“クォーターライフクライシス”という言葉を知っていますか?
一般的には、20代後半から30代半ばに訪れる、キャリアや人間関係、人生の方向性に対して漠然とした不安や憂鬱感をもつことを指します。
かくいう私も、その渦中にいたひとりです。
東京で働き始めて約10年。
休職を経験したり、正社員という働き方を手放したりと紆余曲折はありましたが、周りの人に支えられ、ようやく仕事を落ち着いて回せるようになっていた33歳。
お金にも少し余裕ができ、食べたいものを食べて、旅行にもふらっと行けるようになりました。
きっと周囲からは “うまくいっている人” に見えていたと思います。
うまくいっているはずなのに

32歳を過ぎたころから、「このままで大丈夫なのだろうか」という漠然とした不安と、「10年後の私は幸せだろうか」という満たされない感覚が、少しずつ心の中に広がり始めました。
東京にいると、周りのスピード感に引っ張られ、自分も何かを成し遂げている気になれてしまいます。
でも実際は、特別打ち込める何かがあるわけでもなく、淡々とタスクをこなし、SNSを開いては誰かと無意識に比較して落ち込む日々。
都会が嫌いになったわけでも、生活に困っていたわけでもありません。
それでも、夜ベッドにもぐりこむと、狭い1Kの部屋から見える窓の向こうの都会の明かりがだんだんと滲んで、枕がじわじわ濡れるのです。
「どうしてこんなに不安なのかわからない。でも、どうしようもなく辛い」
そんな気持ちは、抱えきれないほど大きくなっていました。
地元の空気が教えてくれた余白の大切さ
毎年夏に帰省している東北の地元で、ぼんやり遠くの山を眺めていたとき、都会では久しく感じていなかった深い呼吸ができました。
誰とも比べなくていい、静かで、それでいて豊かな時間。
そのときにふと、東京を離れて地元に戻るという選択肢が心に浮かんだのです。
頭ではなく身体が「もう頑張らなくていいよ」と言っているような感覚でした。
そこから数か月悩んだ末、私は2024年12月にUターンすることを決意しました。
学生時代を含めて約15年間過ごした東京を離れることには、大きな葛藤がありました。でも、心の奥にあった違和感をごまかし続けることのほうが、もっと怖かったのだと思います。
そしていざ地元での生活が始まると、心と時間にゆっくりと余白が戻り始めました。
朝は白い息を吐きながら雪かきをし、電車の広告にコンプレックスを刺激されることもなく、産直の野菜で夕食をつくり、穏やかな気持ちで眠る日々。
SNSで流れてくる広告も、位置情報が変わったためか、湾岸の高層マンションや美容医療のものから、地元のイベントや新店情報へと変わっていきました。
そうすると、不思議と他人と比較して落ちこむことも減っていき、「誰かのように」ではなく、「私はどうしたい?」「私は何が好き?」と、久しぶりに自分の声が聞こえるようになったのです。
新しい扉が開いた瞬間
ありがたいことに、仕事は両親が営む小さな不動産屋の手伝いと、東京にいたときから継続していたリモートの事務仕事を組み合わせることで、ひとり暮らしできる程度の収入は確保できていました。
その中でふと芽生えた「私の好きなことってなんだろう」という気持ち。
おしゃれが好き。旅行が好き。でも、何か満たされない。
「今でも十分幸せなはず」と自分を納得させようとしましたが、少し物足りなさを感じる自分の気持ちは無くなりませんでした。
そんなとき偶然目にしたのが、SHElikesという女性向けのオンラインスクールの広告だったのです。
SHElikesには、「スキルを身につけて自由な働き方を目指したい」という人だけでなく、「自分の軸を見つけたい」「価値観の合う仲間とつながりたい」という思いを持つ女性が多く集まっています。
WEBデザインやライティング、マーケティングなど、50種類以上のスキルが学び放題なだけではなく、月1回のコーチングや仲間同士で繋がれるコミュニティもあり、迷いや不安を抱える人の背中をそっと押してくれる環境が整っていました。
オンラインの無料体験で現役スクール生の話を聞き、私は「まずは一歩踏み出そう」と思い立ち、2025年春に入会を決めました。
入会後に驚いたのは、私が住んでいる東北地方も含め、地方在住のスクール生がたくさんいたこと。
仕事の少ない地方だからこそ、クリエイティブなスキルを活かして全国にクライアントを持つスクール生もいれば、地元の仕事を請け負うことで地域貢献をしているスクール生もいたのです。
「好きなことを見つけたい」という思いに加え、「せっかくUターンしたのだから地方で何かできないかな」と感じていた私にとって、SHELikesとの出会いは “新しい扉が開かれた” 瞬間だったと思います。
仲間と出会い、私が変わっていく1年

2025年は、Uターンで心を整え、生活を立て直し、そしてSHElikesで自分の可能性を探し直した1年でした。
デザインやライティングを学んだり、2か月間Instagramの運営に集中したり。
いろいろ挑戦する中で、「これはちょっと自分に向いていないかも」「この勉強は楽しんで取り組める!」という、自分の”好き”と”苦手”の傾向がわかるようになっていきました。
そして何より入会して良かったのは、同じような熱意を持ちながら、自分らしい幸せを大切にしている仲間に出会えたことです。
それは単に「勉強してゴリゴリ稼ぐぞ!」というものではなく、
・家族との時間を大切にしたい
・地元を盛り上げたい
・自分のことをもっと好きになりたい
そんな優しくてまっすぐな熱意でした。
モヤモヤは未来からのサイン
キャリアに明確な不安がある人も、なんとなくモヤモヤしているだけの人も、迷うことは自然なことだと思います。私もずっと迷い続けてきました。
でも今は、迷ったからこそ出会えた場所があり、静かな環境に移ったからこそ気づけた自分の声があります。
もし今あなたが「このままでいいのかな」と感じているなら、その気持ちは未来の自分からのサインかもしれません。
私の場合はUターンがきっかけでしたが、新しい場所に移ることが変化のすべてではなく、学び始めることや、価値観の近い仲間とつながることが、人生の転換点になることもあります。
迷っていいし、悩んでいい。
その先に続く道は、きっとあなたを思いもしなかった場所へ連れていってくれるはずです。
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本記事はSHElikesの受講生を対象とした「SHEライターコンペ」の採用作品です。(執筆者 いずみんさん)
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