判断しましょう。

SNSマーケティングの最新トレンドを知りたい!
現在のSNSマーケティングでは、TikTokやInstagramリール、YouTubeショートなどの動画コンテンツに注目が集まっています。短時間で印象を残す構成や演出が求められる一方、AIの活用も加速中です。たとえば、AIによるユーザー行動の分析をもとに、興味に合わせた投稿内容や広告を最適化する事例も。
ユーザー同士の交流を重視するコミュニティ型のマーケティングも注目されており、ファンとの関係性を深める場づくりが今後の鍵となるでしょう。まずはこれらの動向を押さえて、自社に取り入れられる手法を検討してみてください。
SNSマーケティングの勉強におすすめの本は?
初心者の場合は、以下の3冊でSNSマーケティングの基本を学ぶことをおすすめします。目的に合わせて、書籍を活用してみてください。
以下の記事では、SNSマーケティングにおすすめの書籍をより詳しく解説しています。気になる方はぜひチェックし、実際に手に取ってみてはいかがでしょうか。

SNSマーケティングのスキルを学び、SNSマーケターとしての仕事を始めてみよう
SNSマーケティングのスキルは、SNSを活用した情報発信やブランディング、販売促進に欠かせないものです。今では副業やフリーランスなど活躍できる場が増えており、未経験からでも学習すれば挑戦できる分野といえます。
とはいえ、成果につなげるには知識だけでなく実践力が不可欠です。より実務的なスキルを磨きたい方には、スクールを活用して効率的にスキルを習得することをおすすめします。たとえば、オンラインキャリアスクールSHElikesでは、SNSマーケティングに加え、投稿作成に必要なデザインや動画編集など、SNS運用に役立つ全45以上のスキルを体系的に学習可能です。
クリエイティブスキルとマーケティングをかけ合わせて学ぶことで、活躍の幅も広がるでしょう。SNSを武器にキャリアを築きたい方は、まず無料体験レッスンに参加してみてはいかがでしょうか。

※出典
*1:総務省|「令和5年通信利用動向調査の結果」1 情報通信機器の普及状況より
*2:総務省|「令和5年通信利用動向調査の結果」3 SNSの利用動向(個人) より
*3:LINE for Business「LINE広告」より