顧客のニーズを把握し、売れる仕組みを構築するマーケティング。最近ではマーケティングにAIが活用されている場面が多くなってきています。しかしマーケティングにAIがどのように活用されているのか分からないという人もいるでしょう。
本記事では「マーケティングにAIを活用するメリット」「企業のAI活用事例」について解説していきます。AIを活用したマーケティングにどのようなものがあるのか気にになる人はぜひご覧ください。
マーケティングにAIを活用するメリット
マーケティングにAIを活用するメリットとして以下の4つがあります。
それぞれ見ていきましょう。
パーソナライズされた顧客体験
AIを活用することで、顧客一人一人の好みを分析し、顧客が欲しいと思うものを提案できるというメリットがあります。AIを活用しない場合、一人一人に合った商品を分析し、それぞれ提示するという作業は膨大な時間がかかるため、現実的に難しいでしょう。一方でAIにより、顧客の閲覧履歴や購入履歴などの情報からパーソナライズすることで、顧客が欲しいと思う商品・サービスをスムーズに提案できます。顧客に合った商品を提案できるようになることで、より顧客と企業の結びつきを強めることができます。
ターゲティング精度の向上
ターゲティングの精度を高められるのも、AIを活用するメリットとして挙げられます。たとえば、「商品を購入した年齢層」や「どのような嗜好を持った人が商品に興味をもっているのか」を詳しく分析したいと考えていたとします。AIを使えば膨大な量のデータを迅速にかつ正確に分析することができるため、ターゲットとなる人の特徴をより鮮明に捉えることが可能です。さらに分析したデータから新しいターゲットとなる人が判明し、商品・サービスの売上向上につながる場合もあります。
コンテンツの最適化
AIを活用してコンテンツの最適化を図る事も可能です。コンテンツの最適化とは「顧客のニーズに合わせたコンテンツを作成する」ことをいいます。具体的には、ネットショッピングでおすすめ商品として表示したり、WebサイトやSNSなどで広告として表示したりといった形です。
AIは膨大なデータをもとに顧客の好みを把握するとともに、検索したものやトレンドを迅速に分析してくれます。Webサイト上でより顧客のニーズに合った表示をすることで、顧客の購買意欲を高めていくことができます。
予測分析
予測分析ができることもAI活用のメリットとして挙げられます。たとえば飲食店であれば、過去の売上実績や天気、周りの店舗情報などのデータをもとに、最適な食品の発注数を計算したり、店舗に配置する人数を決めたりすることが可能となります。このように事前にAIで分析することで食品ロスを防げたり、人件費を削減できたりといったメリットがあります。AIは膨大なデータから将来予想される状況をある程度導き出すことができるため、企業の成長の後押しに役立つといえるでしょう。
マーケティングにおいてAIが活用されている分野
マーケティングでAIが活用されている分野として以下の5つが挙げられます。
一つずつ見ていきましょう。
コンテンツマーケティング
ターゲット顧客に対して役立つ情報を提供することで最終的には商品・サービス購入へ導くコンテンツマーケティングにおいても、AIが活用されています。
コンテンツマーケティングにおけるAIの活用方法はさまざまですが、たとえばAIツールに搭載されたパーソナライゼーション機能やレコメンド機能を活用すれば、顧客の嗜好に合った最適なコンテンツを表示することが可能なため、結果的に商品購入へとつなげていくことができます。
ソーシャルメディアマーケティング
ソーシャルメディアマーケティングにもAIが活用されています。ソーシャルメディアマーケティングとは「SNSやYouTube、Webサイトなどのソーシャルメディアを活用したマーケティング」を指します。AIを活用することで、顧客それぞれの嗜好に合わせたパーソナライズ広告の作成ができます。広告により、、より顧客と企業の関係を強くすることができます。。
SEO
AIを活用する分野としてSEOも挙げられます。SEOとは「検索エンジン最適化」を意味し、Googleで検索した顧客に対し、対象のサイトが上位表示されるように最適化することをいいます。AIを活用することで、新たな検索の切り口を発見したり、競合他社の分析をしたりすることが可能となります。膨大なデータをもとに情報を盛り込んだり、制作にかかるリソースをを削減できたりすることもAIを活用するメリットといえるでしょう。
パーソナライズド広告
パーソナライズド広告にもAIがよく活用されています。パーソナライズド広告とは「顧客の検索履歴や属性などのデータをもとに顧客にとって最適な商品・サービスを提案する」ものです。顧客にとっては自分に合った商品やサービスに出会えるというメリットがあり、企業側にとっては自社商品・サービスの潜在的ターゲット層が明確になるというメリットがあります。さらに商品・サービスに興味のない顧客に対する広告費用を削減できるため、費用対効果が高くなることも考えられます。
マーケティングリサーチ
「マーケティングリサーチ」もAIを活用している分野の一つです。マーケティングリサーチとは顧客からのデータを集めて分析することにより、マーケティング活動における問題を解決に導く方法」です。インターネット調査やグループインタビューで得られた顧客のニーズをAIにより素早く属性別や地域別などの区分で細かく分析することができるため、現在の課題点を把握することが可能となります。商品・サービスの開発のみならず、自社の知名度や顧客満足度調査などでもAIが活用されています。
企業のAI活用事例
マーケティングにAIが活用されている事例として、以下の3つを紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
株式会社メルカリの「出品の簡便性」
フリマでおなじみのメルカリは「AI出品」機能*1を搭載しています。今までは商品を出品するためには商品説明の内容を自分で記入しなければいけないという手間があり、出品をするのに時間がかかっていました。
しかしAIが導入されたことで、出品情報の写真を1枚撮影するだけで製品名やブランド名、カテゴリなどを推定してくれ、商品に関する情報を入力する時間を短縮することが可能となりました。自分でものを売るのはハードルが高いという人でも、メルカリのAI出品機能で簡単に出品できるようになりました。
動画配信サービスNetflixの「各会員オリジナルコンテンツの表示」
動画配信サービスNetflixではAIによって会員の行動から分析されたデータをもとに、最適なコンテンツを提案しています*2。たとえば「どのコンテンツをどのくらいの速度で視聴したのか」「何時ごろ視聴したのか」「テレビまたはスマホから視聴したのか」「どのような作品を多く視聴しているのか」など細かな情報を収集し分析することで、パーソナライズされたオリジナルレコメンド機能を反映。会員が求めている動画をおすすめすることで、多くの顧客が動画を楽しめるような工夫をしています。
はるやま商事の「効率化された新しい接客」
紳士服チェーン店のはるやま商事は、服を着たまま自動で顧客のボディラインを検出できるデジタル採寸ツール「Bodygram」*3を採用しました。
店頭の端末でスタッフが撮影することで顧客のボディラインを自動で計測し、顧客それぞれにあった商品を提案できるようになりました。さらにこのAI導入によりスタッフの接客をより効率化することにもつなげることが可能となっています。収集したデータを商品開発に役立て、さらに顧客満足度をあげるきっかけとしても活躍しています。
AIを活用したマーケティング事例を確認して、実際にAIを利用してみましょう
今回は、AIが活用されているマーケティング分野や事例について解説しました。マーケティングにAIを活用することで「パーソナライズされた顧客体験」「ターゲティング精度の向上」「コンテンツの最適化」「予測分析」といったメリットが得られます。今後ますます利用されることが予想されるAIを今のうちに学んでおくとよいかもしれません。
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参考
*1 株式会社メルカリ「AI出品」 より
*2 株式会社日本経新聞社『Netflixの屋台骨「AIレコメンド」技術最前線 』より
*3 株式会社日本経済新聞社 はるやま商事、非接触採寸を可能にするAIテクノロジー搭載のスマホ採寸アプリ「Bodygram」を導入開始 より