定性と定量の違いとは?意味や使い分け方をわかりやすく解説

定性と定量の違いとは?意味や使い分け方をわかりやすく解説
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ライター shin
航空系の会社に勤務した後、フリーランスとしての活動を開始。現在は主にWebメディアに携わりつつ海外を転々としている。

ビジネスシーンで、「定性」「定量」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。しかし、以下のように思うこともあるのではないでしょうか。

「定性と定量の違いは何?」
「定性的や定量的という言葉はどのように使う?」

そこで、本記事では定性的と定量的の意味の違いを解説。また、定性的・定量的に表すメリットとデメリットやそれぞれの使い分け方なども説明します。

最後までチェックすれば、ビジネスシーンで「定性」「定量」を活用できるようになるでしょう。

定性的と定量的の意味の違い

まず、定性的と定量的の意味を説明します。それぞれの違いをチェックしてみてください。

定性的の意味

定性的とは、数値で表せない要素のことを指します。たとえば「多くのユーザーに愛されるアプリを開発する」「より使いやすくなるようシステムを改善する」などが定性的な表現です。

言葉や文字などで表すため抽象的な表現になりやすく、人によって捉え方が異なったり、認識に齟齬が生まれたりする可能性があります。ビジネスシーンで定性的な表現を用いるときは、人によって認識が異なっていないか入念に確認することが大切です。

定量的の意味

定量的とは、物事を数値で表せる要素のことです。例としては、「この商品の売上を3か月後に2倍にする」「ユーザー数が100万人を超えるアプリを開発する」などが挙げられます。

定量的な表現は数値を用いるため絶対的な評価となり、全員の捉え方や認識は一致するでしょう。ビジネスシーンにおける目標設定のような共通認識が求められる場面では、定量的な表現を使うのが大切だといえます。

定性的に表すメリット・デメリット

ここでは、定性的に表すメリットとデメリットを説明します。

定性的に表すメリット

定性的に表すメリットは、数値化できない要素を評価できることです。たとえば、仕事に対するモチベーションやコミュニケーション能力、リーダーシップ、価値観などは数字で表しにくいため、定性的な評価が適しているといえます。

人事評価をする場合、定性的な評価は従業員のモチベーションをアップさせる効果が期待できます。「結果はまだ出ていないけれど、目標を達成するために努力している姿勢は評価できる」「売上に直接結びついてはいないが、あのアイデアで新規事業が軌道に乗り始めた」のように捉えて評価すると、社員の意欲は高まるでしょう。

定性的に表すデメリット

定性的に表すデメリットは、捉え方や認識に齟齬が生まれる可能性があることです。たとえば、「今季の目標は、売上を昨年よりもアップさせること」とすると、人によって「2倍にする」「5倍が目標」のように捉え方が異なり、足並みが揃わなくなってしまうでしょう。

また、定性的な評価をすると社員が不満を抱く場合もあるといえます。数値のような明確な基準がないうえ、上司や人事担当者の主観も入りやすくなるため、社員が評価に納得できないこともあるでしょう。

定性的な評価をする際は、明確な評価基準を定めたり、評価の理由を明確に伝えたりすることが大切です。

定量的に表すメリット・デメリット

続いて、定量的に表すメリットとデメリットを見ていきましょう。

定量的に表すメリット

定量的に表すメリットは、誰もが同じように物事を捉えられることです。数値で表されるため客観的かつ絶対的で、個人の考え方や価値観などに左右されないといえます。目標設定やプレゼンテーションなど、全員の認識を統一したり説得力が求められたりするシーンでは、定量的に表すことが大切です。

人事評価の際は、定量的に表すことで公平な評価ができるでしょう。業績や成果が数値化されると上司や人事担当者の主観が入らないため、従業員が評価に納得しやすいといえます。

定量的に表すデメリット

定量的に表すデメリットは、成果主義や結果主義に陥りやすいことです。定量的に表すと数値が重要視されるため、目標とする数字を達成するまでの過程や努力、取り組み方は評価の対象にならないでしょう。

定量的な評価をする傾向が強まると、「結果さえ出せば過程は何でもよい」のような考え方が浸透したり、「目標の数字を達成しなければならない」というプレッシャーが大きくなったりするかもしれません。

定性的と定量的の使い分け方

定性的と定量的の使い分け方を見てみましょう。「使われるシーン」「使い方の例」を紹介するので、それぞれチェックしてみてください。

定性的が使われるシーン

定性的が使われるのは、物事の質について説明や評価をするときです。数値よりも言葉で表すのが適しているシーンでは、定性的な表現を使うのがよいでしょう。

たとえば、「新商品を購入した人を対象にアンケート調査を実施して感想をヒアリングし、定性的なデータを集める」のような使い方をします。また、コミュニケーション能力や目標達成に向けたアプローチの仕方を評価するときなど、数値で表すのが難しいシーンでも定性的に物事を捉えます。

定量的が使われるシーン

定量的が使われるのは、目標を設定するときや具体的な数値が求められるシーンです。たとえば、「この商品の売上を前年比の150%にする」のように数値化して目標を立てると全員が共通認識を持てるうえ、目標を達成できたかどうかも判断しやすくなります。

また、定量的な表現は商談やプレゼンテーションのような説得力が求められるシーンでも使われます。「このシステムを導入するとコストを30%カットする効果が期待できます」「この分野の市場規模は、今後10年以内に5倍になると予測されています」のように具体的な数値を用いると、商談が成功したり相手に納得してもらえたりする可能性は高まるでしょう。

ビジネスにおける定性分析と定量分析の違い

ここでは、ビジネスにおける定性分析と定量分析の違いを説明します。

定性分析

定性分析とは、数値では表せないデータを分析する方法です。たとえば、インタビューや記述式のアンケート調査、口コミやSNSの反応のチェックなどが挙げられます。市場や顧客のニーズを深く分析するときや、ユーザー目線で施策を講じるときなどに使えます。

定性分析の注意点は、主観的な意見や抽象的なデータが集まりやすいことです。正確な統計データや割合などが必要なシーンには向いていない点は押さえておきましょう。

定量分析

定量分析とは、数字や数値を用いて分析する方法です。例としては、契約件数や売上の推移、PV(ページビュー)数、インプレッション数、コンバージョン率(CVR)などが挙げられます。定量分析をすると客観的なデータを得られるため、誰もが同じように認識できるでしょう。

ただし、定量分析を通じて得られるのは数値的な事実だけなので、消費者や市場のニーズを深掘りするときには適していません。また、分析結果の正確性を高めるためには、より多くのデータを集める必要があります。

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ビジネスにおける定性目標と定量目標の違い

最後に、ビジネスにおける定性目標と定量目標の違いについて見てみましょう。

定性目標

定性目標とは、数値では表せないことに関する目標のことです。結果を出すまでのプロセスや行動などに焦点を当てて目標を設定します。

たとえば、「クライアントと良好な関係を構築する」「カスタマーサポートで、より丁寧な対応をする」「社内のコミュニケーションを活性化させる」などがあります。

定性目標を定める際の注意点は、達成できたかどうかの判断が難しいことです。「クライアントと良好な関係を構築する」という目標の場合は「成約に至ったかどうか」、「カスタマーサポートで、より丁寧な対応をする」が目標なら「顧客満足度が向上したかどうか」をチェックするなど、定性目標の達成に向けた行動の結果にも目を向けるとよいでしょう。

定量目標

定量目標とは、数字や数値で定める目標のことです。例としては、「1年以内に新規契約を5件獲得する」「インプレッション数を先月の3倍にする」「売上の前年比100%増を目指す」などが挙げられます。

定量目標はゴールが明確なので達成できたかどうかの判断がしやすいうえ、目標達成に必要な行動が分かりやすいでしょう。ただし、結果だけに着目して過程を軽視しやすくなる点には注意が必要です。

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定性と定量の違いを理解して、ビジネスシーンで活用してみよう

定性と定量は似た言葉ですが、それぞれの意味は異なります。定性的が数値では表せない要素を指すのに対し、定量的は物事を数値で表せる要素のことを意味します。それぞれにメリットとデメリットがあるので、本記事を参考にして使い分けてみてください。

なお、ビジネスシーンでは分析や目標設定をする際に定性と定量を使います。仕事で結果を出したり成長したりするためにも、定性と定量の違いをしっかり理解しておきましょう。

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