Webデザイナーになるために、あるいはWebデザイナーとしてステップアップするために、資格が必要か迷う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、Webデザイナーになるに当たって資格を取るメリット・デメリットについて説明しています。また、おすすめの資格を7つ厳選してご紹介。さらに、一般的に多く取られている資格については、より詳細にお伝えしています。
この記事が、Webデザイナーとしてどのように働いていくかの指針になれば幸いです。
Webデザイナーになるのに資格は必要か
結論からお伝えすると、Webデザイナーとして働くに当たり、資格は必須ではありません。資格を取らなくても、Webデザイナーとして稼いでいくことはできます。
しかし、資格があれば役に立つことももちろんあります。この記事を通して、自分は資格を取るべきなのか、取らないでおくべきなのか、ご自身の希望や将来の目標に合わせて判断していただければと思います。
Webデザイナーとして働くために資格を取るメリット・取らないメリット

資格は、就職・転職など職探しの時に使えます。その他、具体的には以下の通りです。
資格を取る場合
<資格を取る場合のメリット>
- 就職・転職など職探しの際にアピールできる。
- 学んだ知識を仕事に生かすことができる。
- 力が証明されることで、自分の技能に自信が持てる。
- 勉強するモチベーションやきっかけになる。
資格を取らない場合
資格は、最速でWebデザイナーを目指す場合には必要がないこともあります。資格がなくても活躍している方は多くいますし、十分な知識を身につけ、経験を積めば資格なしでもWebデザイナーとしての道を歩めるようになります。
<資格を取る場合のデメリット>
- コストや手間がかかる。
- 実務で経験を積みさえすれば、資格の勉強は不要な場合がある。
- 自分に必要のない範囲の知識まで勉強しなければならない場合がある。
Webデザイナーに必要なスキル

資格がなくても以下のようなスキルを身につければ、仕事で生かしたり、転職時にアピールしたりすることができるでしょう。
必要なスキルは以下の通りです。
- 交渉力
- 営業力
- コミュニケーション力
- スケジュール管理力
単価やスケジュールの交渉をしたり、自分で仕事を取ってきたり、スケジュール通りの進行を心がけたりと、Webデザイナーに必要なスキルはさまざまです。上記のようなスキルがあれば、業務に生かすことができるでしょう。
Webデザイナーにおすすめの資格7選
ここから、Webデザインの資格として一般的に知られている資格を7つご紹介していきます。
ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、国家検定制度である技能検定制度のひとつとして、厚生労働省より指定試験機関の指定を受け、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施するものです。
試験は実技および学科試験で実施され、ウェブデザインに関する知識・技能、実務能力等が問われます。
種類(等級) | 1級、2級、3級 |
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受検資格 | 1級 【実技試験】 ・1級の技能検定において、学科試験に合格した者(※1) 【学科試験】 ・7年以上の実務経験(※2)を有する者 ・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業または普通職業訓練修了(※3) 後、5年以上の実務経験(※2)を有する者 ・大学(※3)卒業後、3年以上の実務経験(※2)を有する者 ・高度職業訓練修了(※3)後、1年以上の実務経験(※2)を有する者 ・2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験(※2)を有する者 2級 3級 ※1:当該実技試験が行われる日が、学科試験の合格日より2年以内である場合に限る。 |
出題形式 | ・1級 学科試験と実技試験がある。学科試験のみ選択形式 ・2級 ・3級 |
費用(税抜) | ・1級 学科: 8,000円 / 実技: 25,000円 (実技はペーパー実技含む)(税抜) ・2級 ・3級 |
難易度 | 合格率は年度や開催回により変動があるが、概ね次の通り。 1級:10-20%、2級:30-40%、3級:60-70% |
取得人数 | 2021年度の合格者数は 1級:9人 2級:268人 3級:1,824人 2007年度から2021年度までの累計合格者数は |
独学で勉強する場合、参考書やオンラインテストを活用できます。
オンラインテストはこちらです。PDF、もしくはオンラインでの受検が可能です。
https://www.webdesign.gr.jp/measures/exercises/
参考書は以下の通りです。
https://www.webdesign.gr.jp/measures/seminar/
過去問題も公表されているため、それを使って対策するのも一つの手です。
https://www.webdesign.gr.jp/measures/publication/
受検に当たってのデメリットとしては、1級・2級には実務経験が必要ということ、また順に級を上げて受検するため、1級まで取得するのに時間がかかることが挙げられます。
Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイターに必要とされる、HTML・CSSに関する基本的な知識や、Webサイト制作のデザイン能力、Webページのコーディング能力を認定する試験です。世界標準に対応した初めての試験で、Web関連企業、広告代理店、専門学校、大学、高校、職業訓練校から個人まで、幅広く受験されています。
種類(等級) | ・エキスパート レイアウト手法や色彩設計等、ユーザビリティやアクセシビリティを考慮したWebデザインを表現することができる。 また、スクリプトを用いた動きのあるWebページの表示、マルチデバイス対応、新規サイトを構築することができる。 ・スタンダード |
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受験資格 | ・エキスパート 学歴、年齢等に制限はありません ・スタンダード |
出題形式 | ・エキスパート 知識問題は4肢択1。 実技問題は問題データおよび素材データに基づき、設問文の指示に従って編集する形式。 ・スタンダード |
費用(税抜) | ・エキスパート 6,819円(税抜) ・スタンダード |
難易度 | 合格率:91.4%(2020年度平均合格率) |
取得人数 | 累計受験者数:30,888名(2021年3月31日時点) |
・主な勉強方法
公式HPでサンプル問題が公開されています。受験するか迷った際は、一度サンプル問題に目を通してみるといいでしょう。
https://www.sikaku.gr.jp/web/wc/contents/prepare/sample/1/
公式テキスト・問題集も充実しています。これらを使って試験問題のレベルや出題内容を把握し、対策を行えます。
https://www.sikaku.gr.jp/web/wc/contents/prepare/text/support/
・学習時間の目安
エキスパート38時間、スタンダード24時間とされています。スタンダードの学習時間は、初学者がスタンダードの合格レベルに達する目安となる時間。エキスパートの学習時間は、スタンダード取得者がエキスパートの合格レベルに達する目安となる時間です。
Webデザイナー検定
コンセプトメイキングなどの準備段階から、Webページデザインなどの実作業、テストや評価、運用まで、Webデザインに必要とされる多様な知識を測る試験です。
Webデザイナー検定はCG-ARTS検定のひとつで、ほかにはマルチメディア検定、CGクリエイター検定、CGエンジニア検定、画像処理エンジニア検定があります。それぞれ併願も可能です。
種類(等級) | ・エキスパート ・ベーシック |
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受験資格 | ・エキスパート 制限はありません(誰でも受験できます) ・ベーシック |
出題形式 | ・エキスパート マークシート 10問(80分) ・ベーシック |
費用(税抜) | ・エキスパート 6,091円(税抜) ・ベーシック |
難易度 | ・エキスパート 69.7%(2021年度平均) ・ベーシック |
取得人数 | CG-ARTS検定全体で、これまでに約81万人が受験 |
合格基準は70点(100点満点)で、難易度により多少変動するようです。
エキスパートとベーシック、もしくは他のCG-ARTS検定との併願も可能なため、効率よく資格を取得できます。
ホームページでは合格者の声を読むことができます。資格をどう活用していくかの参考になるでしょう。
https://www.cgarts.or.jp/kentei/column/goukaku.html
テキスト・問題集を用いての独学が可能です。
https://www.cgarts.or.jp/book/web/index1.html
HTML5プロフェッショナル認定資格
HTML5プロフェッショナル認定とは、HTML5、CSS3、JavaScriptなど最新のマークアップに関する技術力と知識を認定する認定制度です。受験者の多くは、Web技術者、Webデザイナー、コーダー、Webサービス運用者、Webアプリ開発者など。
マルチデバイスに対応したWebコンテンツ制作の基礎の実力を測るレベル1と、システム間連携や最新のマルチメディア技術に対応したWebアプリケーションや動的Webコンテンツの開発・設計の能力を認定するレベル2で構成されています。
認定の有効期限は5年間と定められています。
種類(等級) | HTML5プロフェッショナル ・認定試験 レベル1 ・認定試験 レベル2 |
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受験資格 | ・認定試験 レベル1 特になし ・認定試験 レベル2 |
出題形式 | 試験方式はコンピュータベーストテスト(CBT)。 マウスによる選択方式がほとんどですが、キーボード入力問題も多少出題されます。 |
費用(税抜) | ・認定試験 レベル1 15,000円(税抜) ・認定試験 レベル2 |
難易度 | 非公開 |
取得人数 | 非公開 |
・主な勉強方法
公式HPにて、試験合格を目指す方のためのコラムやサンプル問題を見ることができます。
https://html5exam.jp/measures/dojo.html
また、メールマガジンや学習教材も充実しているため、モチベーションを保って試験勉強に取り組めるでしょう。
公式HPによると、レベル1の取得にかかる学習時間はおよそ2週間~3ヶ月程度とのこと。デメリットとしては、認定に有効期限があることです。ただし、認定日から5年以内に「同一レベルの認定の再取得」、または「上位レベルの取得」をすることで、認定ステイタスを維持することができます。
アドビ認定プロフェッショナル

アドビ認定プロフェッショナル(Adobe Certified Professional)は、アドビが公認する国際認定資格で、Adobe Creative Cloudを活用するスキルがあることを証明します。社会人としてのキャリアをスタートするとき、キャリアアップやキャリアチェンジを考え始めたとき、生徒や学生が就職準備に向けて自信をつけたいときなどにぴったりの資格です。
種類(等級) | ・Photoshop ・Illustrator ・Premiere Pro |
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受験資格 | ・Photoshop 特になし ・Illustrator ・Premiere Pro |
出題形式 | 全国にある試験会場のコンピュータを使って解答するCBT形式で行われ、 試験マシンにインストールされている実際のアプリケーションを使用します。 試験問題は、前半の選択問題セクション、後半の操作問題セクションの2つに分かれて出題されます。 |
費用(税抜) | ・Photoshop(税抜) (一般価格)9,800円 (学割価格) 7,800円 ・Illustrator(税抜) ・Premiere Pro(税抜) |
難易度 | 非公開 |
取得人数 | 非公開 |
それぞれの試験に、公認の対策教材があります。また、独学が不安な方は、スクールで対策講座を受講することも可能です。ご自身の好みに合わせて学習方法を検討するといいでしょう。
https://adobe.odyssey-com.co.jp/study/
Photoshopクリエイター能力認定試験
Photoshopに関する写真・画像の加工編集スキルを認定する試験です。Photoshopを用いた画像ファイルの作成や、問題の指示に従いひとつの作品を作り上げる表現力など、コンテンツ制作に関するスキルを認定します。
種類(等級) | ・エキスパート ・スタンダード |
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受験資格 | ・エキスパート 学歴、年齢等に制限はありません ・スタンダード |
出題形式 | ・エキスパート 知識問題は、多岐選択解答形式。 実技・実践問題は問題文の指示に従ってPhotoshop®上で編集を行い、解答データを提出する形式。 ・スタンダード |
費用(税抜) | ・エキスパート 7,819円(税抜) ・スタンダード |
難易度 | 合格率73.9%(2020年度平均合格率) |
取得人数 | 累計受験者数:85,736名(2021年3月31日時点) |
受験を検討する際、まずはサンプル問題を見てみるのがおすすめです。
https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/learn/sample/
公式テキスト・問題集も準備されており、これらを活用すれば独学での取得も可能でしょう。
https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/learn/
Illustratorクリエイター能力認定試験
世界基準のグラフィックツールであるIllustratorの活用能力を測定・評価する資格検定試験です。
Illustratorを用いたDTPファイル及びWebデザインパーツの作成や、問題の指示に従いひとつの作品を作り上げる表現力などの、コンテンツ制作に関するスキルを認定します。
種類(等級) | ・エキスパート ・スタンダード |
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受験資格 | ・エキスパート 学歴、年齢等に制限はありません ・スタンダード |
出題形式 | ・エキスパート 知識問題は、多岐選択解答形式。 実技・実践問題は問題文の指示に従ってIllustrator®上で編集を行い、解答データを提出する形式。 ・スタンダード |
費用(税抜) | ・エキスパート 7,819円(税抜) ・スタンダード |
難易度 | 72.8%(2020年度平均合格率) |
取得人数 | 累計受験者数:89,977名(2021年3月31日時点) |
公式テキスト・問題集があるため、これらを使えば独学でも勉強できるでしょう。
https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/learn/
サンプル問題のダウンロードはこちら。
https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/learn/sample/
幅広く勉強できる、スクールでの学習もおすすめ

上記で記載したIllustrator・Photoshopに関しては、女性限定キャリアスクール「SHElikes」でもコースが設けられています。「SHElikes」でWebデザインについての知識を幅広く学び、より詳しく勉強したい部分については別の形で深掘りするなどの方法もあります。
SHElikesの特徴は以下の通りです。
- 利用者の8割がIT系分野の未経験者なので、初学者でも安心
- 全29コースの豊富なコースから学べる
- Illustrator、プログラミング、マーケティング入門などWebデザイナーを目指したい人におすすめのレッスン
- 月1回のコーチングがあり、挫折しない仕組み
・プラン
全レッスン受け放題の『受け放題プラン』と、月に5回までレッスンを受講できる『月5回プラン』の2つのプランがあります。ご自身のタイプや今後の予定に合わせて選択するのがおすすめです。
それぞれ料金は以下の通りです。※金額はいずれも税抜
・受け放題プラン(+入会金148,000円)
12ヶ月プラン(29,600円お得!) | 月額12,334円 |
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6ヶ月プラン(4,000円お得!) | 月額14,134円 |
月額プラン | 14,800円 |
・月5回プラン(+入会金148,000円)
12ヶ月プラン(19,600円(税込)お得!) | 月額8,167円 |
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6ヶ月プラン(4,000円お得!) | 月額9,134円 |
月額プラン | 9,800円 |
・各コース受講期間の目安
例えば「Webデザイン入門コース」は、2ヶ月で未経験の状態からWebサイト制作の基礎が身につくコースです。Photoshopを使用したデザインの方法や、HTML/CSSなどのコーディングの知識を身につけることができます。
「Illustratorコース」では、全3回の講座の中で基本的なスキルを学べます。名刺やフライヤーなど印刷物のデザイン制作を学んで表現の幅を広げ、自由な制作スキルの習得を目指せるコースです。
まとめ – Webデザイナーに資格は必要か?
本記事では、Webデザイナーに資格が必要かどうか、おすすめの資格7選、そしてスクールでの学習について解説してきました。
Webデザイナーになるために資格は必須ではありません。しかし、上で述べたように就職・転職の際にアピールできたり、自分の技能に自信を持てたりと、資格を取るメリットもたくさんあります。
また、独学が心配な方はスクールでの学習も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。女性限定キャリアスクール「SHElikes」では、Illustrator・Photoshopを含め、Webデザイナーを目指したい人におすすめのレッスンをはじめ、さまざまなコースを全29コース用意しています。

