仕事のモチベーションを高めるために設定したいのが個人目標です。目標を定めることで自分の理想とする姿に一歩近づきます。しかし、実際に仕事での個人目標の書き方が分からないと悩まれる人もいるかもしれません。
この記事では「個人目標の書き方ステップ」「個人目標の具体的な例文」を解説していきます。仕事のモチベーションを上げたい方、理想の自分に近づいていきたい方はぜひ参考にしてみてください。
仕事で個人目標を持つことのメリット
仕事において個人目標を持つメリットは、主に4つです。
それぞれ見ていきましょう。
効率的に成果を出すことができる
個人目標を掲げることで、成果を出すスピードが高くなります。たとえば「今週までにクライアントに記事の構成を5件提出する」という目標を定めたとします。この目標に対して自分がやるべきことを具体的にリストアップし、細分化することで目標達成への道筋が明確となります。
目標とやるべきことを定めれば、成果をあげるスピードが各段に早くなるのです。効率的に成果をあげるためには目標を定めるといいでしょう。
モチベーションが向上する
個人で目標を設定することで、仕事に対して前向きな姿勢で取り組めるようになります。目標というのはなりたい理想の自分(最終目的)に近づくために設定するものです。
たとえば、「ライティングスキルを身につけ、ディレクターとして指導する立場になりたい」「動画編集を学び、今持っているデザインのスキルを動画制作に活かせるマルチクリエイターになりたい」などがあげられます。その想いを目標にしていくことで、自然とやる気が湧き出ることでしょう。
達成感を味わえる
実際に目標を達成することで、過去の自分よりもっと理想の自分になれたという充実感や達成感を味わえます。過去の自分のままでは到達しえなかったことを、ひたむきに努力を積み重ねたことで達成した目標は自分の財産になりますし、自分の頑張ってきた成果として達成感が得られます。目標を設定して達成した時のうれしさは格別なものです。
自信がつく
目標を達成することで自分に自信が持てるようになります。目標達成には努力が欠かせません。達成に向けてあきらめずに努力し、目標を達成できたとき、頑張ってきた自分に自信が持てます。またさらに高い目標を設定しても、成功体験から「きっと自分にはできる」と自信をもって取り組んでいけるでしょう。
目標の設定から達成までの過程は、自分の自信を高め、自己肯定感を高めてくれる効果もあるといえます。

目標設定に活用できる「SMARTの法則」とは
SMARTの法則とは、以下5つの基準をもとに目標設定する方法をいいます。
営業の仕事の例を交えて具体的に解説します。
Specific:具体的であること
具体的な個人目標を設定します。たとえば、「営業で成果を出す」という目標を具体化した例として、「4月の売上を増加させる」などがあげられます。具体的に目標設定をおこなえば、目指すべき領域がより明確にイメージできます。
Measurable:測定可能であること
目標自体が定量的に測定可能であることも大切です。前述した「4月の売上を増加させる」といった目標に対し、「売上100万円」や「前月と比べて10%の売上アップ」などが測定可能である状態といえるでしょう。数値で表すことで定量的かつ公正な評価ができます。
Achieable:達成可能であること
実現が不可能な目標は、モチベーション低下や「目標設定」自体の意味を失う可能性があります。達成が簡単すぎることは避けるべきかもしれませんが、あまりにも非現実な目標を設定しないように注意しましょう。
Relevant:関連性があること
目標が個人的な利益、もしくは会社の成長につながるといった関連性があることも考えましょう。たとえば個人でいうと、自分のスキルが磨かれたり、目標を達成したことで給与がアップしたりなどがあげられます。目標達成による利益をイメージすることで、仕事へのやる気も高まりやすいはずです。
Time-related:期限があること
期限がなければ、やるべきことを後回しにして目標を達成できなかったり、達成が先延ばしとなる可能性があります。明確な期限を決めて計画を立てることで、必要なアクションに優先順位をつけて取り組み、その都度において注力すべきことが明確となります。
個人目標の基本的な書き方のステップ
目標を定める上での基本的なステップは以下のとおりです。
具体的に中身を見ていきましょう。
1.最終目的を確認する
目標を立てるときには、はじめに自分がどうなりたいのか理想の自分を思い描くようにしましょう。最終的な目的が見えないと、目標を設定してもモチベーションが下がってしまいかねません。
自分がなりたい姿や最終的な目的を明確にすることで、目標達成への意欲が沸いてきます。自分の理想の姿はどのようなものかを確認することは、目標達成へのスピード感を高めてくれるきっかけになります。
2.最終目的の達成に必要な目標を書き出す
最終目的を確認したら、達成に必要な目標をたくさん書き出してみましょう。たとえば「1年後の今、フリーランスとして働きたい」ということを最終目的にしたら、フリーランスになるためのスキルを習得する必要があります。具体的に「Webデザインを学ぶ」「動画編集ができるようになる」「会社で働きながらまずは月5万円を稼いでみる」といった具合です。思いつく限り、最終目的に向けた目標を書き連ねてみましょう。
3.目標に優先順位をつけて整理する
たくさん目標を書いたら、優先順位をつけていきましょう。優先順位のつけ方としては、最終目的を達成するために絶対に欠かせないものは何かを明確にするといいでしょう。
たとえば「フリーランスになる」という最終目的を立てたら、「Webデザインのスキルを身につける」は第一優先となり、「Webデザインの仕事を受注して月5万円収入を得る」という目標は少し先にするといった具合です。優先順位を整理することで目的達成への道筋を立てていきます。
4.目標について数値目標と行動目標を定める
目標に優先順位をつけたら、最終段階の具体的な数値目標・行動目標を加えていきましょう。たとえば最終目的達成のために「今年の3月末までにWebデザインを学びスキルを習得する」という目標を定め、さらにその目標達成のために「毎日1コマスキル取得の動画を視聴する」「毎朝1時間勉強する」といった形でより細かな数値目標と行動目標を立てることで、最終目的達成への道筋が鮮明になります。


【職種別】個人目標の例文
それでは、個人目標を定めていくうえで具体的にどのように設定していけばいいのか、それぞれの職種で例文を挙げながら解説していきます。
それぞれ詳しく見ていきます。
営業職
営業職は、自社製品やサービスの販売個数や売上などに対する目標を定めていくといいでしょう。個人目標を上回るとともに同じチームの営業成績にも貢献できる目標を立てることがおすすめです。
目標の内容
「年間で〇〇万円の売上を達成する」「年間で販売個数〇〇個以上を売る」
達成期限
四半期、上半期、下半期、年間
行動計画
- 1日○件のアポイントを取る
- 1か月のうちにお客様にDMを〇通送る
- 1か月で〇〇円売上達成
- 1か月で〇〇個以上販売する
評価基準
- 売上の達成状況
- 売上販売個数
- アポイント取得件数
技術職
技術職はプロジェクトで進めることが多いため、プロジェクトの成果に対して目標を立てていくといいでしょう。また専門知識に対するスキルの取得も組み込むとなおよいです。
目標の内容
「〇〇の工程を担当し、期日までで仕様通りに完成」「〇〇工程の知識とスキルを身につける」
達成期限
プロジェクトにおける期日、四半期、上半期、下半期、年間
行動計画
- 〇月までに工程3まで完成させる
- 〇月までに〇〇工程に関するマニュアルを読み終える
評価基準
- 不良品の検出率〇%以下
- 〇〇工程における期日完了状況
広報職
広報は社外の人に対しては「ブランド好感度」「SNSなどのPV数やコンバーション数」、社内の人に対しては「従業員満足度」など具体的に数字に表せる目標を立てていくと達成度合いが分かりやすいです。
目標の内容
「ブランド好感度〇%向上」「自社関連のSNS投稿件数〇〇件以上」「従業員満足度〇%達成」
達成期限
四半期、上半期、下半期、年間
行動計画
- 〇月までにプレスリリースを〇件発信
- 1日に〇回以上SNS投稿
- 社内イベントの企画
評価基準
- ブランド好感度
- 自社関連SNS投稿数
- 従業員満足度
マーケティング職
マーケティングは売上を増やすことを目的としているため「売上高」「利益率」はもちろん、「新規顧客獲得数」などのブランド認知やブランド力向上の指数を組み込んで目標としていくとよいでしょう。
目標の内容
「前年比売上高〇%向上」「利益率〇%以上」「新規顧客獲得数〇人以上」
達成期限
四半期、上半期、下半期、年間
行動計画
- 〇月までにアンケート調査・市場調査実施
- 四半期に1回 集客イベント企画を実施
- 〇月までに商品・サービス購入者のデータ分析
評価基準
- 年度売上高
- 新規顧客獲得数
- ブランド認知度
事務職
事務職は数値化するのが難しい職種ですが、業務効率化や事務能力の向上、事務ミスの削減などの目標を設定していきましょう。可能な範囲で数字を組み込み、達成度合いが見えるようにしてください。
目標の内容
「事務作業のマニュアル化」「事務ミスを年に〇件以下」
達成期限
四半期、上半期、下半期、年間
行動計画
- 〇月までに事務マニュアル作成完了
- 1か月での事務ミス件数〇件以下
- 〇月までに事務のマニュアルを読み切る
評価基準
- 残業時間などの生産性
- 事務ミス件数
- 事務能力の向上達成度合い
システムエンジニア
システムエンジニアはプロジェクトにおいて総合的なスキルが求められています。技術分野・実績分野・資格スキル習得などのそれぞれの項目で目標を立てていくとよいでしょう。
目標の内容
「〇〇試験取得」「新しい言語の習得を〇個以上」「プログラミング実績〇件以上」
達成期限
プロジェクトごと、四半期、上半期、下半期、年間
行動計画
- 1か月に〇件以上のプログラミング実績を積む
- 〇月に〇〇試験を受ける
- 〇月までに新しい言語を習得
評価基準
- プロジェクト貢献度
- スキルや知識の習得状況
- 資格取得
個人目標の設定における注意点
個人目標を設定するうえで注意しなければいけないことが3つあります。
一つずつ見ていきましょう。
目標達成だけに固執しない
目標を達成することは大切なことですが、達成することだけにこだわりすぎないようにしましょう。目標はあくまで最終目的を達成するためのものであるため、目標が変わったり、新しい目標ができたりする可能性が十分あり得ます。
たとえば「フリーランスになる」という最終目的のためにデザインを学んでいるけれど、ライティングのほうが自分にはあっていると思ったら目標を変えてもいいのです。目標は変わることが十分あることを念頭に置いておきましょう。
プロセスも評価する
目標を達成できなかったとしても、自分が頑張ってきたプロセスも評価していきましょう。たとえば「3月末までにWebデザインの動画を見終える」という目標が達成できなかったとします。目標が達成できないとモチベーションは下がってしまいますが、過去の自分と比較して今の自分ができるようになったことを考え、目標達成に向けて頑張った自分をほめてあげてください。プロセスを評価することで、最終目的に対する自分の意欲がなくなることを避けましょう。
達成可能な目標を設定する
目標は達成可能なものにしておきましょう。たとえば最初の目標は「いつもより30分早く起きて、勉強する」といったものや「通勤中やお昼時間に勉強をすることで、毎日1時間勉強時間を確保する」といった簡単なもので構いません。
高い目標ばかりで達成できないと、どうしてもモチベーションが下がってしまいます。少し頑張れば手の届きそうな目標を立てるようにしましょう。

例文を参考にして個人目標を立てて、より一層仕事を充実したものにしていこう!
今回は仕事における個人の目標の立て方について例文を交えながら解説しました。
目標を立てていくにあたり「最終目的を確認する」「最終目的達成のために必要な目標を書き出す」「目標に優先順位をつけて整理する」「目標について数値目標と行動目標を定める」という手順で行っていくと、目標達成までの道筋が見えやすくなるでしょう。ぜひ目標をたてて仕事をより充実したものにしていきましょう。
SHElikes(シーライクス)はWebデザインやマーケティング、ライティングなどさまざまなスキルが学べる女性向けキャリアスクールです。目標設定や自己管理を行いながら全40以上のスキルを学習できます。自分らしい生き方を目指して身に付けたいスキルがあれば、ぜひSHElikesをご活用ください。興味がある方は、まず無料体験レッスンに参加することから始めてみましょう。
女性向けキャリアスクールSHElikes無料体験レッスンはこちら

