私には、高校生のときからの夢がありました。
それは、教員になることです。ずっと憧れていた職業。 教員になること以外、考えられませんでした。
そんな私ですが、この3月に教員を卒業することにしました。
夢だった「教員」を卒業することにした理由

大学卒業後から5年間勤めていた学校から、契約を切られてしまったことがきっかけです。
告げられた理由もとても理不尽なものだったので、なかなか納得ができませんでした。
正直、今でも納得はできていません。
私は、今の仕事が大好きです。別の学校で教員という仕事を続けるという選択肢も、確かにありました。
それでも私は、教員からの“卒業”を選びました。それは、仕事を辞めること以上に、「このままの生き方を続ける自分」から離れたかったからです。
契約終了が突きつけた、本当の気持ち

契約を続けられないと知ってから、今の自分やこれからの人生についてたくさん考えました。仕事を失うと決まった以上、考えざるをえない状況に陥ってしまったのです。
今の自分と向き合ってみると、大好きな教員という仕事に対して心の奥で感じている本音にたどり着くことができました。憧れの仕事に就けたからこそ、向き合うのが怖くて、背を向けてしまっていた本音です。まずは大好きという気持ちの裏に隠れていた本音を認めてあげることから始めました。
「一生この仕事を続けることはきついかもしれない」
「仕事のために生きている生活がずっと続いていることに違和感がある」
「もっと自由に時間を使いたい」
「旅行が好きなのに、この仕事をしている限り、行きたい場所に行きたいときに行けない」
いろいろな本音を認めるうちに、「契約が切られたことは人生の転機なのかもしれない」「もっと良い人生を送れるチャンスかもしれない」と、少しずつポジティブに捉えられるようになりました。
私を縛っていた「固定観念」という存在
しかし、本音とは裏腹に、「ずっと憧れていた教員を辞めるなんてもったいない」「転職するとしても正社員じゃないといけない」といった自分の中の固定観念が頭の中をずっとぐるぐると巡っていました。
せっかく契約が切られたことをポジティブに捉えられるようになっていたのに、固定観念とは厄介なもので、なかなか次の一歩を踏み出す勇気を与えてくれませんでした。
「本当に教員を辞めていいのだろうか」
「この選択を、将来後悔しないだろうか」
頭では前を向こうとしているのに、気持ちは何度も同じ場所に引き戻されていました。
それでも一歩が踏み出せなかった私
複数の転職サイトに登録し、エージェントと面接をしたり、企業について調べたりと、いわゆる一般的な転職活動もしてみました。けれど、求人情報を眺めるたびに、「教員として過ごしてきた5年間は、ここで本当に活かせるのだろうか」そんな不安が拭えずにいました。
教員という仕事への未練を断ち切ることは、正直なところ簡単ではありませんでした。
「辞めるため」ではなく、「選び直すために」に

あるとき、ふと、この人生の転機を最大限に活かすためには、何かスキルを学んだ方が良いかもしれないと思いました。
「教員を辞めるために何かを学びたい」というより、「この先の人生を、自分で選べるようになりたい」そんな気持ちが、少しずつ芽生えていきました。
これからの時代、WebデザインやSNS関連のスキルがあれば何か役に立つかもしれないと思い、学べる場所を探しているときに、SHElikesに出会いました。
スキルを身に付けるために入会を決めたSHElikesでしたが、得たものはスキルだけではありませんでした。先述した自分の中の固定観念を手放すきっかけを与えてもらったのです。
あんなに私を縛りつけていた固定観念でしたが、手放す瞬間は意外とあっさりとしたものでした。
固定観念がほどけた瞬間

SHElikesでは、さまざまな働き方をしている女性を知るきっかけがたくさん用意されています。私も、オンラインでのイベントやプログラムに参加する中で、正社員ではない働き方で夢を実現した方々の話を聞く機会が何度もありました。
そのようなイベントへの参加を重ねるうちに、いつの間にか私の中の固定観念が薄くなっていたことに気づきました。不安が0になったわけではないけれど、「私にもできるかもしれない」という希望が不安に勝ったのです。
「できるかもしれない」と思えたことで、私はようやく「辞めるかどうか」ではなく、「どんな働き方を選びたいか」を考えられるようになりました。
「卒業」の意味が変わった日
「どんな働き方を選びたいか」を考えられるようになってから、私の中で“卒業”という言葉の意味が、少しずつ変わっていきました。教員を辞めることは、夢を諦めることでも、逃げることでもありませんでした。
むしろそれは、これまで大切にしてきた価値観を否定せずに、「これからの自分に合う形へ更新していくこと」だったのだと思います。
SHElikesでさまざまな選択をしている人たちの話を聞くうちに、「ひとつの肩書きに人生を預けなくてもいい」「仕事は、人生を支える手段のひとつであっていい」そんな考え方が、少しずつ自分の中に根づいていきました。
教員だった私を抱えたまま、次へ進む

教員として過ごした5年間は、決して無駄ではありません。人と向き合う力、伝える力、相手の立場に立って考える力。どれも、これからどんな働き方を選ぶとしても、私の中に残り続けるものです。
だから私は、教員だった過去を手放すのではなく、その経験を抱えたまま、次のステージへ進むことを選びました。
「卒業すること」は、何かを終わらせることではなく、 自分で次の選択肢を選び直すことなのかもしれません。
この春、私は教員という肩書きから卒業します。けれどそれは、空っぽになるためではなく、これからの人生を、自分の足で選んでいくための一歩です。
今はまだ不安もあります。それでも、「自分で選んだ」という実感があるだけで、以前より少しだけ、前を向いている自分がいます。
ずっと大切にしてきた夢だったからこそ、離れることには怖さもありました。でも、向き合ってみて初めて、「夢は形を変えてもいい」「続けることだけが正解じゃない」そう思えるようになりました。
卒業は、終わりではなく、更新。これまで積み重ねてきた経験を抱えたまま、次の自分へ進むための節目です。
もし今、「辞めたいわけじゃないけれど、このままでいいのか分からない」
そんな気持ちを抱えている人がいたら、その迷いは、きっと前に進もうとしている証拠だと思います。
私もまだ、道の途中です。それでも、自分で選んだこの卒業を、後悔するつもりはありません。この選択が、これからの人生を、少しずつ自分らしい方向へ導いてくれると信じています。
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本記事はSHElikesの受講生を対象とした「SHEライターコンペ」の採用作品です。(執筆者 たびログさん)
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