プロジェクト管理の手法6選!成功させるためのポイントも解説

プロジェクト管理の手法6選!成功させるためのポイントも解説
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ライター 美亜
専門学校卒業後、シンガーとして音楽活動を行う。その後、リラクゼーションサロンのセラピスト、IT・web系の人材紹介会社にてライター業、派遣にて経理事務を経験。現在はフリーライターとして、主にキャリア系・IT系の記事を執筆。
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

プロジェクト管理とは、プロジェクトの目標達成に向けてコストや品質、スケジュールといったプロジェクト全体の管理を行うことであり、「プロジェクトマネジメント」と表現されることもあります。QCD(品質、コスト、納期)をコントロールし、さらに付加価値の提供や想定外の出来事に対応するためにも、プロジェクト管理は欠かせません。

そこで今回は、プロジェクト管理を効率的に行うための手法やツール、基本的な流れや成功させるポイントについて解説します。

代表的なプロジェクト管理手法6選

プロジェクト管理の手法と一口に言っても、さまざまな種類があります。そのため、各特徴やメリット・デメリットを理解したうえで、プロジェクトに適した手法を取り入れることが大切です。まずは、代表的なプロジェクト管理手法として以下の6つを紹介します。

それぞれの手法について、詳しく見ていきましょう。

1.ウォーターフォール方式

ウォーターフォール方式は、作業を段階的に一つずつ進めていく手法で、主にシステム開発で用いられています。作業が滝のように流れ落ちていくようなプロセスから「ウォーターフォール」と呼ばれており、基本的に工程が進めば前工程には戻らないのが特徴です。

シンプルでわかりやすく、プロジェクトの進捗状況や全体の所要時間が把握しやすいというメリットがある一方で、途中で変更事項があっても対応しにくいのがデメリットです。

2.アジャイル方式

アジャイル方式は、一つのプロジェクトを複数のフェーズに分け、フェーズごとに検証・評価まで行う手法です。ウォーターフォール方式と同様に、システム開発で多く用いられています。アジャイルは素早いという意味を持ち、その名の通りスピーディーにプロジェクトを進められるため、短期間のプロジェクトに向いています。

メリットはトラブルや途中の仕様変更にも対応しやすいことですが、同時に全体像が把握しにくく、スケジュール管理が複雑というデメリットもあります。

3.リーン方式

リーン方式は、過剰生産や待機時間、必要のない処理といった無駄を可能な限り削減し、効率化に重点を置いている手法です。質の高い製品を低コストで制作・提供するために活用できるのが特徴であり、新規事業の立ち上げに向いています。

リーン方式の最大のメリットはコスト削減と言えるでしょう。また、小さな資源で大きな成果をあげるため、企業と顧客の両者にメリットが感じられます。ただし、必要な物しかない現場でトラブルが起きた際の対応は難しく、製品を販売している場合すぐに欠品につながる恐れもあります。

4.かんばん方式

かんばん方式は、ボードに「To Do」「進行中」「完了」などの枠を作成し、それぞれに必要なタスクを配置、進捗に応じて移動させていく手法です。プロジェクトの参加者全員が視覚的に状況を管理・把握できるのが特徴のため、リモートワークに向いているでしょう。

進捗状況が見える化されるため、作業の遅延が見つかりやすく、情報共有もスムーズにできるのがメリットです。一方で、タスクが多い場合には進捗管理が難しく、優先順位もわかりにくいのがデメリットだと言えます。

5.スクラム方式

スクラム方式は、少人数のチームに分かれ、分割した作業工程を短期間で繰り返し行う手法であり、アジャイル開発のフレームワークとも考えられています。責任者のサポート役である「スクラムマスター」を配置し、日々のタスク進行を仕切っていくのが特徴です。

少人数でコミュニケーションを密に取りながら進めていくため、効率と柔軟さを両立させることができます。その反面、コミュニケーションがうまく取れなければ、作業の遅延やミスにつながる恐れもあります。

6.マイルストーン方式

マイルストーン方式は、プロジェクトの中間地点や節目となる「マイルストーン」を設置し、進捗状況を把握しながら作業を進めていく手法です。長期的なプロジェクトでも、マイルストーンを目安にスケジュールが立てやすく、定期的に振り返りをしながらの調整が可能です。

メンバー全員がマイルストーンを目安に進捗状況を確認できるため、責任者がタスクを管理しやすいだけでなく、従業員のモチベーションや品質の向上につながる点がメリットと言えます。しかし、マイルストーンの設置を細分化しすぎると進捗状況がわかりにくくなるため、注意が必要です。

プロジェクト管理に役立つツール

プロジェクト管理を行うときは、組織やプロジェクトに適したツールを使用することで、進捗の可視化や効率化を図れます。ここでは、プロジェクト管理に役立つツールの例として、以下の3つを紹介します。

それぞれのツールの機能や特徴について、見ていきましょう。

Backlog

Backlogは、株式会社ヌーラボが提供するプロジェクト管理ツールです。プランは3つに分かれており、スタンダードは月17,600円、プレミアムは月29,700円、プラチナは月82,500円です。いずれも、30日間の無料トライアルが利用できます。

マイルストーンの設定や課題・担当の可視化、ファイルの共有・コメントなど作業を効率化する機能が備わっており、メールやスプレッドシートを横断しなくてもBacklogでプロジェクトの一括管理が可能です。

Lychee Redmine

Lychee Redmineは、株式会社アジャイルウェアが提供するプロジェクト管理ツールです。クラウド版の料金はフリーの月0円、スタンダードの月900円、プレミアムの月1,400円、ビジネスの月2,100円の4つがあり、オンプレミス版もあります(すべて1ユーザーあたりの料金、10ユーザー単位で購入可能)。

日々の進捗を確認するガントチャートやダッシュボード、工数の見える化と管理を行うEVMやCCPM、アジャイル開発に役立つカンバンやバックログなど、プロジェクト管理に必要な機能が備わっています。見やすく使いやすいUIで、初めてプロジェクト管理ツールを使う人にもおすすめです。

Asana

Asanaは、サンフランシスコに本拠を置くAsana, Inc.が提供するタスク管理ツールです。料金はPersonalの月0円、Starterの月1,200円、Advancedの月2,700円があり、中小企業および大企業向けにはEnterpriseとEnterprise+といったプランもあります。

日々の作業で活用するボード、リスト、タイムライン、カレンダー、ガントチャートの他にも、ゴールの設定やリソース管理など、全体を俯瞰しながらプロジェクトを管理する機能も備わっています。

※年間払いの場合のユーザー月額

プロジェクト管理の基本的な流れ

プロジェクト管理の手法やツールを紹介しましたが、実際にどのように進めていくのかを見ていきましょう。プロジェクト管理の基本的な流れは、以下の通りです。

  1. プロジェクトの目的を定める
  2. タスクを整理する
  3. 進捗をチェックし適宜修正を行う

それぞれの内容を解説します。

1.プロジェクトの目的を定める

まずは、プロジェクトの目的や目標を明確に定めます。目的が明確化することで、タスクの優先順位が決まってスケジュールが立てやすくなったり、予算や時間をかけるべきポイントが把握しやすくなったりします。また、プロジェクト全体で目的を共有すれば、チームメンバーのモチベーション向上にも役立ちます。

ただ「システムを開発する」だけでなく、そのシステムを開発することで何を目指すのかを具体的に考えましょう。

2.タスクを整理する

プロジェクトの目的や目標が定まったら、タスクを整理していきます。まずはプロジェクトに必要なタスクを全て洗い出し、必要性や重要性を基準に優先順位やかけるコスト(人・時間・予算)を決めましょう。その後で、タスクごとに処理期限を決めるとスムーズに整理できます。

また、タスクの整理ができたら、それぞれ適切なメンバーに割り振ります。個人の希望や能力を踏まえながら、期限通りに進められるメンバーを選定しましょう。

3.進捗をチェックし適宜修正を行う

実際にプロジェクトが始動したら、定期的に進捗をチェックし、必要に応じて軌道修正を行います。たとえば、遅れているタスクがあればメンバーを増やしたり、トラブルが起これば対処方法を考え、対応したりします。

進捗を適切にチェックするためには、メンバーとのコミュニケーションを増やし、日頃の状況を把握しておくことが大切です。コミュニケーションや進捗管理に役立つツールなどを利用しながら、プロジェクトを進めやすい環境を整えていきましょう。

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プロジェクト管理を成功させるためのポイント

最後に、プロジェクト管理を成功させるためのポイントとして、以下の5つを紹介します。

それぞれのポイントについて、具体的に見ていきましょう。

明確な目標を設定する

プロジェクト管理の流れにもあったように、プロジェクトの目的や目標を明確に設定することが大切です。「何のためにプロジェクトを進めているのか」といった目的の他にも、「プロジェクトを通して〇〇を実現する」のように具体的な目標を考えましょう。

目標は最終目標と、中間目標に分けるのがおすすめです。数値目標を設定すれば、進捗状況が可視化でき、モチベーションの維持にも役立ちます。目標を設定した後は、全員にしっかり共有し、方向性の相違がないようにしましょう。

適切なリソースを確保する

プロジェクトに必要なリソース(人・モノ・お金)を適切に確保することも重要です。リソースが不足すれば、作業の遅延や品質の低下につながりかねません。また、反対にリソースが余り過ぎても、必要以上のコストがかかってしまいます。

適切なリソースを把握するためには、整理したタスクをもとに必要なリソースをリスト化するのが効果的です。一人だけで行うのではなく、現場の担当者の意見も取り入れながら調整していきましょう。

コミュニケーションを徹底する

プロジェクト管理を成功させるためには、メンバー内のコミュニケーションが欠かせません。コミュニケーションが不足すると、信頼関係やプロジェクトの進行に影響を及ぼします。問題の把握や進捗管理を適切に行うためにも、十分なコミュニケーションを行える環境を整備しましょう。

特に、大規模なプロジェクトを管理する場合は、チーム内だけでなく複数あるチーム間のコミュニケーションも重要です。人数が多くなればなる程、コミュニケーション不足が発生しないように注意しましょう。

情報共有を徹底する

コミュニケーションと同様、情報共有の徹底も心がけましょう。状況を適切に管理するためには、タスクの進捗状況や問題点、メンバーの健康状態など、多くの情報を共有することが大切です。

情報共有が徹底されれば、ミスが起きても一早く気付き、素早い対処が可能です。タスクも大幅に遅延する前に、メンバーの補充を行うことができます。できるだけリアルタイムに情報共有ができるように、プロジェクト管理ツールを活用するとよいでしょう。

リスクを管理する

リスクについても管理し、対処できるようにしておかなければいけません。どのようなプロジェクトでもリスクは存在するため、事前に考えられるリスクを洗い出し、対策を考えておくことが大切です。

たとえば、自然災害や人材の欠員、プロダクトの障害などがプロジェクトのリスクとして挙げられます。全てのリスクに対応することは難しいため、優先順位を決めて緊急度や影響度の高いリスクから対策を考えましょう。

特徴を理解して、プロジェクト管理の適切な手法を選ぼう

プロジェクト管理にはさまざまな手法があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。組織やプロジェクトによって適切な手法は異なるため、プロジェクト管理ツールの活用とともに、自社に合った方法を探してみましょう。

また、プロジェクトマネジメントについて学びたいという人は、女性向けキャリアスクールのSHElikes(シーライクス)がおすすめです。プロジェクトマネジメントコースでは、プロジェクトマネジメントの基本や役割、必要性などを学ぶことができ、プロジェクトを円滑に進めるためのスキルを習得することができます。

無料体験レッスンも随時実施しているので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

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