近年、コンテンツマーケティングを導入したいと考える企業が増え、実際に各社でさまざまな施策が行われています。
コンテンツマーケティングで高い効果を出すためには、戦略を立てて取り組むことが重要です。
今回は、コンテンツマーケティング戦略の立て方や手順、実行する際のポイントを解説します。事例も紹介しているので、コンテンツマーケティングの戦略立てをイメージしたい方はぜひ最後まで読んでください。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、自社のコンテンツ(ブログ、メルマガ、SNS、動画など)を通じ、ユーザーに価値のある情報を届けることによって、自社の認知度や信頼性を高めるマーケティング手法です。
コンテンツマーケティングでは、すでに自社に魅力を感じている人だけではなく、まだ自社の商品を知らない人や他社に興味を持っている人とのつながりも作ることがあります。結果的に、自社商品のファン獲得や売上拡大へつなげることを目的に、コンテンツを通して中長期的に顧客育成を行っていくのです。
よく混同されるワードとして「SEO」との違いも整理しておきましょう。SEOは「検索エンジン最適化」とも言われ、ワード検索した時に上位に表示させるための対策や手法を意味します。できるだけユーザーの目に触れやすい位置に表示させ、アクセス数増加を目的としています。
一方でコンテンツマーケティングは、価値のある情報を届けることでユーザーのアクションにつなげることを最終的な目的としています。
コンテンツマーケティングにおける戦略の重要性
コンテンツマーケティングを成功させるには、前もって戦略を立てることが重要だと言われています。なぜ、戦略を立てることが重要なのでしょうか。
中長期的な取り組みが求められる
コンテンツマーケティングはユーザーとの信頼関係を作る作業です。信頼や愛着は、一定の時間をかけてはじめて積み上げることができます。そのため、コンテンツマーケティングを成功させるためには中長期的な取り組みが必要になるのです。少なくとも数ヶ月、場合によっては年単位で継続するイメージを持つと良いでしょう。
そのため、具体的な戦略を立ててからスタートすることが重要になります。長い道のりになるので、ある程度の道筋を立てておくことや、迷った時に立ち返れるような軸を明確にしておくことが必要です。
注力すべきことが明確になる
いざコンテンツマーケティングを始めようとアイデアを考えると、あれもこれもとやりたいことがたくさん出てくるかもしれません。しかし、時間やお金、労力は有限です。
コンテンツマーケティングは、ユーザーに喜んでもらえる情報を届けて終わりではなく、売上やファン獲得などその先の成果につなげることが目的です。限られたコスト・リソース・資源の中で必要なことを行い、成果を出すためには「何に注力すべきか」を明確にしておく必要がありますよね。そのためにも戦略立てをする必要が出てくるのです。
高い費用対効果を得るためには、「やるべきこと」「やらないこと」を決めて取り組むことが重要になります。
一貫性のある発信につながる
発信する内容の自由度が高く、中長期的な取り組みとなるコンテンツマーケティングだからこそ、ブレない発信を心がける必要があります。
スタート時に戦略を立てておくことで、一貫性のある質の高いコンテンツを提供できるようになるでしょう。
一貫性のある発信を行うことで、届けたい相手により届きやすいアプローチにつながります。また、それが信頼関係の構築にもつながり、結果的に成果にもつながるのではないでしょうか。
コンテンツマーケティングの戦略の立て方
では、具体的にコンテンツマーケティングの戦略を立てるにはどのような流れで行えば良いのでしょうか。手順に沿って解説していきます。
- 課題とKGIを明確にする
- ペルソナを設計する
- カスタマージャーニーを設計する
- 発信するコンテンツを選ぶ
- 目標(KPI)を設定する
- コンテンツ制作の体制をつくる
- スケジュールを決める
1.課題とKGIを明確にする
適切な戦略を立てるためにも、はじめに現状分析を行うことが必要不可欠です。全体を通してのコンテンツの質にも影響するので、時間をかけて行うと良いでしょう。また、最終的な経営目標達成指数である「KGI」も明確にしておきましょう。最終的なゴールが明確になると、その後の戦略も立てやすくなります。
具体的には、自社が抱えている課題や強み・弱み、業界を通しての自社の立ち位置などを客観的に分析します。
2.ペルソナを設計する
続いて、コンテンツを届けたい相手であるペルソナを設計します。ペルソナとは、ターゲットよりも具体的に描いた届けたい人物像のことで、実在する1人の人間のような具体的な情報を想定して考えます。年齢や居住地、職業、家族構成、趣味や価値観などを細かく設定するイメージです。
コンテンツマーケティングは、ユーザーにとって有益な情報を届けるコンテンツを発信する必要があるため、ペルソナ設計を詳細に行うことは非常に重要です。届けたいユーザーの考えていることを深く理解し、本当に必要なものを届けられてはじめて信頼構築やファン獲得につながっていくためです。
3.カスタマージャーニーを設計する
設計したペルソナをもとに、カスタマージャーニーを設計します。カスタマージャーニーとは、顧客が商品を知ってから購入するまでの道のりを整理し可視化したものです。
具体的には、下記の各プロセスに沿って設計を行います。
- ニーズ・課題認識
- 商品認知
- 比較検討
- 購入・利用
購入に至るまでのユーザーの行動や思考、感情の変化を言語化し図に落とし込むことで、届けたい相手が何を求め、何をクリアすれば次の行動に移るのかを想像しやすくなります。
それぞれのフェーズで何を考えているのかを理解しておくと、ユーザーの行動を後押しするために何をすれば良いのか考えられるようになるでしょう。
4.発信するコンテンツを選ぶ
続いて、発信するコンテンツを検討します。ブログやメルマガ、SNS、動画、音声配信などさまざまなコンテンツや発信手法がありますが、届けたい内容や相手によって適切なコンテンツを選ぶようにしましょう。
ペルソナやカスタマージャーニーをもとに、届けたい相手はどのような行動を取るのか、どのフェーズにいるのかをイメージしてコンテンツを選定しましょう。
たとえば、すでに自社商品に興味を持っている相手に届けたいのであれば自社のWebサイトで発信すると良いかもしれません。一方で、まだ自社に興味を持っていない段階の人に届けたいのであればSNSでの発信を強化してまずは接点を作るなど、届ける相手によって効果的なコンテンツは異なります。
5.目標(KPI)を設定する
最終的な目的に向けて、正しい方向でコンテンツを運用できているのか進捗確認できるように、目標(KPI)を設定することも重要です。最初に定めたKGIを達成するために、いつまでに何を達成すれば良いのか、フェーズごとにKPIを定めていきましょう。
各フェーズのKPIを辿り、達成していくことで、最終的なコンテンツの目標であるKGIを達成できるイメージです。KPIの設定では、PV数や読了率、別ページへの送客数など、具体的な数字を用いて検討すると良いでしょう。
6.コンテンツ制作の体制をつくる
コンテンツの方針が決まり土台が固まると、いよいよ制作に移っていきます。目標に向けてスムーズに制作できるよう、制作体制を整えていきましょう。
チームでコンテンツを制作・運用する場合はスタッフのアサインや担当の割り振りも必要です。デザイナーやライターなど制作スタッフの選定や各業務の担当者の決定、その他コンテンツ制作に必要なリソースの確保を行います。
コンテンツマーケティングは中長期的な取り組みとなるため、持続的に制作を行えるような体制を整えてスタートするのが良さそうです。
7.スケジュールを決める
具体的なスケジュールを作成し、いよいよコンテンツ制作がスタートです。KPI・KGIをもとにコンテンツ全体の制作スケジュールを決定した上で、各業務・スタッフごとのスケジュールも決めていきます。
各業務ごとに担当を割り振り、「誰が・いつまでに・何を完成させるか」を具体的にしておきましょう。必要であればどの部分を外注するかなども検討し、レギュレーションも明確にしておくと制作に入ってからもスムーズに進められます。
決定したスケジュールや担当業務はあらかじめ表などにまとめ、制作が始まってからも管理しやすいようにしておきましょう。
コンテンツマーケティング戦略を実行する際のポイント
続いて、コンテンツマーケティングで成果を出すためのポイントを紹介していきます。実際に戦略を立てる際は、下記の3点を意識して考えると良さそうです。
徹底的にニーズを洗い出す
ユーザーにコンテンツの価値を感じてもらい信頼関係を築くためには、ユーザーにとって価値のある情報を届けることが何よりも大切です。そのために、ユーザーのニーズを徹底的に洗い出しましょう。
ニーズとはユーザーが「求めるもの」のことですが、これを徹底的に洗い出すにはユーザーがすでに自覚している「顕在ニーズ」だけではなく、ユーザー自身もまだ気がついていない「潜在ニーズ」まで深掘りすることが重要です。
「なぜ」を繰り返していくと、潜在ニーズに辿りつきます。たとえば「ジム」の場合、「運動をしたい」はユーザーも自覚している顕在ニーズです。そこから「なぜ」を繰り返すと、「運動をしたい」→「理想のスタイルになりたいから」→「服をおしゃれに着こなしたいから」と、潜在ニーズを想定することができます。
適切なコンバージョンポイントを設定する
コンバージョンとは、ユーザーがWebサイト上で自社が目標としているアクションを起こすことを言います。このコンバージョンに至った導線やタイミングのことをコンバージョンポイントと言います。
コンテンツの目的を達成できるような構成を検討し、適切な位置にコンバージョンポイントを設定しましょう。コンバージョンポイントは企業やコンテンツのターゲットによってさまざまですが、たとえば、資料請求や商品の購入ページへの誘導などが挙げられます。
ユーザーの感情の動きに沿ったコンバージョンポイントを設定できれば、コンバージョン率が上がり、KPI・KGIの達成へと近づくでしょう。
効果測定・改善を欠かさない
コンテンツを制作・運営して終わりではなく、定期的に効果測定を行い結果に応じて改善を繰り返すことでコンテンツをブラッシュアップできます。
配信したコンテンツへの反応をPV数や読了率などで測定したり、訪問者の性質を分析したりして次のアクションへのヒントを探していきます。
目標達成に向けて、効果が出ている部分と改善できそうな部分を分析していくことで、より良いコンテンツを目指すことができるでしょう。
コンテンツマーケティングの事例
最後に、コンテンツマーケティングの事例をご紹介します。ここまでで解説してきたポイントを意識し、コンテンツを読み込んでみると新たな発見があり面白いかもしれません。
独自の世界観でユーザーを惹きつける「北欧、暮らしの道具店」
株式会社クラシコムが運営する「北欧、暮らしの道具店」は、北欧系の日用雑貨やインテリアを販売するECサイトです。
商品を販売するだけでなく、コラムや動画などを通して、商品を手に取った先のストーリーを想像できるようなコンテンツを配信しており、その独自の世界観でユーザーを魅了しています。
Youtudeで配信しているWebドラマ「#青葉家のテーブル」なども人気を集めており、チャンネル登録者数は57万人を超えています。
世界観に共感したユーザーがコンテンツのファンとなり、自社商品の認知度向上や購入へとつながっていると考えられる、コンテンツマーケティングの成功事例です。
コンテンツマーケティングを行うには戦略立てが重要!
中長期的な取り組みとなるコンテンツマーケティングでは、しっかり戦略を立ててから走り出せるかどうかが重要なポイントにもなります。課題やニーズの洗い出し、ゴールやペルソナ設計などを根拠を持って行えるスキルが必要です。
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