ライフスタイルや価値観が多様化している現代では、さまざまな商品やサービスが日々生み出されています。商品やサービスを市場で提供するなかでも、PMFについての考え方が非常に重要となります。
本記事では「PMFとは何か？」「PMFの重要性」「PMFを達成するための手順」まで解説していきます。PMFのことを詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
PMF（プロダクトマーケットフィット）とは？
PMF（Product Market Fit：プロダクトマーケットフィット）とは主に「提供するサービスや商品が顧客の満足度を満たし、適切な市場で展開されている状態」のことです。
定義はさまざまですが、PMFでは市場にあったサービスや商品を生み出すことが大切とされています。PMFが実現できていないとせっかく質が高い商品を作っても売れなかったり、顧客の満足度をあげたりすることが難しかったりします。
PSFとの違い
PMFを達成するためには、PSFが欠かせない考え方です。PSF（Problem Solution Fit：プロブレムソリューションフィット）とは、「顧客が抱える問題」と「自分が考えている顧客の問題の解決方法」の両者が一致している状態をいいます。
たとえばスキマバイトを募集するサービスでは、「スキマ時間でお金を稼ぐ方法はないのかな」と悩む求職者、「人手が足りない時間に手伝ってもらいたい」と考える企業の双方における課題と、そのサービスが提供する解決策がマッチしている状態といえるでしょう。
顧客の満足度を高めていくためには、顧客の問題とそれに対応する解決策を適切な市場で構築する必要があるといえます。
PMFの重要性
短期間で成長し、事業を安定させる必要があるスタートアップ企業などは特にPMFについて考える必要があるでしょう。PMFの重要性については以下の2点が挙げられます。
- 市場ニーズに応える製品開発が可能となる
- 持続可能な事業成長を実現できる
それぞれ見ていきましょう。
市場ニーズに応える製品開発が可能になる
PMFを達成することで、市場のニーズに適した商品やサービスを開発することが可能です。近年はライフスタイルの変化が著しく、顧客のニーズも多様化していることから、新しい市場も増えるでしょう。多様化が進む中、いち早く市場の変化を察知し、問題解決に向けた製品を開発するPMFが必要になります。
持続可能な事業成長を実現することができる
顧客のニーズに合った製品と適切な市場を見つけるPMFを達成すれば、長期の事業成長を目指すことが可能です。
市場調査を十分に行い、顧客のニーズを深く把握することで、顧客が満足する製品を提供できるようになり、評判が拡散されて事業成長を実現していくことができます。短期間に成長させるだけでなく、成長が持続できるような環境にしていくことができるでしょう。
PMFを実現するための手順
PMFを実現するためには以下の3つの手順を踏む必要があります。
- MVPを構築する
- 顧客にMVPを使ってもらい、評価と検証をする
- 改善を繰り返す
早速中身を見ていきましょう。
MVPを構築する
MVP（Minimum Viable Product）の構築とは、顧客が価値を感じる商品やサービスになっているのかを仮説検証を行うため、最小限のプロダクトを作り上げることを指します。このMVPを構築していくにあたり、目指すのがPMFの状態です。MVPがPMFを達成するために「商品・サービスが市場に適していること」「顧客が商品・サービスを満足していること」を常に考えながらMVPを作りましょう。
顧客にMVPを使ってもらい、評価と検証をする
実際に作り上げたMVPを顧客に使用してもらい、顧客の評価や成果を元にPMFの達成度合いを確認しましょう。MVPは最小限の商品やサービスのためコストがかかりづらく、かつ最小限の商品だけで顧客の満足度はどうなのか、自分たちが想定している市場は適切なのか検証していくことが可能です。MVPでの評価と検証をすることで、PMF達成への糸口を探していきましょう。
改善を繰り返す
MVPを利用した顧客からの評価をもとに改善策を見つけ出しましょう。改善は悪い評価の部分のみを抽出するのではなく、よいと評価された部分もさらによりよい商品やサービスとなるように変えていくことが大切です。
市場は常に変化していくため、今回MVPで得た評価を反映するのみではなく、絶えず顧客のニーズ・適切な市場を考えながら、PMF実現を目指しましょう。
PMFの検証方法
PMFの検証方法として以下の5つが挙げられます。
- PMFsurvey
- NPS
- リテンションカーブ
- エンゲージメント調査
- 口コミ調査
それぞれの内容とPMF達成基準も合わせて解説します。
PMFsurvey
PMFsurveyは非常にシンプルなアンケート形式で、顧客に「もしその商品やサービスが使えなくなったらどう思うか？」という質問を投げかけて「非常に残念」「やや残念」「残念ではない」「該当しない（利用していない）」の4つから回答してもらうという調査方法です。一般的に40％以上が「非常に残念」と回答すれば、顧客に価値を与えられており、適切な市場で展開されており、PMFが達成されています。
NPS
NPSはサービスに対してどのくらいポジティブな印象を持っているのかについて調査する方法で、「この商品やサービスをそのくらい家族や友人におすすめしたいか」という質問をして0〜10の11段階で評価してもらうものです。0はおすすめしたくない、10はぜひおすすめしたいという評価になっており、回答結果から以下の3つに分類されます。
- 0～6 批判者
- 7～8 中立者
- 9～10 推薦者
NPSの数値が高いほど、顧客に価値提供できており、PMFを達成できているといえるでしょう。
リテンションカーブ
リテンションカーブとはグラフとなっており、縦軸をリテンション率（ある一定の期間にわたり契約を継続した顧客の割合）、横をプロダクトリリースからの経過期間（商品やサービスを展開し始めたときからの経過期間）となっています。グラフが商品やサービスが始まってから横ばいになっていれば、PMFを達成している可能性が高くなっています。
もしPMFを達成できていない場合はカーブが急降下し、ユーザー数が少ない状態になっているといえます。
エンゲージメント調査
エンゲージメント調査とは、顧客が商品やサービスをどのくらい利用したかを調査し、契約数などのデータを集めます。
たとえば、あるサービスを展開したけれど既存の顧客の離脱率が多ければサービスを継続してもらうための解決策を導き出す必要がありますし、顧客の定着率がよくても新規顧客がなかなか集まらないようなら集客の方法を考える必要がある、といった具合です。顧客のニーズや市場展開で把握できていない部分を定量的に確認できます。
口コミ調査
口コミ調査は、実際に顧客が商品やサービスを購入した際の感想を調査していくことです。口コミ評価はサイトによって異なりますが、★5段階で評価されているものや1～10段階で評価されているものなどが存在しています。実際に利用した顧客の率直な生の声を反映したものであるため、リアルな顧客の思いを聞くことが可能です。忖度なく、顧客が商品やサービスに対して感じた感想を寄せてくれます。
口コミの評価が多く、評価点数が高ければ高いほどPMF達成度合いが分かります。
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PMFを活用することで、顧客の満足度を上げ、市場ニーズにこたえられる商品・サービス展開が可能となります。「MVPを構築する」「MVPを使って評価と検証をする」「改善を繰り返す」ことで、PMF達成を目指しましょう。
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