見積書の書き方を見本付きで解説!簡単に作成できるツールも紹介

見積書の書き方を見本付きで解説!簡単に作成できるツールも紹介
ABOUT ME
ライター harada
愛知学院大学商学部卒業。新卒で小売業に就職し2年で退職。その後はシステムエンジニアとして活動を行っている。
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

見積書は、業態を問わず、受注者・発注者間での取引を進めるうえで欠かすことのできない書類です。正確な見積書を作成することは、取引内容を発注者に伝えるだけでなく、受注者の信頼度を上げ、業務を成約するうえでも重要な意味を持ちます。

本記事では、見積書の見本も示しながら、見積書に記載する内容や、作成時に配慮すべき注意点などについて詳しく解説します。

見積書を簡単に作成するためのツールなども紹介するので、見積書の書き方に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。

見積書を作成する目的

見積書は、何らかの取引を行う前に、受注者が発注者へ内容・詳細を提示するために作成するものです。

発注者が事前に取引内容を確認する用途のほか、複数社の見積書を比較しながら、発注先を決定する際にも利用されます。提供する商品・サービスの価格ばかりでなく、納期や工期などの情報を共有することも見積書を作成する目的のひとつです。

また、発注者側が補助金や助成金の申請を行う際にも、見積書の提出が必要となるケースがあるため、見積書を発行する側は、正確な内容を記載しなければいけません。

見積書を作成するタイミングは?

見積書は、発注者・受注者間で取引が行われる際、一番初めのタイミングに作成されます。

見積書の作成は義務ではありませんが、受注者と発注者との間で事前に情報を共有するためにも、さまざまな分野で活用されています。

発注者が見積書の内容に合意し、受注者との間に契約が成立して、正式な発注が行われます。その際、発注者が「注文書」を作成することもあるでしょう。

商品などが納品されたのち、発注者により検収が行われ、受注者が「請求書」を発行するというのが一般的な取引の流れといえます。

見積書の書き方を見本付きで解説

取引を進めるうえで重要な意味を持つ見積書ですが、書き方や使用するフォーマットに法的な決まりはありません。

ただし重要なのは、発注者に取引の内容がはっきりと伝わることです。以下に見積書の見本と、記入すべき内容について解説します。

見積書の見本画像

1.宛名

宛名として、発注者の会社名や屋号、個人名を記載します。発注者が送付先を指定している場合は、部署名や担当者名を記入しましょう。その際、略称などは使わず、必ず正式名称で書くようにしてください。

会社名義であれば「御中」、個人名であれば「様」の敬称も忘れてはいけません。加えて、郵便番号や住所を記入することもあります。

【記載例】

株式会社◯◯ 御中

株式会社◯◯ ◯◯営業部 御中

◯◯株式会社
◯◯営業部 ◯◯様

見積書を郵送する場合は、封筒にも見積書と同様の宛名を記載しましょう。

2.差出人情報

差出人、つまり受注者側の情報として、会社名・屋号、担当者名、住所、メールアドレス、電話番号、FAX番号などを記載します。

3.発行日

見積書には発行日も記載しますが、この日付は発注者へ見積書を提示する日付を設定してください。

発行日は見積書の有効期限の起算日となることも認識しておきましょう。

4.見積もりの内容

見積もりの内容についても、発注者が分かりやすいように明確な記載を心がけてください。商品やサービスの品目とその数量、単価、品目ごとの金額などを記入します。

特に商品数やサービスの種類が多くなる場合などは、どのような内訳となっているのか、発注者に伝わりやすいかどうかを配慮しながら記載すると良いでしょう。

品番・品名

商品やサービスの品目を記入する際は、発注者が理解できる内容で記載することが重要です。

特に商品やサービスの内容が専門的である場合、それぞれの品目が何を指しているのか、発注者が理解しやすいように書くことを心がけましょう。

数量

納品予定の商品の個数や、サービスの数量などを記載します。

ただし明確に数えられないような商品・サービスの場合は「一式」といった書き方でかまいません。数量についても、発注者に内容がはっきり伝わるように記入しましょう。

単価

それぞれの品目の単価を記入します。取り扱う内容が数えやすい商品である場合は問題ないですが、数え方が不明瞭なサービスなどは、何が「一単位」であるかが発注者にとって明確にわかるような記載を意識しましょう。

なお、商品やサービスの一単位が明確に示せないような場合は、単価の記載は不要です。

金額

数量と単価を記入したうえで、それぞれの項目の合計金額も記載します。この数値は「単価×個数」となっていることをしっかり確認しておいてください。

見積内容の内訳を知りたい発注者は、ここに記載されている金額を確認するので、誤りのないように記入しましょう。

5.小計・消費税・合計金額

すべての商品、サービスの合計金額を「小計」として記載します。見積内容が複雑になる場合など、誤りのないよう注意しましょう。

次に小計に対する消費税を記載します。なお、消費税は切り捨てで計算される場合が多いようです。

最後に合計金額を記載します。こちらの金額が「6.見積金額」と相違がないことを確認してください。

6.見積金額

見積もりの合計金額(税込)は発注者がもっとも注目する箇所となりうるため、大きめの文字でわかりやすく書くことが大切です。

基本的に商品やサービスの情報よりも上側に記入するようにしましょう。

7.備考欄

見積書には上記の内容に加えて「備考欄」を設ける場合が多いです。

備考欄に記載する内容や書き方に決まりはありませんが、商品・サービス、支払いなどの補足的な情報や、あいさつ、メッセージなどが書かれるケースが多いようです。

見積書の作成方法、簡単に作成できるツールを紹介

見積書の形式については、法的な定めなどはないため、複数の方法で作成することができます。ExcelやWordなどのテンプレートを使用しても良いですし、手書きでもかまいません。

また見積書を簡単に作成できる便利なツールも広く使われているため、そちらについても解説します。

ExcelやWordで作成する

ExcelやWordなどのソフトは、見積書の作成においても頻繁に利用されています。

こういったソフトを使うメリットは、都度必要な項目を加筆修正できる点といえます。取引先や取引の内容に合わせて、フォーマットを加工でき、発注者に合わせた見積書が作成できます。

オンライン上にはExcelの見積書のテンプレートなどが多く公開されており、それらを活用することで容易に見積書が作成できるでしょう。

見積書用紙を購入し、手書きで作成する

市販されている見積書用紙を購入し、自身で見積もりの内容について手書きすることもできます。

PCの操作に慣れていない人や、ツールがない場所で見積書を作成したい場合にも、手書きは便利です。また、わざわざ手書きで作成することが、相手に丁寧な印象を与えられるケースもあります。

とはいえ、複雑な計算が必要な場合や、多くの内容を盛り込みたい場合などは、ミスが発生しやすいので注意が必要です。

オンラインサービスを使用して作成する

Web上には見積書作成に関するさまざまなサービスがあるので、それらを活用するのも有効な方法です。テンプレートを使用すれば必要な項目が網羅でき、記載漏れが発生しづらいです。

なかには商品やサービスに関する情報をアップロードするだけで、それに即した見積書を自動で作成できるツールもあります。大量の見積書を作成したい場合や、内容が複雑で転記ミスなどが発生しやすい際に、大いに役立つでしょう。

見積書の管理も効率化できるため、オンラインサービスは、ぜひ検討すべき見積書作成方法といえます。

見積書の作成時の注意点

法的に決まったフォーマットなどがないとはいえ、スムーズな取引を進めるためにも、見積書の作成時には留意すべき項目がいくつかあります。

ここでは見積書の作成において注意すべきポイントについて解説します。発注者からの信頼度を上げるためにも、見積書を作成する方は、下記の内容について押さえておきましょう。

正確な工数や納期を確認した上で作成する

見積書は、取引に要する費用を確認するための書類と捉えられることが多いですが、取引に要する工期や、商品・サービスの納品日などを参照する際も使用されます。

「受注後1か月以内に納品」「受注後2営業日以内に発送」「必要書類受領後3日以内に納品」などといった情報は、間違いのない、確実な内容を記載する必要があります。

受注を得たいばかりに無理な工期や納期を設定するようなことは避け、事前に適切な期間を確認したうえで見積書を作成しましょう。

見やすいレイアウトを心がける

見積書を作成するうえで大切なのは、発注者が知りたい情報を明確に、わかりやすく記載することです。そのためには、見積書のレイアウトについても工夫を凝らす必要があるでしょう。

相手が商品やサービスの価格を知りたい場合は、それが一目でわかるフォーマットが良いでしょう。納期や工期を気にしているのであれば、その内容がはっきり伝わる形式が求められます。

このように記載項目の順番やフォントなどのレイアウトは、発注者が知りたい情報を考慮して作成する必要があります。

見積もりの有効期限を設定する

見積書には商品・サービスの価格や、工期・納期ばかりでなく、見積書の有効期限も明記するようにしましょう。有効期限は見積書の作成者が設定することができます。

有効期限を設けることで、発注者側に早期の契約を促すこともできるでしょう。また、価格が時期によって変動しやすい商品やサービスであっても、見積書の有効期限内は、記載の内容で受注することができます。

ただし、民法の定めにより、見積書に有効期限を設定した場合は、その期限内に記載内容を撤回できないことになっています。また有効期限を過ぎた見積書は効力を失うので、その後の契約に際しては、改めて見積書を発行する必要があります。

支払い期限と支払方法まで記載する

商品やサービスによっては、支払いの期限や支払方法を受注者側で指定したいこともあるでしょう。その場合、見積書に指定内容を記載することで、スムーズに取引を進めることができます。

長いスパンで行われる業務などの場合、発注者へ前払いを依頼したいケースもあります。そのような際も、見積書に記載することで、正確な情報を発注者側と共有できるでしょう。

発注者が受注先を決定するためだけでなく、受注者側で取引の詳しい内容を定めたい場合にも、見積書は有効だといえます。

提出後も保存しておくことを忘れない

見積書の作成は義務ではないものの、作成した見積書は税法上の国税関係書類であり、一定期保存しなければいけません。事業年度の確定申告書提出期限の翌日から、個人事業主の場合は原則5年、法人の場合は原則7年が、見積書の保存期間として定められています。

また、見積書を保存しておくことで、過去の契約内容などについても確認でき、顧客管理の面でも有効活用することが可能です。

見積書の正しい書き方を理解して実務に活かそう!

本記事では、業務の受注やスムーズな取引のために重要な見積書の書き方や注意点について解説しました。

見積書の作成は義務ではなく、決まった形式があるわけではありませんが、取引の際には広く用いられているため、作成者側は正しい書き方を理解しておく必要があります。

フリーランスや個人事業主として業務を請け負う際も、正確な見積書の作成は欠かせません。わかりやすい見積書を作成することは、取引の内容を明示するばかりでなく、発注者側からの信頼度を上げることにもつながります。

見積書の作成は初めは戸惑うかもしれませんが、書き方のパターンを押さえれば難しいものではありません。見積書作成の知識は、副業やフリーランスなどで仕事を受注する際にも役立つでしょう。

SHElikes(シーライクス)は、全45以上の職種スキルの習得が目指せる女性向けキャリアスクールです。自分らしい働き方を手にするための、デジタル・クリエイティブスキルの習得が図れるほか、「Excel活用コース」や「ビジネスコース」など仕事に活かせる実務的な内容も学べます。

気になる方は、ぜひ一度無料体験レッスンを受講してみてください。

女性向けキャリアスクールSHElikes無料体験レッスンはこちら

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。