グラフィックデザイン検定は、IT時代に必要なさまざまなマルチメディアのデザインスキルや知識を証明できる資格です。
この記事では、グラフィックデザイン検定とは何か、科目・出題範囲や出題形式、日程などの概要を分かりやすく解説します。
合格に向けた勉強方法やデザイナーにおすすめの他の資格も紹介しますので、参考にしてください。
グラフィックデザイン検定とは?
グラフィックデザイン検定とは、公益社団法人全国工業高等学校長協会が主催するグラフィックデザインの知識・技術を測る試験です。25年以上の歴史があり、もともとはDTP検定という名称でした。*1
グラフィックデザイン検定は、ITの広範なメディアに対応できる人材を育成することを目的としています。*2
詳しい内容を知りたい方に、概要を紹介します。
科目・出題範囲 | ・企画・デザイン関係 ・写真関係 ・編集レイアウト関係 ・写真製版関係 ・印刷関係 ・製本関係*1 |
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出題形式 | 3・2級は筆記試験、1級は筆記試験と実技試験*2 |
試験時間 | 2級・3級は筆記試験が60分、1級は筆記試験が60分と実技試験が90分*2 |
試験日程・受験料 | 例年1年に1回 ・3級 950円(税込) ・2級 950円(税込) ・1級 1050円(税込)*2 |
合格基準 | ・3級:筆記試験60点以上 ・2級:筆記試験60点以上 ・1級:筆記試験60点以上+主催者による実技試験の判定による*2 |
試験方法 | 受検を希望する学校にて開催*2 |
科目・出題範囲
グラフィックデザイン検定の科目・出題範囲は、全級共通で以下の項目を問われます。
- 企画・デザイン関係
- 写真関係
- 編集レイアウト関係
- 写真製版関係
- 印刷関係
- 製本関係
級があがるごとに、難易度の高い試験内容が設定されているのが特徴です。
出題形式
グラフィックデザイン検定の出題形式は、3・2級は筆記試験、1級は筆記試験と実技試験です。
筆記試験は、選択問題で1問5題からなる15問のうち任意の10問を解答します。実技試験は「ロゴデザインの課題」と「作表課題」の選択問題となっています。
筆記・実技試験ともに指定数以上の問題を回答した場合は失格となるので注意してください。
試験時間
グラフィックデザイン検定の試験時間は、受験する級により異なります。2級・3級は筆記試験が60分、1級は筆記試験が60分と実技試験が90分です。
試験日程・受験料
グラフィックデザイン検定の試験日程は、例年1年に1回のペースで開催されています。次回の第29回グラフィックデザイン検定は、2025年1月17日(金)に行われる予定です。*3
グラフィックデザイン検定の受験料は、次の通りで受験する級により異なります。
- 3級 950円(税込)
- 2級 950円(税込)
- 1級 1050円(税込)
合格基準
グラフィックデザイン検定の合格基準は、以下の通りです。
- 3級:筆記試験60点以上
- 2級:筆記試験60点以上
- 1級:筆記試験60点以上+主催者による実技試験の判定による
試験方法
試験方法は、受検を希望する学校で行われます。
グラフィックデザインの難易度は?
グラフィックデザイン検定は、それぞれの級で異なる試験内容が設定されています。特に1級は筆記試験と実技試験が行われるため、難易度が高いです。
第27回グラフィックデザイン検定試験実施結果の合格率は、以下の通りです。*1
- 3級 65.5 %
- 2級 81.5 %
- 1級 8.0 % (実技含む)
- 準1級 3.4 % (実技含む)
3級と2級は比較的合格率が高いため、基本的なデザインスキルを持っている方にとっては、比較的難易度は低いようです。
しかし、1級と準1級は難易度が高く、合格率はわずか10%未満です。実務試験もあり高度なデザインスキルと実践的な能力が求められるため、相当の準備が必要であると言えるでしょう。
グラフィックデザイン検定を受験するメリット
グラフィックデザイン検定の取得は、スキルの証明と技術の向上につながります。検定を受験するメリットを紹介しますので、ご覧ください。
グラフィックデザイナーとしてのスキルを証明できる
グラフィックデザイン検定を受験すると、グラフィックデザイナーとしての実力を証明できます。
資格の取得証明を履歴書やポートフォリオに記載することで、採用担当者やクライアントに対して、十分なスキルと知識を持っていることを示せます。信頼性が高まるとともにキャリアアップにつながる可能性があります。
例えば、商品企画やマーケティング、編集レイアウトの知識やPhotoshopやIllustratorなどのデザインツールの操作技術といった実践的なスキルを示すことができます。
これらのスキルを証明することで、企業のデザイン部門や広告代理店、フリーランスとして活動できるでしょう。広告デザイン、パッケージデザイン、ブランディングデザインなど、さまざまなデザイン業務に従事できます。
デザインのスキルアップにつながる
グラフィックデザイン検定を受験することは、デザインのスキルアップにつながります。検定を受けることで、デザインの基本から応用まで幅広い知識と技術を習得できます。
また、試験を通じて最新のデザイントレンドや技術を学べるため、常に業界の最前線に立てるでしょう。検定の内容は実践的なため、業務に直結するスキルを身につけられます。
例えば、検定の勉強を通じて学んだ新しいデザインツールやソフトウェアの使い方は、日常の業務ですぐに生かすことができます。新しい技術を習得することで、クライアントの多様なニーズに応えられるようになり、仕事の幅が広がるでしょう。
グラフィックデザイン検定合格に向けた勉強方法
グラフィックデザイン検定に合格するためには、問題集で必要な知識を得ながら、ツールの使い方を覚えて使いこなせるようになる必要があります。
合格に向けた勉強方法を紹介します。
公式問題集を使用する
グラフィックデザイン検定は、全級に対応する「グラフィックデザイン検定問題集」が販売されています。検定主催者により作られている公式問題集で、価格は税込1,730円です。*2
構成は5つのチャプターからなり、以下の知識を得られます。*4
- 企画・マーケティング・デザイン
- 写真
- 編集レイアウト
- 写真制版
- 印刷
ツールの使い方を学ぶ
グラフィックデザイン検定合格を目指すためには、デザインツールの使い方を学ぶ必要があります。
例えば、Adobe PhotoshopやIllustratorはプロのグラフィックデザイナーにとって基本中の基本であり、操作に慣れておくことが求められます。主要なデザインソフトの使い方は、身につけておくことが必須です。
デザインツールを効率的に使いこなせることで、デザインの質を高めるだけでなく作業効率も上がります。
そもそもグラフィックデザイナーとは?
グラフィックデザイナーは、広告、ポスター、ウェブサイト、パッケージデザインなど、紙媒体を中心にデザインを制作する職業です。
色彩、タイポグラフィ、レイアウトを駆使して、情報を効果的に伝えることが求められます。クライアントの要求を理解し、クライアントの課題を解決できるデザインを制作する能力が必要です。
また、デザインツールを使用するため、さまざまなデザインツールの使い方を覚え使いこなすスキルが求められます。
デザイナーにおすすめの資格
デザイナーとしてのスキルを証明できる資格には、グラフィックデザイン検定以外にもさまざまなものがあります。
デザイナーとしてのスキルアップにおすすめの資格を紹介します。
一つずつ解説します。
Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験は、株式会社サーティファイが運営し、HTMLやCSSの基本知識から応用的なWebサイトデザイン能力を測る試験です。
認定基準にはスタンダードとエキスパートの2種類があり、スタンダードは60分の実技問題、エキスパートは20分の知識問題と90分の実技問題が実施されます。*5
ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、Web制作に必要な知識やスキルを問う国家検定で、インターネットスキル認定普及協会が実施しています。
3級から1級までの等級があり、出題形式は学科試験と実技試験です。合格者には「ウェブデザイン技能士」の合格証書が発行され、1級は厚生労働省から、2、3級は協会理事長よりその称号が与えられます。*6
Webデザイナー検定
Webデザイナー検定は、実作業や運用などWebページデザインについて幅広い知識を問う試験です。公益財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が実施しています。
認定基準にはベーシックとエキスパートの2種類があり、エキスパートが80分、ベーシックが60分のマークシート方式で問題が出題されます。*7
グラフィックデザイン検定でスキルを証明しよう
グラフィックデザイン検定について、概要や受験するメリット、勉強方法などを解説しました。グラフィックデザイン検定の合格に向けて勉強すれば、グラフィックデザインについて幅広い知識を身につけることができます。
合格には、公式問題集を反復したり、ツールを使用して使い方に慣れたりすることで勉強を進めていきましょう。
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<出典・参考>
*1:全国工業高等学校協会|第27回グラフィックデザイン検定試験実施結果
*2:全国工業高等学校協会|第28回グラフィックデザイン検定試験
*3:全国工業高等学校協会|令和6年度 検定試験 実施一覧
*4:全国工業高等学校協会|グラフィックデザイン検定問題集
*5:資格検定のサーティファイ|試験内容(HTML5対応版)|Webクリエイター能力認定試験
*6:インターネットスキル認定普及協会|ウェブデザイン技能検定
*7:CG-ARTS | 検定(試験形式)