「30代から未経験でグラフィックデザイナーになれるのだろうか?」このような不安を抱えていませんか。結論、30代からでもグラフィックデザイナーを目指すことは十分に可能です。実は、デザイン業界は年齢よりも個人のスキルが重視される傾向にあります。着実にステップを踏んでいけば、未経験からでもグラフィックデザイナーとして活躍できるでしょう。
この記事では、30代未経験の方がグラフィックデザイナーになるための具体的な5ステップや必要なスキル、学習方法などを解説します。自信を持って一歩踏み出すためにも、ぜひ参考にしてください。
30代未経験でもグラフィックデザイナーになれる理由
30代未経験でもグラフィックデザイナーになれる理由は、以下のとおりです。
「グラフィックデザイナーへの転職を考えているけれど、年齢が心配で挑戦できない」という方はぜひチェックしてください。

デザインスキル習得に年齢は関係ない
創造性や美的センスは、年齢に関係なく磨くことが可能です。むしろ人生経験があることで、ユニークで魅力的なアイデアを生み出せる場合もあるでしょう。
また、IllustratorやPhotoshopといったデザインソフトの操作は、年齢に限らずさまざまな作品を作る経験を積めば覚えられます。最近では、書籍やオンライン教材など学習方法も豊富にあるため、意欲と努力次第で未経験でもデザインスキルを習得可能です。
デザイン業界は年齢よりもスキルが重視される傾向がある
デザイン業界では年齢よりもスキルを重視する傾向にあるため、30代からでもグラフィックデザイナーとして活躍できるチャンスは十分あります。クライアントニーズに沿ったデザインができる能力があれば、年齢に関係なく採用される可能性は高まるでしょう。
特に未経験からグラフィックデザイナーを目指す場合は、「何を作れるのか」「どんな実績・強みがあるのか」を示せるポートフォリオを作成し、実力をアピールすることが大切です。
30代ならではの豊富な社会人経験が活かせる
社会人として培ってきた豊富な経験は、グラフィックデザイナーとして働くうえで強みになります。ビジネスマナーやコミュニケーション能力、タスク管理能力などは、クライアントとの関係構築や業務遂行に不可欠です。
また、仮に業務経験のある業界でグラフィックデザイナーをする場合、クリエイティブを作る際にその業界の知識が役に立つかもしれません。30代ならではの豊富な業界での経験や知識によって、デザインの引き出しを増やせれば、他のデザイナーとの差別化を図れるでしょう。
未経験可のグラフィックデザイナー求人もある
「未経験者はそもそも求められていないのではないか」と心配する人もいるでしょう。しかし、実際には「未経験可」のグラフィックデザイナー求人は多く存在します 。特に、慢性的な人材不足が続くデザイン業界は、積極的に人材を育てようとする傾向があり、ポテンシャルを重視した採用も活発です。
近年ではWebデザインをはじめ、グラフィックデザインのスキルを持つ人材が活躍する場が広がっています。そのため、30代の未経験者でもグラフィックデザイナーに挑戦できるチャンスは十分にあるでしょう。

30代未経験でグラフィックデザイナーになるための5ステップ
30代未経験からグラフィックデザイナーになるためのステップは、以下のとおりです。
各ステップの具体的な内容を、詳しく紹介します。
1.目指すデザイナー像を決める
まずは、目指したいデザイナー像を決めることからはじめましょう。たとえば「どんなデザインを作りたいか?」を深掘りすることで、進むべき道が見えます。「商品パッケージを制作したい」のように、具体的に作りたいデザインを考えてみてください。
また、業界によって求められるスキルが異なるため、「どこで働きたいか?」を掘り下げるのもおすすめです。たとえば、紙媒体をメインに手がける「DTP(DeskTop Publishing)系」と、Webサイトやバナーなどを手がける「Web系」では、求められるスキルが少し異なります。
なりたいデザイナー像を明確にするにあたっては、ロールモデルを見つけるのも有効です。目指す具体的な対象がいることで、行動の指針が定まりやすくなるでしょう。
2.グラフィックデザイナーに必要なスキルを習得する
目標が定まったら、次はスキルの習得です。まずは、色彩理論やタイポグラフィ、レイアウトの基礎知識など、デザインの基礎を学びましょう。書籍や動画コンテンツなど、自分に合った方法で学習を進めてみてください。
また、主要なデザインソフト(Photoshop・Illustrator・InDesignなど)の操作スキルも身につける必要があります。インプットだけでは知識やスキルが定着しないため、実際にバナーやポスターを作るなどアウトプットすることが大切です。
3.ポートフォリオを作成する
知識やスキルを習得したら、ポートフォリオを作成します。ポートフォリオにはこれまで作成した作品のなかで、特に自信のあるものを載せましょう。実績がない場合は、既存デザインの模写や自身で設定した架空案件などでスキルをアピールするのがおすすめです。
ポートフォリオを作る際は、以下のような情報も一緒に添えることで、仕事への向き合い方やデザイナーとしての課題解決能力をアピールできます。
- 作品のコンセプトやポイント
- 作品の狙いや目的(新商品のキャンペーン、コンバージョン率の向上など)
- 担当範囲(例:デザイン、企画、イラストなど)
- 使用ツール(Illustrator、Photoshopなど)
- 制作時間、期間

4.未経験者向けの求人に応募し就職する
ポートフォリオができたら、未経験者向けの求人に応募します。転職活動を行う際は、求人サイトや転職エージェントを活用するのがおすすめです。転職エージェントは業界や求人情報に精通しているため、あなたの適性や興味に合った求人を紹介してくれるでしょう。
転職時の面接ではデザインスキルだけでなく、これまでの社会人経験や業界知識をどのようにデザイン業務に活かせるかもアピールするのがおすすめです。

5. 常に学び続け、キャリアをアップデートする
デザインのトレンドは常に変化し、新しいツールも次々と登場しています。そのため、デザイナーになったあとも継続して学び続けることが重要です。たとえば、最近では「Adobe Firefly」や「Canva AI」といったAIを使ってデザイン制作を自動化させる動きがあります。
セミナーに参加したり、オンラインコミュニティに所属して情報交換をしたりするなどで業界の最新情報を得る姿勢を心がけましょう。自分のスキルをアップデートし続ける姿勢が、長く活躍するデザイナーになるためには不可欠です。
未経験からプロへ!グラフィックデザイナーに必要なスキルと知識
プロのグラフィックデザイナーとして活躍するには、以下のようなスキルや知識が求められます。
それぞれ詳しく紹介します。
デザインソフトの使用スキル
グラフィックデザイナーになるうえで、デザインソフトの操作スキルは必須です。特にPhotoshop、Illustrator、InDesignはほとんどの現場で使用されるため、まずはこの3つのソフトをスムーズに操作できるように練習を重ねてください。
ちなみにPhotoshopは画像編集や写真加工に、Illustratorはロゴやイラストの作成に、InDesignは雑誌や書籍のレイアウトに使用されるツールです。最低限これらのソフトを使いこなせれば、さまざまな媒体のデザインを作成できるでしょう。
レイアウトやタイポグラフィの基礎知識
魅力的なデザインは、センスだけでなくデザインの原理に基づいています。情報を整理し、視線を自然に誘導する「レイアウト」の知識や、文字を読みやすく配置する「タイポグラフィ」の知識はデザインの大枠を作るうえで欠かせません。
レイアウトに関しては、余白の効果的な使い方や、視線の流れを考慮した配置方法などを習得しましょう。タイポグラフィでは、フォントの選択方法や、文字間隔・行間・段落の使い方を習得する必要があります。これらの知識があれば、制作したデザインの意図を論理的に説明できるようになるはずです。
色彩や印刷に関する知識
グラフィックデザイナーには、色彩と印刷に関する知識も求められます。色はデザインの印象を大きく左右する重要な要素です。色相、彩度、明度といった色彩理論を学び、ターゲットやコンセプトに合った配色ができることがプロのグラフィックデザイナーには欠かせません。
また、グラフィックデザイナーは紙の印刷物をデザインすることが多いため、印刷に関する知識も求められます。Webで見る色と印刷で使う色の違いや印刷方式、用紙の種類と特性などを習得することで、印刷された際の見え方を考慮したデザインを作成できます。
デザインコンセプトの企画力
グラフィックデザイナーには、デザインコンセプトを企画するスキルも必要です。デザインコンセプトとは、デザインの方向性や目的を明確に定義したものを指します。
たとえば、「商品の売上を上げたい」という依頼に対し、ターゲットユーザーを分析して「30代の女性に響く大人可愛いパッケージデザインにする」といった方向性を定める力が求められるのです。ただ指示された内容を作るだけでなく、課題解決に導くための道筋を自分で描き、提案する力が欠かせません。
基本的なビジネススキル
グラフィックデザイナーには、基本的なビジネススキルが必要です。具体的には以下のようなスキルが挙げられます。
- 問題解決能力
- マーケティングの基礎知識
- プレゼンテーションスキル
- クライアントとのコミュニケーション術 など
ただしこれらのスキルは、社会人経験を積んできた30代であればビジネスレベルまで習得できていると考えられます。面接の際は、こうしたビジネススキルをグラフィックデザイナーの仕事でどう活かしていくかを言語化できると好印象につながるでしょう。
30代未経験からグラフィックデザインを学ぶ方法
30代未経験からグラフィックデザインを学ぶ方法は以下のとおりです。
それぞれ特徴を紹介するので、自分に合った方法を選択しましょう。
専門学校のデザイン学科に通う
グラフィックデザインを体系的に学ぶなら、専門学校のデザイン学科に通う方法がおすすめです。専門学校のデザイン学科ではデザイン理論やソフトの使用法、最新のトレンドなど、基礎から応用まで幅広く学べます。
課題制作やグループプロジェクトを通じて、実務に役立つ実践的なスキルを習得可能です。業界とのつながりがある学校では、インターンシップの紹介や就職支援も受けられるでしょう。仕事と勉強を両立したい方は、夜間コースや週末コースを提供している学校を探してみてください。
本やオンライン教材で学ぶ
初期費用を抑えたい方や自分のペースで学習したい方は、本やオンライン教材を活用して独学する方法が良いでしょう。現在は体系的に学べるデザイン関連の書籍が多数そろっています。UdemyやSchooなどのオンライン学習プラットフォームなら、プロのデザイナーによる実践的な講座を手軽に受けられるのが魅力です。
モチベーションの維持が難しく、高い自己管理能力が必要になりますが、費用を抑えてスキルを取得したいという方におすすめの方法です。
アルバイトやインターンから始める
デザイン事務所や制作会社でアルバイトやインターンとして働きながら、実務を通してスキルを学ぶ方法もあります。現場のスピード感や仕事の流れを、肌で感じられるのが大きなメリットです。
また、給与を得ながら学べるため、費用の負担をかけずに学習できるでしょう。ただし、完全未経験の場合は選考に通りづらいこともあります。そのため、ある程度の基礎知識やソフトの操作スキルは事前に習得し、自主制作などを集めて魅力的なポートフォリオを準備しておくことも大切です。
デザインスクールに通う
デザインスクールに通ってスキルを身につける方法もあります。しっかりとカリキュラムが組まれたスクールなら、数ヶ月〜1年程度の短期間で、実務に必要なスキルを効率的に学べます。また、オンライン完結型や、夜間・土日に開講しているスクールも多く、働きながらでも通いやすいでしょう。
たとえば女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)では、グラフィックデザインを含めた全45以上の職種スキルが定額で学び放題です。学習中に出てきた疑問を講師に質問できる場もあります*。スキルが身につけばSHEが紹介するお仕事案件にも応募できる**ので、デザイン未経験の人でもポートフォリオに掲載できる実績を作れるでしょう。
*コースにより状況は異なります。
**すべての受講生のお仕事獲得を保証するものではありません。

SHElikesを利用し未経験からグラフィックデザイナーになった方を紹介!
ここでは、女性向けキャリアスクールSHElikesを利用して、未経験からグラフィックデザイナーになった方の事例を紹介します。
幼い頃からものづくりが好きで、中学校から大学まで美術を学んでいたというおのさやさん。しかし仕事にする勇気は出ず、イベント制作会社に就職しディレクターとして働いていたそうです。その後はハードなワークスタイルで体調を崩し、退職することになったといいます。
専業主婦を経て復職を考えていた際、「ものづくりの仕事に再挑戦したい」とSHElikesに入会。課題で作成した作品をSNSに投稿したことがきっかけとなり、アルバイトとしてデザインの仕事を開始しました。それから4ヶ月後には、正社員のグラフィックデザイナーへの転身を叶えています。

30代未経験でグラフィックデザイナーを目指すにあたってのよくある質問
最後に、30代未経験でグラフィックデザイナーを目指すにあたっての、よくある質問の回答を紹介します。
- 未経験でも独学でグラフィックデザイナーになれる?
- グラフィックデザイナーになるのに資格は必要?
- 30代未経験からならグラフィックデザイナーとWebデザイナーどちらが良い?
- スキルを身につけるのにどのくらい勉強時間が必要ですか?
- ポートフォリオが作れません、どうすれば良いですか?
- 地方在住でもグラフィックデザイナーになれますか?
- グラフィックデザイナーの将来性は?
挑戦しようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
未経験でも独学でグラフィックデザイナーになれる?
未経験でも、独学でグラフィックデザイナーになることは可能です。ただし、強い意志と高い自己管理能力が求められます。独学の場合は学習をサポートしてくれる人がいないため、体系的に知識を身につけるのが難しい側面があるからです。
また、自分のデザインを評価してくれる人が近くにいないので、スキルレベルを客観的に把握するのが難しいでしょう。挫折のリスクを減らして過不足なくスキルを身につけるなら、専門学校やスクールなどを活用し、プロの指導を受けるのがおすすめです。
グラフィックデザイナーになるのに資格は必要?
グラフィックデザイナーになるのに必須の資格はありません。ただし、資格があれば自身のスキルを客観的に証明できるため、持っていると有利に働く可能性があるのも事実です。
たとえば、Adobe社が公式に認定する「アドビ認定プロフェッショナル」や、色彩知識を問う「色彩検定」などは知識レベルを証明でき、選考でのプラス評価につながりやすいでしょう。

30代未経験からならグラフィックデザイナーとWebデザイナーどちらが良い?
「30代未経験から目指すなら、グラフィックデザイナーとWebデザイナーどっちが良い?」と悩む方もいるでしょう。結論、どちらが適しているかは個人の興味や適性によって異なります。
グラフィックデザイナーは印刷物やブランディングに関わりやすく、WebデザイナーはWebサイトやUI/UXのデザインを手がけられます。自身のキャリアビジョンや興味からどちらが良いか検討してみてください。
スキルを身につけるのにどのくらい勉強時間が必要ですか?
未経験からデザインの基礎スキルを身につけるには、300〜600時間程度の学習が必要だといわれています。週に10時間勉強したとしても、約3〜6ヶ月かかる計算です。
ただし、デザインスクールによっては、カリキュラムに沿って学ぶことで2〜3ヶ月程度で必要な知識やスキルを身につけられる可能性もあります。
ポートフォリオが作れません、どうすれば良いですか?
未経験者の場合、ポートフォリオに載せられる実績がない場合が多いです。作品数が少ないときは、以下のような方法で作品数を増やしましょう。
- 既存デザインの模写
- 自身で設定した架空の案件
- スクールの課題やコンペへの参加 など
架空案件の場合は「近所のカフェの雰囲気に合ったメニュー表を作る」のように、具体的な目的とターゲットを設定すると、コンセプトが明確になって説得力のある作品を作れます。また、実案件のクリエイティブをポートフォリオに載せる場合は、著作権や守秘義務に注意が必要です。必要に応じて事前に許可取りやアクセス制御などに配慮しましょう。

地方在住でもグラフィックデザイナーになれますか?
地方在住でもグラフィックデザイナーになることは可能です。近年、リモートワークが急速に普及し、場所に縛られずに働くデザイナーも増えています。地方に住みながらでも都心部の企業の仕事に関わったり、フリーランスとして全国のクライアントとつながったりすることもできるでしょう。
求人サイトなどで「フルリモート可」の案件をチェックしてみてください。
グラフィックデザイナーの将来性は?
「AIに仕事が奪われる」という声もありますが、グラフィックデザイナーの仕事が完全になくなることはないでしょう。たしかに、簡単なデザイン作成はAIで代替ができます。しかし、クライアントの悩みや想いを深く理解したり、心に響く新しいアイデアを考えたりなどの、思考力やコミュニケーションが求められる領域は人間にしかできません。
今後は単純作業はAIに任せて、自分はより「考える」「生み出す」といった創造的な仕事に集中することになるでしょう。そのため、グラフィックデザイナーは将来性のある仕事といえます。

30代未経験からでもグラフィックデザイナーになることは可能!
30代未経験から、グラフィックデザイナーへ転身することは十分に実現可能です。グラフィックデザイナーは年齢に関係なくなれるため、強い意志を持ち、継続的に学習を続けながらスキルを習得することが大切です。
「グラフィックデザイナーを目指したいけれど、独学は不安……」という方におすすめなのが、女性向けキャリアスクールSHElikesです。PhotoshopやIllustratorといったデザインツールの使い方はもちろん、ブランディングやコピーライティングが学べるコースもあるため、スキルをかけ合わせて市場価値の高いグラフィックデザイナーを目指せます。
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