企業にとってオウンドメディアはビジネスを成長させるために重要なツールです。なかでもBtoBメディアの場合、業界や分野によっては独自ポジションの確立につながる可能性があります。一方でメディアは運営しているものの、「適切な運営方法がわからない…」と悩む方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、BtoBメディアの成功事例や運営ポイント、注意点などについて解説します。自社メディアの運営に頭を抱えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
なお下記の記事では、オウンドメディアの具体的な意味やメリットなどについて解説しています。オウンドメディアを活用する理由などが不明確な方は、ぜひ参考にしてください。
なぜBtoBオウンドメディアを運営するのか
企業事例を見る前に、オウンドメディアを運営する理由を確認しておきましょう。事業者によっても異なりますが、BtoBメディアを活用することには下記のメリットが存在します。
- 広告費を削減して集客ができる
- 見込み顧客のデータ収集が可能
- 自社ブランディングの成長につながる
順番に見ていきましょう。
広告費を削減して集客ができる
BtoBメディアを運営する一つに、広告費を削減して集客できることが挙げられます。なぜならSEO(検索エンジン最適化)で成果を出せると検索画面で上位表示され、多くのアクセスを期待できるからです。例えば検索ボリュームが多いキーワードで上位表示できると、月間数千以上のアクセス数が期待できます。
広告を活用して集客をする場合はコストが発生しますが、検索エンジンでの情報発信は基本的に広告費が発生しません。つまりSEOに尽力することで、広告費を削減して集客・認知拡大ができるのです。
見込み顧客のデータ収集が可能
自社メディアにアクセスしてくれるユーザー属性を分析すれば、見込み顧客の情報を収集できます。例えばGoogleアナリティクスで訪問者の年齢や居住地を確認すると、自社商品やサービスに興味のある消費者を理解できるでしょう。
LINE公式アカウントやメールマガジンなどへの無料登録をCTAとして設置することで、登録してくれたユーザーからより深い顧客データを入手することが可能です。発信するコンテンツに興味のあるユーザーを明確にすると、ビジネスを成長させるきっかけを掴めるでしょう。
自社ブランディングの成長につながる
オウンドメディアを継続的に運営することで多くのユーザーに企業が認知されます。そのためメディア内で発信するコンテンツやデザインが統一されていると、自社ブランドの認知拡大・成長につながるでしょう。
ユーザーの悩みを解決できる情報を発信すると、訪問者がファンになってくれることも期待できます。BtoBメディアを活用する際は作成するコンテンツや視覚的なデザインを工夫して、自社らしさを演出しましょう。
下記の記事ではオウンドメディアのデザイン事例について解説しています。「自社のメディアに適切なデザインの考え方がわからない…」と考えている方は、こちらの記事を参考にしてください。
BtoBオウンドメディアの成功事例7選
それではBtoBオウンドメディアの成功事例を紹介します。成功の定義は人によって異なりますが、ここで紹介するメディアの施策はオウンドメディア運営の参考になるでしょう。運営方法や発信内容などを実際に閲覧し、自社に適切な運営方針を見つけるヒントにしてください。
LANYブログ
LANYブログは、デジタルマーケティングに精通している「株式会社LANY」が運営するオウンドメディアです。SEOに特化した情報発信をしており、メディア運営をしている企業・個人から人気を集めています。記事内ではホワイトペーパーの配布もしており、メディア運営のノウハウを網羅できるでしょう。記事内ではメールマガジンの登録フォームを設置しています。
参考:LANYブログ
バズ部
バズ部はWebマーケティングに特化したオウンドメディアです。運営している「株式会社ルーシー」はSEOやコンテンツマーケティングに長けた企業であり、情報の質が高いことで人気があります。オウンドメディアの設計方法やコンテンツの作成方法などを発信しており、本格的なメディア運営をしたい方におすすめです。メールマガジンではセミナー情報の発信を行っています。
参考:バズ部
LIG
「株式会社LIG」が運営する「LIG」もBtoB向けオウンドメディアの一つです。読みやすくSさまざまなコンテンツが作成されています。DXや最新テクノロジーに関する情報も発信しており、ビジネスにのトレンドに敏感な方にもおすすめといえるでしょう。自社ブランドを記憶してもらうためのデザインにも、メディアのこだわりを感じます。
参考:LIG
AIsmiley
AIsmileyは「株式会社アイスマイリー」が運営する、AIテクノロジーに特化したオウンドメディアです。テクノロジーの最新ニュースや業態・業種別のAI導入活用事例などを紹介しており、AIの使い方を悩む企業向けにコンテンツが作成されています。お役立ち資料も多数配布しているため、AIの活用方法に悩む企業には役立つメディアといえるでしょう。無料相談もできることから、自社サービスに興味のあるユーザーとコミュニケーションをとっていることも特徴です。
参考:AIsmiley
Inside Out
「リクルートホールディングス」が運営するInside Outは、自社の取り組みを世界中のステークホルダーに発信するなどを目的としたオウンドメディアです。コーポレートサイトからの流入が多く、企業の活動を認知してもらうことを目的として考えられます。ステークホルダーを対象にしているため、自社ブランドや会社の思いなどを理解してもらうためのコンテンツに特化していることが特徴です。
参考:Inside Out
経営ハッカー
経営ハッカーは、「freee株式会社」が運営するオウンドメディアです。中小企業や個人事業主を対象にしたメディアであり、会社の設立方法や財務・経理、経営戦略などの専門的な情報を発信しています。検索ボリュームの大きいキーワードで上位表示している記事も見られます。検索順位が高ければ、提供している会計ソフトの認知拡大にも寄与していると考えられます。
参考:経営ハッカー
Adobe Experience Cloud Blog
「アドビ株式会社」が運営するAdobe Experience Cloud Blogは、Webマーケティングやビジネス戦略の情報を発信しているオウンドメディアです。データ解析に役立つ「Adobe Analytics」などのビジネスツールの認知拡大も実施しており、ツールを導入した活用事例が紹介されていることも印象的です。海外ビジネスの情報も発信しているため、Webマーケティングに力を入れたい企業にとって優良なメディアといえるでしょう。
参考:Adobe Experience Cloud Blog
事例から学ぶBtoBオウンドメディアの運用ポイント
ここからは事例を参考にして、BtoBオウンドメディアの運用ポイントを考えていきましょう。
- SEOに精通している
- 明確なターゲット設定
- 質の高い情報発信
上記の項目を意識して、自社に合った運営方法を考えてみてください。
SEOに精通している
成果を挙げている多くのオウンドメディアは、SEOに精通していることがわかります。例えばメディア制作を行っている会社では「seo対策」や「検索エンジン」などの月間検索数が多いキーワードで上位表示している企業もいます。
SEOで結果を出せると、広告費をかけず自社商品・サービスに興味のあるユーザーに認知してもらうことが可能です。BtoBオウンドメディアを運営する際は、SEO対策にも力を入れてみましょう。
明確なターゲットを設定する
明確なターゲット設定をすることで、配信するコンテンツが明確になります。そのためオウンドメディアを活用する運営する際は、「誰に・どのような情報を届けたいか」を具体的にしておきましょう。
例えば「経営ハッカー」は経理や財務、起業方法などについてのコンテンツが多いため、中小企業や法人成りを目指している個人事業主がターゲットになっているなどの推測ができるでしょう。ターゲットが求める情報を配信することでユーザーの平均滞在時間が伸び、SEO効果が高まることも期待できます。
質の高い情報を発信する
BtoBオウンドメディアで成果を出すには、競合に負けないコンテンツを発信することが大切になります。なぜなら普遍的な情報では、運営するメディアに興味をもつ必要がないからです。
例えばLANYブログではメールマガジンだけではなく、自社ソリューションを活用したホワイトペーパーを配布しています。Inside Outはステークホルダーに自社の活動を伝えるため、実際の写真を使用して信頼性の高い記事を作成していることがわかります。読者の潜在的な悩みを解決する方法を深掘りして、質の高い情報発信を意識してください。
BtoBオウンドメディアを運営する注意点
BtoBオウンドメディアを運営すれば広告費をかけずに集客できたり、自社ブランドを多くのユーザーに認知してもらったりできます。しかしオウンドメディア運営には下記の注意点も存在します。
- 即効性は期待できない
- 専門的なスキルが必要
- ランニングコストが発生する
上記の項目を意識したうえで、適切なメディア運営を行いましょう。
即効性は期待できない
オウンドメディアで成果を出すには一定の期間が必要になります。なぜなら検索エンジンで上位表示されるまでには時間がかかるからです。そのため、「今日コンテンツを投稿してすぐ成果がでる」などは期待できません。
オウンドメディアの多くは、SEOで評価された後に効果を実感することが一般的です。読者の悩みを解決できる記事を定期的に発信して、長期的な目線でメディアを運営しましょう。
専門的なスキルが求められる
検索エンジンでの上位表示や、コンテンツを見たユーザーにアクションを起こしてもらうには、専門的なスキルが必要です。具体的にはSEOに関するノウハウや、読者の心を動かすライティングスキルなどが挙げられます。
闇雲に記事を作成しても、期待している結果がでない可能性があります。オウンドメディアで適切な成果を出すためにも、必要なスキルはしっかりと理解することが大切です。
ランニングコストが発生する
オウンドメディアの運営には、ドメイン代やサーバー代などのランニングコストが発生します。また記事作成や画像作成を外注する場合は制作費も必要になるでしょう。したがってメディア運営を行う場合は、自社に適切な予算管理をすることが大切です。
ただしコンテンツの外注を抑えると記事作成に時間を取られ、自社リソースが不足する可能性があります。したがってオウンドメディアを安定して運営するためにも、節約だけを意識しないように注意しましょう。
BtoBオウンドメディアに関するよくある質問
最後に、BtoBオウンドメディアに関するよくある質問を紹介します。
オウンドメディアの作り方は?
企業や事業者によっても異なりますが、一般的には下記の通りです。
- サーバー契約
- ドメイン契約
- デザイン設定
- ターゲット設定
- ルール設計
- コンテンツ制作・配信
また下記の記事では、オウンドメディアの具体的な作り方や立ち上げ後の運用方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
BtoBとBtoCのどちらが良い?
自社商品やサービスによって異なります。例えばファッションや生活雑貨、消費者向けのサービスを提供する場合はBtoCが適切と考えられます。しかし対象顧客が企業やビジネスパーソンになるなら、BtoBメディアにするとよいでしょう。
BtoBオウンドメディアを運営してビジネスを成長させよう
BtoBオウンドメディアの運営は、自社ビジネスを成長させるきっかけの一つです。メディア運営で成果を出している企業事例を参考にして、自社に適切な運営方法を見つけてみましょう。
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