「社員や顧客にインタビューする機会はあるけれど、読まれる記事にする自信がない」「取材内容をうまく記事にまとめられない」と感じたことはありませんか?インタビューライティングには、取材から執筆まで押さえるべきポイントがあります。
この記事では、インタビュー記事の代表的な3つの型と、企画から執筆まで実践できる5つのステップを解説します。スキルを身につけることで活かせる仕事の場面や、実際にスキルを習得して活躍している先輩の事例もご紹介していますので、インタビューライティングをこれから始める方も、もっとうまくなりたい方も、ぜひ参考にしてみてください。
インタビューライティングとは?
インタビューライティングとは、取材(インタビュー)を通じて得た情報をもとに、読者にとって価値のある記事を作り上げるライティング技術のことです。
最大の目的は、取材相手(インタビュイー)の考えや経験を引き出し、読者に届けることにあります。ただ聞いた話をそのまま書くのではなく、記事のテーマに沿って内容を整理し、読みやすい形にまとめる作業が必要です。
また、どのような質問をするかによって引き出せる情報の質が大きく変わるため、ライターには相手の魅力やエピソードを引き出す工夫も求められます。取材力と文章力の両方が問われる、奥深いライティングのジャンルです。
インタビュー記事の代表的な3つの型
インタビューライティングは、取材相手の魅力や情報を読者に伝えるために、どのようなスタイルでまとめるかが重要となります。ここでは、以下の3つのスタイルの特徴を解説します。
それぞれの特徴を理解し、記事の目的や読者に合わせたベストなスタイルを選びましょう。
1.臨場感が伝わる「Q&A形式」
Q&A形式は、インタビューでのやりとりをそのまま再現するように記事にまとめる形式を指します。
質問と回答を並べるシンプルな構成なので、取材相手の言葉をダイレクトに伝えられるのが特徴です。話し手の個性や考え方がストレートに伝わるため、読者にとって親しみやすい記事になります。
一方で、単調になりがちというデメリットもあります。読み手を飽きさせないためには、質問の順番や見せ方に工夫が必要です。
2.共感を生む「ストーリー形式」
ストーリー形式は、取材内容をライターが再構成し、一つの流れのある記事にまとめる型です。単なる会話の記録ではなく、取材相手の背景や経験を踏まえながら、読者に伝わりやすい形に整えます。
取材相手(インタビュイー)の人生や仕事に焦点を当てた記事に適しており、時間軸に沿って話を展開することで、より自然で引き込まれる記事になるのが特徴です。
SHEsharesのインタビュー記事はストーリー形式で執筆しているものが多くあります。実際の記事の参考として、ぜひチェックしてみてください。

3.信頼感を与えられる「記事内引用形式」
記事内引用形式は、インタビュー内容を記事の一部として組み込みながら、ライターが解説や考察を加えていく型です。ニュース記事や専門的な解説記事でよく使われ、取材相手の意見を要所で引用しながら全体の流れをライターが調整します。
客観的な視点を保ちつつ専門家や関係者の言葉を取り入れることで、記事全体に説得力が生まれるのがメリットです。PR記事や事例紹介など、信頼性を重視したいコンテンツに向いています。
インタビューライティングの5STEP
インタビュー記事の作成は、企画から執筆まで複数の工程があります。以下の5つのステップを順番に押さえることで、クオリティの高い記事を目指せます。
各ステップのポイントを確認していきましょう。
STEP1:【企画】取材のゴールを明確にする
まずは、「この記事を通じて読者に何を伝えるのか」というゴールを決めることが大切です。ゴールが曖昧なまま取材を進めると、記事の方向性がぶれてしまいます。
ゴールを設定するうえで考えるべきポイントは、主に3つです。
1つ目は、記事の目的を明確にすること。採用ページに掲載する社員インタビューなのか、商品の事例紹介なのかによって、記事の切り口や必要な情報が変わります。
2つ目は、テーマを絞ること。テーマが広すぎると話が散漫になるため、「このインタビューで伝えること」を一言で表せるくらいに絞り込みましょう。
3つ目は、記事の型(スタイル)を決めること。目的と読者層に合わせて、Q&A形式・ストーリー形式・記事内引用形式のどれが適切かを選びます。
STEP2:【準備】リサーチと質問シートを作成する
取材の質は、事前準備の丁寧さで大きく変わります。取材相手や関連テーマについて情報収集を行い、基礎知識を身につけておきましょう。
準備として欠かせないのが、「質問シート」の作成です。事前に質問を用意することで取材の進行がスムーズになり、聞き漏れを防げます。「はい・いいえ」で終わらないオープンな質問を意識し、具体的なエピソードや感情を引き出せる内容にするのがポイントです。
また、取材相手に事前に質問の大枠を共有しておくと、相手も準備しやすくなり、より充実した回答を得やすくなります。
STEP3:【取材】相手の本音やエピソードを引き出す
取材でより良い回答を引き出すために意識したいのが、以下の3点です。
- アイスブレイクを設ける
- リアクションを大切にする
- 本題を深掘りする
いきなり本題に入ると相手が緊張してしまうことがあるため、天気や最近の出来事など軽い話題からスタートし、リラックスした雰囲気を作りましょう。会話が温まってきたら、うなずきや相づちを意識しながら、相手の話をしっかり聞くことがポイントです。「きちんと聞いてもらえている」と感じることで、相手はより話しやすくなります。
本題に入ったら、表面的な回答にとどまらず「具体的にはどういう状況でしたか?」「そのときどう感じましたか?」と追加の質問を重ねましょう。事前に用意した質問にこだわりすぎず、相手の言葉に反応しながら会話を広げていけると、エピソードや本音を引き出せます。
STEP4:【構成】文字起こしと構成を考える
取材後は、録音データをもとに発言内容を正確にテキスト化します。話し言葉はそのままだと読みにくいため、ニュアンスを損なわないよう注意しながら適宜調整を加えましょう。音声認識ツールを活用すると効率的に作業できます。
文字起こしが完了したら、記事の構成を考えます。記事の目的と読者層を再確認したうえで、「導入→本題→まとめ」の流れを意識しながら情報を整理しましょう。
構成を考える際は、記事の「サビ」(最も伝えたいメッセージ)を明確にすることがポイントです。サビが決まると記事の軸がぶれなくなり、読者にとって何を得られるのかが伝わりやすくなります。
STEP5:【執筆】ゴール達成のための記事を執筆する
構成をもとに本文を執筆します。執筆では、STEP1で定めたゴールを常に意識しながら書き進めることが大切です。
執筆時に意識したいポイントは、2つあります。
- 取材相手の人柄を文章に込める
- 事実や真意を歪めない
話し方や言葉の選び方、ちょっとした笑いや真剣さなど、インタビュー中に感じた雰囲気を文章に反映させることで、読者はインタビュイーに親近感を持てるようになります。
また、取材相手の言葉を編集する際は、意図を変えてしまわないよう注意が必要です。省略されている言葉を補う場合も、文脈と意味が合っているかを確認しながら進めましょう。
なお、リード文は本文を書き終えた後に仕上げると、記事全体のポイントが明確になった状態でまとめられるため、より伝わりやすいリード文を書きやすくなります。
インタビューライティングに求められる3つのスキル
インタビューライティングを実践するうえで、特に重要なスキルが3つあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.相手の深層心理やエピソードを引き出す質問力
インタビューライティングで最も重要といえるスキルが、「質問力」です。表面的な回答ではなく、取材相手の深層心理や具体的なエピソードを引き出すためには、質問の設計と投げかけ方に工夫が求められます。
「はい・いいえ」で終わるクローズドな質問ではなく、「どんな状況でしたか?」「そのときどう感じましたか?」といったオープンな質問を心がけましょう。また、取材相手の発言に対して「もう少し詳しく教えてください」と深掘りを重ねることで、当初想定していなかったエピソードが出てくることもあります。
事前に仮説を立てて臨むことも効果的です。「この経験の背景にはこんな思いがあるはず」という仮説をもとに質問を組み立てると、核心に近い質問ができるようになります。
2.相手の想いを受け止める傾聴力
良いインタビュー記事の土台になるのが、「傾聴力」です。傾聴とは、ただ話を聞くのではなく、相手の言葉の背景にある感情や意図まで受け止めながら聴くことを指します。
取材相手が「きちんと聞いてもらえている」と感じると、緊張がほぐれ、より本音に近い言葉が出てきます。うなずきや相づちを意識するとともに、相手が話し終わる前に次の質問を準備するのではなく、まずは言葉をそのまま受け取ることが大切です。
傾聴力が高まると、取材相手の何気ない一言の中に記事の「サビ」となる言葉を見つけられるようになります。準備した質問リストに縛られすぎず、相手の話の流れに寄り添う姿勢が、インタビューの質を高めます。
3.読者を意識し、読みやすい記事に仕上げる編集・構成力
取材でいくら良いエピソードを引き出せても、それを読者に伝わる記事にする力がなければ意味がありません。インタビューライティングには、取材で得た素材を整理して読みやすい形にまとめる「編集・構成力」が必要です。
記事を書く際は、常に「読者にとって何が価値のある情報か」を意識しましょう。取材で聞いた内容をすべて書くのではなく、記事のゴールに沿って必要な情報を選び、論理的な流れに並べ直す作業が求められます。
また、話し言葉を書き言葉に変換する際は、ニュアンスを保ちながら読みやすく整えることも大切です。省略されている言葉を適切に補い、文脈が自然につながるよう調整する細やかさが、読まれる記事につながります。
インタビューライティングスキルを身につけたら何に活かせる?
インタビューライティングのスキルは、さまざまな場面で活用できます。特に以下の3つのコンテンツとの相性が良く、企業の広報担当者にとっても直接役立つ場面が多いジャンルです。
それぞれ見ていきましょう。
会社の魅力を伝える「採用・求人コンテンツ」
採用活動において、社員インタビューや社内文化を伝えるコンテンツは、求職者の応募意欲に大きく影響します。企業のビジョンや職場の雰囲気は、数字やスペックでは伝えにくく、人の言葉や体験談を通じて初めてリアルに伝わるものです。
インタビューライティングのスキルがあれば、社員の仕事のやりがいやキャリアパス、職場環境のリアルを読者に届けられる記事を自社で作成できます。外部のライターに依頼せず、自分でインタビューから執筆までを担えるようになるため、スピーディーかつ会社のトーンに合ったコンテンツ制作が可能になります。
商品・サービスの価値を伝える「事例・実績紹介記事」
導入事例や実績紹介は、見込み顧客が「自社でも使えそうか」を判断するうえで重要なコンテンツです。実際に商品やサービスを使っている顧客の声を取材し、「課題→導入の経緯→成果」の流れでまとめることで、読者の共感と信頼を獲得できます。
インタビューライティングのスキルがあれば、顧客へのヒアリングで表面的な感想だけでなく、具体的なエピソードや数字を引き出せるようになります。わかりやすい記事としてまとめることで、営業資料やWebサイトのコンテンツとしても活用できる質の高い事例記事が作れるでしょう。
ファンを増やす「オウンドメディア・PR記事」
企業のオウンドメディアや広報PRでは、読者との信頼関係を築くコンテンツが求められます。創業者インタビューや社員紹介、業界の専門家を取材した解説記事など、インタビューを起点にしたコンテンツは読者の共感を得やすく、ブランドへの親近感や信頼感につながりやすいのが特徴です。
インタビューライティングのスキルを活かすことで、広報担当として自社の魅力を深く掘り下げ、読まれるコンテンツを継続的に発信できるようになります。外部メディアへのプレスリリースや寄稿記事の執筆にも応用できるスキルです。
インタビューライティングのスキルを身につけて理想を叶えた先輩の事例
インタビューライティングスキルの習得を目指している方には、実際にキャリアスクールを活用し、活躍の幅を広げた先輩たちの事例も参考になるかもしれません。ここではSHElikesでインタビューライティングを学び、それぞれの理想の働き方やライフスタイルを実現した先輩たちの事例をご紹介します。
未経験からでもスキルを習得し、自分らしいキャリアを実現した2名のストーリーをみていきましょう。
専業主婦からフリーランスの取材ライターへ転身したなりーさん
メーカーを退職後、専業主婦となりキャリアへの不安を抱えていたなりーさん。学生時代に憧れていた「書いて届ける」仕事に挑戦するため、SHElikesに入会します。
育児のすきま時間に学習を進めながら、ライターコンペでの入賞を機に自信を獲得しました。さらにライターコミュニティの運営に挑戦したことで行動が加速し、ポートフォリオを作成して外部案件へ応募を始めます。
現在は子育てと両立しながら、好きな時間と場所で働くフリーライターとして月収20万円ほどを達成。インタビューやSEO、コピーライティングなど幅広く活躍されています。

歯科助手から取材ライターになり、最大月収10万円を達成した真帆さん
結婚にともなう転居を機に、未経験で歯科助手として働き始めた真帆さん。日々のルーティンワークに物足りなさを覚え、現状を変えたいという思いからSHElikesへ入会します。
診断ツールをきっかけに学び始めたライティングに魅了され、特に人と関わる取材ライティングの道を志すようになります。受講生同士で自主的にインタビュー連載企画を立ち上げ、一連の実務を経験しました。
その成果をポートフォリオにして応募した結果、数ヶ月で案件を獲得。現在はフリーランスの取材ライターやコミュニティマネージャーとして、前職時代から最大10万円の月収アップを叶えています。
インタビューライティングのスキルを身につけて、あなたらしいキャリアを叶えよう
今回は、取材を通じて価値ある情報を読者に届けるインタビューライティングについて解説しました。
インタビューライティングは、記事の目的を明確にしてテーマやスタイルを工夫することで、より伝わりやすい内容に仕上げることができます。また、事前準備やインタビュー時の工夫次第で、相手の魅力を最大限に引き出すことが可能です。
この記事を通じて、インタビューライティングの奥深さを感じてもらえたのではないでしょうか。学んだ知識を活かし、ぜひインタビュー記事作成に挑戦してみてください。
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