データベーススペシャリストとは?試験の概要やおすすめ参考書を解説

データベーススペシャリストとは?試験の概要やおすすめ参考書を解説
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ライター Keisuke Ito
一橋大学卒。投資銀行や資産運用会社での社会人経験がある傍ら、ライターとして5年ほどの実績。転職や起業、キャリア形成や資産運用、不動産投資など多様なジャンルで多数の記事の執筆実績あり。証券アナリスト資格保有。
エディター Kakuhata Kyosuke
同志社大学 生命医科学部医情報学科卒。在学中、基礎科学や生体情報の取得・制御、プログラミングについて学ぶ。大学院進学後Pythonデータ解析や生体化学を学んだあとライター業を開始。現在はフリーランスとして活動し、キャリア領域のメディアを中心にSEO記事を編集・執筆している。

IT系の資格のひとつ、データベーススペシャリストについてご存じでしょうか。この記事では、データベーススペシャリストの概要や試験の難易度などを詳しく紹介します。

データスペシャリストについて詳しく調べている人も、少しだけど興味があるといった人もぜひ最後まで目を通してみて下さい。

データベーススペシャリストとは

データベーススペシャリストとは、膨大な量のデータを管理をし、クライアント先に要求されたデータベースを設計・開発するITの専門家を指します。

ITの普及により、現代ではビジネスにおいてデータ活用が必要不可欠です。データベースを管理するデータベーススペシャリストは、世界中で強いニーズがある職種となっています。

データベーススペシャリストは、データベースの設計・開発を行うスキルが求められます。また、データベースを管理するための知識・能力も必要です。

データベーススペシャリスト試験の概要

日本において「データベーススペシャリスト」は、データベースを扱う専門家であることを示す国家資格です*1資格取得のためには、データベーススペシャリスト試験に合格しなければなりません。

データベーススペシャリストの試験は、午前1・午前2・午後3・午後4と4つの時間に分けて行われます。ここからは、データベーススペシャリスト試験の概要について詳しく紹介していきます。

出題内容

出題内容は定期的に一部変更されるため、試験勉強を始める際は必ず試験要綱を確認しておきましょう。4つに分かれている試験それぞれの合格点は100点満点中60点以上*2です。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の試験要綱*3と過去問*4によると、出題内容は主に以下となっています。

午前1試験

応用情報技術者試験の「午前」に出題される問題から、30問が出題されます。応用情報技術者試験の分野から多種多様な問題が出題されます。過去の出題での割合はテクノロジー関連17問・ストラテジー関連8問・マネジメント関連5問程となることが多いです。

午前2試験

データベース・セキュリティ・コンピューター構成要素・システム構成要素・ソフトウェア開発管理技術・システム開発技術が試験範囲です。

6つの分野から偏りなく問題が出題されます。午前1試験と重複する内容もありますが、午前2試験の方が、難易度が高い傾向にあります。特に、データベース関連の問題はかなり難易度が高い傾向があるため、充分な試験対策をして試験に臨みましょう。

午後1試験

データベース設計・データベース基礎理論・DBMS(データベース管理システム)の保守・運用の問題が、3問出題されます。3問から2問を選んで解答します。

午後2試験

データーベースの技術・運用・管理の内容を含んだ総合的な問題が2問出題されるので、1問を選び解答します。問題の文章は10ページ以上にも及びます。

長文から要点を探し出し、決められた文字数で解答しなければなりません。データベースに対しての深い造詣に加えて、国語の知識も必要です。

過去問の傾向

それぞれの試験時間の問題の傾向を解説します。

午前1試験

午前1試験は、過去問題からの出題が非常に多い傾向にあります。主に応用情報技術者試験の午前試験から出題されるので、午前1試験と応用技術者試験の過去問題をしっかりと勉強しましょう。

午前2試験

データベースの分野とセキュリティの分野から、多くが出題される傾向にあります。最新の事例に関する問題が出題される試験も増えています。最新の情報分野の情報収集も、試験対策として進めておきましょう。

午後1試験

過去の問題では、実用的な技術に関する問題が出題されることが多い試験です。たとえば、データベースの設計案・開発・運用といった問題が多く出題されてきました。

午後2試験

午後1試験と同じように、実用的な技術に関する出題が多い傾向です。データベースを扱う業務での、実務能力が問われる問題となっています。

試験時間と出題形式

データベーススペシャリストの試験時間は以下になります*1

  • 午前1試験50分(9:30~10:20)
  • 午前2試験40分(10:50~11:30)
  • 午後1試験90分(12:30~14:00)
  • 午後2試験120分(14:30~16:30)

出題形式は、午前1試験と午前2試験が四肢択一式(※)です。午後1試験が3問の中から2問選択の記述式、午後2試験は2問の内1問選択の論述式です。

※:四肢択一式とは、4つの選択肢のうち、各問題における指定条件と合致するものを選択して解答する形式のことです。

試験日と受験会場

試験日は年に1度で、特別な変更などなければ毎年10月の第2日曜日が試験日です。受験会場は全都道府県の主要都市となります。受験会場は人数が定員数に達すると希望する近場の会場で受けられなくなるので、余裕を持って会場を申し込みましょう。

申し込み方法と受験料

申し込みは、処理を委託されている株式会社シー・ビー・ティー・ソリューションズの受験者専用Webサイトにて受け付けています。独立行政法人情報処理推進機構のホームページから行います。申し込み概要欄や試験の案内書などによく目を通してきましょう。

受験料は税込で7,500円*5です。受験票は試験日がある月の初めに届きますので期日に余裕を持って申し込みを行った人は受験票が届くまで少し時間がかかります。

データベーススペシャリスト試験の難易度

データベーススペシャリスト試験の難易度は、非常に高いとされています。試験を実施している情報処理推進機構の発表している各IT系の資格試験の難易度では、最上位のスキルレベル4に分類されています。

令和5年度の秋期試験の合格率は18.5%*6となっていて、高難易度であることが伺えます。合格のためには、4つの試験全てで100点満点中60点を取らなければなりません。

点数だけ見ればさほどハードルが高くないと感じますが、午後試験が難解な長文の記述・論術問題のため、合格点に達するのは容易ではありません。

データスペシャリストの資格が役に立つ仕事

データベーススペシャリストの資格は、次のような職業に有効です。

  • データベースエンジニア
  • データベース管理者(DBA)
  • データサイエンティスト
  • データアナリスト
  • インフラエンジニア

それぞれの仕事について、詳しく紹介します。

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、データべースの専門家です。仕事内容はデータベースの設計・開発・運用まで行います。データベーススペシャリストの資格を持っていると、データベースエンジニアとしてキャリアアップも叶います。資格保有が、データ管理・運用を的確かつ効率的に行えることの証明になるからです。

データベース管理者(DBA)

データベース管理者とは、企業が持つデータを利用者が使えるよう開発・管理をする仕事です。たとえば、開発者やシステム管理者と協働して、スマホアプリの快適な使用環境を維持するためにデータベースを管理します。データベーススペシャリスト資格で培われる知識は、データベースを扱う際に役に立ちます。

データサイエンティスト

データサイエンティストとは、データから様々な情報を集めて分析を行う専門家です。

データサイエンティストは膨大な情報量のビッグデータを扱います。この膨大な情報の中から必要な情報を抜き出して分析をし、そのデータを利用していく仕事です。

現代の企業は膨大なデータを蓄積しています。データサイエンティストは、データ分析に基づき、企業の経営戦略の策定や課題解決を行います。データベーススペシャリストの知識は、データサイエンティストとして働くうえでも有効です。

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データアナリスト

データアナリストの仕事内容は、エンジニア型とコンサル型の2つに分かれます。エンジニア型のデータアナリストは、ITエンジニアの仕事と似ています。たとえばWebメディアの運営などでデータのアクセス解析などを行う仕事です。

コンサル型は、クライアントの課題を解決するためにデータ分析を行い、課題解決を提案から実行まで支援します。クライアントの業務効率化や競争力の強化などを実現する仕事です。

データベーススペシャリストの試験勉強を通じて、高度なデータベースの企画・開発・運用を行う技術を習得できます。試験勉強で培った内容が、データアナリストの仕事に役立つでしょう。

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インフラエンジニア

インフラエンジニアとは、ITインフラを専門に扱うエンジニアのことです。複数のIT技術職をまとめてインフラエンジニアと呼びますが、その中にはデータベースに関する技術職も含まれています。

インフラエンジニアが取り扱う仕事は、ネットワークやサーバーを扱うものが多いです。特にサーバーを扱う際に、データベースサーバーを扱う場面が多いため、データベーススペシャリストの資格が役に立ちます。

データベーススペシャリストの年収目安

求人ボックスによると、データベースエンジニアの平均年収は正社員で588万円*7、派遣社員の場合は時給で2,449円*7です。

データベーススペシャリストの資格は、高い専門性を有することの証となります。データベースエンジニアやデータベース管理者などの職種によって異なりますが、さらなら年収アップが期待できるかもしれません。企業によっては、資格保有者には資格手当が支給される場合があります。

データベーススペシャリスト試験の勉強におすすめの参考書

データベーススペシャリストの試験勉強に臨もうと思っても、どの参考書を使うべきなのか悩みますよね。そこで、おすすめの参考書を2つ紹介します。

「データベーススペシャリスト教科書」著:株式会社わくわくスタディワールド 瀬戸美月

試験合格のための必須知識を詳しく解説しているテキスト・問題集です。基礎知識から丁寧に解説されているので、初めて勉強を始める人におすすめです。

解説を読みながら例文を解くことで、知識を身につけられる内容となっています。難しい分野にも、ヒントが多数書かれていて、読者の理解を助けてくれます。

また、出版社の「わくわくスタディワールド」のAIが過去問から傾向を分析して、試験対策に盛り込まれているのが特徴です。また、スマホでも読める電子版をダウンロードできます。

「情報処理教科書 データベーススペシャリスト」著:ITのプロ46、三好 康之

「情報処理教科書データベーススペシャリスト」は、データベーススペシャリスト試験の参考書の決定版との声も多い書籍です。丁寧に解説されている事柄が多く、試験勉強を慎重に進めていきたい人に向いています。

情報技術の基礎が出来ている人向けの参考書なので、初めて情報技術を学ぶ人には難しく感じるでしょう。

一方で、難易度の高い午後試験の文章問題への対策などが詳しく解説されています。すでに情報技術の基礎があり、早期合格を目指す方におすすめの一冊です。

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「データベーススペシャリスト 総仕上げ問題集」著:アイテックIT人材教育研究部

「データベーススペシャリスト総仕上げ問題集」は、次の3ステップで実力をのばせる参考書です。

  • Webテストで知識レベルを確認
  • 5回分の出題傾向とその解答方法を理解
  • 試験本番を想定した実力診断テストにトライ

試験の過去問と詳細な解説、今後の試験の出題傾向の分析が掲載されています。試験勉強の総仕上げに適した参考書です。

正解・不正解の双方の解答について詳しく解説しているので、間違えた原因を確認できます。学校教材や企業の内定者・新入社員の教育にも使用されているため、信頼できる参考書です。

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データベーススペシャリストに関連する資格

データベーススペシャリストに関連する資格は多くあります。ここでは、特に人気がある次の3つの資格を紹介します。

  • 情報処理技術者試験
  • オラクルマスター(ORACLE MASTER)
  • AWS認定資格

情報処理技術者試験

「情報処理技術者試験」とは、数ある情報技術系の試験の総称です。データベーススペシャリスト試験も、情報処理技術者試験のうちのひとつです。

コンピューターの基礎知識が試験内容となる基本情報技術者試験とITパスポート試験は、初心者でも合格しやすい資格です。少し難しい試験には、応用技術者試験があります。今回紹介したデータベーススペシャリスト試験は、更に難易度の高い試験のひとつです。

なお、つぎのいずれかを満たせば、その後3年間は情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前1試験が免除されます。

  • 応用情報技術者試験に合格
  • 情報技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格
  • 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前1試験で基準点以上の成績を獲得

情報処理技術者試験について詳しく知りたい方はぜひ以下記事をご覧ください。

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オラクルマスター(ORACLE MASTER)

オラクル製品を扱うスキルがあることを証明する資格です。オラクル製品は、データベースのシェア世界一の製品となっています。資格を持っていれば、キャリアアップや転職などに役に立つでしょう。

オラクルマスターは4つのレベル(Bronze・Silver・Gold・Platinum)に分かれており、それぞれ難易度と証明できるスキルが異なります。

参考:ORACLE MASTER Portal – be an ORACLE MASTER – | オラクル認定資格制度 | Oracle University

AWS認定資格

AWS(Amazon Web Service)認定資格は、Amazonが提供するクラウドサービス「AWS」のスキル・専門性を証明する資格です。

いくつか資格試験に種類があり、難易度が細かく異なります。企業によっては、このAWS資格を重要視しているところもあり重宝される資格です。

参考:AWS 認定 – AWS クラウドコンピューティング認定プログラム

データスペシャリストを取得してキャリアアップに役立てよう

今回はデータベーススペシャリストの仕事内容や資格取得試験、おすすめの参考書などを詳しく紹介しました。データベースの分析・運用に関する専門性があれば、さまざまなIT関連の仕事に就くチャンスが広がります。

データベーススペシャリストに興味がある方は、ぜひ資格取得にチャレンジしてみてください。

女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)では「データ分析」に関するカリキュラムをはじめ、さまざまなWeb関連、IT関連のスキルアップに役立つ講座を開いています。

無料体験レッスンも実施しているので、興味のある方はぜひ参加してみてください。

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<出典>
*1: IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「データベーススペシャリスト試験」より
*2: IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験」p14より
*3: IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験」p38より
*4:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「問題冊子・配点割合・解答例・採点講評(2023年度、令和5年度)」より
*5:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「スケジュール、手数料など」より
*6:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 統計情報」p3より
*7:求人ボックス「データベースエンジニア関連の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。