「ベンチャー企業へ転職する前に、自分に向いているかを見極めたい」
ベンチャー企業への転職を検討する際、このように悩む方もいるのではないでしょうか。ベンチャー企業で働いてみたいという意思があっても、転職後に想像していた環境とのギャップを感じることも少なくありません。
本記事では、ベンチャー企業に転職するメリット・デメリットや、向いている人を解説します。自分に合った転職先を見つけるヒントにしてみてください。
ベンチャー企業に転職する前に知っておきたいこと
転職する前にベンチャー企業の特徴を理解しておくことで、転職後のミスマッチを防ぐことができます。ベンチャー企業がどのような企業なのか、一般的なベンチャー企業の特徴もあわせて解説します。
そもそもベンチャー企業とは?
ベンチャー企業とは、新しいアイデアや技術を駆使して、大企業では取り組みにくい新しいビジネスを展開し成長していく企業を指します。明確な定義はありませんが、一般的に会社設立から数年ほどの新しい企業であることが多いです。
ベンチャー企業は、少数精鋭のメンバーで形成された企業もあれば、メガベンチャーのように、従業員数が多い組織でありながらも新しいビジネスを積極的に展開していく企業もあります。
また、ベンチャー企業と類似する言葉に「スタートアップ企業」があります。スタートアップ企業とは、新しいビジネスモデルにより社会に新たな価値を提供し、短期間で急成長を遂げ資金回収を目指す企業を指します。ベンチャー企業の一形態が、スタートアップ企業であるともいえます。
ベンチャー企業の特徴
ベンチャー企業の特徴は、以下の通りです。
- 会社設立から数年の企業である
- 新しいアイデアや事業を取り入れている
- 事業が成長段階にある
- 従業員数が少ない(メガベンチャーは除く)
- 比較的若い年齢層が多い
全てのベンチャー企業がこれらの特徴に当てはまるとは限りませんが、設立から数年かつ新しいビジネスを展開していること、また少数精鋭のメンバーでスピーディに事業を進めていく傾向があります。大企業では関わることが少ない経営層のメンバーとも近い距離で接する機会が多いので、チーム一丸となって事業に取り組む意識が芽生えるでしょう。
ベンチャー企業に転職するメリット
ベンチャー企業に転職するメリットとして、裁量権の大きさ、挑戦しやすい環境、経営層との距離の近さなどが挙げられます。具体的には、以下のような5つのメリットがあります。
ベンチャー企業特有のメリットを把握して、魅力を感じるかどうか判断する材料にしてみてください。
仕事にスピード感がある
ベンチャー企業での仕事は、スピード感があります。上司との意思疎通を迅速に行い、アクションに移していくためです。大企業の場合、役職が細かく分かれているので、意思決定まで多数の人の意見を反映させなければいけません。その点においてベンチャー企業は、市場の変化や顧客のニーズに合わせて、個々の新しいアイデアを素早く事業に反映させられるメリットがあります。
企業を成長させていくやりがいがある
ベンチャー企業は成長段階にあるので、事業を拡大していくやりがいを味わえます。特に少数精鋭でのベンチャー企業では、従業員一人ひとりの成果が会社の成長に貢献するので、達成感を感じやすいです。企業内で部署が細かく分かれていない場合、担当業務以外に幅広い職種を担当することもあります。企業成長に関してさまざまな側面から携われるので、多様な知識が吸収でき、モチベーションが高まりやすいのです。
新しい事業作りに携われる
ベンチャー企業では、新しい事業やプロジェクトを展開していくことが多いです。立ち上げから間もないビジネスを拡大させていく過程のメンバーとして、事業成長に伴う貴重な経験が得られます。既存のサービスにはない新しい価値を世の中に届けたいという想いがある場合、ベンチャー企業でそのアイデアを実現できるかもしれません。
風通しが良い
ベンチャー企業は組織の規模が小さい傾向にあるため、役職に関わらず従業員同士でコミュニケーションが取りやすい風土があります。風通しが良い環境が整っているので、アイデアがあれば上層部に意見を届けることができます。経営層の視点とクリエイティブな新入社員のアイデアを掛け合わせることも可能です。従業員数が多い企業に比べて、上下関係がフラットであるといえるでしょう。
経営者と距離が近い
ベンチャー企業では、経営者と社員の距離が近く、直接的なコミュニケーションが可能です。経営者のビジョンや考えを直に聞くことができ、自分の意見やアイデアも直接伝えることができます。経営に関するスキルや知識を、直にインプットすることが可能です。経営者との距離の近さは、起業や経営を目指す人がベンチャー企業に挑戦する傾向がある要因の1つともいえるでしょう。
ベンチャー企業に転職するデメリット
ベンチャー企業に転職するデメリットとして、以下の4つが挙げられます。
ベンチャー企業ならではのデメリットを把握して、転職するリスクも踏まえたうえで意思決定をしましょう。
安定性が低い
ベンチャー企業は成長過程のフェーズにあり、安定性が低いことがあります。経営面においては、業績の変化や市場の動向に影響を受けやすく、給与が変動することもあるかもしれません。事業が今後成長していくのか、将来の見通しが不透明な場合もあるでしょう。勤務時間や給与に対して安定性を重視する人にとってはリスクが伴います。
企業体制や方針が変わる可能性がある
ベンチャー企業では、企業体制が定まっていないこともあります。また企業体制が定まっていたとしても、状況に応じてルールが変更になることも珍しくありません。入社時の方針が変わる場合においても、その変化に適応していく必要があるため、安定した環境を好む人にとってはストレスとなることもあるでしょう。
業務量が多い
ベンチャー企業では、少数精鋭で事業の成果を出すことが求められるため、一人ひとりの業務量が多くなる可能性があります。事業が安定するまでは、突発的な業務が発生することもあるでしょう。効率的な働き方や自己管理力が求められるため、精神的・体力的に負荷がかかるかもしれません。裁量権が大きい分、ハードワークになる可能性があることを考慮しておきましょう。
プレッシャーがある
ベンチャー企業では、成果を求められる分プレッシャーも感じるでしょう。一人ひとりの取り組みが企業の成長や存続に直結するため、責任が伴います。結果を出すことに対してやりがいを感じられる一方で、責任の重さをストレスに感じやすい人にとっては精神的な負担になってしまうかもしれません。責任の重さをやりがいと感じるか、プレッシャーと感じるかは人それぞれといえます。
ベンチャー企業への転職に向いている人
ベンチャー企業への転職に向いている人には、以下のような特徴があります。
ベンチャー企業がどのような人材を求めているのかを把握することで、転職を成功させるための課題が見えてくるでしょう。それぞれの特徴を解説します。
経営者が掲げるビジョンに共感できる
ベンチャー企業では経営者との距離が近いため、ビジョンに共感して一体感を持って働ける人が向いています。ビジョンに共感できなかったり興味がなかったりすると、経営陣との意思疎通が難しくなり、業務への支障をきたす場合があります。共感できるビジョンを掲げるベンチャー企業であれば、仕事へのモチベーションが高まり、最終的に自分自身と企業双方の成長につながります。
主体性を持って自ら動いていける
ベンチャー企業では、積極的に行動する主体性が求められます。会社設立から間もないベンチャー企業では、新人社員への教育体制が整っていないこともあります。指示を待つという受け身の姿勢ではなく、自ら疑問点を質問するなど積極的に行動しなければいけません。チームでアイデアを出し合う機会も多いので、自分の考えを進んで発信・共有する力も求められます。
成長意欲が高い
ベンチャー企業は成長過程にあるため、従業員一人ひとりに高い成長意欲が求められます。会社内ではもちろん、日々の生活でも自己研鑽のために取り組めるような人は、ベンチャー企業に向いています。課題に直面することの多いベンチャー企業では、今できないことに対して諦めるのではなく、少しでも早くできるようになりたいという前向きな考え方が欠かせません。
仕事が好き
情熱を持って仕事に取り組める人は、ベンチャー企業に向いています。ベンチャー企業では多忙な日々が続くこともあるので、それをストレスに感じる人もいるでしょう。仕事が好きと思える人は、業務量が多い場合でも楽しみながら働けます。また、趣味の延長のように仕事に関するスキル習得やリサーチを行える人も、ベンチャー企業に向いています。好きな分野に関連するベンチャー企業を見つけるのも手です。
明確なキャリアプランがある
企業での経験を通じて、キャリアをどのように築いていくかを考えている人は、ベンチャーに向いています。ベンチャー企業で幅広い業務をこなしていくには、明確な意志が必要です。「将来起業したい」「ビジネスを持ちたい」など目的に向かって行動できる人は、ベンチャー企業の刺激ある日々の中で、さまざまなスキルや知識をインプットできるでしょう。
課題解決までやり抜く
ベンチャー企業では、課題解決のために試行錯誤を重ねて、最後まで諦めずにやり抜くという心構えが重要です。新しいビジネスを展開していくため、前例のない課題や困難に直面することもあります。問題に対して答えがある状況とも限らないので、解決策の提示を待つのではなく、自ら考え道を切り開かなければいけません。困難な状況でも冷静に対処し、粘り強く取り組める人は、ベンチャー企業に向いています。
ベンチャー企業が求める人物像
ベンチャー企業がどのような人物を求めているのかを、以下の年代ごとに解説します。
比較的若い年齢が多いベンチャー企業ですが、スキルや経験を活かせば30代や40代での転職も可能です。それぞれの年代別に見ていきましょう。
20代の場合
20代は、30代以上に比べてスキルや経験が少なくてもベンチャー企業に転職しやすい年齢といえます。仕事への情熱や企業への理解度を考慮した、ポテンシャル採用も珍しくありません。仕事への熱意とともに、スキルや経験があると尚良いでしょう。同業界での経験が求められることもありますが、基本的に20代の転職者に対しては、仕事へのマインドセットを重視する傾向があります。
30代の場合
ベンチャー企業は、30代の転職者に対して、順応力の高さと即戦力を求めています。20代に比べて育成期間が長く取れないと考える企業もあり、豊富なスキルや経験が優遇されます。若い年齢層との関わりも多いので、固定概念に縛られず、新しい価値観や視点を受け入れる順応力も求められます。過去の会社とベンチャー企業の仕事への向き合い方の違いに混乱せず、環境に適応していける人材が求められます。
40代の場合
40代がベンチャー企業に転職する場合、30代よりもさらにスキルや経験が重視されます。ベンチャー企業では、経営側もしくは特定の役職において、経験が豊富な40代の人材を求めていることがあります。たとえば、20代の多いベンチャー企業の場合、マネジメントや経営の実績や知見のある経験者が不足しているかもしれません。企業の求める経験と前職で培ったスキルがマッチすれば、ベンチャー企業への転職がしやすくなります。
ベンチャー企業への転職には、高い成長意欲が求められる
ベンチャー企業での仕事は、裁量権が大きくプレッシャーもありますが、やりがいも感じられます。成長意欲の高い人は、事業を成長させていく楽しさを味わえるでしょう。メリット・デメリットの感じ方は人それぞれなので、ベンチャー企業が自分に適しているかを考えてみてください。
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新しいスキルや知識をインプットすることは、自己成長意欲を高めるうえでも役立ちます。自分の好きな仕事を見つけるためのヒントにしてみてください。