みなさんは、情報セキュリティマネジメント試験についてどのくらい知っていますか。インターネットが普及した現代では、ネット上の悪質なサイバー攻撃を受けるリスクがあります。
攻撃のやり口も複雑化や巧妙な手段が多く、情報のセキュリティ管理を行える人材への注目が高まっています。
情報セキュリティマネジメント試験とは、情報セキュリティを管理するための基礎知識があるかを認定する国家資格の試験です。この記事では、情報セキュリティマネジメント試験の難易度について詳しく解説します。
情報セキュリティマネジメントの難易度
情報セキュリティマネジメント試験に興味がある人は、合格率や合格点、どのくらいの勉強時間が必要なのかといった点が気になるのではないでしょうか。それぞれについてみていきましょう。
なお、情報セキュリティマネジメントの試験内容については、こちらの記事もご覧下さい。
合格率と合格点
情報セキュリティマネジメント試験の合格率は50%〜70%台*1と、試験を管轄しているIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が統計を出しています。この合格率だと受験者の半数以上が合格していることになります。
合格点は、情報セキュリティマネジメント試験は科目A試験と科目B試験が行われ、この2つの科目の合計点1,000点満点中の600点です。
ここで一般の試験と少し異なる点があり、情報セキュリティマネジメント試験は試験の難易度と受験者の能力を分けて考える項目応答理論が採用されています。試験結果から評価点が計算されて評価点で600点以上をとると合格です*2。
必要な勉強時間の目安
情報セキュリティマネジメント試験に向けての必要な勉強時間は、目安として200時間です。しかしITの基礎知識を持っているかや、情報セキュリティマネジメント試験の勉強項目と同じ分野の資格を所有しているかなどによって、必要な勉強時間も大きく変わります。
自分が持っている知識や資格を考慮して勉強の目安時間を考え、スケジュールを立てていくといいでしょう。
他の情報処理技術者試験の難易度を合格率で比較
情報セキュリティマネジメント試験を含めた、他のいくつかの情報処理技術者試験の難易度を合格率で比較しました。合格率は令和5年度の試験の結果をIPAが発表している数値です。*3
他の試験の合格率と比べると情報セキュリティマネジメント試験は合格率が高く、比較的取得しやすいものと思われます。
試験 | およその合格率 |
---|---|
情報セキュリティマネジメント試験 | 70% |
ITパスポート試験 | 50% |
基本情報技術者試験 | 40%~60% |
応用情報技術者試験 | 27% |
ITストラテジスト試験 | 15% |
情報処理技術者試験の情報について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
情報セキュリティマネジメント試験の出題内容
IPAが発表している情報セキュリティマネジメント試験の出題内容は以下のとおりです*4。
- 科目A:情報セキュリティへの考え方、情報セキュリティ管理の実践や各種対策、情報セキュリティ関連の法規に加えて関連分野であるネットワーク・経営管理・システム監査等の知識。
- 科目B:情報資産管理、リスクアセスメント、情報セキュリティ教育と訓練、IT利用の際の情報セキュリティ確保などといったケーススタディ(事例研究)から出題され、より実践的な試験内容。
人にとって効果的な勉強方法は異なりますが、自分の苦手分野をあらかじめ明確にし、知識をインプットする優先順位を決めておきましょう。
情報セキュリティマネジメント試験は意味ない?
情報セキュリティマネジメント試験を取ってもあまり意味がない、企業からの評価が低いといった意見がみられます。情報処理技術者試験の中では合格率も高く、敷居が低いと思われがちな資格ですが、実際のところはどうなのでしょうか。
情報セキュリティの知識はすべての人に必要とされている
ネット環境が目覚ましく普及した現代では、情報セキュリティの知識はすべての人に必要とされるでしょう。IPAによると、情報セキュリティマネジメント試験の受験がおすすめの人として以下を例にあげています。
- 業務で個人情報を取り扱う全ての方
- 業務部門・管理部門で情報管理を担当する全ての方
- 外部委託先に対する情報セキュリティ評価・確認を行う全ての方
- 情報セキュリティ管理の知識・スキルを身に付けたい全ての方
- iパス(ITパスポート試験)合格から、さらにステップアップしたい全ての方
引用:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「情報セキュリティマネジメント試験とは | 試験情報」より
情報セキュリティの知識を持っていれば、普段からネット上での安全に情報管理することに役立ちます。業務で個人情報を扱う際などにも基礎知識があるだけでも安心です。
上位資格の情報処理安全確保支援士を目指すこともおすすめ
情報セキュリティマネジメント試験に合格して、資格を得た後に上位資格である情報処理安全確保支援士の資格獲得を目指すのもいいでしょう。
情報処理安全確保支援士の仕事内容は情報セキュリティマネジメント資格保有者が行う業務にとても似ています。情報のセキュリティ管理、セキュリティの確保、問題が起きた場合の対応などです。
上位資格を持つことでビジネス面での評価や自分の自信にもつながるため、とてもおすすめです。
情報セキュリティマネジメント試験の勉強方法
情報セキュリティマネジメント試験の勉強方法を大まかに分けて詳しく紹介します。
参考書、過去問、アプリの3点を紹介するので、自分に合う勉強方法を見つける際の参考にして下さい。
参考書で知識をインプットする
「参考書の内容を理解して、問題を解いて間違えた場所を確認する」といった一連の動作がどんな勉強においても知識を吸収する上でとても大切な事です。
情報セキュリティマネジメント試験の勉強でも参考書を1冊選びから、読んで設問を解き、答えを理解するまでの流れを習慣化し、こつこつと地道に知識を身につけましょう。
過去問を解く
過去に出題された問題を何度も解きましょう。何度も繰り返し過去問を解きながら勉強することで、頻繁に出題される問題の傾向が自分なりに分かってきたり、本番の試験の出題形式に自然と慣れたりします。
年度によって傾向は変更される可能性もありますが、実際の試験の過去問を解くことは非常に重要なのです。特に科目Bでは科目Aと比べると問題の読解力が必要なケースが多いため、出題された問題で思考力を鍛えておくことがおすすめです。
さらに、情報セキュリティマネジメント試験と比較して難易度の低いといわれる情報処理技術者試験の問題の過去問を解くのもよいでしょう。ITに関する基礎知識の土台作りにピッタリです。
アプリを活用する
ITの基礎知識をすでに理解している人におすすめなのが、アプリを活用して問題を解く勉強方法です。無料で使用できるアプリは多くが問題をひたすらこなせるので、基礎知識を持っている上でプラスの勉強方法として利用するのがいいでしょう。
通勤通学の隙間時間などの空いた時間にもすぐに取り出して勉強できる手軽さもアプリの利点です。
独学での取得におすすめのIT資格
情報セキュリティマネジメント試験以外にもIT資格は数多くあります。独学でも比較的取得しやすい3つのIT資格を紹介します。
それぞれ順に解説します。
ITパスポート
ITの基礎知識を所有している証明になる国家資格です。多くのIT系資格の入門試験とも言われており、そのくらいITの基本的な知識を確認する問題が多いです。独学でも基礎を理解できれば合格しやすいおすすめのIT資格です。
基本情報技術者
ITエンジニアを目指す人に人気のある国家資格です。基本情報技術者資格も基礎知識や技能が必要な資格ですので、独学での取得に向いています。
マイクロソフトオフィススペシャリスト
Office製品であるExcelやPowerPoint、Wordを正確に取り扱うことができる証明をする資格です。IT業界ではOffice製品は日常的に使うものですので、この資格を取る過程で培った技術によりパソコンでのスキルは上がります。
資格を持っていることで自分がOffice製品を上手く取り扱えるとの証明になるのでビジネス面での価値はとても高い資格です。
IT関連の資格については、こちらの記事も参考にしてください。
情報セキュリティマネジメントの資格をキャリアに活かそう
情報セキュリティマネジメント試験について難易度や合格率、勉強方法や他のIT資格について詳しく紹介しました。女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)ではITデータやシステムをに関する講座も多数行われています。
ITスキルをつけてキャリアアップにつなげたい方は、ぜひ一度自分が興味のあるレッスンを受けてみてください。興味がある方は、まずはこちらから無料体験レッスンを申し込みましょう。
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<出典>
*1:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「統計情報(情報セキュリティマネジメント試験)」1-2pより
*2:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「1.「情報処理技術者試験 新試験制度の手引」 - 高度 IT 人材への道標 - 」1-2pより
*3:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「統計情報(全試験区分)」より
*4:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「令和5年度 情報セキュリティマネジメント試験 科目 A・B 公開問題」より