就職活動をしていると、インターンシップという言葉を耳にすることがあるでしょう。しかし、以下のような疑問を抱く方はいるのではないでしょうか。
「インターンシップとは何?」
「インターンシップに参加するメリットは?」
そこで、本記事ではインターンシップの概要や参加するメリットを解説。また、インターンシップの探し方や参加するときの注意点も説明します。
インターンシップについて詳しく知りたい方やこれからインターンシップへの参加を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
インターンシップとは?
インターンシップとは、学生が社会に出る前に仕事を体験するための制度です。「就業体験」「就労体験」などともいわれており、参加することで企業の業務内容を理解できたり、雰囲気を肌で感じられたりします。また、自分のキャリアを考えるきっかけにもなるでしょう。
ちなみに、「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」はインターンシップの定義を変更しており、特定の要件を満たしていないプログラムはインターンシップとは呼べないようになりました*1。たとえば、以下のようなものは「オープン・カンパニー」「キャリア教育」という名称でインターンシップではないので、注意が必要です。
- オープン・カンパニー:主にイベントや説明会で、期間は超短期(単日)。就業体験はない。
- キャリア教育:企業がCSRとして実施するプログラムや、大学主導の授業・産学協働プログラム。就業体験は任意。
アルバイトとの違い
アルバイトとインターンシップの区別がつきにくいと感じる方もいるでしょう。しかし、それぞれの目的や内容は異なります。
アルバイトは、労働の対価として収入を得るのが主な目的です。一方で、インターンシップは仕事内容の理解や自分の適性の把握などを目的としています。
企業側から見ると、アルバイトは労働力の確保を目的として募集する場合が多いでしょう。それに対し、インターンシップは自社の魅力や仕事内容などを学生に知ってもらうために開催しているといえます。
インターンシップに参加する意味は?
インターンシップに参加する意味は、以下の3つが挙げられます。
- 業界研究に役立つ
- 職業体験になる
- 就活の際の体験談として使える
それぞれを詳しく説明します。
業界研究に役立つ
インターンシップに参加すると、業界研究ができます。会社説明会やセミナー、書籍などでも業界研究はできますが、実際に仕事の現場に身を置かないと分からないこともあるでしょう。
先入観やイメージだけで業界を決めると、就職したあとで「この業界は自分には合っていない」と感じたり、就職活動をやり直すことになったりするかもしれません。インターンシップを通じて業界について把握できれば、就職後のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。
職業体験になる
インターンシップへの参加は、職業体験になります。実際に業務に携わることで、職業を深く理解できたり自分に向いている仕事かどうかを判断できたりするでしょう。
また、インターンシップを通じてビジネスマナーや社会人としての常識などを学べるのもポイントです。たとえ短い期間でも企業の一員として働いた経験は、社会に出てから役立つといえます。
就活する際の体験談になる
インターンシップの経験は、就職活動をするうえで大きな武器になります。インターンシップで体験したことや学んだことを踏まえて自己PRや志望動機、入社後の目標・目的などを伝えられれば、説得力があり印象に残りやすい話ができるでしょう。
また、「営業同行をした際に取引先の人と話が弾んだ」「プレゼンの内容や話し方を褒められた」といったエピソードがあれば、面接官に「自社でも活躍してくれそう」と思ってもらえるかもしれません。インターンシップに参加することで、就活を有利に進めやすくなる場合もあります。
インターンシップに参加するメリットは?
インターンシップに参加するメリットは、以下の3つです。
- 自己分析ができる
- 社会人とコミュニケーションをとる機会を得られる
- ビジネスに必要なスキルが分かる
各メリットを詳しく説明します。
自己分析を深めることができる
1つ目のメリットは、インターンシップへの参加を通して自己分析ができることです。実際に業務に携わることで、自分の強みや弱み、適性、仕事に対する価値観などを把握できるでしょう。
たとえば、新商品や新サービスのアイデアを出すワークショップが得意だと感じたら、企画職の適性があると考えられます。多くの人と関わることに苦手意識を抱いた場合は、営業職よりもバックオフィスのほうが向いているでしょう。
インターンシップに参加することで、自己理解を深められるといえます。
社会人とのコミュニケーションに慣れることができる
社会人とコミュニケーションをとる機会を得られるのも、インターンシップに参加するメリットの1つです。普段の生活のなかで社会人と関わる機会が少ない方は、インターンシップに参加することで社会人とコミュニケーションをとる経験を積めます。
また、社会人との交流がきっかけで人脈が広がる場合もあるでしょう。インターンシップを通じて知り合った社員の方から、別の社員やOB・OGなどを紹介してもらえる可能性もあります。
ビジネスに必要なスキルを知ることができる
インターンシップに参加すると、ビジネスに必要なスキルを把握できます。社員の方が仕事をする様子を見たり実務を経験したりすることで、パソコンスキルやビジネスにおけるコミュニケーションスキル、ビジネスマナーなどを学ぶことが可能です。
インターンシップを通じてビジネススキルを身につければ、履歴書やエントリーシートが書きやすくなり、面接ではビジネスシーンにふさわしい話し方ができるでしょう。インターンシップに参加することで、自信を持って就職活動に臨めるようになるかもしれません。
【対象者別】インターンシップの特徴
続いて、対象者別にインターンシップの特徴を見てみましょう。今回は以下の3つに分けて紹介するので、当てはまるものをチェックしてみてください。
- 高校生向けインターンシップの特徴
- 大学生向けインターンシップの特徴
- 社会人向けインターンシップの特徴
それぞれを詳しく説明します。
高校生向けインターンシップ
インターンシップは大学生のみが対象だと思われる場合もありますが、高校生で参加できるインターンシップもあります。高校生向けインターンシップは基本的に大学生向けと同じで、仕事内容の把握やビジネスマナーの習得などが主な目的です。
高校生のインターンシップは、民間企業や自治体、大学などが実施しています。インターンシップに参加したい高校生の方は、進路指導の先生に相談したり、インターネットで高校生を対象としたインターンシップを検索したりしてみてください。
大学生向けインターンシップ
大学生向けインターンシップは、高校生向けと同様にさまざまな民間企業や自治体などが実施しています。インターンシップの内容はさまざまで、就業体験や講義、グループワークなどがあります。
就職活動を控えた大学3年生が参加するのが一般的ですが、大学生向けインターンシップは1年生からでも参加可能です。前述の通りインターンシップを通じて業務内容の理解や自分の適性の把握などができるため、ぜひ参加を検討してみてください。
社会人向けインターンシップ
社会人向けインターンシップとは、社会人が仕事を続けながらほかの企業で就業体験をすることです。参加するメリットは、「転職活動の準備ができる」「自分の市場価値を客観視できる」「人脈を広げられる可能性がある」などが挙げられます。
社会人が参加しやすいよう、終業後や週末に開催されるインターンシップもあります。将来的に転職を検討している方や自分の市場価値を知りたい方は、本業に支障をきたさない範囲で参加してみてもよいでしょう。
インターンシップの種類
インターンシップの種類は、以下の3つが挙げられます。
- 1dayインターンシップ
- 短期インターンシップ
- 長期インターンシップ
それぞれを詳しく説明します。
1dayインターンシップ
1dayインターンシップとは、名前の通り1日のみのインターンシップです。基本的には、業務内容の説明や社員の話を聞ける座談会、ワークショップなどが行われます。業界や企業についての理解を深めたい場合や、企業の雰囲気を知りたい場合などにおすすめです。
なお、前述の通りインターンシップの定義が変わったため、1dayインターンシップは「オープン・カンパニー」「1day仕事体験」などと呼ばれる点は押さえておいてください。
短期インターンシップ
短期インターンシップは、主に学校が長期休暇のときに実施されます。夏休みの場合は「サマーインターンシップ」、冬休みなら「ウィンターインターンシップ」のように呼ばれます。
インターンシップの期間は、短いと約1週間、長いと1か月ほどです。会社の業務内容の説明に加えて、就業体験やグループワークなども行われるといえます。
なお、短期インターンシップへの参加が選考につながる場合もあります。気になる企業がある場合は、その会社のインターンシップに参加することでチャンスが広がるかもしれません。
長期インターンシップ
長期インターンシップの期間に明確な決まりはありませんが、長いと1年以上に及ぶ場合もあります。学業と並行しながら参加できるよう、出勤日や勤務時間などは企業と相談して決めることになるでしょう。
長期インターンシップのなかには、給料が支給されるものもあります。給料をもらえてビジネススキルやビジネスマナーを習得できるのは大きなメリットだといえるかもしれません。
なお、長期インターンシップは短期インターンシップと同様に選考につながるケースもある点は押さえておいてください。インターンシップを通じて企業から「戦力になる人材だ」と思ってもらえれば、直接内定をもらえる可能性もあるでしょう。
インターンシップの探し方
インターンシップの探し方は、主に以下の3つが挙げられます。
- 就活サイトで探す
- 企業のホームページで探す
- 学校から紹介されているものから探す
それぞれを詳しく説明します。
就活サイトで探す
1つ目は、就活サイトで探す方法です。興味のある業界や職種で絞って検索して、自分に合った内容のインターンシップを見つけましょう。
なお、掲載されているインターンシップの数や種類は就活サイトによって異なる場合もあります。希望通りのインターンシップを見つけるために、複数の就活サイトを利用するのがおすすめです。
企業のホームページで探す
企業のホームページで探すのもおすすめです。就職したい会社がある場合は、その会社のホームページをチェックしてインターンシップを実施しているかどうか確認してみましょう。
見つからなかった場合は、同じ業界のインターンシップを就活サイトや他社のホームページなどで探してみてください。競合他社のインターンシップに参加して業務内容や社風などの違いを把握することで、業界研究や企業研究を深められるといえます。
学校からの紹介を通じて探す
学校が紹介しているインターンシップのなかから自分に合ったものを探す方法もあります。就職センターやキャリアセンターがインターンシップの情報を提供しているので、志望企業や志望業界のものがあるかチェックしてみてください。
学校が紹介しているインターンシップの数は、就活サイトと比べると少ない傾向にあります。しかし、インターンシップの選考を受ける際にエントリーシート作成のサポートや面接対策などをしてもらえる場合もあるでしょう。
インターンシップは報酬がある?
「インターンシップで報酬や給料は出る?」と思う方もいるでしょう。結論からいうと、報酬や給料が出るかどうかはインターンシップによります。
基本的に、1day仕事体験や短期インターンシップの場合は報酬や給料が出ないケースが多いでしょう。一方で、長期インターンシップなら時給制や日給制が導入されている可能性があります。
また、交通費や食費などが支払われるかどうかもインターンシップによって異なります。応募する前に、条件をしっかり確認することが大切です。
インターンシップに参加するときの注意点
最後に、インターンシップに参加するときの注意点を紹介します。以下の3点に気をつけて参加するようにしてください。
- 労働時間や報酬など、条件の妥当性を確認する
- 参加にかかる費用を確認しておく
- ビジネスシーンでのマナーをチェックしておく
それぞれの注意点を詳しく説明します。
労働時間や報酬などの条件の妥当性を確認する
報酬が出る長期インターンシップに参加する予定の方は、労働時間や給料などの条件を事前に確認しておきましょう。学業に支障をきたすほど労働時間が長かったり、給料が業務内容に見合っていなかったりするインターンシップもあると考えられます。
インターンシップに応募する前に、業務内容や条件などにしっかり目を通すようにしてください。自分で判断するのが難しい場合は、就職センターやキャリアセンターなどに相談するとよいでしょう。
参加にかかる費用を確認しておく
インターンシップの参加にかかる費用を確認しておくことも大切です。交通費や食費などが支給されない場合は、自宅から会社までの交通費や1日あたりの昼食代などを把握したうえで参加するかどうか決めるのがよいでしょう。
特に、中期〜長期のインターンシップで交通費などが支給されないと、費用がかさんでしまいます。応募する前に、トータルでどのくらいの費用がかかるか計算してみてください。
ビジネスシーンでのマナーを確認しておく
インターンシップに参加する際は、ビジネスマナーをチェックしておきましょう。言葉遣いや電話での話し方、メールの書き方、あいさつの仕方などを入念に確認し、失礼にならないよう気をつける必要があります。
また、服装や髪型が適切かどうかも確認しておくことが大切です。インターンシップは遊びではないので、社会人としての自覚を持って清潔感のある身だしなみを意識しましょう。
インターンシップとは何かを理解して、参加してみよう
インターンシップとは、「就業体験」「就労体験」などともいわれるように、学生が社会に出る前に仕事を体験するための制度を指します。インターンシップに参加することで、企業の業務内容や社風を理解できたり、自分の適性が分かったりするでしょう。
インターンシップは報酬や給料が出ない場合もあるうえ費用もかかりますが、自己分析や企業研究ができ、就職活動を有利に進められる可能性もあります。本記事で紹介した探し方をチェックして、自分に合ったインターンシップを見つけてみてください。
ちなみに、社会に出てから役立つスキルを身につけたい方には、女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)がおすすめです。全40以上の豊富な職種スキルが定額・学び放題*で、Webデザインやライティング、マーケティングなどを学べるので、スキルを掛け合わせて身につけることでキャリアの選択肢を広げられるでしょう。また、ビジネスの基礎を学べる「ビジネスコース」やビジネスパーソンとして活躍するために必要なスキルの習得を目指せる「ビジネス中級コース」もあり、社会人になるための準備ができます。
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※出典
*1:採用と大学教育の未来に関する産学協議会「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」より