人生100年時代といわれる現代。手に職をつけて、やりがいをもって働きたいと思う女性もいるのではないでしょうか。40代、50代、定年後など自分にとっての節目に応じて自分のやりたい仕事に挑戦し、セカンドキャリアを歩むための手段の1つとして資格取得があげられます。
この記事では「女性のセカンドキャリアにおすすめの資格」について紹介します。記事の後半では「資格を選ぶ際のポイント」や「資格選定時の注意点」についても説明しているので、セカンドキャリアに興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
女性のセカンドキャリアにおすすめの資格一覧
まずは女性のセカンドキャリアにおすすめの資格を一覧でまとめました。詳しい資格の内容は後ほど詳しく見ていきますが、女性におすすめの資格にはどのようなものがあるのか目を通してみてください。
資格名 | 概要 |
---|---|
情報処理技能者試験全般 | 情報処理技術者としての知識やスキルを証明できる |
ウェブデザイン技能検定 | ウェブデザインに関する知識や技術を証明する |
MOS | パソコンの操作スキルを証明する |
マーケティング検定 | マーケティングスキルを証明できる |
SNSエキスパート検定 | SNS活用の知識や技能を習得できる |
キャリアコンサルタント | 労働者の職業選択に関する相談に助言する |
ファイナンシャルプランナー | お金にまつわる知識を得られる |
中小企業診断士 | 中小企業に対して経営に関するアドバイスを行う |
社会保険労務士 | 社会保険や年金などの人材に関する法律をあつかう |
宅地建物取引士(宅建士) | 不動産取引に関する仕事を担う |
簿記 | 企業の帳簿記録や決算書作成が可能になる |
保育士 | 児童の保育及び児童の保護者の支援をする |
調理師 | レストランやホテルなどで料理を作る |
医療事務 | 病院やクリニックでの受付業務や会計業務を行う |
登録販売者 | 市販薬を適切に販売する |
介護福祉士 | 介護サービスの提供や利用者家族へのアドバイスを行う |
CAD利用技術者試験 | CADの知識や技能を評価する |
インテリアプランナー | インテリアに関する知識と技術を持っている |
食育実践プランナー | 食育の知識を伝える |
英検・TOEIC | 英語の日常会話からビジネスに関する問題まで幅広く出題される |
女性がセカンドキャリアに活かせる資格とは?
女性がセカンドキャリアに活かせる資格について、以下の3つの切り口から解説します。
それぞれ見ていきましょう。
そもそもセカンドキャリアとは
セカンドキャリアとは「第二の人生における新しい働き方や生き方」のことをいいます。セカンドキャリアの目的は40代、50代、定年後など年代によってさまざまです。
たとえば、広告代理店でデザインを作成している40代の女性を想定してみましょう。広告代理店で得た紙媒体のデザイン知識を活かし、今後はWebデザインのスキルを取得したいと考えていたとします。前職で得た知見を活かして、Webデザインのスキルを新たに習得することで、より幅広いデザインに関するキャリアを築く働き方を目指している、セカンドキャリアの事例です。現在の職業とは全く違うけれど、自分の好きなことを仕事にしてみるのもセカンドキャリアの選択の一つとして挙げられます。
女性はどんな業界・職業で活躍している?
女性がどんな業界・職業で働いているのかを厚生労働省のデータを基にみていきましょう。女性雇用者が多い産業別・職業別における上位3位のデータ*1は以下のとおりです。
産業別 | 職業別 |
---|---|
1.医療、福祉:669万人 | 1.事務事業者:822万人 |
2.卸売業、小売業:516万人 | 2.専門的・技術的職業従事者:567万人 |
3.製造業:297万人 | 3.サービス職業従事者:501万人 |
現状、業界としては医療福祉、宿泊、飲食、サービス業の女性比率が多く、職業別でみると医療従事者が最も多い結果となりました。セカンドキャリアの実現を目指す際は、これまでの経験と関連した資格取得やスキル習得を目指すのもおすすめだといえます。一方で、セカンドキャリアの理想の姿は人によってさまざまです。自分がどのような働き方や目標達成を目指すかなどに合わせて選ぶとよいでしょう。
自分に合った資格を見つけるには?
あくまでも参考として、セカンドキャリアの実現を目指す際はこれまでの経験と関連した資格取得やスキル習得を目指すこともおすすめです。たとえば医療系の国家資格があれば、ITスキルを新たに身につけることにより、強みを活かして医療分野で活躍するIT企業へのキャリアチェンジを実現できるかもしれません。これまでの経験を基準にして選択することも大切なポイントといえるでしょう。
一方でセカンドキャリアの理想の姿や、実現するための目的と方法などは人によってさまざまです。現代では性別や年齢、結婚・子育てなどのライフステージの変化により、職業の選択が制限されるような状況ではなくなりつつあったり、知識や技術を学びやすい環境が増えたりしています。
キャリアを広げる可能性はたくさんあることを念頭に置きましょう。まずは「自分がどのような働き方や目的達成を目指して資格を取得するのか」を明確にし、設定した目標とやるべきことに合わせて選択することが重要です。
女性のセカンドキャリアにおすすめのIT・Web系の資格
セカンドキャリアにおいて在宅ワークに挑戦したい人におすすめのIT・Web系の資格は以下の5つです。
一つずつ解説していきます。
情報処理技術者試験全般
情報処理技術者試験は、情報処理技術者としての知識やスキルを証明できる国家試験です。独立法人 情報処理推進機構(IPA)が主催しており、試験は13種類、難易度のレベルは1~4までの4段階に区分されています。情報処理技術の原理や基礎から実践的なことに関するまで幅広く出題され、ITに関係する人であればいずれかは取得しておいてほしい資格です。
ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、ウェブデザインに関する知識や技術があることを証明できる国家検定です。1級から3級まで試験があり、級が上がるにつれて難しくなります。この資格を取得することで「ウェブデザイン技能士」としての肩書を得られるでしょう。
Webデザイナーになりたい女性に人気の資格の1つです。実際に厚生労働省の「 job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)」によると、Webデザイナーの職業は比較的女性が多いとされています*2。また試験勉強を通じてWebサイトやデザインに関する知識や能力を習得できるでしょう。
MOS(マイクロオフィススペシャリスト)
MOS(マイクロオフィススペシャリスト)はWord・Excel・PowerPointなどの操作スキルを証明できる男女・年齢問わずおすすめの国際資格です。ビジネスで活用できる実践的な技術が身につくため、幅広い職種で有利に働きます。受験資格が特に定められておらず、自分の好きな日時に好きな試験会場を選択して受験できます。
マーケティング検定
マーケティング検定は、マーケティングスキルを証明できる民間検定です。試験は1級から3級までの3種類で、級を追うごとに難しくなります。マーケティングに関する基礎知識を問うものから、応用力・実践力まで測る問題まで出題され、1級になるとマーケティングリーダーとして活躍できる道も見えてきます。
SNSエキスパート検定
「SNSエキスパート検定」はSNS活用の知識やスキルを習得できる検定です。検定は「初級」と「上級」の2種類があり、初級ではSNS活用の考え方や注意点といった基礎知識を学べます。「上級」になると基礎に加え、実際のSNS運用方法や広告配信に関する認識の仕方などより実践的な技能を習得できます。
女性のセカンドキャリアにおすすめの国家資格
40代、50代の女性の中には独立志向がある人もいるのではないでしょうか。独立を視野に入れた際、セカンドキャリアにおいて、手に職がつきやすい国家資格は以下の5つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントとは、労働者の職業選択に関する相談に対して助言や指導を行う仕事です。労働者自身の適性や能力といった自己理解を促し、自分に合った仕事を見つけていけるようにサポートしていきます。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、人生の夢や目標を実現させるために経済的な側面から相談者をサポートしていく役割を担っています。金融税制や不動産、年金に至るまで幅広い金融知識が必要となります。
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業に対して経営に関する診断やアドバイスを行うことで、企業が成長していくのをサポートしていく仕事です。資格を取得することで経営に関する専門知識を豊富に得られます。
社会保険労務士
社会保険労務士とは、社会保険や年金、労働関連などの人材に関する法律をあつかっている専門家です。企業が雇用を適切に管理できるよう手助けしたり、年金や保険に関する書類の作成をしたりと、人に関するサポートを行っています。
宅地建物取引士(宅建士)
宅建士は不動産取引の専門家を指します。不動産取引は高額のケースが多く、専門知識のないお客様が損害を被ったりしないよう、土地や建物の契約に関する重要事項を説明する役割を担っています。
女性がセカンドキャリアで活かせる資格やスキル
続いて女性がセカンドキャリアで活かせる資格やスキルについて見ていきましょう。
これから取得する選択もありますが、すでに資格を取得している方はセカンドキャリアで活きる可能性があります。たとえば、簿記の資格があり実務経験があれば、会計・経理に関するWebライティングの案件を探す際の強みとなるでしょう。またTOEICを独学で勉強し、高得点を得られた場合は効率的かつ効果的な勉強方法について発信できる知識やノウハウが蓄積されているはずです。自分の現状を分析し、強みを明確にすることが大切です。それでは早速、資格の中身について解説していきます。
簿記
簿記には、「日商」「全経」「全商」などの種類の資格があります。簿記は「お金などの出入りをするための方法」を指し、会計スキルを証明できます。取引内容を記録し、会計期間ごとに決算書を作成することで、企業の財務状況やキャッシュフローを把握できる基礎知識を身につけられるでしょう。
保育士
保育士とは児童を保育したり、児童の保護者を支援したりするための資格です。保育士としての経験があれば、子どもと保護者とのコミュニケーションを活かし、イベント企画・運営、ボランティアなどの活動を行うような仕事に役立てられます。
調理師
調理師は、調理方法や食材の栄養といった食と料理に関する専門知識や技術を身につけられます。セカンドキャリアとしては、SNSでの料理に関する技術や知識の発信、飲食店向けのコンサルタント、独立などの選択肢があげられるでしょう。
医療事務
医療事務は病院やクリニックでの受付業務や会計業務を担うための資格です。医療事務系の資格は「医療事務検定試験」や「維持コンピューター技能検定試験」といったさまざまな試験があります。
登録販売者
登録販売者とは、市販薬販売の際にお客様の症状に合わせた医薬品を提案したり、使用上の注意点を説明したりする仕事を担っています。全国のドラッグストアや薬局などで働くことができ、ニーズの高い資格です。
介護福祉士
介護福祉士とは国家資格で、介護に関する知識やスキルを身につけていることを証明できます。日常生活を送ることが難しくなった利用者に対する介護サービスの提供や利用者家族へのアドバイスを行うことで、利用者が自分らしい人生を送れるようにサポートします。
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験とは、CADの知識や技能を評価する試験です。CADは建築や土木、アパレルメーカーなど、ものづくりの幅広い分野で活用されています。資格を取得してCADのスキルを磨くことで、自己PRとして活用できます。
インテリアプランナー
インテリアプランナーとはインテリアに関する知識と技術を持っている専門家で、インテリアに関する企画やデザイン、マネージメントまで担います。建設会社やインテリアデザイン事務所などに所属し、インテリアを通じて生活環境の向上を目指していきます。
食育実践プランナー
食育実践プランナーとは、食育の知識を伝える食のスペシャリストです。食事作りや食材の選定に関する知識だけでなく、食文化や食の安全性について学ぶことで、正しい食に関する知識が得られます。
英検・TOEIC
英検・TOEICは有名な英語検定で、英語の日常会話からビジネスに関する問題まで幅広く出題されます。どちらも英語の読解力やリスニング力がどのくらい備わっているのかを示すことができ、英語を使った仕事をしたい人は受けておきたい試験です。
女性がセカンドキャリアのために資格を選ぶ際のポイント
女性がセカンドキャリアのために資格を選ぶ時のポイントが2つあります。
- 求めるスキルやマインドセットを明確にする
- ライフプランと合わせてキャリアを考える
それぞれ詳しく解説していきます。
求めるスキルやマインドセットを明確にする
セカンドキャリアを歩んでいくうえで、「自分に必要なスキルが何か」「どのような目的や想いがあるのか」を明確にしておくことは大切です。ただ目標を立てるだけでは、自分の理想とする人生に近づくことはできません。
セカンドキャリアを成功に導くために、「自分に足りていないスキルをいつまでに習得するべきか」具体的に道筋をたてておくことが必要です。また自分がどうしてこの道に進んだのかというはっきりした目的や考えを持っておくと、セカンドキャリア成功への大きなパワーになるでしょう。
ライフプランと合わせてキャリアを考える
ライフプランを立てることで、自分のキャリアに与える影響を加味することも重要です。40代、50代、定年後など、自分がどのようなキャリアを歩んでいきたいのかを考えていきましょう。ライフプランを入念に立てたとしても、変化することは女性に限らず起こり得るものですが、おおよその理想とする未来を実現するためにも重要な取り組みですキャリアに対して不安を感じる人も多いのではないでしょうか。自分の理想のキャリアに近づくために、ライフプランを考えるのがよいでしょう。
セカンドキャリアのために資格取得を目指す際の注意点は?
セカンドキャリアのために資格を取得する際、注意しておきたい点が2つあります。
- 教育訓練給付制度なども活用する
- 早めに計画を立てて行動する
それぞれ見ていきましょう。
教育訓練給付制度なども活用する
教育訓練給付制度とは働いている人のキャリア形成を支援するための制度で、「一般教育訓練給付金」「専門実践教育訓練給付金」「特定一般教育訓練給付金」の3種類があります。厚生労働省が指定する講座を受講し、講座を修了した際に費用の一部が支払われます。この制度のほかにも、企業によっては資格取得費用を補助してくれるところがあります。
新しい仕事に取り組んでみたい人やキャリアアップを目指したい人は、金銭的にサポートしてくれる制度を活用してみるとよいでしょう。
早めに計画を立てて行動する
セカンドキャリアで理想のキャリアを歩むためには、早めに計画を立てて行動することが大切です。自分の理想とする働き方をしたいと思っていても、現在の会社を退職しなければいけない場合はなかなか踏み出せない人もいるかもしれません。
次のステップへと進むために早く計画を立て、いつまでにどのような状況にするという目標を立てて行動しましょう。退職する際にはお世話になった会社にスムーズに引継ぎなどを行えるように準備しておくことも大切です。
女性が理想のセカンドキャリアを見つけるには?
女性が理想のセカンドキャリアを見つけるために意識したいことは「理想のライフプランを具体的に思い描くこと」です。たとえば現在は正社員として働いているけれど、旅をしながら自由に仕事をしたいという理想を持っているとします。
理想の暮らしを叶えるために自分がどんな職種が向いているのか、いつごろまでに達成したいのかを具体的に考えてみましょう。この理想を持つことが自分のセカンドキャリアを見つけていくうえで重要な鍵になりますし、なりたい自分へ一歩踏み出すきっかけにもなります。
セカンドキャリアの具体的な見つけ方や事例については以下の記事で解説しています。気になる方はぜひお読みください。
女性のセカンドキャリアにおすすめの資格を確認して、自分の理想のキャリアへ向けて一歩踏み出そう!
今回は「女性のセカンドキャリアにおすすめの資格」を紹介しました。資格を選ぶ際には「求めるスキルとマインドセットを明確にすること」「ライフプランと合わせてキャリアを考えること」が大切です。セカンドキャリアは何歳でもチャレンジできます。自分に合ったセカンドキャリアを見つけることで、人生の選択肢を広げてみましょう。
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<出典>
*1:厚生労働省「働く女性の状況Ⅰ令和4年の働く女性の状況」p14、15より
*2:厚生労働省「Webデザイナー – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」より