なぜベネフィットはマーケティングで重要なのか?見つけ方や使用するポイントも紹介

なぜベネフィットはマーケティングで重要なのか?見つけ方や使用するポイントも紹介
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ライター KeitoKurisu
埼玉県の美容学校を卒業後、銀座の美容室での経験を経て、雑誌・広告業界のヘアメイクとして活動。その後、SEOメディア事業や映像制作会社を立ち上げ、脚本とディレクター業務を行う。現在は、アート作品の個展を行いながら、フリーライターとして活動中。
エディター Kakuhata Kyosuke
同志社大学 生命医科学部医情報学科卒。在学中、基礎科学や生体情報の取得・制御、プログラミングについて学ぶ。大学院進学後Pythonデータ解析や生体化学を学んだあとライター業を開始。現在はフリーランスとして活動し、キャリア領域のメディアを中心にSEO記事を編集・執筆している。

ビジネスで成果を挙げるには、商品やサービスのベネフィットを理解して訴求することが大切です。しかし、「ベネフィットって具体的に何を指すんだろう…?」「メリットと何が違うの…?」と考える方もいるかもしれません。

そこで今回はベネフィットの具体的な意味やマーケティングで重要な理由、ベネフィットの種類などについて解説します。記事の後半ではベネフィットを仕事で活用する具体例も紹介しているので、マーケティング効果を高めたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

そもそもベネフィットとは

英語の「Benefit」は日本語で「利益」を指します。また「恩恵」や「便益」などと訳されることもあります。しかしビジネスやマーケティングにおいてのベネフィットは、意味合いがやや異なるのです。

具体的な定義は企業やマーケターなどによって認識がやや違いますが、ベネフィットとは「メリットから得られる未来や価値」と考えられることがあります。

例えば化粧水などには「肌を保湿する」機能が存在します。しかし消費者の多くは「肌がカサカサになることを防げる」「もちもち肌を実感できる」など、「商品を利用した未来」を求めることが一般的です。したがってマーケティングにおけるベネフィットとは、商品やサービスを使用した後に得られる体験ともいえるでしょう。

ベネフィットとメリットの違い

ベネフィットと混同して考えられる言葉として、メリットが挙げられます。しかし双方の意味は大きく異なります。

メリットは商品やサービスの特徴・機能を指す言葉であり、化粧水の場合は「肌を保湿できる」「ビタミンCが配合されている」などがメリットになるでしょう。またベネフィットとメリットの違いは、下記の商品やサービスの事例からも参考になります。

商品・サービスメリットベネフィット
家事代行自分が家事をする時間を削減できる仕事や子育てなどに必要な時間を確保でき、やりたいことができる
オーガニック食品2〜6ヶ月健康的な生活ができる健康状態が良くなり、精力的に生活できる

つまりベネフィットは、商品やサービスを利用した後に得られる変化や体験、満足感といえるでしょう。メリットはあくまで「特徴」や「機能」を指す言葉なので、間違えないように注意してください。

なぜベネフィットはマーケティングで重要なのか?

ベネフィットの意味は理解できたものの、「どうしてマーケティングで重要なの…?」と考える方もいるのではないでしょうか。ここからはベネフィットが重要とされる理由を見ていきましょう。ベネフィットを活用することにはさまざまなメリットがありますが、大きく分けると下記の2つです。

  • 訴求力が強くなる
  • 具体的なニーズが理解できる

順番に解説します。

訴求力が強くなる

広告やPRなどでベネフィットを前面に出すことでメッセージ性が高くなり、より強い訴求が期待できます。例えば運動などを促進するフィットネスアプリが「簡単に操作できる」と訴求しても、予想している成果につながらない可能性があります。

しかし「忙しい日常で1でも日5分で健康になれる」などのコピーであればユーザーがイメージしやすく、ダウンロード数は増加するかもしれません。

つまり商品やサービスのベネフィットを理解することは、顧客の感情に訴えるコンテンツの作成につながります。ただしベネフィットを伝えるには、画像や動画、文章などでの表現力を磨くことが大切です。したがって必要なスキルを学びながら、適切な方法でメッセージを作ってみましょう。

具体的なニーズが理解できる

ベネフィットは商品やサービスだけではなく、顧客のニーズ分析にも役立ちます。理由は、ユーザーはメリットではなくベネフィットを求めて商品を購入していると考えられるからです。例えば人気商品の機能や特徴(メリット)を理解することで、顧客が求める未来(ベネフィット)が理解できるかもしれません。

一方で機能性に優れているにもかかわらず一定以上の売上が出ていない商品を分析すると、その商品は消費者が求める未来と異なった性質があると想定できます。したがってベネフィットは、ビジネスにおいて重要なユーザーニーズの理解にも役立つのです。

マーケティングにおけるベネフィットの種類

ビジネスやマーケティングの世界では、ベネフィットを下記の3つに分類することがあります。

引用:SHElikesマーケティング入門コース_LESSON1「市場で取引されているのは価値」より

上記の3つは、経営学者・マーケティング理論家のデイビット・A・アーカ氏によって分類されたといわれています。非常に役立つ考え方なので、ぜひ参考にしてください。

機能的ベネフィット

機能的ベネフィットは、商品やサービスのメリットから得られる「利点」を指すことが一般的です。具体的には「自動掃除ロボット(機能)→時間が確保できる(未来)」や「よくきれる包丁(特徴)→料理が楽になる(未来)」、などが挙げられるでしょう。商品やサービスのメリットから連想されるベネフィットであり、消費者の購買行動にかかわる要素の一つです。

ただし機能的ベネフィットの訴求はターゲットによって効果が異なります。したがって製品のメリットからベネフィットを伝える際は、適切なペルソナ設定を行いましょう。

情緒的ベネフィット

情緒的ベネフィットとは、顧客の感情に焦点を当てたベネフィットのことです。具体的には感情的な満足感や達成感などが挙げられます。例えば高級車を購入する方には車の性能ではなく、「高級車に乗っている満足感」を求める方が一定数いると考えられます。アロマキャンドルを購入する方は、「キャンドルがもたらすリラクゼーション効果」を求めているかもしれません。

つまり情緒的ベネフィットとは、商品やサービスを利用して「どのような感情になるか」といえるでしょう。訴求する商品によっては情緒的ベネフィットは強い効果を発揮するので、ぜひ活用してみてください。

自己表現ベネフィット

自己表現ベネフィットはその名の通り、商品やサービスを利用した後に、自己表現や自己実現を達成できるベネフィットのことです。例えばファッションアイテムを選ぶ場合、「この服は自分らしいかな?」と考える方が一定数存在します。

賃貸などでも理想の暮らしを求めて住む住居を選ぶことも自己表現ベネフィットに該当するでしょう。したがって自己表現ベネフィットは、顧客が「自分らしくありたい」と求める未来とも考えられます。

顧客のベネフィットを見つける方法

ここからは、顧客のベネフィットを見つける方法を紹介します。ベネフィットの発見方法には多数のやり方が存在します。見つけ方に慣れていない方は下記の方法を活用してみてください。

上記の3つについて解説します。

顕在ニーズを深掘りする

顕在ニーズとは簡単にお伝えすると、「顧客が理解している欲求」を指します。具体的には、「洋服が欲しい」「美味しいご飯を食べたい」などのニーズが該当するでしょう。顕在ニーズをより深掘りすることで、顧客が欲求を満たしたい理由(潜在ニーズ)が見える可能性があります。

例えば「美味しいご飯を食べたい」と考える方は、自分へのご褒美やリラックスなどの情緒的ベネフィットを求めているかもしれません。潜在ニーズを理解することで相手が求めるベネフィットを適切に訴求できる確率は高くなるので、顧客ニーズの深掘りはしっかりと行いましょう。

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顧客リサーチを行う

適切なベネフィットをマーケティングで活用するには、顧客理解が非常に大切になります。なぜなら自分たちがベネフィットを提示しても、相手に刺さらない可能性があるからです。例えば競合商品を購入した顧客の購買理由などをリサーチすると、ユーザーが求めるベネフィットが理解できるでしょう。

アンケート調査などを実施して、得た回答からベネフィットを考えることも有力です。適切なベネフィットを考えるには顧客理解が大切なので、まずは調査を行って情報を集めてみましょう。

メリットからベネフィットを導き出す

自社商品の訴求内容を考える場合は、メリットからベネフィットを導き出すことも有効です。販売する製品やサービスに「つまり・だから何?」と疑問をぶつけることで、商品のベネフィットが理解できるでしょう。

例えば、「ビタミンC配合の化粧水」に「つまり・だから何?」を加えることで、「肌のトーンアップが期待できる」などのベネフィットが見つかります。さらに深掘りすることで、「タレントのようなツヤツヤ肌になれる」などのベネフィットを発見できるでしょう。

ただしベネフィットの深掘りに着地点はあまり存在しません。したがってメリットからベネフィットを導き出す際は、顧客の未来が「マズローの5段階欲求」に入った段階で一つの区切りにするとよいでしょう。マズローの5段階欲求はマーケティングでも役立つので、気になる方は下記の記事も参考にしてください。

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マーケティングでベネフィットを使用する具体例

ベネフィットはさまざまなビジネスシーンで役立ちます。しかし具体的な活用方法がまだわからない方もいるかもしれません。ここでは、マーケティング施策においてベネフィットを使用する具体例を紹介します。

ベネフィットの活用方法はその人によって異なりますが、今回は上記の4つでの使い方について解説します。

営業

ベネフィットは営業で活躍する要素の一つです。というのも新商品などの商談を行う際に製品の機能や特徴なとのメリットだけを相手に伝えても、「自分にどんな関係があるの?」と考えられるかもしれません。

しかし具体的なベネフィットを説明することで商談相手が具体的にイメージできるようになり、成約率が高くなると考えられます。

ただし訴求する適切なベネフィットの種類は顧客によって異なります。したがって市場調査など行いユーザーニーズを理解・分析したうえで、適切なアピールをすることが大切です。

広告運用

広告効果を高めるためにもベネフィットは重要です。例えば商品のメリットだけを紹介しているランディングページなどは読者が利用するイメージがもてず、すぐに離脱される可能性があります。しかし動画や画像、インタビュー記事などを掲載することで、顧客に提供できる未来を適切に伝えられるでしょう。

例えばテレビCMなどでは商品やサービスの特徴ではなく、利用した未来を表現する映像を使用することが見られます。人気の広告には高い確率でベネフィットが訴求されているので、競合他社のコンテンツを分析することも有効と考えられます。

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デザイン

広告やメディアなどでは、ベネフィットを連想させるデザインが求められます。というのもWeb広告で商品やサービスを販売する場合、それらを実際に使用しているイメージ画像などが広告効果に影響します。

例えば家具を販売する広告を作成する場合、材質の良さや座り心地などを表現するデザインスキルが必要です。こどもを対象にしたサービスをリリースするなら、ポップで楽しさが伝わる画像などが有効かもしれません。

ベネフィットから逆算してクリエイティブを実行すれば品質の高いコンテンツを作成できる可能性があります。したがって画像やバナーを作成している方は、ベネフィットの見つけ方をしっかりと理解しておきましょう。

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コピーライティング

コピーライティングの世界では、ベネフィットに焦点を当てたコピーが重要といわれています。例えばWeb広告でベネフィットを訴求する際にターゲットの深いニーズが理解できていると、相手が「欲しい」となる文章を執筆できるでしょう。

化粧水などの広告では商品のメリットの後に、「透明感のある肌が期待できる」などのベネフィット訴求が記載されていることがあります。またテレビCMなどでは先にベネフィットを提示して、根拠としてメリットを解説するコンテンツも見られます。

ライティングスキルを身につけるとベネフィットをより活用できるので、ぜひ文章の書き方なども勉強してみてください。

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ベネフィットをマーケティングで使うポイント

ここからは、ベネフィットをマーケティングで上手に活用するポイントを紹介します。具体的には下記の通りです。

  • 顧客の行動心理を分析する
  • 実践的な表現スキルを身につける

順番に見ていきましょう。

顧客の行動心理を分析する

マーケティングにおける行動心理とは、顧客やユーザーの「消費行動」を指すことが一般的です。というのも商品やサービスを購入するまでの心理には、一定の法則があると考えられています。

例えばSNSで製品を宣伝した場合、そのコンテンツを見た回数でユーザーの心理が変わる可能性があります。つまり顧客のフェーズごとに合わせた訴求をすることで、マーケティング効果を高めることが期待できるのです。

行動心理や消費行動を分析する方法はさまざま存在します。なかでも「カスタマージャーニー」は顧客の感情や思考を分析できるフレームワークなので、積極的に活用してみるとよいでしょう。

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実践的な表現スキルを身につける

ベネフィットを理解しても適切な表現スキルがない場合、読者や顧客に訴求できません。例えば文章でベネフィットを表現したいとしても実践的なノウハウがないと、メリットだけを前面に出すコンテンツになるかもしれません。表現したいデザインをイメージできても、配色や配置などの知識が必要になるでしょう。

逆にいえば、質の高いスキルを学習することでベネフィットを活用したマーケティングは高い効果が期待できます。したがって読者の心を動かすライティングや、相手の感情を沸きたてるデザインスキルは勉強して損はありません。

ベネフィットに関するよくある質問

最後に、ベネフィットに関するよくある質問を紹介します。

ベネフィットと価値の違いは?

ベネフィットと価値には違いがないと解釈したり、意味は異なると考えたりすることができるでしょう。たとえばマーケティングにおいての価値は消費者に対する有用性を指し、具体例としては品質や値段、ブランドイメージなどです。

一方でベネフィットはメリットから得られる未来と考えられます。のことです。そのため商品価値とはやや異なる性質が存在しますが、捉え方によっては「得られる未来」を価値と考えられます。また価値の判断基準にはベネフィットも含まれていると考えられるので、商品開発を行う際は双方の違いを把握しつつ、包括的に目を向けることも大切です。

ベネフィットの類語・対義語は?

ビジネスシーンでのベネフィットの類語・対義語は大きく分けると下記の通りです。

名称分類内容
アドバンテージ類語競争相手や他の選択肢により優位な状況を作ること
バリュー類語商品やサービスの価値
プロフィット類語金銭的な利益
ディスアドバンテージ対義語競争相手や他の選択肢により不利な状況を作ること
ロス対義語リソースの損失、機会損失など

上記の用語はマーケティングで使用される言葉なので、意味は理解しておきましょう。

ベネフィットを理解してマーケティング効果を向上させよう

ベネフィットはメリットから得られる体験や未来を指します。顧客が本当に求める未来や商品やサービスのベネフィットを理解することで、より成果の高いマーケティング施策を実施できるでしょう。ただしベネフィットを活用するには実践的なスキルが必要なので、まずは必要なノウハウを勉強してみてください。

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