IT技術の急速な発展に伴い、プログラマーの需要は高まっています。プログラミングを学べる場も増えてきていることから、未経験からプログラマーを目指したいと考える方も多いようです。
しかし、専門的な技術が必要になることから「本当に未経験からでも転職できるかな……」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。この記事では、プログラミング未経験者が転職を実現するための具体的なステップと、転職を成功させるための効率的な方法を詳しく解説します。
プログラミング未経験からプログラマーに転職できる?
プログラミング未経験からでも、プログラマーへの転職は可能です。IT業界は人手不足のため、未経験者の採用も積極的に行われています。ただし「未経験者」というのは「実務未経験者」を指し、プログラミングの基礎知識やスキルはあることが前提となっている場合もあります。
そのため、未経験からプログラマーへの転職を実現するには、適切な学習と準備が鍵になります。スクールや書籍などを活用し、IT技術の基礎や基本的なプログラミングスキルを習得するのがおすすめです。さらに、ポートフォリオとしてアプリケーションやWebサイトの自主制作を行い、実績として提示するのも有効です。
未経験からプログラマーになる方法 – 転職準備編
未経験からプログラマーに転職するには、以下の準備をしておくことがおすすめです。
各ステップについて詳しく解説します。
1.IT業界について調べておく
IT業界について詳しくリサーチすることは、プログラマーへの転職の第一歩です。IT関係の仕事には、データサイエンティストやWebマーケターなどさまざまな職種があります。プログラマーとして働くのであれば、IT業界について理解するためにもある程度IT系の職種は認識しておきましょう。
また、IT業界は常に進化しており、新技術が次々と登場しています。主要な技術トレンドや企業の動向を調査しておくのも大切です。業界に関する知識を深めることで、自分に合った分野を見つけ、転職の戦略を立てることができます。
2.プログラマーとして何を実現したいのか明確にする
プログラマーとしてのキャリアビジョンを明確にしておくことも大切です。自分の興味や強みを考慮して、実現したい具体的な目標を設定しましょう。
たとえば、革新的なアプリケーションの開発に携わりたい、AIを活用して社会課題を解決したいなど明確な目標を設定することが大切です。目標によって、どのようなプログラミング言語を習得すべきかや、どのような企業に入社すべきかが変わってきます。まずは目標を設定し、キャリアの方向性を定めることが大切です。
3.必要なプログラミング言語を調べる
プログラミング言語は多くの種類があり、必要な言語は目指す分野によって異なります。自身のキャリア目標に合わせて適切な言語を選択しましょう。
たとえば、Webサービスのフロントエンド開発なら、HTML・CSS・JavaScriptが用いられ、バックエンド開発にはPython・Ruby・PHP・Javaなどが用いられます。また、ネイティブスマホアプリ開発では、SwiftやKotlinといった言語が用いられます。
このように携わる領域により、必要となる言語が異なるため、自身の身につけるべき言語を事前に確認しておくことが大切です。求人情報を参考に、企業が求める言語スキルを調査しておくのもよいでしょう。
4.プログラミングスキルの習得
未経験からプログラマーに転職する場合、事前にプログラミングスキルを習得しておくのがおすすめです。プログラミングスキルを習得することで、転職活動の際に意欲を示すことができ、入社後の業務のキャッチアップもスムーズになります。
プログラミングスキルを習得する方法には、書籍で学ぶ、スクールに通う、学習サイトで学ぶといった方法があります。それぞれの特徴や利点を踏まえ、自身に適した方法を選びましょう。
未経験からプログラマーに転職する方法 – 応募・選考対策編
未経験からプログラマーに転職する際の、応募・選考対策は以下のとおりです。
各ステップについて、詳しく解説します。
1.未経験者可の求人を探す
未経験者が転職をする際は、未経験者可の求人を探しましょう。求人情報に明確に「未経験者可」と記載された求人は、通常のプログラマー求人よりも未経験者が採用される可能性が高いといえるからです。
転職者向け求人サイトで「未経験歓迎」「第二新卒可」などのキーワードで検索すると、未経験可の求人を見つけることができます。さらに、転職エージェントを利用すれば、非公開求人を含む幅広い選択肢から自分に合った求人を紹介してもらうことが可能です。
求人サイトや転職エージェントを上手く活用するのが、転職を効率的に進めるポイントです。
2.ポートフォリオ制作
転職に向けて、自身のスキルがわかるポートフォリオを制作しておくのがおすすめです。求人に応募する際は履歴書や職務経歴書を提出しますが、プログラミングのスキルはなかなか書類では伝わりにくいものです。また、未経験者は経験者と違い、前職で携わった制作物をアピールすることもできません。
Webサイトやアプリケーションを制作しポートフォリオとして提出すれば、プログラミングスキルをアピールできます。未経験者だからこそ、ポートフォリオで意欲やスキルを証明することが大切です。
3.選考・面接への対策を講じる
応募書類と面接の準備を行いましょう。準備の際は、企業がどのような点に着目しているのかを理解しておくことが大切です。
履歴書や職務経歴書では、志望動機や自己PRで自身のスキルや熱意を伝えることが大切です。なぜプログラマーになろうと思ったのかや、これまでの経験をIT分野にどう活かせるかを整理して記載しましょう。
プログラマーの面接では、技術力だけでなく学習意欲や適応力も重視されます。基本的なプログラミング概念や、学習した言語の特徴、プログラマー職でも生かせる前職で培ったスキルや経験を説明できるようにしておきましょう。
企業側に「未経験だけれど入社後に活躍してくれる可能性がある」と思ってもらうことが大切です。
未経験からプログラマー転職を効率的に進める方法
未経験からのプログラマー転職を効率的に進めるためには、以下の方法を実践するのがおすすめです。
各方法について詳しく解説します。
プログラミング学習サイトの活用
プログラミング学習サイトを活用すれば、未経験者でも手軽にプログラミングを学ぶことが可能です。たとえば、以下のサイトは無料の学習コンテンツを提供しています。
これらのサイトでは、初心者向けから上級者向けまで、幅広いコースが用意されています。「プログラミングが自分に向いているかわからないから少し勉強してみたい」という場合も、手軽にプログラミングを体験できます。また、できるだけ費用を掛けずに勉強したいという方にもおすすめです。
プログラミングスクールの活用
プロから学び着実にスキルを身に付けたいという方は、プログラミングスクールで学ぶのもおすすめです。多くのスクールが、実践的なプログラミングを学べるカリキュラムを用意しています。
また、プログラミングスクールによっては、同じ目標を持つ仲間との交流ができる場合もあり、モチベーション維持に役に立ちます。ただし、プログラミングスクールに通う場合は、費用と時間の投資が必要になるため、自身の状況に合わせて検討しましょう。おすすめのプログラミングスクールに関して、以下の記事で紹介していますので気になる方は参考にしてみてください。
転職エージェントの活用
未経験から転職する場合には、転職エージェントを活用するのも効率的に転職活動を進める方法のひとつです。転職エージェントは、求人情報を提供してくれるだけでなく、応募書類の添削や面接対策といったサポートも実施してくれます。未経験からプログラマーを目指す際に利用できる転職エージェントの例は以下のとおりです。
リクルートエージェントは業界大手の転職エージェントで、多くの求人と転職者支援の豊富な実績が特徴です。マイナビIT AGENTとレバテックキャリアは、IT業界の転職に特化した転職エージェントで、IT業界専任のアドバイザーから転職支援を受けることができます。
求職者は基本的に転職エージェントのサービスを無料で受けることができるため、気になる転職エージェントがあれば登録してみるとよいでしょう。
職業訓練校に通う
職業訓練校とは、失業中または求職中の人が再就職を目指して技術を身に付けるための「職業訓練」を提供する施設のことです。
職業訓練は求職者すべてを対象とした制度で、失業中の人だけでなく在職中でキャリアアップのために転職したい人も、要件に当てはまれば受講できます。職業訓練は、雇用保険(失業手当)を受給中の人向けの「公共職業訓練」と、雇用保険を受給できない人向けの「求職者支援訓練」にわかれています。詳しい受講要件は、管轄のハローワークやWebサイトで確認しましょう。
多くの職業訓練校では、IT関連のコースを提供しています。プログラミングの基礎から応用まで学ぶことができ、資格取得支援も行っている訓練校が多くあります。訓練期間中に給付金を受けられる場合もあるため、経済的な負担を軽減しながら学習に集中できます。
プログラミング未経験者の転職においてよくある質問
プログラミング未経験からの転職には、以下のような疑問がつきものです。
- 未経験からプログラマーに転職すると年収はどのくらい?
- 年齢・年代によって未経験からプログラマーに転職する難易度は異なる?
- 今からプログラマーに転職したいが将来性はある?
- プログラミング未経験者の転職には資格が必要?
各質問について回答を紹介します。
未経験からプログラマーに転職すると年収はどのくらい?
プログラマーの年収は、個人のスキルや経験・企業規模・地域によって大きく異なるため、未経験からの場合でも一概に年収はいくらとはいえません。厚生労働省によると、プログラマーの平均年収は557.6万円*1とされています。
しかし、未経験からの転職の場合、平均年収よりも低めの年収からのスタートとなると考えておいたほうがよいでしょう。継続的な学習と実績を積むことで、年収アップが期待できます。
年齢・年代によって未経験からプログラマーに転職する難易度は異なる?
未経験からの場合は、年齢が若いほうが転職がしやすい傾向がありますが、年齢が高くても転職は不可能ではありません。
若い世代は、柔軟性が高く今後の成長が期待できると考えられポテンシャルで採用されることもあります。一方、年齢を重ねている場合には、それまでの社会人経験によって身に付けてきたスキルや経験を重視される傾向があります。
重要なのは、年齢に関わらず、最新の技術トレンドへの適応力と継続的な学習姿勢を示すことです。
今からプログラマーに転職したいが将来性はある?
プログラマーは将来性の高い職種であると考えられます。テクノロジーの急速な進化により、プログラミングスキルの需要は今後も高まり続けると予測されています。
AI、IoT、クラウドコンピューティングなどの新技術の台頭により、プログラマーの役割はますます重要になっています。また、あらゆる業界でデジタル化が進んでいるため、プログラマーの活躍の場は今後も増えていくでしょう。
継続的な学習と技術のアップデートを心がければ、長期的なキャリアを築くことができると考えられます。
プログラミング未経験者の転職には資格が必要?
プログラミング未経験者の転職において、資格は必須ではありませんが、資格取得には大きなメリットがあります。資格を取得していれば技術力を客観的に証明できるため、転職の選考時にアピールすることが可能です。
IT技術やプログラミングの基礎知識・スキルを証明するための資格としては、以下のような資格があります。
- 基本情報技術者試験
- PHP技術者認定試験
- Ruby技術者認定試験
- HTML5プロフェッショナル認定試験
基本情報技術者試験は、IT業界で働くうえで必要とされる基礎的な知識とスキルを評価する国家試験です。そのほかの資格は、特定のプログラミング言語に特化した資格のため、自身が転職後に使用する可能性のある言語の資格を取得するのがよいでしょう。
プログラミング未経験からの転職は適切な準備と戦略が成功の鍵!
プログラミング未経験からプログラマーへの転職は、適切な準備と戦略があれば十分に実現可能です。業界知識とプログラミングスキルの習得、入念な選考対策が転職成功の鍵となります。
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出典
*1:厚生労働省|職業情報提供サイトjobtag プログラマーより