UGCとは?意味やマーケティングで重要な理由、メリットをわかりやすく解説!

UGCとは?意味やマーケティングで重要な理由、メリットをわかりやすく解説!

UGCとは「User Generated Content」の略で、日本語では「ユーザー生成コンテンツ」と呼ばれます。企業によって作られたコンテンツではなく、一般ユーザーによって生み出されたコンテンツを指します。

SNSの普及に伴い、マーケティング戦略においてUGCが重視されるようになりました。この記事では、UGCの意味やマーケティングで重要とされる理由、活用するメリットをわかりやすく解説します。さらに、UGCを活用する際に注意すべきポイントや活用方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

UGCとは

UGCとは、簡単に言うと「一般ユーザーによって生み出されたコンテンツ」を意味します。UGCの代表例は、インターネット通販サイトのレビュー・SNSの投稿・ブログなどです。

企業が一般消費者を対象に行うBtoCのビジネスモデルにおいて、UGCを利用したマーケティング活動が注目を集めています。

UGCが注目される背景

UGCが注目される背景には、SNSの普及とUGCの信頼度の高さがあると考えられます。

SNSはUGCによって成り立つメディアです。総務省の公表によると、2022年時点で日本のSNSの利用者数は約1億200万人です。年々利用者は増加しており、2027年には1億1,300万人になると予測されています*1。SNSの利用者が増えることでUGCの量も増え、その活用に注目が集まっているのです。

また、アライドアーキテクツ株式会社が行った調査によると、X(旧Twitter)上の情報をきっかけに購入・来店した経験がある方のうち、約60%が一般ユーザーの投稿がきっかけになったと答えています。これは、インフルエンサーや芸能人・企業アカウントの投稿がきっかけになったと答えた人より多い結果です。

アライドアーキテクツ株式会社による調査結果
引用:アライドアーキテクツ株式会社|生活者によるTwitter上でのクチコミ行動と、クチコミの影響度に関する調査

つまり、一般ユーザーが生み出すコンテンツであるUGCは、リアリティがあることから信頼されやすいと考えられます。

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UGCが発生しやすい商材・サービス事例

以下のような特徴を持つ商材・サービスはUGCが発生しやすい傾向があります。

  • 人に勧めやすい
  • 物理的に存在している
  • 自己表現としてSNSに投稿しやすい

たとえば、美味しいと感じたお菓子などは、人に勧めたくなることも多いのではないでしょうか。特に、Instagramなど画像や動画を投稿するSNSでは、無形の物よりも物理的に存在する物のほうが投稿しやすくなります。しかし、映画や音楽などは例外で、自己表現として自身がどう感じたのかといった感想を添えてSNSに投稿されるケースもあります。

企業のマーケティング活動にUGCの活用を考える場合は、まずは自社の商品・サービスが持つ特徴を押さえておくことが大切です。

UGCがマーケティングで重要な理由

マーケティングにおいてUGCが重要なのは、以下のような理由があります。

それぞれ詳しく解説します。

1.SNSにおける影響力

SNSの影響力が大きくなったことで、UGCが重要視されるようになりました。以前はUGCといえば、インターネット通販サイトやレビューサイトへの投稿でしたが、SNSが普及したことでSNS上にもUGCが生まれるようになりました。

Webサイト上のUGCは、閲覧するのがそのページの訪問者に限定されていましたが、SNS上のUGCはフォロワーや拡散により多くの人に広まるようになったのです。SNSの影響力は大きく、さまざまな企業がSNS上のUGC活用に着目しています。

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2.インターネット広告出稿の増加

インターネット広告への出稿が増加したことも、UGCが重要視されるようになった理由の一つです。広告出稿が集中したことにより、インターネット広告の単価が高騰し、以前ほど費用対効果を得るのが難しくなっています。

そのため、商品・サービスのマーケティング活動をインターネット上で効果的に行うには、従来型の広告運用だけでなくUGCを活用することが重要なのです。

3.購買プロセスの変化

SNSの普及により、購買プロセスにUGCが影響するようになってきています。現在は以下の行動の頭文字を取った「ULSSAS(ウルサス)」という購買行動モデルが提唱されています。

  1. UGC(ユーザー生成コンテンツ)
  2. Like(いいね)
  3. Search1(SNS検索)
  4. Search2(検索エンジン)
  5. Action(購買)
  6. Spread(拡散)

この一連のプロセスでは、まずユーザーがSNSを閲覧し、他のユーザーの商品口コミの投稿に「いいね」をする。その後、SNS上で商品について検索を行いさらに興味を持ち、検索エンジンで商品を発見し、購入する。そして、SNSで拡散するという流れです。

新規顧客獲得や売上向上の仕組みを作るためには、発生するUGCを上手く活用することが重要です。

UGCのメリット

UGCの活用には、以下のようなメリットがあります。

それぞれ詳しく解説します。

1.ブランドロイヤルティの向上

UGCは、既存顧客のブランドロイヤルティ向上効果が期待できます。ブランドに関わるコンテンツをユーザー自身が作成することにより、ブランドへの帰属意識のような感覚が生まれるとされているからです。

さらに、自身のUGCが広告などに起用されることで、ブランドを身近に感じ愛着を持つこともあるでしょう。それが発信のモチベーションになる場合もあります。

2.ユーザーが共感しやすい

UGCは、実体験に基づくリアルな意見や感想が反映されるため、他者の共感を得やすい傾向があります。

企業が一方通行的に商品・サービスの魅力を発信すると「押しつけ感」が生まれてしまいやすいものです。その点において、UGCは客観的な評価となるため、説得力があり信頼されやすいというメリットがあります。

3.印象に残りやすい

UGCは通常の広告と比較し、ユーザーの印象に残りやすい傾向があります。自身がすでにフォローしている知人・友人は、自身と趣味嗜好が似通っていることが多いでしょう。同じような好みや感覚を持った人の発信は、自然と印象に残りやすくなります。

4.コスト削減

UGCは、コスト削減の効果も期待できます。マーケティング活動を行うには、バナー・ランディングページ・動画など、多くのコンテンツを制作する必要があります。媒体を増やせば増やすほど、多くの費用が必要になるのです。

たとえば、Instagramで多くの「いいね!」を集めていたUGCをコピーライティングに使用すれば、一からコピーを考える手間やコストが削減できます。

UGCを有効利用することで、コンテンツ制作にかかるコストや時間の削減につながるのです。

5.客観的な視点を得られる

UGCから、企業内部の担当者では気付けない商品・サービスの魅力を知ることができます。ユーザーが商品をどう捉えているか、どのような言葉で魅力を表せばターゲットに響くのかといった学びをUGCから得ることもできるでしょう。

UGCは、商品の企画開発やマーケティング施策検討のヒントになる可能性があります。

6.プロモーションに役立てられる

UGCを上手く利用すれば、商品・サービスのプロモーションに役立てることが可能です。

UGCはユーザーに共感・信頼されやすく、SNSで拡散されやすい傾向があります。UGCから新たなUGCが生まれるといった好循環ができ、広告費をかけずに大規模なプロモーションができる可能性があります。

UGCを活用する際の注意点

UGCを企業のマーケティングに活用する場合には、以下の点に注意する必要があります。

注意しなければいけないポイントを把握したうえで、UGCを有効活用しましょう。

1.ステルスマーケティング対策

UGCを使用したマーケティングは、ステルスマーケティングにならないよう配慮して行う必要があります。

ステルスマーケティングとは、企業から金銭などの対価が支払われているにも関わらず、インフルエンサーなどが宣伝であることを隠し、商品・サービスをPRする行為を指します。

2023年10月1日には景品表示法が改正され、以前よりもステルスマーケティングに対する規制が厳しくなりました*2

ステルスマーケティングにならないよう、企業とモニターやインフルエンサーの関係性を明示(「広告」「宣伝」「PR」などを明記)するといった配慮が必要です。

2.著作権侵害

UGCを広告などで使用する際は、著作権侵害にならないよう配慮が必要です。原則として、UGCの著作権は作成したユーザーにあります。そのため、自社の商品・サービスに関する内容だったとしても、ユーザーが投稿したものを利用したい場合には、許可を取る必要があります。

許可を取らずにUGCを利用してしまうと、著作権侵害になるため注意しなければなりません。

3.薬機法の抵触

商品が健康食品や化粧品の場合、薬機法に抵触しないよう注意する必要があります。企業がUGCを広告などに使用すると、その時点で企業の表現物となります。もとがUGCだったとしても、薬機法の対象になるということです。

UGCを活用する場合は、薬機法に抵触しないかを確認しなければなりません。

UGCの活用方法

UGCをマーケティングに活用する際の方法を、具体的に紹介します。

1.UGCの収集

UGCの活用を考えるにあたって、まず現時点で投稿されているUGCを収集し分析するのがおすすめです。一定の期間でどのくらいの投稿があったか、どのような内容の投稿が多いかを見てみるのがよいでしょう。

UGCの数が少ない場合は人の手で集めることも可能ですが、数が多い場合はUGCの管理・運用に適したツールを利用すれば効率よく収集できます。

2.UGC収集の仕組みを構築する

UGCを多く収集するには、UGCが生まれやすい環境を構築することが大切です。たとえば、以下のような施策があります。

  • 商品を購入した人にメールでレビューを依頼する
  • 専用のハッシュタグを用意したSNS投稿キャンペーンを行う
  • UGCに対して企業からリポストする

SNSで専用のハッシュタグを用意すれば、ユーザーの投稿を促せるだけでなく、UGCを収集しやすくなるというメリットもあります。ユーザーが商品・サービスについて話題にしやすい環境を作ることが大切です。

3.目的に合ったUGCの活用

収集したUGCは、さまざまな方法で有効活用できます。たとえば、以下のような活用の方法があります。

  • 新規ユーザー獲得のために、UGCを広告のキャッチコピーにする
  • 商品の売上げ向上のために、UGCを参考に商品を改良する
  • コンバージョン率向上のために、ランディングページにUGCを掲載する

得たい効果に合わせて、活用方法を選択するのがおすすめです。

4.効果測定

UGCも運用型広告などと同様に、定量的に効果を測定・分析し、戦略的に運用することが大切です。「使用したUGCはターゲットに対して適切だったか」「どのUGCがどの成果につながったのか」などを分析します。

効果検証と改善を繰り返すことにより、UGCを利用した効率の良いマーケティングを行うことができるでしょう。

UGCを活用して効率的なマーケティング活動を実施しよう

消費者の購買プロセスが複雑化し、SNSが重要視される時代において、UGC活用はマーケティングに必要不可欠な施策の一つだと言えます。UGCはSNSで拡散されやすいため、上手く利用すれば商品・サービスを効率的にプロモーションすることが可能です。

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※出典
*1:総務省|令和5年版 情報通信白書|SNS|第2部 情報通信分野の現状と課題 第7節 ICTサービス及びコンテンツ・アプリケーションサービス市場の動向より

※参考
*2:消費者庁|令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。より

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ライター wami
企業でプロジェクトマネージャーとして働きながら、副業ライターとして活動中|ECサイトディレクター⇒UXデザイナー⇒プロジェクトマネージャー|主にIT系・Webマーケティング系・転職系の記事を執筆
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

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