会社で「10年後のキャリアプランを教えてください」と聞かれると、どう答えればいいのか困ってしまいませんか?私はそう聞かれるたびに、「将来の方向性を決めたい」「理想の働き方に近づきたい」とは思いつつ、誰を目指せばいいかわからない……という悩みを抱えていました。
実はこれ、「やる気がない」のではなく、「目指すお手本(ロールモデル)がいないこと」が原因のひとつなのです。誰のように、どんなふうになりたいのか。ここがあいまいだと、将来のイメージがぼんやりしたままになってしまいます。
この記事では、そんな人に役立つ「ロールモデルの見つけ方」をまとめます。
1.ロールモデルとは?
「こうなりたい」と思うような人
ロールモデルとは、自分にとって、具体的な行動や考え方の模範となる人物のこと。人は誰でも無意識のうちに「あの人のようになりたい」というロールモデルを選び、その影響を受けながら成長するといわれます。
(引用:コトバンク「人事労務用語辞典 「ロールモデル」の解説」)
ライフステージ別に更新してOK
ロールモデルは一度決めたら終わりではありません。経験が増えたり価値観が変わったりすると、「憧れる基準」も自然と変わります。
たとえば、キャリアが始まったばかり、後輩ができた、職場のリーダーになった、子育てや介護と両立しながら働きたい……。自分が置かれている状況が変われば、憧れるロールモデル像は変わってくるのは当然ですよね。
このように、ライフステージごとに合わせてロールモデルを更新することで、常に「今の自分に合う目標」が見つかります。まずは、今の自分に合ったロールモデルを探してみましょう。
(参考:HQ福利厚生ナビ「女性活躍推進のロールモデルとは」2025年4月10日更新)
ロールモデルの見つけ方

ロールモデル探しの前にすること
ロールモデルを選ぶ前に、まずは自分の「ざっくりした方向性」だけ押さえておきましょう。深い自己分析は不要です。次の3つを書き出すだけでOK。
・どんな働き方が心地いいか(フレックス、在宅、出張で海外に行けるなど)
・どんな働き方は避けたいか(ルーチンワーク、残業続き、一人で黙々と作業など)
・どんな人を見ると「いいな」と感じるか(仕事が早い、意見をまとめるのが上手い、知識が豊富など)
このざっくりした軸があれば、ロールモデルの候補が一気に見つけやすくなります。
身近な人から見つける|注目ポイント5つ
ざっくりした自己分析をもとに、自分の理想に近い人を探してみましょう。特に以下のようなポイントに注目するのがおすすめです。
・行動・振る舞い
・仕事の進め方・工夫
・目標設定の方法
・仕事に対する姿勢・考え方
・モチベーション維持の方法
観察する際は、その人がどういった考えでその行動をしているのか、なぜその考えに至ったのかもあわせて想像してみましょう。
職場で見つからないときのロールモデル探し
なかなかロールモデルが見つからない場合は、オンラインスクールや、趣味のコミュニティで出会う人の中から探してみるのもおすすめです。
私は、自分らしさを発揮した仕事があまりできていない、という悩みを抱えていました。まずは私といえばこれ、というスキルがほしい!と思い、オンラインスクール「SHElikes」で勉強中です。
SHElikesは、キャリアやスキルを磨きたい女性向けのオンラインスクールです。デザインやライティングなど、50種類以上のWebスキルを未経験から学べます。さらに、分野に縛られず、気になる講座を自由に視聴できるのが特徴です。
そして何より、スクール内では自分のロールモデルとなる人に日々出会う機会が多くあります。フリーランス、業務委託、本業はフルタイム正社員で趣味のようにコンペに応募する人……。副業か転職かの二択しか頭になかった私にとって、新鮮な世界でした。ここでスキルを磨きながら、自分らしい働き方のロールモデルも探していきたいと思っています。
ロールモデルの活用法
まずはひとつ真似してみる
ロールモデルを見つけたあとは、いきなり生き方全部を真似しようとしなくても大丈夫です。まずは「いいな」と思った小さな部分だけ取り入れてみてください。
・メールの一言の添え方
・依頼するときの気遣い
・ふわっと心地いい言葉遣い
このような「ちょっとした工夫」に惹かれたら、それも立派なロールモデルの要素です。生き方やキャリアの方向性のような大きな話ではなくても、心が動いた瞬間をひとつマネするだけで、行動は驚くほど変わります。
たとえば、お礼を伝えるときに「ありがとうございました」だけではなく、「他のメンバーも喜んでいました」「おかげさまで納期を早められました」など一言加えると、相手も嬉しいですよね。自分にできそうなことから始めてみましょう。
オリジナルのロールモデルを作り上げる
ロールモデルを一人に絞れないときは、複数の人物のお手本にしたい側面を切り取ってつなぎ合わせ、架空の人物を作ってロールモデルにする方法もあります。これを「モザイク型ロールモデル」といいます。モザイク画を作るようにしてロールモデルを作り上げることから、モザイク型ロールモデルと呼ばれます。
例えば、仕事の段取りや進め方はAさん、上司とのコミュニケーションの取り方はBさん、ワークライフバランスは友達のCさんというイメージです。このように組み合わせると、オリジナルの理想像ができあがります。
(参考:キャリアPORT「ロールモデルの見つけ方は? 探し方やキャリア形成上のメリットを解説」熊野 公俊(編集)2025年9月9日更新)
おわりに:自分のペースでロールモデルを作っていこう

まずは自己分析からやってみよう
まずは、ご紹介したように簡単な自己分析からはじめてみてください。そして、誰かの「いいな」と感じた小さな言葉遣いや気遣いを見つけたら、一つだけマネしてみましょう。その積み重ねが、自分らしい働き方につながる大きなヒントになります。
ロールモデルは「コンパス」のようなもの
ロールモデルは、自分を縛る存在ではありません。進む方向に迷ったときに、そっと道を示してくれるコンパスのようなものです。もし進みたい方向が変わったなら、そのタイミングでロールモデルを更新しましょう。それを繰り返すことで、自分のライフステージに合った「オリジナルのロールモデル」が育っていくはずです。
あなたの未来は、小さな一歩からゆっくり形になっていきます。今日から、自分らしいキャリアを描きはじめてみませんか?
************
本記事はSHElikesの受講生を対象とした「SHEライターコンペ」の採用作品です。(執筆者 わかまーさん)
SHElikesについて
https://cutt.ly/cwv7g0aJ
自分らしいキャリアのヒントに出会えるメディア、SHEsharesはこちらhttps://shares.shelikes.jp/




