日常、よく利用されているスマホアプリ。利用者のなかには、「自分もスマホアプリを作ってみたいけど、作り方がわからない」と考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、スマホアプリの作り方や使用する言語、必要なものや学習方法などを初心者向けにわかりやすく解説します。
初心者がスマホアプリを作ることは可能?
スマホアプリの開発と聞くと、「自分で作るのは難しい」と感じる人もいるでしょう。しかし最近では初心者向けの教材もあるため、使用するプログラミング言語や開発の流れなどを理解すれば、初心者でもスマホアプリを作ることは可能です。
とはいえ、初心者が一からスマホアプリを作るのは簡単なことではありません。この記事を参考に作り方や適切な学習方法を知り、必要な知識を身につけながらアプリ開発に挑戦してみましょう。
スマホアプリの開発で使用するプログラミング言語
スマホアプリの開発にはプログラミングが必要ですが、iPhone向けとAndroid向けでは使用する言語が異なります。それぞれ必要な言語や特徴について解説するので、どちらでアプリを作りたいか考えてみてください。
iPhone向けスマホアプリの場合
iPhone向けのアプリの場合、「Swift」という言語を使用します。Swiftは2014年にApple社が発表した比較的新しいプログラミング言語です。Swiftは従来使用されていた「Objective-C」という言語が抱えていた課題を改善するために開発された言語のため、よりスムーズにスマホアプリ開発がしやすくなっています。
処理速度が速くコードの読み書きもしやすいのが特徴で、Webアプリも作れるなど汎用性の高い言語です。
Android向けスマホアプリの場合
Android向けのアプリの場合、主に「Kotlin」や「Java」を使用して開発を行います。JavaはAndroidのアプリ開発で長く使われている言語であり、OSの汎用性があることや産業用ロボット・宇宙開発などにも幅広く使用できるのが特徴です。
Kotlinは2011年にJavaを改良して開発されたプログラミング言語であり、Google社がAndroidOS向けアプリ開発の公式言語として採用しています。安全性の高さやコードのシンプルさだけでなく、Javaとの互換性があるのも特徴の一つです。
スマホアプリの作り方・開発の流れ
初心者がスマホアプリを作る際には、基本的な流れを理解して順にこなしていくことが大切です。ここでは、スマホアプリの作り方として以下5つのステップを紹介します。
それぞれのステップについて見ていきましょう。
1.アイデアを練る
まずは、アプリを作る目的やターゲットを定め、どのような内容のアプリにするのかアイデアを練ります。たとえば、「運営しているECサイトと連携したアプリで若い層の利用頻度を高めたい」といった目的があれば、デザインや必要な機能などのイメージが湧きやすくなるでしょう。
また、アイデアを練る際には市場調査を行ってニーズを理解したり、予算やリソースがどのくらいあるかを把握したりすることが大切です。
2.要件を定義する
アプリのアイデアが固まったら、具体的な構成や実装する機能、デザインや使用する素材といった要件を定義します。予算やリソースを加味しながら、機能の優先順位を決めたり客観的な視点で流れを想定してみたりすることが大切です。
少人数で作る場合、これらの仕様をまとめた要件定義書を作成しなくても問題はありませんが、要件定義書があったほうがスムーズに設計に入れるため作成しておくとよいでしょう。
3.プロトタイプを作成する
要件定義の後はプロトタイプを作成しましょう。プロトタイプとは、試作モデルのことを指し、初期段階に作ることで仕様の修正や改善につながります。実装してからでは修正に時間がかかってしまうことや変更できない箇所が出てくる可能性があるため、プロトタイプを作成してから完成イメージに近づけていきます。
プロトタイプはツールを使えば初心者でも作成できるので、自分のスキルや作業環境に合ったツールを選んで作成してみてください。
4.実装する
プロトタイプを作成して仕様に問題がなければ、いよいよ実装です。前述したプログラミング言語を使用して開発を進めていきましょう。実装したい内容のソースコードを検索して、使えそうなコードを活用していきます。
こまめに動作確認やテストを行いながら進めていくことで、ミスやバグがあっても早い段階で見つけることができるでしょう。
5.リリース
アプリが完成し、テストも終えたらリリースを行います。アプリを一般公開するためには、アプリストアへの登録と審査の通過が必要です。iPhone向けアプリの場合はApp Store Connect、Android向けアプリの場合はGoogle Play Consoleで情報を提供し、審査を申し込みましょう。
また、無事審査が通りリリースした後はエラーやバグの修正対応、アップデートなど、日々の運用作業を行います。
スマホアプリの開発に必要なもの
次に、スマホアプリの開発に必要なものとして以下の4つを紹介します。
自分が作りたいアプリの内容によっても必要なものは異なりますが、上記の4つは基本的にスマホアプリ開発に欠かせないため、足りないものは揃えていきましょう。それぞれ具体的に解説します。
パソコン
スマホアプリの開発には、パソコンが必要不可欠です。パソコンの種類によって使えるソフトウェアや実行できる動作などが異なるため、開発するアプリの対象OSを明確にしたうえでパソコンを選びましょう。OSごとに必要なパソコンは以下の通りです。
- iPhone向けアプリ:Mac
- Android向けアプリ:WindowsまたはMac
WindowsでiPhone向けアプリを作ることは可能です。しかし、iPhone向けiOSアプリをリリースするまでの工程でMacが必要になるため、iOSアプリ開発の場合はMacで作業するのがおすすめです。また、運用テスト用としてiPhone本体の用意も必要です。
開発ツール
スマホアプリの開発には、開発ツールも必要です。開発ツールを使用すると、コーディングやデザイン設計、テストやバグの追跡などが効率良く行えます。対象OSごとの代表的な開発ツールは以下です。
- iPhone向けアプリ:Xcode
- Android向けアプリ:Android Studio
XcodeはMacでインストール可能、Android StudioはWindowsやMac、Linuxのどれでもインストール可能です。
プログラミング言語
実装段階ではプログラミングをして開発を進めるため、対象OSごとに紹介したプログラミング言語を習得する必要があります。初心者のスマホアプリ開発では、このプログラミング言語の習得に時間を要するため、アプリをリリースしたい時期に照準を合わせて計画的に勉強を進めていきましょう。
専用ツールを使えばノーコードでもアプリ開発は可能です。ノーコードツールは直感的に操作しやすい利点がありますが、ツールの習得に時間がかかったり自分の好きな仕様に設計しにくかったりすることも考えられるので、コーディングを用いた開発に挑戦するのがおすすめです。
アプリ申請費用
リリースに向けアプリ申請する際には登録費用がかかるため、あらかじめ用意しておきましょう。各ストアの登録費用は以下の通りです。
- Apple Developer Program:US$ 99(年間登録料)
- Google Play Console:US$ 25(初回1回限りの支払い)
練習用としてアプリを作るのみであれば必要ありませんが、実際に一般公開する際には費用が発生するため、どのOSを対象としてアプリを作るのか検討してみてください。
スマホアプリを作るための学習方法
最後にスマホアプリを作るための主な学習方法として、以下の2つを紹介します。
- 書籍の活用
- プログラミングスクールに通う
それぞれメリット・デメリットなどを説明するので、自分に合った方法で学習を進めていきましょう。
書籍の活用
独学でスキルを習得したいという人には、書籍で学ぶ方法があります。アプリ開発に必要な知識や手順が整理されており、自分がわかりやすいと感じた本を参考にすることでスムーズに学習を進められるでしょう。
書籍を活用した独学のメリットは、スクールの利用よりも費用が抑えられて自分のペースで学べることです。一方で、わからないことが出てきた際にすぐ解決できず、初心者の場合はつまずきやすいといったデメリットも踏まえておきましょう。
プログラミングスクールに通う
何から勉強したらいいかわからないという人や一人で進めていくのが不安な人は、プログラミングスクールに通う方法がおすすめです。独学よりも費用がかかるというデメリットはありますが、コミュニケーションが取れる講師がいることで疑問点の解消やモチベーションの維持も期待できます。
スクールによって費用や学習スタイル、レッスン時間などが異なるため、複数のスクールを比較しながら検討するとよいでしょう。
スマホアプリの作り方を学んで、アプリ開発に挑戦しよう!
近年は初心者向けの教材やツールが充実したり、モダンなプログラミング言語が登場したりなど、初心者でもスマホアプリ開発に挑戦しやすい環境になりつつあります。作り方や開発の流れを理解したうえで、まずは必要なものを揃えて学習を進めていきましょう。
また、プログラミング言語の他にも、デザインやマーケティングといったクリエイティブスキルを幅広く身につけたい場合は、全45以上の職種スキルが学べる女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)の利用もおすすめです。
無料体験レッスンも実施しているので、興味のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。