「正社員でフルタイムで働くこと。それが一番ちゃんとしていて、安定している生き方だ」
学生の頃から、周りの大人にそう教わってきた。だから疑うこともなく、その道を選んだ。決まった時間に出勤して、決まった仕事をして、毎月同じように給料が入る。それが普通で、それが当たり前だと思っていた。
「当たり前」という呪縛に気づいた日
私が大学生の頃、世間は就職氷河期から抜け出せておらず、その影響で自分も就職活動に悩んでいた。特にやりたいこともなかった私は、一番はじめに内定をもらった介護の会社に就職を決める。
「私でも社会の役に立つかな」そんな、淡い気持ちからのスタートだった。
それから十年以上、今でも介護施設で働いている。「ご利用者や、介護に困った家族のために」と必死に仕事を学んで頑張ってきた。経験も積んで多少なりとも力をつけられたと思っている。
だが歳とともに「このまま同じように働き続けていていいんだろうか?」という疑問がむくむくと湧き出していた。
働き続けてもあがらない給料、苦手な人付き合い、年々増える体の不調…。将来のことを想像すると不安しかない。
でも介護一筋だから他にできることなんてないし、なにより正社員であることを手放すのは、安定とは真逆でリスクしかないと思い込んでいた。
人生を変える「きっかけ」との出会い
そんな悩みを抱え続けていたとき、たまたま見ていたSNSで女性向けキャリアスクール「SHElikes」と出会った。SHElikesでは、Webデザインやライティング、マーケティングといったスキルをすき間時間で学んだり、自分のキャリアについて相談したりできた。
「私でもできるようになるのか?」無料体験レッスンを受けて悩んだ末に、私は入会することを決めた。
なにが自分に向いているのかはっきりしたわけではない。それでも、今の状況を変えるための「きっかけ」がどうしても欲しかったのだ。
そんな心配をよそに、入会直後のオリエンテーションやキャリアカウンセリングに出ることで、私は少しずつSHElikesでの学習に慣れていった。どんどん先へ進むにつれ、新しい趣味ややりたいことができて、パソコンに向かう時間が少しずつ増えていく。
やりたいことを仕事にすること。それはセンスのある人や選ばれた人にしかできないと思っていた。でもSHElikesで同じように学ぶ人たちの姿をみて、自分の働き方は自分で選んでいい、理想をあきらめる必要はないと気づかされた。
私でもクリエイティブな働き方ができる。そんな夢が実現するかもしれない。淡い期待が生まれ始めていた。
働き方を変えたことで、心と体に吹いた風
SHElikesでは講座を受講したあとに実践する機会も設けられている。私はライティングの制作課題をするために、転職して働き方を変えることを選んだ。
一番大きな変化は夜勤を辞めたこと。
夜間働いていた頃は、不規則な生活のせいで体だけでなく精神的にも疲れ、常になにかにイライラしていた。とてもじゃないが、課題に取り組めるような状態ではなかった。
仕事を日勤のみに絞る。ただそれだけで、仕事や勉強への向き合い方が驚くほど前向きになった。
帰宅してゴロゴロするだけだった毎日が、時間を決めてパソコンに向かう「有意義な時間」に変わる。働き方を見直したことで、少しだけ自分の時間を楽しめる余裕ができた。
「ひとりで頑張る」を手放して見えた景色
SHElikesで学ぶうちに、職場での働く姿勢も変わってきた。以前までは「残業してでも自分の仕事は自分で全うする」という献身さが美徳だと思い込んでいた。相手の仕事を増やす罪悪感や「嫌われる不安」から、つい遠慮してしまっていたのだ。
そこで私は、SHElikesのビジネススキルやメンタルヘルスについての講座も受けた。働く上で必要なコミュニケーション術や考え方、ストレスをためずに自分らしくいるためのコツなどを学ぶことができる。
そのおかげで、今では自分の手に余る仕事は積極的に助けを求めるようになった。しかも同僚との対話が増えたことで、かえって仕事が効率よく回るようになっている。
このように仕事や人間関係の考え方が大きく変わり、これまでネガティブにとらえてきた出来事もポジティブに変換できるようになった。もやがかかっていた視界が晴れ渡り、今を生きることに精一杯だった私が、将来について考えるこころの余裕を実感できた。
発信する側になって見えた新しい景色
自分の時間を作れるようになり、私はSHElikesでの学びをもとにSNSを始めてみた。
講座で撮り方を学んだスマホの写真を投稿する。ついでに、ライティングの練習と思って一言添えてみたらわずかながらに反応があった。
SNSは見るだけだった私が、ついに発信する側に…! 感動して思わず口元がにやついてしまった。
ほかにも、SHElikesで開催しているコンペに参加したことをきっかけに、文章を書いてnoteに投稿してみた。まだまだ数は少ないが、実践を重ねることでいずれお仕事として応募したり、案件を得たりすることができたらと精進している。
介護の仕事は嫌いではない。ご利用者と触れ合うことも私の生活の刺激になっている。でも体力的に長く続ける自信は正直ない。
SHElikesでの経験を活かしてクリエイティブな仕事を本業にしつつ、刺激を得るために介護をする。そんな働き方が私の夢だ。
正社員であることを手放すのは、正直まだ怖い。でも確実に新しい道を歩みだせていると実感している。理想の未来のために、今この瞬間から努力していきたい。
「当たり前」を疑い、自分を生き直すということ
あの頃の私は、「安定していること」が一番大事だと思っていた。でも今は、「自分が無理なく続けられること」「自分が楽しく取り組めること」のほうが大切だと感じている。
正社員でフルタイムで働くことは、もちろん素晴らしい働き方の一つだと思う。でも、それだけが正解ではなかった。
「こうあるべき」と思っていた当たり前は、実は自分で選び直していいものだったんだと、今になって気づいた。
収入のことや将来のことに、不安が全くなくなったわけではない。それでも、自分の状態を無視してまで続けるより、今の自分に合った形を選べていることに、少しだけ安心している。
もしあのまま「これが普通」だと自分に言い聞かせ続けていたら、今のこの清々しい感覚には一生気づけないままだっただろう。
当たり前だと思っていたことを変えるのは、簡単ではない。怖さもあるし、迷いもある。でも、その先にしか見えない景色も確かにある。
もし今、「なんとなくしんどい」と感じているなら、その感覚は間違いじゃないのかもしれない。
一度きりしかない自分の人生、しんどいまま終わるのはもったいない。今抱えているその気持ちこそが、自分を一歩変えるための大きなきっかけなんだと私は思う。
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本記事はSHElikesの受講生を対象とした「SHEライターコンペ」の採用作品です。(執筆者 めさん)
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