コミットメントとは?意味や使い方をわかりやすく解説

コミットメントとは?意味や使い方をわかりやすく解説
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ライター Yukie
大学卒業後は金融機関の事務員として8年働く。その最中にSHEに出会い、自分らしい生き方を叶えるという理念に共感。現在はフリーのライターとして、時間と場所にとらわれることない自由な生活を実現している。FP3級・簿記2級を保有。
エディター Kakuhata Kyosuke
同志社大学 生命医科学部医情報学科卒。在学中、基礎科学や生体情報の取得・制御、プログラミングについて学ぶ。大学院進学後Pythonデータ解析や生体化学を学んだあとライター業を開始。現在はフリーランスとして活動し、キャリア領域のメディアを中心にSEO記事を編集・執筆している。

「今月の営業目標をコミットメントする」
「新しいプロジェクトにコミットメントする」

このような言葉を聞いたことはありませんか?最近ビジネスシーンにおいて、コミットメントという言葉を利用する機会が増えています。しかし、コミットの意味や使い方がよく分からないという人もいるかもしれません。

本記事では、「コミットメントとは」という具体的な言葉の意味から、ビジネス上における使い方を詳しく解説します。また後半では、社員における組織へのコミットメントを高める方法も解説しているので、ぜひ最後までお読みください。

コミットメントという言葉の意味は?

コミットメントとはわかりやすくいうと「責任をもって結果を約束する・真剣にかかわる」ことです。元々コミットメント(commitment)とは委託や公約、責任といった意味があり、コミットメントとはただの約束ではなく、責任をもって関与している状態を指します。

たとえば「営業成果を出せるように頑張ります」は、精一杯営業目標を達成できるように尽力するけれど、達成できない可能性も潜在的にあるかもしれません。一方で「営業成果にコミットメントする」であれば、「営業成果を出すことを約束して責任を果たす」といった意味合いがより大きくなるでしょう。「一人ひとりがプロジェクトにコミットメントしてほしい」という言葉を投げかけられたら、単に参加するだけではなく、一人の当事者として真摯に責任を持って話し合いに参加することが求められます。

ビジネスにおけるコミットメントの使い方

ビジネス上におけるコミットメントの使い方には主に以下の3つがあります。

一つずつ見ていきましょう。

結果を約束するという意味の使い方

コミットメントの使い方の一つ目として「結果を約束する」という意味があります。「10%の利益上昇にコミットメントする」や「プロジェクトの成功にコミットメントする」という形で用いられ、利益上昇やプロジェクト成功を必ず導くことを固く誓う形で表現されます。

したがってなんとなく頑張るという気持ちではなくコミットメントという言葉を使うのではなく、相手からの大きな期待に応え、成果を出すという覚悟を持つ場合に使うと良いでしょう。

真剣に関わるという意味の使い方

コミットメントの使い方の二つ目は「真剣に関わる」という意味です。たとえば「新規プロジェクトにコミットメントする」や「実りある研修にするためには受講者や講師一人ひとりのコミットメントが必要だ」といったものが挙げられます。これらの例文におけるコミットメントは、単に参加するということではなく、自ら主体的に取り組む姿勢を持ち、妥協することなく物事に積極的に関わっていくことを示します。

ビジネスにおいて、主体性を欠いた行動や状態は望ましくないため、熱意をもって物事に取り組むことが求められます。そのような場合に、コミットメントという言葉を使用するとよいでしょう。

責任を持つという意味の使い方

コミットメントの三つ目の使い方は「責任を持つ」という意味です。具体的な例文としては「部長や経営幹部が、社員メンバーが考えた目標数字に対してコミットする」「社長がこの企画に対してコミットメントする」といった形です。責任者の視点からみると、「承認する」と読み替えてもよいでしょう。

承認の意味合いが強くなる場合、主語は責任者であり、目標や企画などが個人の裁量ではなく、組織として責任をもって承認することを示します。組織として意向を確認する必要がありますが、プロジェクトや商談などが組織として承認済みの確実な内容であることを相手に伝えたい場合にコミットメントを使用してみてください。

組織へのコミットメントの種類

組織へのコミットメントの種類は多くありますが、主に以下の3つがあります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

情緒的コミットメント

情緒的コミットメントとは「所属する会社への愛着や誇りといった、組織に対する感情」を指しています。たとえば、組織が「常に世の中のために挑戦し続ける」という価値観を持っているとします。「自己成長や他者のためを思い、挑戦し続ける」という考え方を大切にしている人であれば、組織に強く共感してくれる可能性があるでしょう。情緒的コミットメントが高いほど、会社に対して愛着を持ち、貢献したいという意欲が生まれるはずです。

功利的コミットメント

功利的コミットメントとは「損得勘定に基づいて組織にとどまっている状態」を指します。具体的には「給与が多くなることで新しいことに挑戦できたり、自分の好きなことや大切なことに時間を費やせたりする。この組織に属していれば結果的に幸福度を高められる。」とメリットを意識する場合です。

社員は少なからず、自分にとってメリットがあるかを物事の判断基準の一つとすることも多いでしょう。労働時間が長いのに給与が少なく、自身の成長が見込めないと判断されてしまうと、功利的コミットメントが低下する可能性があります。

規範的コミットメント

規範的コミットメントとは「組織に尽力すべきだという義務感によって結束している状態」をいいます。特に理由はないものの、組織の目標やルールが第一だと考えて会社に尽くしてくれる一方で、自ら変化を起こさないといった受け身な側面もあります。

規範的コミットメントが高いと、組織を自ら変革するような行動を起こさないものの、組織の中の目標に対して成果を上げようと努力する傾向があるでしょう。

組織のコミットメントを高める方法

組織のコミットメントを高めていく方法について3つの方法があります。

一つずつ見ていきます。

企業理念やビジョンの整備

企業理念やビジョンは、会社として大切にする価値観を示すものでもあります。また自社の目的を達成するためには社員一人ひとりに「会社が目指す将来の姿」へ共感してもらい、一体感をもちつつ、同じ目標に向かって活動することが効果的です。そのためにも、まずは行動指針の根幹となる企業理念やビジョンがぶれていないかを入念に整備し、社員が迷いなく行動できるように共有することが重要です。

これらの活動は、先に説明した情緒的コミットメントを高める効果も見込めます。また社員一人ひとりの生産性を高めることや、価値観のミスマッチや入社前後の働き方のギャップが引き起こす離職などの問題解決にもつながるでしょう。

オープンな職場環境作り

オープンな職場環境は風通しのよい職場環境とも読み替えることができます。「オープンではない」職場環境の一つとして、気軽に同僚や上司に相談できない環境があげられるでしょう。真面目な社員であればあるほど、自らのキャパシティを超えたタスクを抱える場合においても、同僚や上司に気を遣って頼ることができない場合もあります。

この状態を放置すると組織のコミットメントは低下してしまうため、協力を要請しやすい風土を醸成したり、周囲が声をかけてあげられる仕組みを整えたりすることが有効です。他にも、組織の意思決定に社員の意見が反映される仕組みがあると情緒的コミットメントは高まりますし、社員同士の関係が良好だと規範的コミットメントの向上も期待できます。

社員の適性に合わせた人事配置

社員の能力を最大限に引き出す人事配置も組織コミットメント向上に有効です。自らのポテンシャルを発揮できる環境で活躍することは、個人の成果だけでなく、居心地の良さや成長する未来を予感することにもつながります。

すなわち、「この会社にいると自分自身のキャリアがより良いものになる」と功利的コミットメントを高めることにも期待できるでしょう。本人の適性に合った業務を割り当て、仕事の満足度を高めるという観点では、情緒的コミットメントを高めることにも通じており、重要なアプローチの一つとなります。

さまざまな分野のコミットメントの意味

コミットメントは分野ごとに使われる意味が異なりますが、今回は以下の2つのコミットメントの意味について解説します。

  • 心理学におけるコミットメント
  • 経済学におけるコミットメント

詳しく見ていきましょう。

心理学におけるコミットメント

心理学においては「コミットメント効果」という言葉としてコミットメントが登場します。たとえば何かしらの目標を設定した場合、他の誰かにその目標を宣言することで、あえて逃げ道をなくして自分を追い込んだ経験のある人もいるのではないでしょうか。このように達成すべき目標を対外的に宣言することで目標達成率が高まる効果のことを指します。

無理は禁物ですが、宣言との一貫性を持たせようとする心理が働き、目標達成に向けた行動が強化され、結果として達成率を高めることにつながります。

経済学におけるコミットメント

経済学の分野で用いられるコミットメントはビジネスや心理学で用いられる意味とやや異なります。具体例としては、よく家電量販店で見かける最低価格保証制度が該当します。

この制度は、他店と同額まで商品価格を引き下げることを保証しており、お客さんとしては他店で購入する必要がなくなり、店舗としては他店との無意味な価格競争を避けることができます。この事例のように、経済学におけるコミットメントの一つとして「対象が特定の行動しかとれなくするような実効性のある仕組みを作ること」を指します。

コミットが使われる言葉を紹介

コミットが使われる言葉について以下の2つを紹介します。

  • フルコミット
  • オーバーコミットメント

それぞれ見ていきましょう。

フルコミット

フルコミットはその字の通り、全力でコミットするということを意味します。元々、コミットは「責任をもって結果を約束する、真剣に関わる」という強い意味を持っていますが、さらに自分の果たす責任を強調する場合に用います。具体的には、あるプロジェクトの成果や結果に全力で取り組んで、全面的な責任を負うことを表明する場合が挙げられます。かなり強いニュアンスを持つ言葉なので、安易に使わないようにしましょう。

オーバーコミットメント

オーバーコミットメントとは、過剰にコミットするということを意味します。「越権行為」とも言われますが、もう少しかみ砕くと、自分の担当範囲を超えて余計な介入をすることです。この場合の介入先は他人だけでなく、自分自身も含みます。

たとえば、必ずしも引き受ける必要はない雑務を抱え、遅くまで残業する状況も該当します。この状況は個人の身体的、精神的な負担や組織の成果を鑑みても好ましくありません。適切な自己管理や優先順位付けを含むタスク管理はもちろんのこと、組織としても社員の働き方をよりよくする仕組み作りが重要です。

「コミットメント」の意味を理解して、高める方法を模索してみよう

この記事では「コミットメントとは」について詳しく解説しました。コミットメントとは「結果を約束する」「真剣にかかわる」「責任を持つ」という意味が含まれており、組織内においてコミットメントを高めていくことは非常に重要です。コミットメントについて理解することで、組織内の活性化を目指していきましょう。

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